次に行われる騎馬戦…それは1位が1000万ものポイントを持つ下克上上等のサバイバルだった。狙われるのは当然1位であるジョルノ・ジョバァーナ
「制限時間は15分、その間に2人から4人のチームを作るのよッ。騎馬戦自体は個性発動アリの残虐ファイト!!騎馬を崩してもアウトにはならず、どんなことをしても最後に首から上にポイントのハチマキを巻いている者が勝者になるわ!でも悪質な騎馬狙いの攻撃は一発退場だから注意しなさいッ!!」
ミッドナイトの説明を最後に、生徒たちはそれぞれ騎馬のチームを組むべく動き始めた
そんな状況でジョルノに近づくのは2人の友人だ
「ジョルノ、おめー災難だよなァ。なんだよ1000万ポイントって」
「私と徹鐡さんはジョルノさんとチームを組みたいと思っているのですが、よろしいですか?」
「ベネ。ぼくも君たちを誘おうと考えていたところです」
揃ったのはジョルノと鉄哲と塩崎。入試の実技試験以来となるチームメンバーだった
「他の奴らは、だいたい4人で組んでいるけどよォ──────────俺らはどうするんだ?」
「ジョルノさんが騎手となると、力がある徹鐡さんが前の騎馬になりますから、サポートに長けた方がよろしいですね」
「茨の言う通りです。もっと言えば、ぼくの個性「ゴールド・E」と相性のいい個性を持った人が望ましい。候補となるのは瀬呂や八百万だったのですが…」
周囲を見渡すと瀬呂は爆豪、八百万は轟とチームを組んでいた
「他んとこに行っちまってるのか…」
「轟は個性の出力がぼくらの中でもケタ違いに高いです。爆豪も、轟ほどではないが強力な“爆破”があり、動体視力や反射神経もズバ抜けている…………どうしたものか…」
ジョルノは2人の顔をチラリと見る。B組で相性の良い個性を持った生徒がいないか問いかけている目だ
だが鉄哲は申し訳なさそうな表情で頭を掻く
「ワリーけどジョルノ、俺らのクラスにお前の『ゴールド・E』と相性の良い奴はいねえな。お前の能力、多分「肉体の一部を切り離して操作してるもの」は対象外なんじゃあねェの?」
「そうですね。切り離した部位は、言ってしまえば
例えばB組所属の
しかしジョルノの言う通り、分割した肉体は無機物ではない為、いくら生命エネルギーを流し込んでも生命を生み出すことはできないのである
「あ…けど角とか鱗とかはどうなんだ?どっちも自分の体から飛ばす能力なんだけどよぉ〜〜〜」
「飛ばした角や鱗はできます。だけどぼくは人に対して生命エネルギーを流したことは少ないんです…それに、角や鱗にだって神経が繋がっているものも存在する……結論を言うならば、どうなるかはぼく自身も分かりません」
「そうか…どうすりゃあ、いいんだァ…?」
他の生徒もチームを組んでいる以上ヘタに時間はかけられない。何が最適解なのか鉄哲はうんうん唸り
「なら私と組みましょう1位の人!!」
「うおわあああ!?テメー
するといきなり鉄哲の後ろからゴーグルをかけた桃色の頭髪をした女子がジョルノに向かってそう提案した。鉄哲は気配もなく急に現れた女子の登場に驚愕する
一方ジョルノは、女子…否、ただの生徒にしてはあまりに濃い鉄と油の匂い、そして背負っているガジェットの存在から1つの結論を出していた
「キミは、サポート科のヒトですか?」
「正解です!私は
「随分とストレートな要求ですね…」
初対面の人間にも遠慮なしにそう言う少女、発目に、さすがのジョルノも呆れた風に呟く
そんなジョルノの様子を微塵も気にせず、発目はゴーグルを外しながら語り始める
「あなたと組むと必然的に注目度がNo. 1になるじゃあないですか!?そうすると必然的に私のドッ可愛いベイビーたちがですね大企業の目に留まるわけですよ!それってつまり大企業の目に私のベイビーが入るって事なんですよ!!」
ペラペラペラペラと一息でまくし立ててく発目
「さっきの話は聞いてました!聞く限り「無機物」を「有機物」に変える個性らしいですね!?なら私のドッ可愛いベイビーたちと組み合わせれば相性バツグンじゃあないですか!あ、でも私のベイビーをちゃんと宣伝させてくださいよ!じゃないと組んだ意味ないですから!」
「今宣伝って言ったぞコイツ…」
「欲深きお方…」
普段はおっとりとした塩崎が引いているといえば、彼女の凄まじさが理解できるだろう
自分の目的のためにあらゆる手段を講じる女。入学から僅かな期間で、数え切れぬほど教室を発明の為に爆破させてきた。それが発目明である
(ちなみに発目曰く「『失敗はドッ可愛いベイビーの母』です!ドンドン産んでもらいますから!!フフフフフ…』とのこと)
グイーッ!
鉄哲はジョルノの肩を掴むと、近くまで引き寄せて耳元でささやく
(オイ コイツはマジにヤベーってジョルノ…意味不明だッ!こんな得体の知れないヤツと組むより別のヤツと組んだ方がいい!!それか3人でいこうぜ!そっちの方が勝つ確率は上だ!!)
「…そうですね…」
ジョルノの返答を聞いた鉄哲は内心ホッとし
「いいですよ発目さん。ただし、ぼくの指示にはキチンと従ってもらいます」
「なんだとォォッジョルノ!?」
次の言葉に絶叫するのだった
「ジョルノさん…私も不安です…大丈夫なのでしょうか…?」
普段の2人を見ればイメージからかけ離れた行動だろう。しかし、発目のインパクトがあり過ぎる初対面の印象を考えれば、仕方がない対応なのだ
そんな鉄哲と塩崎に向かって、ジョルノは口を開く
「2人は何を考えているのか分からないと思っているようですが、逆です。むしろ彼女は分かりやすいくらい目的とメリットを明確に伝えています」
言われてみれば確かにそうだが、それでも納得できない表情をする2人に、ジョルノはさわやかに笑いながら言う
「それに…彼女がぼくを広告塔として利用したいというのなら、こっちもトコトンこき使ってやればいいんですよ。無駄なことはキライなんで、たっぷり利用させてもらいます」
2人の不安を取り除こうとキッパリと言い切るジョルノ
しかし2人の表情は晴れるどころか、なぜか疲れた様子でため息を吐いた
「おまえ…さわやかな顔でゲスなこと言うよな…」
「ヒーローを志す者として、そのお考えはどうかと思います……」
「………?」
友人の言葉に、疑問符を浮かべるジョルノなのであった
『さぁ────シンキングタイム終了!騎馬も組んで準備オッケー!お前らお待ちかねの本戦開幕だッ!!』
『こいつは………なかなか面白い組み合わせだ』
フィールド内で点在する騎馬のチームを見て、相澤が呟く
「徹鐡」
「おう!」
1番前の騎馬に鉄哲
「茨」
「はい」
その左後ろに塩崎
「発目さん」
「フッフッフッ…私のベイビーにお任せを!」
右後ろに発目
そしてその上に乗るのは……10000355Pと書かれたハチマキを額に巻いて付けたジョルノ
『始まっぞ!!──今ッ!合戦がスタァァァァァトッ!!』
プレゼント・マイクの言葉と共に始まる騎馬戦
「つってもおッ!」
「実質!
そして、開幕と同時に2組の騎馬がジョルノの騎馬に強襲し…
「無駄無駄ァ!!」
「ぶべらッ!?」
「アギァ!!」
───ゴールド・エクスペリエンスのパンチが1発ずつ、襲ってきた騎手の顔面にブチ込まれた
「み……見えなかった…!」
「
目にも止まらぬ反撃に慄く周囲にジョルノは宣告する
「来るなら来い…!!どんなヤツが相手だろうと、全員ブチのめさせてもらうッ!!」
苛烈な騎馬戦が幕を開ける
ハチマキの本数が最初は1本だったと指摘を受けて、調べ直したらそうだったので修正しました。ご迷惑をおかけしました