──外伝──
これは、ロゼ=リアが現われるよりさらに前のお話。
今と前作の間の話である。
かなめ「そういえば、最近あのアル=ヴァンって人見ないけど、どうかしたの?」
高校で暇をもてあました中、千鳥かなめがふと思い出し、シャナ=ミアに聞いた。
シャナ=ミア「アル=ヴァンは今、旅に出ています」
さやか「旅? なぜ?」
シャナ=ミア「実は、アシュアリー社で働いていた者でもう一人、生存者がいたそうなのです」
テニア「ええっ!?」
メルア「本当なんですか!?」
彼女達が驚くのも無理はない。
詳しいことは前作『スーパーロボット大戦J ムーンデュエラーズ』を参照してもらうが、アシュアリー社はフューリー主戦派によって壊滅させられ、生き残ったのはカティア、テニア、メルアの三人だけだと伝えられていたからだ。
シャナ=ミア「カルヴィナという名で、テストパイロットと教官をしていたようですが、知っていますか?」
カティア「私はちょっとわからないわ」
メルア「わたしもわかりません」
テニア「アタシ、ちょっと見たことある気がする。女の人だよね?」
シャナ=ミア「はい。彼女は今まで昏睡状態で眠っていたのですが、あの争乱後に目を覚まし、事情を聞き、当事者の一人であるアル=ヴァンにことの真相を聞くため、やってきたのです」
さやか「じゃあ、彼は……?」
シャナ=ミア「はい。アル=ヴァンは私に危害がおよぶのを案じて、一度この地を離れました。彼女はそれを追い……」
真相を知れば、間違いなくなにかが起きる。
それは、誰が考えても大変危険なことと簡単に予測がついた。
ゆえに、それを避けるため、アル=ヴァンはこの地を離れたのだ。
シャナ=ミア「そして、先日届いたのが、この一報です……」
どこか神妙に、シャナ=ミアが懐から一枚のはがきを取り出す。
テニア「まさか……」
嫌な予感をはらみながら、彼女はシャナ=ミアからうけとったはがきを見る。
そこには……
二人『私達、結婚しました』
幸せそうなアル=ヴァンとカルヴィナの姿を写した絵はがきがあった。
テニア「結婚してるー!!」
かなめ「なにがどうなってそうなったのー!?」
シャナ=ミア「どうやら、彼女のことを憎からず想っていた彼は、あの時確実なとどめがさせなかったようです」
あの時、アル=ヴァンはフューリー一族を選ぶ決断をし、アシュアリーを壊滅させた。
だがその時、この被害なら助かるまいと自分に言い聞かせ、カルヴィナに明確なとどめはさせなかったのだ。
それが、カルヴィナが生き残った理由……
シャナ=ミア「そして、カルヴィナという名のパイロットもまた、アル=ヴァンのことを少なからず想っていたようなのです……」
そうして憎からず想いあっていた同士。
それが逃亡と追跡の果てに愛を芽生えさせ、結婚に至ったのだという。
カティア「一体、逃げた先でなにがあったのかしら……」
メルア「気になります……」
シャナ=ミア「なのでアル=ヴァンはそのまま新婚旅行中なんです。細かいことは、そのあとに聞くしかありませんね」
テニア「なんだ。心配して損した」
シャナ=ミア「どうやら、その旅行のシャトル、あのアキトさんとユリカさんともご一緒らしく、とてもにぎやかな旅行になりそうだと言っていましたよ」
テニア「確かに、あの二人。というか、ミスマル艦長が一緒なら、かなり騒がしくなりそうだね」
カティア「今はもう、テンカワユリカさんよ」
テニア「あ、そうだった」
メルア「もう、テニアちゃんてば」
あはは。と、皆で笑う。
この時まだ、その新婚旅行のシャトルがまさかあんなことになろうとは、彼女達は知る由もなかった。
こうして、アル=ヴァンとカルヴィナの長い長い新婚旅行が幕を開けることになったのだ……
おしまい