『さァ!残り時間が1分を切るぞッ!!1000万Pは未だジョルノ・ジョバァーナの手にあり!この競技、いったい誰が頂点に立つのか─────!?』
「
「おおお!!」
残り時間を聞いた2人は勝負に出るべく行動を開始する
鉄哲の全身が『鋼鉄』に変わると、ジョルノが鉄哲の肩の上に乗り…
「『ゴールド…エクスペリエンスッ』!!」
ドン!
───鉄哲の背にゴールド・Eの拳を
「何ッ…!?」
味方を攻撃するという異常な行動に全員が驚く
グググググ…
だが…その驚愕も…
「ぐううおおおおおおおっ!!?」
メキメキ…メメキィ…!
金属の皮膚から樹木を生やす鉄哲の姿によって塗り替えられる。伸びて、束ねて、巨大に成長していく樹木の上に、ジョルノの姿が見える
『なんだァァァ!?「ゴールド・E」に殴られた鉄哲の全身から木が生えてきたァ!!どーいう状況だコレェ!!』
『そうか…これがジョバァーナの、最後の策。『人間』のまま全身を『無機物』に変えられる鉄哲に生命力を与え………
『なんでもアリな“個性”だな!つーかどこまで伸びてんだ──!?』
『世界には100mを超える木がいくつもある…『ハイペリオン』や『ロックフェラー』とかな…』
皮膚が別の物質に変わり続ける以上、壮絶な痛みが鉄哲自身を襲う事になる。それを必死に歯を食いしばりながら耐える
「させねえ…!!」
鉄哲の意識を奪えば「スティール」が解除されて木の成長も止まるわけだが、「騎馬崩し目的の攻撃」はルール上禁止にされている。だから木そのものの成長を止めようと轟は動く
「させません!」
「!? ツタが…!」
樹木の根本に氷を辿り着かせないよう、塩崎が髪のツタを束ねて時間を稼ぐ。その間にもどんどん木は成長する
「邪魔だ…!!」
「ああ!!」
思い通りにいかない事に轟は苛立ち、力任せに凍結箇所を増やす。わずかな時間でツタを乗り越え、樹木の表面に辿り着く
だが…
「こ、凍らせているのに……成長が止まらねえだと…!?」
すでに30mは超えた樹木にとって、多少の凍結は些細なダメージでしかなかった。ならばとさらに凍らせようと個性を使用するが、右半身に襲う寒気がそれを許さなかった
(「右」が冷えてきたッ!許容量の限界が…!冷えれば冷えるほど、「半冷」の能力が使いづらくなる!冷えた「右」をどうにかする方法は…)
思い浮かぶのは、己の左半身から感じた熱
(ありえねえ!それだけは断じてッ!だがッ…「
「轟くんッ!!」
その時、自分にかけられた飯田の声に轟は正気を取り戻す
「聞いてほしい…「とっておき」がボクにはある!しかしジョルノくんがいるところまで登るには、残念だがボクだけじゃあ登る事ができない……轟くん、氷で
一方、50mの木の頂点…丸太の切り株のようになっている場所で、ジョルノは玉のような汗を浮かべながら警戒する
「徹鐡の負担を考えれば50m辺りが限界…それに『ゴールド・E』の生命エネルギーもほとんどない状態…ここからは、言葉通り真正面からの戦いってわけだ」
そんな高層ビルに等しい高さまで登ってくる人間はそういない
だが、もし、いるとすれば…
BBBOM!
それは余程の天才か、勝算があるか、勝利に凄まじい執着がある者だけである
「俺から逃げられると思ってんのかァ!!コロネ野郎!!」
1番先に上がってきたのは爆豪であった。鬼のような表情の、しかしジョルノとは比較にならぬほど尋常ではない汗の量から、かなり『爆破』の能力を使ったのだと想像できる
「死ねッ!!」
「くッ!」
しかし、そうとは思えぬほど機敏な動きで木に着地し、爆破でジョルノを吹っ飛ばそうとする。常人離れしたタフネスである
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」
BOM!
そして同じく、常人離れしたゴールド・Eのラッシュが爆豪に迫るが、爆破の反動で側面に回り込みカウンター
「シャァ!」
「ぐぅ!」
回し蹴りを生身でガードするも、その重さに思わず姿勢がグラつく
「ウオラァァァ!!」
「うおおお!!」
続け様に爆破のラッシュが降り注ぐ。『ゴールド・E』でガードするもジョルノは徐々に後退り…
ガクン
木の幹から踏み外した
ガシッ
ギリギリでしがみつくも、そばには悪魔のような笑みを浮かべる爆豪の姿
「俺の勝ちだァーッ!取ったぜ!!」
容赦なく手をジョルノのハチマキが巻かれた頭部に伸ばし…
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」
「なッ…!?」
バキ バキ ベギィ!
だが直後にジョルノは『ゴールド・E』で木を殴り、即席の穴を作る。そしてすぐその穴に逃げ込む事で爆豪の手から逃れられた
ベキ バキィ ゴギ!
さらに響く破砕音
「テメェェェェ!!逃げてンじゃあねェクソコロネ!!」
それを聞いた爆豪は怒りながら木の穴に入り込み
視界に映ったのは、脚で木を踏み砕くジョルノと迎え撃つ姿勢のゴールド・エクスペリエンス
「何ィィィィィィ!!?」
「無駄ア!!!」
バキャァ!!
「ぶぐえッ!」
狭い穴の中では回避もできず、咄嗟のガードも間に合わず顔面に渾身のパンチをぶち込まれた爆豪は、混濁する意識の中、落下していった
「ハァ ハァ 危なかった…爆豪に大きな消耗がなければ逆に反撃を受けていたのはぼくだった…」
ビキ…ビキキィ…
その時、異音がジョルノの耳に入る
「…?この音はなんだ?外から聞こえた…しかし地上から50mも離れている…なぜ聞こえてくる…」
ピキキィ…ビシッビシッ!
先ほどより大きく聞こえる音。さらに触れた木の内部が徐々に冷たくなっているのだ
「また聞こえてきた…しかも心なしか木が冷えてきているような…ま、まさかッ!」
ジョルノは穴から乗り出して地上を見下ろす
「なっ!」
ビシィ!ビシィ!ビシィ!
「何ィ───────!!!」
「トルクオーバー…レシプロバースト!!」
そこには、氷の斜面を勢いよく爆走して駆け上がる、騎馬と騎手をロープで縛って固定した轟たちの姿があった
チョーシにのってジャンプの煽り文句みたいのまで書いてしまった…完全に深夜テンションだコレ