前回、最初のハチマキを4本にしてたのですが、単に作者の勘違いで4本になってただけです。前回のラストも含め、ハチマキは1本に修正しておきました。ご迷惑をおかけしてすみません
『ゴールド・E』の反撃をきっかけに、戦いの火蓋が切って落とされた
「ジョルノ、オメーさっきミッドナイト先生に何か聞きに行ってたけどよ〜〜〜〜。何聞いてきたんだ!?」
敵がひるんでいる隙に、騎馬戦が始まる直前にミッドナイトのところへ質問しに行ったジョルノの様子を思い出しながら鉄哲が問いかける
「彼女は審判ですからね……“個性”アリの騎馬戦とはいえルールにも「白」と「黒」がある…そのグレーゾーンを聞いてきたんです。とりあえず
自身のハチマキを撫でながら「「自分が痛い目に遭っても構わないのであれば」とも言ってましたが」と告げるジョルノ
「他には…」
ドップン!
再度質問しようとしたその時、突如フィールドの地面がドロ沼のように柔らかくなり始める
「!? こ……こいつ…この能力はッ!」
「ジョルノさん!骨抜さんの『柔化』の個性です!彼自身も推薦入学に選ばれるほどの実力者です!」
塩崎の言う通り、ジョルノたちの側面から迫る騎馬の前には、まるで骸骨のように歯が剥き出しになった痩せこけた顔の男子…『
「なるほど、君が鉄哲と塩崎の2人が実技試験でお世話になったって人か。2人ともそれなりに仲はいい方だけど……マッ!それはそれ、これはこれ」
そして動けなくなったジョルノに近づきながら、騎手の『
「ハチマキもらおっかな!」
「柔軟かよ骨抜ッ!」
柔らかくなった地面を掻き分けながら騎馬が接近する
しゅるるるる────
「うん?」
すると塩崎が髪のツタを柔化してない地面まで4方向に伸ばす
「ツタで脱出しようって魂胆かい!?しかし4人分もの体重(しかもサポートアイテムを含めればさらに重い!)、不安定なその状況では圧倒的にパワーが足りてないね!!シマウマがどう足掻こうとライオンのパワーには勝てないくらい同じこと──!」
それでもお構いなしに騎馬は近づく為に動き…
ドン ドン
直後、ツタにゴールド・Eの拳が叩き込まれた
「……? なんだ?なんで塩崎の「ツタ」を…」
「彼女の『ツタの髪』は、生まれつき変質しているだけの体の一部だ…しかし、水をかければ著しく成長するという性質は、間違いなく植物の性質でもある」
ドクン ドクン ドクン
「! これは!」
「ならば、ぼくのゴールド・E…その『生命エネルギー』を流し込めば
すると生命エネルギーを流し込まれた部位から、ツタが大きく、太く、生命力が満ち溢れたモノに『成長』していく
「こ、これほど、力が増してくるなんて…私の個性ッ!」
「見てるだけで分かるこのパワーならよォォ──…茨、イケるぜ!」
「はい!!」
ゴールド・Eで強化されたツタを動かして、塩崎は騎馬を柔化した地面から早く脱出する
だが、骨抜の騎馬はもう目前まで近づいている
「しかし!それでも俺たちの方が速い!」
鱗の鎧を纏った飛竜がジョルノのハチマキに手を伸ばす
「とった!!」
スカァ…
「!?」
「な…!」
骨抜のチームメンバーは目を見開く
ゴオオオオオオ
なぜならば、塩崎と発目の背中から火が吹き出し、その加速で予想より速く地面から脱出したからだ
「なにィィィ────ッ!!」
「この人数でも飛べるジェットパックか。しかし発目さん……かなり火力が高いんじゃあないですか?無駄ですよ」
「試作機28号ですから!次は火力のコントロールが課題ですね!」
作品の失敗を嘆くどころか大いに喜ぶ発目に呆れるジョルノだが、それどころではない者も当然いる
「予想以上に位置が高い!このままじゃあ、アイス落っことした時みてェに地面に激突するぞ!」
「茨にツタのクッションを作らせます!君は「硬化」した状態で先に着地して、衝撃を分散するんだッ!ぼくは…」
そしてジョルノは、
「──『コイツ』を抑える!!」
「ハチマキ寄越して死ねッ!コロネヤロオォォォォォォォ───!!」
「ば、爆豪だと!?」
そう、“爆破”で飛んで1人奇襲を仕掛けてきた爆豪に
「『ゴールド・エクスペリエンス』!!」
ジョルノはゴールド・Eを呼び出し、近づいてくる前に1発パンチを打ち込む
「無駄ァ!」
「
だが爆豪は並外れた反射神経と身体能力でこれを躱し、逆に「ゴールド・E」の腕を掴む
BOOM!
そしてそのまま掌を爆破。ジョルノの右上腕がフィードバックによってダメージを受け、焼け焦げる
「ぐゥッ!?」
「ジョルノ!?」
「ぼくの事は気にしないでください!君は着地に備えていればいい!」
「よそ見してンじゃあねェ!」
ボボボボッ!と火花を散らしながら爆豪は左腕を振り下ろす
ガッシィ!
それをジョルノは左手を使い、命中する寸前に掌を真上に向けながら止める。爆豪は無理やり振り解こうと力を込める
「
しかし、生身で掴んでいるハズのジョルノの手を爆豪は振り解く事ができないでいた。力を強く込められない空中だとしても異常な硬さだ
グルゥゥゥン
「うおッ!」
そして手首の力だけで爆豪を逆さまにひっくり返し、手首を手放すジョルノ
その時、爆豪は見た。ジョルノの左手の甲にうっすらと見える、紫色のテントウムシの形を
(クソコロネ……自分の「体」に
「
爆豪の視界で『ゴールド・E』のスピードラッシュがスローモーションのように迫ってくる
シュバァ─────ガシッ
確実な追撃…それは下から伸びてきた巨大セロハンテープが爆豪を絡め取り、引き寄せた事で、空振りとなる
「なに!」
セロハンテープ…これは瀬呂の能力に他ならず、ならばとジョルノが下を見れば、そこには切島・芦戸・瀬呂の騎馬の上に着地する爆豪の姿があった
『瀬呂、強襲した爆豪を騎馬まで華麗に回収ゥ───!!つーか今のアリかァ!?騎馬戦的に!』
「テクニカルなのでアリよ!」
どうやら反則ではないらしい
「バクゴー!勝手すんなよなッ!俺が助けなかったらジョルノにやられてたぞッ!」
「俺がクソコロネに負けるわけねェだろーがしょうゆ顔!殺すぞ!」
「仕事したのにヒデー言い草!」
「それがテメーの役割だろがッ!いいか、
獲物を睨み殺さん眼力の爆豪に、ジョルノは気を引き締める
「かなり…手強いチームだな…」
塩崎が普段より太いツタの『クッション』を騎馬の下に用意し、「スティール」で硬くなった鉄哲が、ツタで弱くなった着地の衝撃を一身に受ける
「イッデェ……!でも…ツタのおかげでだいぶ楽だ…」
直後
ビシッ ビシッ ビシィ!
「ってうおああ!ツタが凍っ…」
「来たか……!」
着地と同時に始まる凍結…これが示すことはひとつ
轟 焦凍の攻撃が始まったのだ