黄金体験のヒーローアカデミア   作:ジャギィ

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ダイジェスト風にお送りします


勝ち上がる者たち

ジョルノと緑谷の試合に決着がついた後、その後の試合も大盛り上がりを見せていた

 

 

塩崎VS飯田

 

祈るような姿勢で立ち尽くす塩崎茨を前に、飯田天哉は考える

 

(塩崎くんの「ツタ」はパワーもスピードもある上、応用もきく汎用性の高い“個性”だ…しかし!「速さ」に関しては間違いなくボクに分がある!!狭いステージゆえにコントロールの難しい『レシプロバースト』は使えない…だからッ)

『そんじゃアア!塩崎VS飯田、レディィィ…』

 

対面する2人を確認したマイクは、持ち前の大声を拡散して開始を告げる

 

『ゴォー!!』

 

ドン!

 

直後、「エンジン」で加速した飯田が塩崎の体操服の後襟(うしろえり)を掴み、ステージの端まで走る

 

「即!ケリをつけるッ!」

 

そのまま加速の勢いを利用して、飯田は塩崎を掴む腕を勢いよく振るった

 

だが

 

ガクン

 

「!?」

 

その腕は突如重い感覚によって無理やり止められた

 

ググググ…

 

(なんだ!?塩崎くんを引っ張ることができない!まるで突然、巨大タンクローリーを無理やり引っ張るような感覚に置き換えられたようなこの状況…!バカなッ!彼女は華奢な女子だぞッ!)

 

どう考えても女子1人では成立しない重さに、飯田はグルゥーと振り返る

 

ギチ…ギチ…ギチ…

 

「こ…これはッ!」

 

飯田は驚愕する

 

自身が掴んでいる塩崎…その彼女の髪のツタが、飯田がいる場所を除いた三方向のステージの端を掴んで塩崎を固定していたのだ。よく見れば首と前襟の間にツタを差し込んでもいる

 

シュルル───ガシィ

 

「ウ!」

「あなたの能力は…騎馬戦でしっかり見ていました…3人分の重さをものともしない馬力から…凄まじい加速まで…」

 

飯田の掴む手を、腕ごとツタで雁字搦(がんじがら)めにしながら塩崎はポツポツとつぶやく

 

「防御はとても間に合わない…ならば私の取れる手は…体を『固定』して場外を防ぐこと…!」

 

そしてそのまま、力任せに飯田を投げ飛ばす

 

ブォォン!

 

「ウオオオオオオオオ!?」

 

宙に投げられた飯田は必死にもがくも、空中でどうにかする術もなく…

 

ドグシャア!

 

「うぐあ!!」

 

飯田はカクカクした変な体勢のまま、ステージ外の地面に落下した

 

『きぃぃぃまったァァァー!!一瞬の攻防を制して準決勝に進んだのは塩崎だぁぁぁぁ!!』

『速攻という狙い自体は悪くなかったが、防がれることを考慮しなかったがゆえの敗北だな…その点、飯田の行動を読んだ塩崎の動きはスムーズで無駄がない。実に合理的だ』

「ケホ……襟を掴まれて少し呼吸ができませんでしたが…そのおかげで勝てたのだと考えましょう」

 

肺へ酸素を送り込みながら勝利を噛み締める塩崎。その姿を観客席から眺めていたジョルノは、観客席から離れる

 

「うん?どこ行くんだー?」

「少し…ある人に用ができたので」

 

峰田の疑問に振り返りながらジョルノは答えた

 

 

瀬呂VS常闇

 

こちらの試合は先程の試合と違い、長期戦となっていた

 

「そおりゃ!」

「クッ…迎撃しろ黒影(ダークシャドウ)!!」

『アイヨー!』

 

ベシィィ!

 

「絶え間ない…!」

 

肘先から飛び出す「テープ」を黒影(ダークシャドウ)の手が払いのける

 

テープに捕らえられても黒影(ダークシャドウ)なら影に戻して剥がせるからこそ防御ができるが、前後左右から途切れることなくやってくるテープに防戦一方な常闇。ステージ中央に陣取っている常闇の周辺には多くのテープが落ちている

 

「クッソ!全然アタんねー!テープの量だって無限じゃあねェのによ───!」

 

対して瀬呂はその常闇の周りをグルグル走りながらテープの拘束をひたすら試みていたが、高いフィジカルを存分に発揮した影のモンスターによって全て迎撃されていた

 

「だが策は思いついた…黒影(ダークシャドウ)!!」

 

互いに消耗していく中、防御を続けていた常闇が攻勢に出る

 

「瀬呂を捕らえろ!」

『マカセロ!』

 

バァン!

 

「うおわッ!?」

 

常闇の影が瀬呂に猛スピードで迫る。両手のひらを瀬呂に向かって叩きつけるが、回避されたことでコンクリートに命中し、砂煙が飛び散る

 

「そのまま追えッ黒影(ダークシャドウ)!!」

『ウシャアアアア!!』

「う、うおおおおお!!」

 

バン! バン! バァン!

 

追う者から一転、追われる者と化した瀬呂は、テープを地面に貼って巻き戻すことで、まるでスパイダーマンのような高速移動で黒影(ダークシャドウ)から逃げ続ける

 

「へ…焦ったな常闇ィー!」

 

しかし、瀬呂はそこにチャンスを見出した!

 

バシュゥ!

 

黒影(ダークシャドウ)が自身を追っている間は本体の常闇は無防備…つまりはテープへの防御ができないということなのだから

 

バッ

 

それに対して常闇は床に落ちていたテープを拾ってガードしようと試みたが、すでに遅かった

 

ガッシィィィ

 

テープを持ち上げた姿勢の常闇に瀬呂の長いテープが巻きつく。テープの粘着が体につけば逃れる方法は常闇にはない

 

「捕まえたぜェェェッ!常闇!」

 

即ち、常闇の敗北となる

 

「いや、()()()()()()()()()()

 

…はずだった

 

ヘロォ…

 

しかし現実はそうはならなかった。なぜなら、服や体に引っ付くはずのテープが、なぜかヘロヘロになって剥がれたからだ

 

「…へ?」

 

ベバシィ!

 

「ウゲェ!?」

『ツカマエタッ!』

 

そして、そんな光景に呆けている間に黒影(ダークシャドウ)に追いつかれた瀬呂は、影の手とコンクリート床のサンドイッチにされるのだった

 

「さてと、このままステージの外に放り出してやるとするか…黒影(ダークシャドウ)

『アイヨ』

「ま、待て待て待て待て!降参する!だから追い打ちかけんなっての!」

 

その言葉を聞いたミッドナイトは高らかに宣言する

 

「瀬呂くんの降参により、常闇くんの勝ち!!」

『勝者は、常闇に決定だァァ!!…しっかし、なんで最後のテープは剥がれちまったんだ?』

『正確には「くっつかなかった」だ…床に落ちてるテープを見てみろ』

 

遠い位置のためハッキリと見えないが、それでも粘着部分が微妙に黄ばんでいることにマイクは気づく

 

『ありゃあ……『砂』かぁ?』

『そうだ。常闇が瀬呂を捕まえる時、やたら黒影(ダークシャドウ)で地面を叩いていただろう。あれで砂ぼこりを巻き上がらせて、空気中と自分の体に砂を散布した。その砂がテープの粘着力を奪ったおかげで、体にテープがくっつかなかったって寸法だ』

『なるほど!頭脳プレーで勝ったってことだな!』

 

相澤の解説に感心するマイクだった

 

 

切島VS爆豪

 

そしてこの試合は、一言で表現するならば…

 

BOOM!

 

「爆破は効かねェー…ってさっき言ってたがよォ」

「ッ…!」

『硬化』してる間だけだろうがよォ〜。パクリヤローは衝撃に耐え切れねェで一瞬で解除してたが…」

 

BBBOM!!

 

「テメェはどんだけ()()だァァァ────!!」

「ぐおおおおおああああああ!!?」

 

───「蹂躙」だった

 

『ボコボコだァァァァァ!?「爆破」で休むことなくひたすら切島をボコり続ける爆豪ー!!これお茶の間の子ども泣いてねぇか!?メッチャ凶悪な笑顔してんだけどアイツ(爆豪)!!』

 

そう。マイクの言うように、爆豪はひたすら切島に爆破の嵐を叩き込んでいた。普通なら途中で攻撃が途切れるものだが、驚異的なスタミナと汗をかくほど火力が上がる“個性”の組み合わせが、一方的な状況を生み出していた

 

BBBBBOM!!

 

ジワジワと苛烈さを増していく攻撃に“硬化”を解除しないように防御することしかできず、爆破の衝撃で徐々に後ずさる切島

 

ザン

 

そしてとうとう、ステージの端まで追い詰められた

 

「トドメだァ───!!」

 

手のひらを爆破させながら右腕を切島の頭部に向かって振り下ろす

 

BOM!

 

爆炎が切島を飲み込む。硬化による角ばった肉体が元に戻り、グラリと後ろに傾いた

 

その時であった!

 

ガガシィ

 

「!?」

 

力尽きたはずの切島が全身を硬化した状態で足を踏み締め、爆豪の両手首を掴んだのだ!

 

「ンのッ…離せクソが!」

 

BBOM!

 

手のひらの角度を調整し、切島に爆破攻撃する爆豪。それでも切島は身じろぎもしなかった。なんとしても爆豪を倒すという執念で立ち上がって爆豪を捕まえた切島

 

 

ド ド ド ド ド ド

 

 

目の前の切島がデカく見えるように錯覚する

 

「………!」

 

思わず息を呑む爆豪

 

しかし、そこから微動だにしない切島の様子を訝しんだ爆豪はよく観察して…そして気づいた

 

「こ、こいつ…白目をむいている…」

 

切島が立ったまま気を失っていることに

 

「切島くんが気絶したため、爆豪くんの勝利!!」

 

爆豪は、最後の最後で切島の気迫に押された。だが、それを簡単に認めることなどできるはずもない

 

「…クソがッ」

 

吐き捨てるように爆豪はそう言った

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