第2次スーパーロボット大戦J   作:YSK

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プロローグ 旅のはじまり

 

────

 

 

 夢。

 

 

 そうだ。これは、夢だ。

 

 ひさしく見ていなかった、あの夢。

 

 

 もう見る必要も理由もなくなったはずなのに。

 

 誰かが語りかけるその夢を、俺はひさしぶりに見ることとなる……

 

 

???『……』

 

 

 暗闇の中ぽつんと座り、祈りを捧げるようなしぐさで目を閉じる少女の姿。

 

 

 シャナ=ミア?

 

 かつて夢に出てきた少女の名を思う。

 

 

 いや、違う。

 彼女じゃない。

 

 同じように祈りを捧げているが、その少女の髪は、シャナ=ミアの青みがかった髪と対をなすかのように、燃えるように赤く、真紅と例えるにふさわしい色だった。

 

 

???『……どうか。私を……倒して……世界を、救って……お願い……』

 

 

 彼女は、祈るようにそう繰り返す。

 

 綺麗な声だとは思うが、そのすべてを聞きとることはできない。

 

 

???『お願い。私を……』

 

 

 君を……?

 

 

???「とうや」

 

 

 俺を呼ぶ、君は……?

 

 

???「統夜!」

 

統夜「っ!」

 

 

 目が、覚めた。

 

 

甲児「統夜!」

 

統夜「……あれ?」

 

甲児「なに寝ぼけてんだ。授業終わったぞ」

 

 

 声をかけてきたのは、戦友である兜甲児だった。

 わざわざ説明することもないだろうが、マジンガーZ、マジンカイザーのパイロットをしている。

 

 

メルア「統夜さんどうしました?」

 

カティア「いくら平和になったからって、授業中に居眠りはダメよ」

 

統夜「いや、今なにか……」

 

 

 ダメだ。思い出せない。

 

 それも、あの夢と同じだ。

 

 

シャナ=ミア「どうしました?」

 

統夜「いや、なんでもない」

 

 

 あの夢は、かつてシャナ=ミアが自分の不甲斐なさから祈りを捧げていたものを統夜が受信してしまったものだ。

 それと同じ夢を見たのだから、同じなにかがあるとは思ったが、覚えていないので誰かに聞くこともできなかった。

 

 

テニア「よし、帰る準備終了! みんな、帰ろー!」

 

ボス「こっちもオッケーだわさー」

 

甲児「おーし、帰るか!」

 

 

 ──後に『第一次地球圏争乱』と呼ばれる争いからしばらく。

 

 再び高校に戻った紫雲統夜達は、平穏無事な暮らしをとりもどしていた。

 

 ちなみに、他にも千鳥かなめや相良宗介など『フルメタルぱにっく』の関係者も通っているが、彼等は掃除当番でここにはいない。

 まあ、詳しい関係性は前作を参照にしてもらおう。

 

 

さやか「どこかよっていく?」

 

カティア「あ、それなら買いたいものがあるわ」

 

メルア「夕飯の材料ですね?」

 

カティア「ええ。あ、統夜君も食べに来る?」

 

テニア「シャナも!」

 

統夜「なら、今日もお邪魔させてもらおうかな」

 

シャナ=ミア「私もよろしいのですか?」

 

メルア「もちろんです。みんなで一緒に食べた方がおいしいですから!」

 

テニア「ねー」

 

ボス「かーっ! 羨ましいったらありゃしない!」

 

甲児「妬むなよボス」

 

ボス「あー、空から女の子とか降ってこないかしらん」

 

 

 なんてことを言いながらも、日常を繰り返そうとしていたその日。

 

 その日は、違った。

 

 

 ぶうぅぅん。

 

 

統夜「!」

 

シャナ=ミア「え?」

 

テニア「これ……」

 

カティア「っ!」

 

メルア「あっち!」

 

甲児「どうした!?」

 

 

 サイトロンを感じ取れる五人が反応する。

 

 廊下から学校の校庭を見る。

 

 するとそこに、一体のロボットが突然現われたのが見えた。

 

 

統夜「グランティード・ドラコデウス!?」

 

 

 そこに現われたのは、かつて共に戦った愛機。

 

 平和になった今は必要ないと封じられた機体だった。

 

 それが、なぜ!

 

 

 彼等は慌てて校庭へと飛び出す。

 

 

 グランティード・ドラコデウスは合体をとき、バシレウスとグランティードに別れていた。

 

 重量感のある鈍い振動を響かせ、グランティードは校庭に着地する。

 

 その姿は、主をむかえいれるための準備をしているかのように見えた。

 

 

 浮かび上がったバシレウスは、校庭上空を旋回し、その翼を広げた。

 

 ドラゴンを思い起こさせるその姿。

 その鋼の龍が、グランティードを見下ろしながらその巨大なアギトを開いた。

 

 

 ゴゴッ!

 

 バシレウスの口の中に光が集まる。

 

 カッ!

 

 そして首をもたげ、バシレウスは上空に向け、その光を放った。

 

 

 空気が振動し、衝撃が大地をかける。

 

 その光。万一その撃が地面に放たれたならば、どのような被害が出るかわからないほどの威力だった。

 

 

 ゴゴッ!

 

 もう一度、バシレウスが口を開いた。

 同じ力が、今度は上ではなく、下に向いているのがわかる。

 

 

統夜「いけない!」

 

甲児「統夜!」

 

 

 相手は本気だと理解した統夜は、グランティードに向かい走り出した。

 

 今すぐここに姿を現せるロボットがないことはない。だが、あの一撃を防げるのは、この場にグランティード以外にはなかった。

 

 

統夜「来てくれ、『パートナー選択』!」※前作のクリアデータがない場合、前作と同じく最初はテニアが乗る。

 

 

 自分を招き入れるようそこにあるグランティードに乗りこみ、二人で起動させる。

 

 ひさしぶりの感覚であったが、昔と同じ感覚で動かすことができそうだった。

 どうやら、フューリーにて整備された結果、合体せずとも統夜が自在に操れるようチューニングされたようである(統夜の腕が平和で少し鈍ったというのもあるだろう)

 

 グランティードの目に光がともり、ふわりと浮かび上がった。

 

 

統夜「どうしたんだバシレウス、やめろ!」

 

 

 放たれた一撃にドラコバスターをぶつけ相殺する。

 

 

 そのまま、バシレウスとの戦いが、はじまった……!

 

 

 最初の味方ターンにグランティードへ通信が入る。

 

 それは、かなめの護衛をしているクルツからだ。

 

 

クルツ「必要があれば援護する。いつでも言ってくれ」

 

 

 光学迷彩で透明になっているクルツ機が、そのまま戦力に加わった。

 このM9がすぐに姿を現せるロボットのわけだが、範囲攻撃を防ぐ手段は持っていない。

 

 ちなみに光学迷彩を稼動させ透明になっている限り、敵から攻撃されることはない(攻撃したりすると解除される)

 

 2ターン目。統夜達の手番が回ってくるとグレートマジンガーが味方増援で現われる。

 

 

鉄也「兜、マジンガーも運んできた。来い!」

 

甲児「助かるぜ、鉄也さん!」

 

 

 グレートマジンガーの隣に、マジンガーZが現われる。

 

 

甲児「マジンカイザーは今オーバーホール中だが、それでもここにはマジンガーZがいるぜ!」

 

 

 ついでに、ボスの乗るボスボロットも現われた。

 

 

ボス「じゃんじゃじゃーん! 学校近くに置いといてよかっただわさ!」

 

甲児「学校近くに置いといたのかよ」

 

 

 心強い仲間も加わり、バシレウス包囲網は狭まってゆく。

 

 

 そのHPを一定以下にすれば、この戦いは終わる。

 

 グランティードの一撃を受け、暴れまわっていたバシレウスはやっと静まり、ゆっくりと校庭へと着陸するのだった。

 

 

 警戒しながら、周囲を取り囲む。

 

 

 すると、バシレウスの一部が開き、中からいくつもの光の板現われた。

 

 それはまるで、人が降りてくるタラップのようだ。

 

 

 すっ。

 

 そこに、人影が現われる。

 

 

甲児「まさか、誰か乗っていたのか!?」

 

メルア「あれ、コックピットついてたんですね」

 

 

 統夜はそこに現われた少女を知っていた。

 

 

統夜(やっぱり、俺は、彼女を知っている。いや、思い出した。あの夢の……!)

 

 

 真紅と言っていい赤い髪を揺らし、彼女は光の板に足を乗せる。

 するとその板は自動的に地面へと動き、少女を地面へと運んだ。

 

 その背筋をピンと伸ばした姿は、どこか気品さえ感じさせる。

 

 どこかシャナ=ミアにも似た雰囲気をしているが、優しい面差しの彼女とは違い、強い意志が見てとれる瞳をしているのが印象的だった。

 

 

少女「まず、唐突の非礼。周囲の民へ不安を与えるような振る舞い。それらのことをお詫びいたします」

 

 

 地面に到着した少女は、上品にスカートのすそをつまみ、一礼してみせた。

 

 そして、視線をグランティードへと向ける。

 

 

 雄雄しく浮かぶそれを見て、赤髪の少女は勝気そうな顔をほころばせた。

 

 

少女「さすが、バシレウスに選ばれし者。予想を超える実力でした。その力を試すような真似をし、もうしわけありません」

 

 

 もう一度、少女は頭をさげる。

 

 

少女「どうか、そのお顔をわたくしにお見せ願えませんか?」

 

統夜「え? 俺を……?」

 

 

 どうやら先の戦いは、統夜の実力を測るためのものだったらしい。

 

 統夜は戸惑いながらも、コックピットから顔を出す。

 

 

少女「まあ、りりしいお方。さすが、我がバシレウスに選ばれた、救世主だけあります」

 

統夜「救世主?」

 

少女「はい。選ばれしお方よ。わたくしはあなたにお願いがあり、はるか遠い過去よりこの地へやってまいりました」

 

統夜「え? 過去? 実力を試すとか、一体どういうことだ?」

 

少女「おっと、失礼。自己紹介も事態の説明もまだでしたね。少し、興奮してしまったようですわ」

 

 

 てへへ。とお茶目に笑う。

 

 

少女「わたくしの名はロゼ=リア・エルテナ・フューラ。そちらのフューラから見て、従姉妹の関係にあたると思いますわ」

 

シャナ=ミア「従姉妹。となると、かつての争いに勝利した!?」

 

 

 その自己紹介を聞き、同じフューラ性を持っていたシャナ=ミアは驚いた。

 それはすなわち、フューリーの皇帝に連なる者の証。

 

 

ロゼ=リア「ええ。勝利者であり、この時代ではすでに滅びた一族の者です」

 

シャナ=ミア「なぜ、あなただけが? 確か、元々はバシレウスの庇護下にあったとは聞きましたが……」

 

ロゼ=リア「ええ。玉座機たるその機体は、グランティードとバシレウスにわけ隔てられ、その正当性を主張した争いに使われた……」

 

 

 その結果、グランティードを有していたシャナ=ミアの一族は破れ、この地へやってきた。

 一方そのバシレウスを得た彼女の一派は勝者としてその時代に栄華を極めた。

 

 しかし、その勝者も時の中に消えた。

 

 

カティア「既に滅びた。というと、それを統夜君にどうにかして欲しいということかしら?」

 

 

 救世主。そして願い。ということから、過去に滅びる自分達を救って欲しいと願いに来たと、彼女は推測した。

 

 

ロゼ=リア「いいえ。我が一族の滅びは必然。すでに起きた避けられない事実。わたくしは、過去を変えるつもりはありません」

 

テニア「なら、なにを?」

 

統夜「……ひょっとして、救って欲しいのは、世界、か?」

 

ロゼ=リア「なぜ、それを……?」

 

 

 統夜の言葉に、赤い髪の姫、ロゼ=リアは驚きの表情を見せた。

 統夜は確信する。あの夢は、彼女がどこかで祈りを捧げた結果の願いだと。

 

 シャナ=ミアと同じく、強い想いが、サイトロンを通じ、統夜にその心を見せたのだと……

 

 

統夜「いや、ちょっとね。サイトロンが教えてくれたんだ」

 

ロゼ=リア「そこまでサイトロンを使いこなしているとは。さすがです。ならば、話が早い。あなたには救って欲しいのです。世界を。そして、ここから続く、未来を」

 

統夜「未来も?」

 

ロゼ=リア「はい。我々の過ちによって生まれた、世界を滅ぼす存在。それを滅ぼすため、バシレウスに選ばれしあなたの力を貸して欲しいのです」

 

甲児「い、いきなりスケールがでかくなったな」

 

統夜「と、とりあえずもう少し説明が欲しいな。助けが欲しいなら力を貸すけど……」

 

ロゼ=リア「ええ。説明いたしましょう。争いに勝ったわたくし達のむかえた、愚かな結末を……」

 

 

──安らぎをあたえるもの──

 

 

 ロゼ=リアは、淡々と説明をはじめた。

 

 

 時さえ操ることに成功し、邪魔な政敵も排除。すべてを得たと考えた一族は、さらなる領域を目指しました。

 

 それは、この物理的な肉体さえも超越すること。

 

 時間も支配し、空間も自在に移動できる我々が、この肉体からも解放されれば、サイトロンをもちいずともすべてを理解し、人類のあらゆる悩みからも解放され、安寧にすごすことができる。

 

 人の世で言う天国、楽園と呼ばれる場所へすべての存在をいざなおうと、『それ』を作り出したのです。

 

 

 ──補足するなら、目指した『そこ』は、時間にも空間にも束縛されない精神世界。フルメタでいうオムニスフィアと説明するならわかりやすいだろう(ちなみにそこから物理世界に干渉するのがラムダ・ドライバである)

 さらに肉体の束縛から解放されるということに関しては、ガオガイガーのザ・パワーや他作品のイデの意思やら人類補完計画など、類似したものの名は多く耳にしたこともあるだろう──

 

 

 彼等は『そこ』を目指し、人類を超越する計画を発動させる。

 

 

 そして、その計画は、失敗した。

 

 彼等が生み出した『それ』は、確かに人々を肉体のくびきから開放してくれた。

 新たな世界へいざなってくれた。

 

 ただし、連れて行くのは、楽園ではなく、地獄だった。

 

 本来ならば解放されるべき負の感情。『それ』は、そういった苦痛さえもふくめてその領域へ運べる性能を持っていた。

 

 頭を砕かれたのなら頭を砕かれたまま。

 熱で焼かれたのならその熱を感じたまま。

 

 腹を貫かれた痛みを、潰される苦しみを。

 

 肉体を失っても、その時感じた痛みや苦しみが残ったままならば、そこはただ苦しいだけの世界となる。

 しかも肉体を失い、皆が一体化しているゆえ、その苦しみは他者にも伝播する。破壊の痛み、死の苦しみ、焼かれる熱さ、安寧と喜びの数をはるかに超える苦痛がいたるところから浴びせられ続ける無間地獄。

 

『それ』の連れて行ってくれる世界は、そんな地獄の世界だった。

 

 狂うことさえかなわず、永遠に無数の苦しみを味わい続ける闇の世界。

 

 

 想定どおりの動きではあるが、正しくない動き。人々をストレスから開放するために作られたが、逆に人を苦しめる結果となったゾンダープログラムと同じように、人々を永遠に苦しめるものが完成してしまった……

 

『それ』は与えられた使命どおり、すべての存在をそこへ連れてゆくため動き出した。

 

 物質世界すべてを破壊し、すべてのものに救いを与えようと。

 

 強引に、無差別に。

 

 

 そうして彼女の一族は、滅びた。

 

 

甲児「それは、まいったな」

 

ボス「永遠に苦しみ続けるとか、そんなのお断りじゃないさ」

 

ロゼ=リア「はい。このままでは世界が破壊しつくされ、地獄の世界しか残らなくなります。それを避けるため、唯一残された刻(とき)の巫女たるわたくしは、封印を施したのち、『それ』を倒せる者を探しに出たのです……」

 

 

 神竜バシレウスと、共に。

 

 そして、バシレウスが選んだ救世主。それが……

 

 

ロゼ=リア「そうして見つかった救世主。それが、あなたです。トーヤ」

 

統夜「……」

 

ロゼ=リア「失われし玉座機、グランティード・ドラコデウスを操るあなたならば、きっと世界を救うことができます。どうか、『それ』を倒すのに力を貸してください」

 

統夜「世界を、救う。か。いきなりだな……」

 

ロゼ=リア「いきなりのことに困惑するのもわかります。戦力もたりないでしょうしね。ですので、いきなり戦えとは言いません。『それ』とは、いつでも戦うことが可能です。戦力がそろい、勝利の確信がもてたなら、わたくしに声をおかけください」

 

 

 もう一人の刻の巫女である彼女が『それ』を封じている。ゆえに、その気になればいつでも封印を解いて戦えるのだ。

 

 ゲーム的に言えば、プロローグが終わりインターミッションに移行したあと、機体改造や強化パーツ、パイロット育成やセーブロードに混じって『世界を救う』というコマンドがある。

 

 このプロローグが終了直後、第1話に入る前から『それ』と決着をつけることも可能なのである!!

 

 もちろん、勝てるかどうかは別問題だが。

 

 

ロゼ=リア「ですので、これから世界を救うまで、よろしくお願いいたしますね。救世主様」

 

統夜「え? ちょっと待って。それって……」

 

ロゼ=リア「はい。不束者ですが、お世話になります」

 

 

 ぺこりと、彼女は統夜に頭を下げた。

 

 

みんな「ええええええー!?」

 

ボス「なんでお前ばっかりー!」

 

テニア「ちょっ、ちょっと待ちなよ。いきなり、いきなりすぎるよ!」

 

カティア「そうよ。統夜君。あなたもちゃんと言いなさい!」

 

シャナ=ミア「トウヤ、それならば私の家が空いてます!」

 

メルア「いっそ、わたし達も一緒に住んじゃいませんか?」

 

ヒロイン達「っ!!」

 

 

 メルアの言葉で一瞬さらにとんでもないことになりそうになったが、なんやかんやあってロゼ=リアは親戚でもあるシャナ=ミアの家に居候することになった。

 

 ついでに言うと、統夜はボスと甲児に頭をぽこぽこぺちぺち叩かれた。

 

 

統夜(やれやれ、いきなりとんでもないことを頼まれたな。世界を救うなんて、本当にできるのか……?)

 

 

 ロゼ=リア・エルテナ・フューラの出現。

 

 それは、これからはじまる新たな戦いを告げる、はじまりの鐘でもあったことを、彼等はまだ、知らない……

 

 

──その名は……──

 

 

統夜「ところで、『それ』ってなにかちゃんとした名前はあるの?」

 

ロゼ=リア「ええ。ございます。もっとも、当初とは違う名前ですけど」

 

統夜「違う?」

 

ロゼ=リア「当初予定していたものとはまったく別のものになってしまいましたから、呼び方を変えたのです」

 

 

 元は地球を再生させるため作られたアルティメットガンダムが、暴走によりデビルガンダムと名を変えたように。

 それも、本質が変わってしまった時点で別のものと認定されたのだ。

 

 

ロゼ=リア「ですので、今の『それ』は、こう呼ばれます。世界を地獄へいざなうもの……」

 

 

『ジ・ヴォーダ』

 

 

ロゼ=リア「……と」

 

 

 ちなみにヴォーダとは、フューリーの言葉で地獄のことをさす。

 それはまさに、体を現した名であった……

 

 

──『世界を救う』──

 

 

 インターミッションで『世界を救う』コマンドが実行されました。

 

 

ロゼ=リア「世界を救う準備は整いましたか?」

 

ロゼ=リア「では、はじめましょう。今から、『ジ・ヴォーダ』をわたくしの身体に呼び出します」

 

ロゼ=リア「え? どういうことかって?」

 

ロゼ=リア「簡単な話です。『ジ・ヴォーダ』の本体はむこうの領域にありますから、破壊をするためにはこの物質世界に呼び出すしかないのです。そして、実体を与え、倒す。よく聞くお話でしょう?」

 

 

 ちなみに、そのまま封印を解いて自由に暴れさせると、むこうの精神世界から一方的に攻撃されることになる。

 言ってみれば、オムニスフィアにいながらラムダドライバでぶん殴ってくるのだ。イデの意思がイデオン使わずソード振り回してくるのだ。

 

 それを防ぎ、実際に倒せるよう、刻の巫女の体を依代にするのである。

 

 

ロゼ=リア「よいのです。これは、わたくしの罪。それを償うならば、これと共に地獄へ落ちるのもいといません」

 

ロゼ=リア「さあ、わたくしごとそれを滅し、世界をお救いください!」

 

ロゼ=リア「なに。会ったばかりのわたくしに情をかける必要はありません。民の迷惑も考えず暴れだす迷惑な女でもあるのですから、消えればむしろ世のためになりましょう」

 

 

 戦いますか?

 

 

→『はい 』

 『いいえ』

 

 

 それは、世界を救うため、彼女を犠牲にするかという選択。

 

 

 もちろん世界を救うのならば……

 

 

ロゼ=リア「これで世界は地獄に飲まれることはなくなりました。ありがとう。伝説の王の座につくものよ……」

 

 

統夜「本当にこれで、よかったのかな……?」

 

 

 笑顔で消えた少女の姿を思い出し、統夜は一人、つぶやいた。

 

 もっと。もっとなにか別の手段があったんじゃないか。そんなことも考えてしまう。

 

 

シャナ=ミア「いいえトウヤ。あなたのおかげで、彼女は救われたのです。だから、胸を張りましょう」

 

カティア「そうよ。でなければ、彼女も浮かばれないわ」

 

メルア「はい。わたし達が沈んでいたら、やったことさえ無駄になってしまいます」

 

テニア「だから、笑おう。それがアタシ達にできる、精一杯のことだよ!」

 

統夜「……そうだな。みんなの言うとおりだ」

 

 

 だから、前を向いて、未来へ歩き出そう。

 

 それが、彼女へできる、唯一のたむけでもあるのだから……

 

 

 戦いに勝利し、世界を救った場合、これ以後ロゼ=リアは登場しなくなる。

 当然、それに類するイベントも発生しなくなる。

 

 早期に世界を救った場合、グランティードは後のイベントを待たずにバシレウスとの合体(そこから後継機使用)が可能となり、さらに強力な強化パーツやスキルパーツが手に入ったりする。

 

 早期撃破でのメリットはそれである。が……

 

 

 ちなみに最終話まで選択せずにいると、最終話への『次の話へ』は、『世界を救う』を選んだのと同じになる。

 

 

 彼女の運命をいつ決定するのか。それは、『あなた』の選択にかかっている……

 

 

 プロローグ 終わり

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