轟焦凍は考える
(負けた……ジョバァーナだけじゃあない。爆豪にも…緑谷にさえも…俺は…出し抜かれた……)
“半冷半燃”の個性。大規模な炎と氷を操る事ができるこの能力は、まさに他の追随を許さない強力な個性と言えるだろう
しかし、轟は自らの個性を憎む。正確には…左半身から生み出せる『炎の部分』を
決して「
だがこの
上を見る。視線の先にある観客席の出入り口…そこにヒゲや顔、ヒーロースーツの一部をメラメラと炎で燃やす…忌々しい
No.2ヒーロー「エンデヴァー」
その目には、反抗する子供を眺めるような呆れた感情が存在しており、それを見た轟は憎悪の『炎』をさらに燃やす
(おまえを完全に否定してやる…右の力だけで勝って)
エンデヴァーの抱く野望…その為だけに過程を捨て、結果だけを求め、自分と母の人生をメチャクチャにした事実に怒りを抱く轟だが、彼は気づかない
(それが俺と……母さんの復讐だ…!!)
目的の為に周囲を顧みない轟の目は、執着に囚われた父親と同じ目をしていることに
障害物競走が終わり、ゴールをくぐり抜けた生徒たちがスクリーンの前に立つミッドナイトに視線を向ける
「さて!上位42名が予選通過者ですが、残念ながら落ちちゃった人も安心なさい!この体育祭ッ!まだ見せ場は用意されているわ!!」
そう解説するミッドナイトの背後のスクリーンには、先ほどの障害物競走の順位が記されている
『1位 ジョルノ・ジョバァーナ
2位 爆豪 勝己
3位 緑谷 出久
4位 轟 焦凍
5位 塩崎 茨
6位 骨抜 柔造
7位 飯田 天哉
8位 常闇 踏陰
9位 瀬呂 範太
10位 切島 鋭児郎
11位 鉄哲 徹鐵
12位 尾白 猿夫
13位 泡瀬 洋雪
14位 蛙吹 梅雨
15位 障子 目蔵
16位 砂藤 力道
17位 麗日 お茶子
18位 八百万 百
19位 峰田 実
20位 芦戸 三奈
21位 口田 甲司
22位 耳郎 響香
23位 回原 旋
24位 円場 硬成
25位 上鳴 電気
26位 凡戸 固次郎
27位 柳 レイ子
28位 心操 人使
29位 挙藤 一佳
30位 宍田 獣郎太
31位 黒色 支配
32位 小大 唯
33位 鱗 飛龍
34位 庄田 二連撃
35位 小森 希乃子
36位 鎌切 尖
37位 物間 寧人
38位 角取 ポニー
39位 葉隠 透
40位 取蔭 切奈
41位 吹出 漫我
42位 発目 明』
「ぼ、僕が…さ、3位なんて…!」
「チクショー!ジョルノと茨に負けちまったぜ……11位か俺は!」
「僕だけヒーロー科で唯一通過できてない…☆」
「ドンマイ、青山くん」
それを見て喜ぶ
「そして次からいよいよ本戦よ!!ここからは取材陣も白熱してくるよ!キバりなさい!!さーて第二種目よ!!私はもう知ってるけど〜...何かしら!!?言ってるそばから、コレよ!!」
ミッドナイトの言葉に反応して、巨大スクリーンに競技名が表示された
「『騎馬戦』…」
その呟きの通り、次の種目は騎馬戦であった
「参加者は2〜4人のチームを自由に組んで騎馬を作ってもらうわ!基本は騎馬戦と同じルールだけど、1つ違うのが...先程の結果にしたがい、各自にポイントが振り当てられること!」
「つまり、相手によって取るポイントが違うって事?」
麗日の簡潔な解釈に頷くミッドナイト
「そうよ!!そして与えられるポイントは下から5ずつ!42位が5ポイント、41位が10ポイント...といった具合よ。そして...」
ミッドナイトはジョルノを一瞥し、衝撃の宣言をする
「1位に与えられるポイントは『
「…はぁッ!?」
明らかにおかしいポイントの振り分けに思わず鉄哲が声をあげる。なぜならその事実が意味するのは、
生徒全員の視線が1位であり1000万ポイントの所持者となったジョルノに降り注がれる
「上位の奴ほど狙われちゃう、下克上サバイバルよッ!!」
ごく僅かな、ジョルノを心配する視線。そして大部分の、ジョルノに対して興味を持つあるいは敵意を抱く視線が、ジョルノに向かって集中的に浴びせられる
そんな状況でもジョルノは取り乱すことなく、逆にさわやかに微笑んでみせるのであった
今回どうしても都合上予選落ちしてしまった青山くん…
ゴメンね、ゴメンね…いつか活躍させるから、出番もあげるから。ゆるして ねっねっねっ?