黄金体験のヒーローアカデミア   作:ジャギィ

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誇りの道は誰が()く その1

BOOM!!

 

開幕と同時に熱と衝撃がステージ中央で巻き起こる

 

「初っ端から飛ばすなアイツ!!」

「ジョバァーナくんは…!?」

 

ボッ

 

爆炎と粉塵から飛び出す影。ジョルノだ。ゴールド・Eの脚力でバックステップして距離を取る

 

追い縋るように飛び出す影。爆豪だ。掌に凶悪な花火を携え、言葉と共に振り下ろす

 

「くらえッ!」

 

BBBOM!

 

連鎖する爆発を肉体を横に倒して回避するジョルノ。当然そんな隙を見逃す爆豪ではないが…そんな隙を放置するジョルノでもない

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」

 

ドゴ!ドゴ!ドゴ!

 

『おおっと先制ィィ──!!』

 

ゴールド・エクスペリエンスの拳が数発命中する

 

殴られた爆豪が宙を()()()飛ぶ。そのまま行けば場外に落ちるが、爆破による飛行でステージに着地して場外を防ぐ

 

油断なくゴールド・Eを側に寄せる

 

(命中はした。だが感触は良くなかった。わざと全身を弛緩(しかん)させて吹っ飛ばされることで「ゴールド・E」の攻撃を受け流したのか。空中だったことも相まってダメージをほとんど与えられなかった…)

「ぬりィぜッ!」

 

ダメージを受けた様子もなく、再度突っ込んでくる爆豪

 

常に爆破による滞空で上空に位置取り、決して無理に距離を詰めず爆炎と衝撃のみで攻撃する。そして攻撃を終えれば必ずジョルノから離れる

 

『ひたすらヒット&アウェイに徹する爆豪!ジョルノも反撃を試みようとするが防戦一方だァ──!』

「ゴールド・エクスペリエンス」の防御能力自体は皆無に等しい。切島や鉄哲のように自身を硬化させる“個性”ならばゴリ押したりもできるんだが、痛みがフィードバックすると分かっているからこそ爆豪も無闇に攻め続けない…この状況を維持し続ければ、有利になるのは爆豪の方だからな』

 

単純に物理的な攻撃であればゴールド・Eのパワーとスピードで無理やり突破できただろう。だが爆発による熱と衝撃ではそれができない

 

常人を凌駕するスタミナと並外れた反射速度、加えて汗をかけばかくほど火力が増していく『爆破』の能力の存在が、爆豪撃破の難易度を底上げしていた

 

「無駄ッ!」

 

バッゴォ!

 

アンダースローのような軌道で放たれたパンチが地面のコンクリートを抉り、広範囲の石つぶてが着地する爆豪に飛来する

 

「オラァ!」

 

それを最小限の姿勢、火力で迎撃し、残りの石が真横を通過していく

 

ザンッ

 

「!!」

 

その時だ。石つぶてに紛れてジョルノが接近してきたのは

 

「無…」

「シャァ!!」

 

拳が振るわれるよりも先に掌が炸裂する

 

バッキィィィ!

 

『クリィィンヒットォオオオオオー!!』

 

そして爆発の勢いを乗せた裏拳がジョルノの右頬を強かに打ちつけた。そしてそのままジョルノは吹き飛ばされる

 

ビィィン…

 

…はずだった

 

「ア゛!?」

 

腕を引っ張られたかのような奇妙な姿勢で急停止するジョルノと、対照的にジョルノが吹っ飛ばされた方向に右腕を引っ張られる爆豪

 

シュルルル…

 

「ンだ……こりゃア!!」

 

そう、爆豪の右手首には、ジョルノの右手首と繋がるように太い樹の根っこのような物が巻きついている!

 

石つぶての散弾はフェイク。本命は爆豪の腕に木の根を絡まらせることにあった!

 

「この程度でよォ!俺を捕まえたつもりかァコロネ野郎!!」

 

BOOM!!

 

残った左掌から出た容赦ない爆炎が根っこを飲み込む

 

ブス ブス

 

しかし、高温の爆発が根っこに晒されたにも関わらず、根は焼け落ちるどころかその表面を軽く焦すだけだった

 

「焼けねェだと…!?」

「無駄だ。ジャイアントセコイアは樹齢1000年を優に超える世界一の巨木だ。山火事をも耐える生命力を考えれば、おまえの爆破も十分耐えられる」

 

説明が終わる頃には生命の成長は完了しており、ジョルノと爆豪の右手首は世界一丈夫な根っこで繋がれた状態になった

 

「このままおまえにヒット&アウェイを繰り返させれば、ぼくの勝ち目はなくなる…しかし、こうして互いに繋がれば、おまえはもうぼくから距離を取ることはできなくなる」

「テメェ……」

『ま、まさか…ジョルノの奴…!?』

「だが、そうすれば当然おまえからの攻撃を防ぐのも難しくなる」

 

根で繋がった右手を前に構え、『ゴールド・E』と共にファイティングポーズを取りながら…

 

「だから……その前におまえをブチのめす…!!」

 

ジョルノはそう宣言した

 

『真正面から殴り合う気かァ─────!?』

「ムチャだッ!爆豪とスタミナで張り合おうなんざ!!」

 

観客席でそう声を荒げるのは切島だ

 

切島は“個性”の関係上、そして彼の「漢らしさ」を重視する性格ゆえに爆豪と真正面から戦った

 

だからこそ、硬化してなお貫通してくる爆破の攻撃力の高さと、その爆破を絶え間なく打ち込んでくる爆豪の恐ろしさをよく理解していた

 

「面白れェ…!!」

 

一方、真正面から戦おうと闘志を燃やしてくる姿を見て、爆豪は指名手配されたヴィランのように凶悪な表情を浮かべる

 

「分かりやすくて良いじゃあねェかよォォォー……その度胸に免じて…完膚なきまでにブッ殺してやるぜコロネ野郎(ヤロ)ォ!!!」

 

そして、その面構えと完全に一致するセリフと共に左腕を振るい襲いかかる

 

グイィ───

 

スカァ…

 

だが、威勢よく爆ぜる爆発は、右腕を強い力で引っ張られ、姿勢を崩されたことで見当外れの方向に打ち込まれる

 

「!!」

「無駄無駄無駄無駄───!!」

 

ドン! ドン! ドン! ドン!

 

「ぐお…!!」

 

カウンター気味に打ち込まれた鉄拳が爆豪の胴体にめり込む

 

肺の中にある空気を全て吐き出した後、すぐに呼吸して酸素を取り込みながら、忌々しげにジョルノと繋がるジャイアントセコイアの根のロープを見る

 

(今の力、あきらかに生身のコイツが出せる力じゃあねえ。騎馬戦の時みてーに生身の肉体に「ゴールド・E」(パワー)を上乗せしてやがんのか…ならこのロープを俺が引っ張ったところで逆にパワー負けするだけ。つまり、この状況を見通した上でこの策を選んだっつーことッ!)

 

ジョルノを見る。その体には黄金のヴィジョンがブレるように重なっている

 

「テメ〜〜〜〜…!!」

「爆破を喰らえばどうなるかなんて分かり切っていることだ。さあ…どれだけ耐えられる?」

「ナメてんじゃあねェ!!」

 

BBBOM!!

 

苛烈な戦いは続く

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