第2次スーパーロボット大戦J   作:YSK

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第09話 東京大決戦

 

──復讐の時──

 

 

 ロゴスも壊滅し、地球にひと時の安定が訪れたかと思ったが、そうはならなかった。

 

 今度はなんと東京がゾンダーに占拠されてしまったのだ。

 

 最初のゾンダー。EI-01、パスダーが目覚め、東京を浮かせて飛び立とうとしているのである。

 

 

 その時、東京へ買い物に来ていた統夜も東京を孤立させるバリアの中に閉じこめられてしまう事態が発生するのだった。

 ※このイベントはロゼ=リアが退場している場合発生しない。

 

 

 

 ──少しばかり時間が前後する。

 

 これは、ロゼ=リアが現われ、日本で少しの間学生生活をしていた時の話だ。

 

 食堂にて。

 

 

ロゼ=リア「恋文をいただいたのです」

 

かなめ「ぶーっ! い、いきなりね」

 

メルア「きゃー。凄い。凄いです!」

 

テニア「いきなりだねー」

 

カティア「それで、どうしたの?」

 

シャナ=ミア「どうしましたの?」

 

 

 女性陣は、興味津々である。

 

 

ロゼ=リア「丁重にお断りさせていただきました」

 

さやか「なぜ? 他に好きな人でもいるの?」

 

ロゼ=リア「いいえ。我々はいつ散るとも知れぬ身。残念ですが、わたくしは、誰ともおつきあいするつもりはござません。と、諦めていただきました」

 

テニア「そっかー」

 

メルア「ちょっと残念ですねー」

 

 

 恋の話に盛り上がらぬ女子は居ない。

 

 だが、それを近くで聞いていた統夜は、感じていた。

 

 彼女のこの覚悟。

 それは、自分に未来がないと知ってのことだからだと。

 

 統夜は知っている。

 彼女は世界を救うため、その身を犠牲にしようとしていることを。

 

 自分にはその時までの未来しかないということを。

 

 ゆえに彼女は、今を楽しむのと同時に、未来を諦め、自棄になったよう明るく振舞っている。

 

 あのめちゃくちゃなテンションはそういう理由があるからだと、統夜は感じていた。

 

 

 だから……

 

 

統夜「うっ……ここは……」

 

 

 統夜は暗闇の中目を覚ました。

 

 

統夜「夢、か……」

 

 

 先ほどの一幕は、気絶している間に見ていた夢だったようだ。

 いったいなにがあったのかと、あたりを見回す。

 

 

統夜「そうだ、あの時……」

 

 

 統夜は、自分が今、どのような状況に置かれているのかを思い出した。

 

 日本に戻った統夜達は、東京に買い物に来ていた。

 

 その中で、統夜はクド=ラが生身の自分を狙っていることを知る。

 

 最初に気づいたのは、千鳥かなめと共に来ていた相良宗介だった。

 彼は自分達をつけている何者かがいると気づき、その正体が統夜を狙うクド=ラであると気づいた。

 

 ゆえに、その接近を、ショッピングに夢中になっている女子達に隠れて知らせてくれたのである。

 

 機体に乗っての戦いでは勝てぬと思った彼女は、生身の統夜になら勝てると思ったのだろう。

 そう、宗介は推測する。

 

 いつでも相手にすると言った手前、無視するわけにはいかない。

 

 統夜は付け焼き刃な戦闘訓練しか受けていないが、それは機体に乗っていない彼女も同じ。

 宗介に防刃チョッキなどを借り、ここはお帰り願うため、一人で彼女を相手にすることにした。

 

 

宗介「あの訓練(第8話参照)を思い出せば問題ない」

 

統夜「ああ。行ってくるよ」

 

 

 皆がショッピングに夢中になっている間に、近くにある廃ビルへ一人でむかう統夜。

 

 これはチャンスであると、クド=ラもそちらへむかう。

 

 

 そこまでは、双方の思惑通りであった。

 

 だが、そこで、東京は異変に襲われる。

 

 

 大地が揺れ、地面が裂け、その影響で廃ビルが折れて二人のもとへ落下してきたのだ。

 

 

統夜「っ! 危ない!」

 

 

 とっさに統夜は襲いくるクド=ラに飛びつき、グランティードを呼んだ。

 覆いかぶさった統夜と同じように、グランティードが統夜達をかばう形で廃ビルとの間に転移して現われる。

 

 

統夜「……そうか、それで」

 

 

 その結果、統夜はグランティードと共に、廃ビルの瓦礫に埋もれてしまったのだろう。

 衝撃からして、ビルだけでなく、裂けた地面の方にもまきこまれ、地下の方に滑り落ちたというのも推測ができた。

 

 なぜなら、周囲は完全な闇。

 瓦礫を支えるグランティードによって生まれた小さな空間しかないからである。

 

 

統夜「一体なにが起きたんだ? グランティードを動かせれば、すぐにでも出られるけど……」

 

 

 問題は、グランティードは統夜一人では動かせないということだった。

 幸いコックピットを開き、乗りこむことは可能だし、それによって明かりも確保はできる。

 

 明かりを得たことで、もう一人同様に閉じこめられた人の姿が見えた。

 

 

クド=ラ「がるる」

 

 

 小さな空間の隅で、統夜を威嚇している少女がいる。

 手にナイフなどの凶器はない。あの衝撃ですべて放り出してしまい、いるのはか弱く、か細い腕しかない女の子だった。

 

 統夜が近づけば、そのまま噛み付きかねない勢いさえあった。

 

 彼女もサイトロンによって機体を動かしている。ゆえに、彼女の協力があれば、グランティードも動かせるかもしれないが……

 

 

統夜「まあ、無理か……」

 

 

 やれやれと、肩をすくめた。

 

 いずれにせよ、グランティードから救難信号を出せる。のんびりと待っていれば、誰か助けが来るはずだ。

 外で起きている事態をまだ把握していない統夜は、そう考え、待つことにする。

 

 

統夜「……」

 

クド=ラ「……っ!」

 

統夜「なあ」

 

クド=ラ「なにさ!」

 

統夜「じっと睨みつけられても困るんだけど」

 

クド=ラ「こうしてれば弾けて死んでくれると思って」

 

統夜「さすがに、そこまでの力は俺達にないんじゃないかな」

 

クド=ラ「うっさい。死ね」

 

統夜「さすがに、ここじゃ死ねないな。ここで俺が死ねば、多分君も助からないだろうし」

 

 

 統夜が死ねば、ここにあるグランティードがどうなるかわからない。

 格納庫に戻り、この場から消えてしまうなんてことになれば、それの支える瓦礫により、彼女はみごと押しつぶされてしまうだろう。

 例えグランティードがそのまま残ったとしても、主を失ったグランティードは機能を停止し、救難信号は停止。さらにここを照らす明かりはおろか、開いたコックピットより生まれる酸素もなくなってしまう。

 そうなれば、この暗くて狭い空間の中、彼女は孤独な死を免れないだろう。

 

 

クド=ラ「そんなのかまうもんか。お前が死ぬなら、ボクはそれで満足だ。お前を道連れにできるのなら、望むところだよ」

 

統夜「……それは、俺を殺せるなら、自分の命はどうでもいいってことか?」

 

クド=ラ「そうさ。死んでも兄さんの仇をとる。それ以外、生きててなにがある!」

 

統夜「……」

 

 

 復讐を胸に、その心を生きる気力とする。

 それはいい。

 

 だが、そのためだけに生き、命を捨てる。 

 

 それは統夜の望むところではない。

 

 

統夜「無理だ。今の君には殺されない。絶対にな」

 

クド=ラ「今? ふん。なら、もっと強くなってやる。ボクだって、まだまだ強くなる!」

 

統夜「強さは関係ないさ。復讐できるなら終わってもいい。そんな未来を考えていない戦い方をするうちは、俺は絶対に負けない」

 

クド=ラ「なっ、なにをー!?」

 

統夜「俺をいくら憎んでくれていい。いくら殺そうとしてくれていい」

 

統夜(それが君の生きる理由になるのなら、俺はそれでよかった)

 

 

 どんな理由であれ、肉親を失った彼女に生きる理由ができるのなら、前を向く糧となるのなら、どれだけ恨まれてもかまわないと統夜は思っていた。

 

 

統夜「でも、俺の死が君の死んでもいい理由になるのは認められない。俺を殺して、君まで死んだらその仇討ちに意味はない。復讐は目的の一つであって、終着点じゃない。君の命はそこで終わっていいものじゃないんだ。ゆえに、死んでも俺を殺すという限り、絶対に殺されるつもりはない!」

 

クド=ラ「なっ!?」

 

統夜「だから、お願いだ。仇討ちだけに、命をかけないでくれ」

 

クド=ラ「えっ……?」

 

 

 まっすぐ目を見て放たれた突然の懇願に、クド=ラは戸惑う。

 

 

クド=ラ「な、なによいきなり。殺される側だってのに、なにボクを心配するようなことを! お前は、ボクの仇なんだぞ!」

 

統夜「ああ。仇だ。仇だけど、君の未来を心配してなにが悪い」

 

クド=ラ「えっ?」

 

統夜「君と同じように、俺の仲間にも生きることをなかば諦めている子がいる。その子は未来がないから、今を生きることに精一杯で、先のことを考えていないような楽しみ方をしている」

 

クド=ラ「それがどうしたのよ。ボクには関係ない」

 

統夜「関係ある。君にも、彼女にも、未来があっていいはずなんだ。明るい未来を考えていいはずなんだ。だから、俺を殺したら終わりとか、世界を救うために自分は死んで終わりとか、そんなのダメだ。ちゃんと、未来を考えて、幸せを夢見ていいはずなんだよ! なのに、生きるのを諦めてどうするんだ!」

 

クド=ラ「ボクは生きるのを諦めてなんか!」

 

統夜「なら、なんで相打ちでもいいなんて言うんだ? 違うのなら、復讐を終えたあと、どうしたいか、未来の展望を聞かせてもらおうか」

 

クド=ラ「うっ……」

 

 

 彼女は統夜の疑問に言葉を詰まらせた。

 

 

統夜「!」

 

 

 言葉に詰まったクド=ラを見て、統夜は気づいた。

 

 統夜は今までの会話から、彼女は未来のことをなにも考えていないと悟っていた。

 本当に、統夜と相打ちになって死んでもいいと考えている。

 このままでは、統夜が殺された先にさえなにも残らない。生きる屍が残るだけ。憎しみを統夜にむけるだけではなにも解決しない。

 

 だが、ここで即答の反論が出ず、言葉が詰まったということは、この瞬間、彼女は未来を考えたということでもある。

 それはつまり、クド=ラの中から生きる意志が消えていないということ。

 

 ならば、彼女に憎しみ以外のことを想起させることができる。復讐以後の生きる目的を思い出させることができる。……かもしれない。

 

 ほんの小さな希望。ここがその分水嶺であると感じた統夜は、このまま彼女の心へ踏みこむことを決断する。

 

 

統夜「考えてるなら言えるはずだ。君は俺を殺したあと、なにがしたい?」

 

クド=ラ「い、言わない……!」

 

統夜「答えてもらう。気が晴れたらなにがしたいかを! どんな未来を望むのかを!」

 

クド=ラ「ボ、ボクは……」

 

 

 その気勢に戸惑うクド=ラにむかい、統夜は口勢を緩めない。むしろ強めてゆく。その心へ迫ってゆく。

 

 

統夜「さあ!」

 

クド=ラ「ボクはっ……」

 

統夜「さあ!!」

 

クド=ラ「ううっ……」

 

統夜「さあ!!!」

 

クド=ラ「う、うるさい! そんなの考えてなかったわよ!」

 

統夜「素直でよろしい!」

 

 

 返ってきた答えに、統夜は満足したようにうなずき……

 

 

統夜「なら、考えようか」

 

クド=ラ「……は?」

 

統夜「仇を討って、復讐を終えたあとのことさ。すっきりしたらなにがしたいかとか。色々やりたいことはあるだろう?」

 

クド=ラ「なっ、なにを言ってるのさ。自分が殺されてからのことを考えようなんて、あんた本気なの!?」

 

統夜「ああ。本気だ。それで復讐を終えた君が、幸せに暮らせるのならね」

 

クド=ラ「……」

 

統夜「それに、仇を討った後、君が幸せに過ごせなければ、肝心のジュア=ムも成仏できないとは思わないか? ジュア=ムだって、君が笑って過ごして欲しいと思っていたはずだ。あいつのことを思うなら、復讐が終わったあとのことを考えるのも意味があると思うんだ」

 

クド=ラ「……」

 

統夜「ジュア=ムのために。そうは考えられないか?」

 

クド=ラ「……復讐が終わったあとのこと、ね」

 

統夜「どうせ時間はたっぷりある。考えよう。そうだ。君は、これがなかったら、将来なにがしたかったとか、夢とかなかったのか?」

 

クド=ラ「そりゃ、あったわよ。地球に降りたら、なにをしたかったかくらい……」

 

統夜「それはよかった。よければ、その夢を聞かせてもらえないかな?」

 

クド=ラ「ボクは……って、なんであんたにそれを話さなきゃならないのさ! 聞いたところで、死ぬ人間には関係ない話だ! もう流されないぞ!!」

 

統夜「あはは。それもそうか。確かにそうだ。でも、未来のことを考えられるようになったのなら幸いだ。忘れていたそれを、覚えていてくれ。復讐が終わっても、それで人生が終わるわけじゃないと」

 

クド=ラ「……」

 

クド=ラ(なんなのこいつ。バカなんじゃない。自分が殺されたあとのことばかり心配して。殺すボクのことばかり心配して! お前が死んでからボクがどうなろうと、お前には関係ないじゃないか! お前は極悪人なんだから、自分の心配をしていろよ!)

 

 

 クド=ラの胸の中を、ざわざわしたものが駆け抜ける。

 恨みと憎しみの中、言葉では表現できないなにかが、彼女の中に芽生えていた。

 

 

クド=ラ(ええい。そんなことはどうでもいい。こいつを殺して、兄さんの恨みさえ晴らせばすべて終わるんだ。そんなこと考えてもしかたない!)

 

 

 このチャンスを逃す手はないと、クド=ラは意を決し、近くの瓦礫に手を伸ばした。

 刃物がなくとも、でかい石があれば、人間の頭くらい……!

 

 

 ゴゴゥン!!

 

 また、不自然に地面が揺れた。

 

 

クド=ラ「きゃっ!」

 

統夜「危ない!」

 

 

 とっさに統夜が手をとり、彼女をグランティードの真下に引き寄せた。

 まるで彼女を守るよう、抱きとめる。

 

 

クド=ラ「!? !!?」

 

統夜「なんだこの揺れは。明らかに、普通じゃないぞ……」

 

 

 さすがの統夜も、異変に気づきはじめた。

 

 

 キンッ!!

 

 直後、サイトロンが未来の様子を統夜達の脳裏へと浮かび上がらせる。

 

 

 そこには、バリアに包まれ浮かび上がる東京と、東京タワーに寄生した巨大なゾンダーの姿だった。

 そして、内部に捕らわれた者達が、次々とゾンダーに変貌してゆくのも見えた。

 

 統夜は、今外でなにが起ころうとしているのか。それを把握した!

 

 

統夜「そういうことか……!」

 

クド=ラ「え? 今の、なに……?」

 

 

 それは、統夜だけでなくクド=ラの方にも見えていたようだ。

 

 未来を見るのははじめてらしく、驚き、戸惑っている。

 

 

統夜「見えたか?」

 

クド=ラ「う、うん。なにこれ。外で、こんなことが起こっているの? ボク達、怪物になっちゃうの?」

 

統夜「いや。これはありえる未来の一つだ。このまま俺達が指をくわえて見ていれば、大勢の人がああなる未来だと、サイトロンが教えてくれたんだ」

 

クド=ラ「そんなっ……!」

 

統夜「早く外に出て、どうにかしないと大変なことになる。クド=ラ。頼める立場じゃないのはわかっている。でも、君の力が必要だ。力を貸してくれ!」

 

クド=ラ「え? なにを言ってるの?」

 

統夜「君ならサイトロンを使える。俺とグランティードに乗ってくれれば、外に出られる。彼等を助けられる」

 

クド=ラ「……確かに、ボクが使ってるのと同じだから、あんたとボクが乗れば動かせるかもしれない」

 

統夜(同じ。ということは、あの機体、もう一人誰かが乗っているってことか?)

 

クド=ラ「別に一人だよ。しいて言うなら、兄さんと一緒ってことだけど!」

 

 

 えっへんと胸を張った。

 

 統夜は考えが顔に出ていたかと、思わず苦笑する。

 

 

統夜「そういうことを思ったわけじゃないけど、動かせるなら好都合だ。力を貸してくれ」

 

クド=ラ「あんたバカなんじゃない。外に出たとたん、背中からボクに殺されることくらい想像できないの?」

 

統夜「そうしたいならそうすればいい。その時は大人しくそれを受け入れるよ。でも、俺の命の代わりに、外で困っている人達だけは助けてやってくれ」

 

クド=ラ「……」

 

統夜「だから、頼むよ」

 

クド=ラ「自分の命をかけて他人を救うとか、バカなんじゃない。でも、いいわ。今だけ手伝ってあげる。今だけだからね!」

 

統夜「ありがとう!」

 

クド=ラ「……」

 

 

 開いたコックピットによじ登り、二人はグランティードを起動させる。

 

 グランティードの両目に光がともり、ゆっくりとその巨体を立たせはじめた……!

 

 

──東京大決戦──

 

 

 突如として東京を覆った光のバリア。

 中とも外とも通信がとれなくなった中、GGGはそこで、ゾンダープラントが作られようとしていると推測した。

 

 なんとかしてその中へ突入し、ゾンダープラントの完成を阻止しなければならない。

 

 しかし何層にも連なると予測されるバリアは、解析が難しく、それを打ち破るのは容易いことではなかった。

 

 時間がない。

 誰もが焦りを感じたその時、バリアの内部で異変が起きた。

 

 何者かがバリアの中で暴れ、その力が弱まったのである。

 

 それは、中でバリアを作る機界四天王へダメージを与えた統夜の仕業。

 おかげでバリアの階層と組成を解析でき、それを打ち破る方法が判明した。

 

 四層になったバリア。

 一つを超電磁チームが。

 一つをGガンダムチームが。

 さらにナデシコ。

 そして、ガオガイガー達がそれを消し、第13独立部隊は東京へと突入した。

 

 

 そこには、機界四天王が待ち構えていた。

 

 

ロゼ=リア「トーヤ、無事ですか!?」

 

統夜「ああ。俺は無事だ!」

 

シャナ=ミア「グランティードを一人で動かしているのですか?」

 

統夜「いや、違う。でも今は、それを説明している暇はない。またバリアを張られる前に、こいつらを!」

 

メルア「わかりました!」

 

カティア「皆さん!」

 

凱「ああ!」

 

 

 激闘の末、第13独立部隊は機界四天王を撃破する。

 

 しかし直後、東京タワーをとりこんだEI-01、パスダーが姿を現した。

 それは、300メートルをこえる巨大な姿を持ち、まるで悪魔だと言われるような姿をしていた。

 

 パスダーは東京のエネルギーを吸い上げ、東京そのものを宇宙船へと変え、巨大なゾンダープラントへと変貌させようとする。

 

 東京すべてのエネルギーを得たパスダーは、第13独立部隊の面々の攻撃を次々と無効化し、Gストーンのエネルギーさえ消してゆく。

 

 このままでは勝ち目は薄い。そう感じた凱は、最後の切り札、弾丸Xの使用を要請する。

 Gストーンのパワーを最大まで高めるそれを使えば、勇者達もただではすまない。しかし、このまま東京を、いや、地球がゾンダー化されてはすべてが終わる。

 

 覚悟を決めた凱達は、射出された弾丸Xの元へと到達する。

 しかし、その力が完全に開放されるには、ほんの少しの時間が必要だった。

 

 その間、弾丸Xと勇者達を守らねばならない。

 だというのに、彼等の消耗は予想より激しかった。

 

 

甲児「くそっ、このままじゃ!」

 

弓教授「甲児君!」

 

甲児「弓教授!? ひょっとして!」

 

弓教授「ああ。その通りだ。マジンカイザーのオーバーホールが完了した。今、そちらへ送る! 上空でカイザーパイルダーに乗り換え、そのままそのままマジンカイザーとドッキングするんだ!」

 

甲児「わかりました!」

 

 

 かなり無茶なことを言っているが、甲児はそれを快諾した。

 

 パイルダーをマジンガーZとから離脱させ、そのまま上空へとむかう。

 そこには、自動操縦で動くカイザーパイルダーの姿があった。

 

 速度をあわせ、カイザーパイルダーに飛び乗る。そして、宇宙から自由落下してくるマジンカイザーとドッキングを果たした!

 

 

甲児「いくぞおぉぉぉ!!」

 

 

 パスダーの攻撃が弾丸Xと勇者達へのびる。

 

 誰もが止められないと思ったその瞬間、空から鉄の弾丸が降り注いだ。

 

 小さなクレーターを作り、それはパスダーの攻撃を吹き飛ばす。

 

 

パスダー「なっ!?」

 

甲児「時間ならば、俺が、このマジンカイザーが稼ぐぜ! くらえ。ファイヤーブラスター!!!」

 

パスダー「こしゃくな! このような攻撃、また対消滅してくれる!」

 

甲児「いくらでも防げばいい。いくらでも撃ってやるからな!」

 

パスダー「ぬうぅ。人間ごときがあぁぁ!!」

 

甲児「おおおぉぉぉぉぉ!!」

 

 

 放たれた赤き炎。

 

 パスダーとの力とぶつかりあい、それは大きな輝きを放った。

 

 

パスダー「くくっ。我にそれが届くことはなかったようだな」

 

甲児「いいや、十分さ。十分時間は稼いだ!」

 

 

 マジンカイザーの背後から、緑色の輝きが広がる。

 

 その光は、ゾンダーのエネルギーを押し戻し、街のプラントを消滅させていった。

 

 弾丸X。

 Gストーン内部に封印されていた高エネルギー集積体を爆発的に開放させ、GSライドから限界以上のパワーを引き出すGGGの最終兵器。

 

 その力がついに解放されたのだ!

 

 

パスダー「ぬうぅ!」

 

凱「うおおおぉぉ!!」

 

 

 弾丸Xより飛び出したガオガイガーが、パスダーに一撃を加える。

 

 その巨体が、ついによろめいた。

 

 

 反エネルギー同士がぶつかれば、その互いは消滅するだけ。生き残るのは、よりパワーが大きな者。

 

 つまり……

 

 

凱「行くぞEI-01! 俺達とお前。最後に立っていた方が、勝利者だ!」

 

甲児「そして、神を超え、悪魔を倒すマジンカイザーの真の力を見せてやるぜ!」

 

 

 東京を救う最後の戦いが、はじまった!

 

 

 ……

 

 …………

 

 

 ……

 

 

 激闘を制したのは、第13独立部隊であった。

 

 東京のエネルギーを得たパスダーであったが、パワーアップした勇者ロボ軍団におされてゆき、最終的にガオガイガーのゴルディオンハンマーにより、完全に消滅させられたのだ。

 

 勇気の、勝利である!

 

 

 しかし、犠牲は大きかった。

 

 勝利を確信したのち、勇者達は一様に輝きを失ってしまったのである。

 

 誰もが感じた。

 彼等は命の炎を燃やしつくし、地球を救ったのだと。

 

 だが……

 

 

護「嘘だよね。凱兄ちゃん! ギャレオン! みんな返事をしてよ。目を覚ましてよー!」

 

 

 護が願い、叫んだ時、奇跡は起きた。

 

 勇者達のGストーンに輝きが戻り、勇者達は目を覚ましたのだ。

 ボロボロではあるが、彼等は生きていたのだ!

 

 喜びに沸く第13独立部隊。

 

 この戦いは、彼等の大勝利で終わったのだ!

 

 

──別れの時──

 

 

 ※ロゼ=リアが退場している場合、このイベントは発生しない(上のイベントからの流れだから)

 

 

 戦いも終わり、グランティードのコックピットからクド=ラが姿を現した。

 

 

統夜「ありがとな。おかげで助かった」

 

クド=ラ「……別にあんたを助けたわけじゃない。ボクだって、他人が傷つくのなんて見たくないだけだよ」

 

統夜「そうだな。やっぱり君は、優しい子だ」

 

クド=ラ「う、うっさい! 変なこと言うな!」

 

シャナ=ミア「クド=ラ……」

 

ロゼ=リア「どうするのです? このままトーヤの命を狙いますか?」

 

クド=ラ「……やってもいいけど、せいぜい相打ちがいいとこだね。だから、今日のところはやめとくよ」

 

統夜「そっか。なら、またいつでも来るといいよ。今度は、カティア達と御飯でも食べていってくれ」

 

クド=ラ「だからなに言ってんのあんたは! 命を狙われてるって自覚あるの!?」

 

カティア「じゃあ、私もいつでも歓迎するわ。好きなものを作ってあげる」

 

クド=ラ「そっちもなにいってんのさ!」

 

カティア「統夜君が無茶言うのはいつものことですからね。これくらい、こたえて当然よ」

 

クド=ラ「い、意味わかんない……」

 

テニア「なんなら、今から一緒に御飯食べていかない?」

 

メルア「お菓子もありますよ」

 

クド=ラ「どいつもこいつも意味わかんないことばっかり! あんた達と馴れ合うつもりなんてないんだから!」

 

 

 クド=ラはぴょんとコックピットを飛び出し、そのまま去ってゆくのだった。

 

 

 統夜はそれを、優しい視線で見送った。

 

 今日このまま統夜の命を狙わなかった。それはつまり、統夜を殺すだけに生きるというのをやめたという意味だからだ。

 

 ほんの少しは、未来のことを考えられるようになったということだからだ……

 

 

 闇に飲まれた彼女の未来は、ほんの少しだけでも明るくなっただろうか……?

 

 

 第09話 終わり

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