第2次スーパーロボット大戦J   作:YSK

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最終話 旅の終わり

 

──『世界を救う』──

 

 

 インターミッションで『世界を救う』コマンドが実行されました。

 

 

ロゼ=リア「さあ、トーヤ、ついに時が来ました。戦力は既に十分。『ジ・ヴォーダ』を破壊し、世界を救う時が来たのです!」

 

統夜「ああ。みんな知っている。『ジ・ヴォーダ』を倒すため、それを君の身体に呼び出すことも」

 

ロゼ=リア「はい。『ジ・ヴォーダ』の本体はむこうの領域にあります。破壊するためにはこの物質世界に呼び出すしかありません。ですから、『ジ・ヴォーダ』と化したわたくしごと、それを滅し、世界を救ってください!」

 

統夜「……」

 

 

 戦いますか?

 

 

 『はい 』

→『世界を救い。君も助ける』

 

 

 幾多の戦いを経て、多くの仲間とであった今、そこに、新たな選択肢が生まれた。

 

 

ロゼ=リア「とても楽しい時間がすごせました。トーヤ。本当に、ありがとうございます……」

 

統夜「悪いけど、君のその悲壮な覚悟、今から踏みにじらせてもらう。俺は、君ごと『ジ・ヴォーダ』を倒すつもりはない」

 

ロゼ=リア「な、なにを言うのです! なら、世界はどうなるのです!?」

 

統夜「世界も救うよ。君を殺さず!」

 

ロゼ=リア「そ、そんなことできるわけがありません! あれは、『ジ・ヴォーダ』はこの領域にいないのですよ。我々の届かぬところにおり、一方的に攻撃できる。そんなの、どうするというのです。どう倒すというのです! できるわけありません!」

 

統夜「ここから届かないのなら、届くところに行けばいい」

 

ロゼ=リア「いくらバシレウスに選ばれたあなたとはいえ、そんなことは……!」

 

統夜「ああ。俺一人じゃ無理だ。でも、俺にはみんながいる。みんながいればできる!」

 

イネス「説明しましょう」

 

テニア「え!? ここで説明おば(以下自粛)!?」

 

 

 にゅっと現われた説明おねーさんが説明をはじめる。

 

 

 まず、ロゼ=リアに一度、『ジ・ヴォーダ』をこの世界に顕現させてもらう。

 それを、レーバテインの妖精の羽をもちいて一度遮断。ロゼ=リアとのリンクを断ち切り、むこうの世界へとお帰り願う。

 

 ジ・ヴォーダのいる世界は、いわばオムニスフィアの裏。ほぼ表裏の違いでしかない同じ力であるから、妖精の羽をもちいることで、一時的に無力化できる。

 

 そうしてできた門を使い、第13独立部隊が、あちらの世界へ突入する。

 

 

ロゼ=リア「そのようなこと、不可能です。あちらは物質を超越したエネルギーのみの世界。そこに、どうやってこのままあなた方が行けるというのです!」

 

 

 そこで登場するのが、ダイモスのダイモライト。

 最大まで高めれば、機体さえエネルギーに変えるそれを使う!

 

 すべての機体をエネルギーに変え、物質を超越し、ディストーションフィールドと共に、あちらの世界へ突入するのだ!

 

 

 そして、むこうの領域で、『ジ・ヴォーダ』を撃破する。

 

 

統夜「そうすれば、君を犠牲にすることなく、世界を救える」

 

ロゼ=リア「そんな無茶な方法、例え成功しても、今度はあちらの世界で他と混じりあい、帰ってこれるかもわかりません。なのに……!」

 

統夜「成功の確率なんて知ったことじゃないよ。俺達は、君も救える可能性があるのなら、それを実行する。それだけのことだ」

 

ロゼ=リア「っ!」

 

統夜「確かに、君とであった時ではこんなこと無理だった。俺一人じゃ、君を犠牲にして世界を救うことしかできなかった。でも、今ならできる。ここに、みんながいるから!」

 

ロゼ=リア「トーヤだけでなく……?」

 

統夜「そう。だから、救わせて欲しい。世界も、君も!」

 

 

 バシレウスは、世界を救う救世主として統夜を選んだ。

 共に戦い、ロゼ=リアは彼ならば確かに『ジ・ヴォーダ』を破壊し、世界を救ってくれると確信していた。

 

 だが、まさか。自分にまでその手が差し伸べられるとは、夢にも思わなかった!

 

 想像さえ、していなかった……!

 

 

 思わず、涙がこぼれた。

 

 

ロゼ=リア「わたくし。ずっと諦めていました。だから、楽しかった。皆さんと一緒にいた、この短い時間が。それが、永遠に続けばいいのにと思ってました。それが、これからもずっと続くんですか……?」

 

テニア「そうだよ。だからもう、強がらなくていいんだよ」

 

メルア「明るく振舞っていたのは、本当は怖かったからなんですよね」

 

カティア「私達の近くにも、同じように振舞う子がいるから、知っているわ」

 

テニア「てへへ」

 

シャナ=ミア「だから、もういいんですよ。素直になって」

 

ロゼ=リア「……わたくし。わたくし、ずっと怖かった。消えたくなかった。ずっとずっと、言いたかった。誰かに。助けってって……! トーヤ、わたくしを、助けてくださるの……?」

 

統夜「そんなの……」

 

みんな「当たり前だ!」

 

 

 皆の声が、重なる。

 

 度重なる戦いの中。何度も誰かが見捨てられて不思議でない状況となった。

 それでも彼等は、誰一人見捨てることなく歩いてきた。

 

 ならば、彼女にだって手を伸ばす。それは、当然のことだ!

 

 

ロゼ=リア(ああ、父上……)

 

???「ロゼ=リアよ、お前にのみ、過酷な定めを背負わせ、すまないと思う……」

 

 

 今でも思い出せる。

 あの日、あの時のことを……

 

 

???「生きて地獄を味あわせ、そして死ねなどと、父として情けない気持ち一杯だ……」

 

ロゼ=リア「よいのです。父上。世界を救うため。それこそが、我々の罪滅ぼしなのですから……では、行ってまいります」

 

???「……」

 

 

 それは、『ジ・ヴォーダ』の力に飲まれ、滅びゆく星を看取る中。彼女が旅立つ直前にされた会話だった。

 

 バシレウスに導かれ、光に消える中、彼女は聞いた。

 

 

???「誰かはわからぬ。しかし、バシレウスに選ばれし者よ。どうか、どうか。我が子を救ってやってくれ……! 我等はどうなってもいい。この子だけは!」

 

 

 父の最後の願い。

 決して叶わぬと思いつつ口から出た、我が子の幸せを願う想い。

 

 彼女も叶わぬ願いだと、その時は聞き流していた。

 

 だが、その願いは、今──!

 

 

ロゼ=リア(あぁ、父上。バシレウスの選んだ方は、本当の。わたくしにとって、本物の救世主でした……!)

 

 

 ──かなった!

 

 

 こうして、世界と少女を救う作戦が、はじまった!

 

 

──地獄行き──

 

 

ロゼ=リア「では、皆様。行きましょう!」

 

かなめ「ソースケ!」

 

宗介「ああ」

 

テッサ「準備は終わっています」

 

一矢「こちらの準備は万端だ」

 

和泉博士「いつでもゆけるよ」

 

ユリカ「ルリちゃん」

 

ルリ「はい。いけます」

 

統夜「いこう、みんな!」

 

 

 妖精の羽が発動し、ダイモライトが大きく輝いた。

 

 巨大な光が、開いた地獄の門へと吸いこまれてゆく。

 

 

 残されるのは、作戦を見守る博士達。

 

 彼等は祈る。無事、戦士達がこの世界へ帰ってくることを。

 

 

統夜「ここは……」

 

 

 到達したそこは、闇の世界だった。

 

 唯一光り輝くのは、エネルギー体となっている第13独立部隊の面々のみ。

 

 

 ぽうっ。

 

 闇を切り裂く光に照らされ、それはゆっくりと姿を露とした。

 

 

 それを見て、皆、確信する。

 

 

統夜「あれが……」

 

ロゼ=リア「はい、あれが、『ジ・ヴォーダ』。その本体に違いありません」

 

 

 それはどこか、ロゼ=リアの面影を思い起こさせる姿をしていた。

 すべてを優しく包みこむ、母のような雰囲気さえ感じる。

 

 無垢であり、すべてを無償の愛で包みこんでくれそうな気さえした。

 

 だが、だからこそ、恐ろしい。

 

 

ロゼ=リア「あとは、あの『ジ・ヴォーダ』を破壊すれば!」

 

統夜「そうだ。あともう一つ」

 

ロゼ=リア「はい?」

 

統夜「俺達は、あれを壊しにきたんじゃない。あいつも、救いに来た」

 

ロゼ=リア「それは、どういう?」

 

統夜「ゾンダー達を見て、思ったんだ。あの子もまた、与えられたことをやっているだけだと。だから、壊すんじゃなく、ゾンダープログラムと同じく、浄化して、新しく生まれ変わらせる! 俺達には、それだけの力があるはずだから!」

 

ロゼ=リア「そんな、こと……っ!」

 

 

 考えもしなかったと、ロゼ=リアは驚きを隠せない。

 彼等は世界を救うだけではない。本当の意味で、すべてを救おうとしているのだ……!

 

 

ロゼ=リア「本当に、お優しい方々ですわ。地球の方は、本当に……」

 

ユリカ「それでは皆さん。これが最後の戦いです!」

 

ブライト「総員……」

 

 

 言い終わる前、それは起きた。

 

 

???「ヲオォォォォ」

 

???「あぁぁぁぁぁ」

 

甲児「なんだ?」

 

 

 統夜達の光に照らされ、それが次々と浮かび上がる。

 

 

ドクターヘル「ぐおおおぉぉ!」

 

ハ=カ・セ「あぁぁぁぁあ。やめて。助けて! 熱い。痛い。痛いいぃぃ!」

 

ゴーゴン大公「苦しい。苦しいぃ!」

 

ジブリール「痛い。痛いよぉ。助けて。誰か助けてえぇぇぇ!」

 

 

 そこに現われたのは、怨嗟と苦しみの声をあげながらのたうつかつての宿敵達だった。

 

 

アキト「北辰。それに草壁までいる」

 

ルリ「共にいるのに、互いに気づいていないみたいです。求めていた主が近くに居るのに、気づけない。まさに地獄ですね」

 

 

 その姿は、かつて襲い掛かってガウ・ラの中枢(前作最終話)で襲ってきたあの姿によく似ていた。

 ここはまさに、それと同じものがいる世界。

 

 痛みと苦しみの声がいたるところから響き、まさに地獄という名にふさわしい場所だった。

 

 

ドクターヘル「痛い。この痛みを、この痛みを……っ!」

 

甲児「こいつ……!」

 

 

 現われたかつての宿敵達の意識がこちらにむいたのがわかった。

 

 新たな怨念が形作り、かつて戦った機体を形作る。

 

 

シャピロ「貴様等も、この痛みを、苦しみを!」

 

忍「またかよシャピロ! いい加減にしろ!」

 

 

 第13独立部隊の面々にむかって襲い掛かってきた。

 それはまるで、同じ地獄を味あわせんとする、亡者のごとく。

 

 

アムロ「怨念が。怨嗟がくる!」

 

ブライト「総員、直ちに戦闘配置につけ! 奴等を排除し、最後の作戦を実行する!」

 

 

 こうして『ジ・ヴォーダ』とそれに群がるかつてのボス達との戦いがはじまる。

 

 そこには、前作で戦って散ったドクターヘルの姿や、クルーゼの姿さえあった。

 そこに堕とされた者達はすでに理性などなく、ただただ地獄に仲間を増やそうと、同じ苦しみを味あわせようと、生者である統夜達に襲い掛かってきたのである。

 

 

暗黒大将軍「貴様は、剣……? 鉄也かあぁぁぁ……!?」

 

闇の帝王「おぉぉ。剣鉄也。剣鉄也よぉぉ!!」

 

鉄也「地獄に落ちてしまえば、貴様も他と同じらしいな!」

 

東方不敗「ワシがここで引導を渡してくれよう!」

 

 

クルーゼ「くくくくく。はははははは。ははははははははは! こここそが私の望んだ世界! さあキラ君。私と一つになろう。それで、すべて解決だ。ふふ。ははははは!」

 

キラ「あなたは……!」

 

ムウ「地獄に落ちてもかわらねぇってのは、ある意味すげえなこいつは」

 

 

ク=ランドン「絶望せよ。絶望せよおぉぉぉ!」

 

シャナ=ミア「……グ=ランドン。あなたの苦しみを、今日こそ救ってみせましょう」

 

 

オルバン「いたいいいぃぃ!」

 

ズ・ザンバジル「苦しい。苦しいいぃ。この苦しみを、貴様等にも!」

 

ジャネラ「この痛みを、熱を、味わえ。お前達も!!」

 

一矢「その苦しみも、今日までだ!」

 

健一「敵であった者達だが関係ない、この苦しみから、解放する!」

 

豹馬「そうだぜ。だから、大人しくしろ!」

 

 

ギレン「ジーク、ジオン! ジーク、ジオン!」

 

レイ「なんだ? こいつ、なにかおかしい」

 

アムロ「これは、この人だけじゃない。ジオンという幻影に見せられた人達すべての集合体。苦しみと憎しみだけが集まってこの人の姿を借りた、怨念の集まりだ!」

 

レイ「あのハ=カ・セとかいうのと同じってことか!」

 

 

ハ=カ・セ「ここは、違う! ここじゃない! 我々が求めた楽園は、違う。違う! だから、助けろ。痛い! たすけろぉぉぉぉ!」

 

統夜「……いや、あんたらが望んだ楽園てヤツは、ここだよ」

 

ロゼ=リア「……」

 

 

 登場する宿敵達すべてはかつての強さのまま登場するのでかなり手間をかけさせられるだろう。

 しかし、倒すたび外に残る者達の声や想いが聞こえ、SPやエネルギーが回復し、ついでに気力もあがるため消耗は気にせず戦うことが可能だ。

 

 

 ズ・ザンバジルを倒したあと。

 

 

カザリーン「ハイネル様……」

 

ハイネル「この声は……!」

 

カザリーン「私は、いつでも、いつまでもあなた様のことを見守っておりますから……」

 

ハイネル「……ふっ。そうか」

 

健一「兄さん」

 

ハイネル「不思議と、力がわいてくる。これは、一体どういうことだろうな」

 

大次郎「それが、愛ってやつったい。もう一人の兄さん!」

 

日吉「うん!」

 

 

──戦闘前会話 グランドン──

 

 

VSロゼ=リア

 

グランドン「おおおぉぉぉぉ……」

 

ロゼ=リア「聞いたことがあります。かつて我が方を苦しめた偉大な騎士団長。その勇猛な姿も、今はもう、見る影もありませんのね……」

 

グランドン「おおぉぉぉ……絶望、絶望せよおぉぉ……」

 

ロゼ=リア「ならば、救いの手を差し伸べるのがせめてもの情け! 安らかに、お眠りなさい!」

 

 

VSカティア、テニア、メルアの誰かと戦闘 ※メイン、サブどちらでも

 

テニア「グランドン……」

 

カティア「哀れな人。かわいそうな人ね……」

 

メルア「はい、わたし達の復讐は、あの時終わりました。だから、二人共!」

 

カティア「ええ。そうね」

 

テニア「憎しみも全部ふりきるため、今度は手をさしのべよう!」

 

メルア「せめて、安らかに!」

 

 

──ジ・ヴォーダへ──

 

 

 生きて帰りを待つもの。死してなお彼等を見守るもの。それらの想いを受け、統夜達はついに『ジ・ヴォーダ』の元へとたどりついた。

 

 

ジ・ヴォーダ「わたしは安らぎを与える者。生けとし生けるものよ。もう安心するのです。すべてに安らぎを。すべてに安寧を。わたしが与えましょう。わたしが導きましょう……」

 

ロゼ=リア「……」

 

統夜「今の君に、君が間違っていると言っても通じないのだろう。だから、一度君を倒させてもらう。君を、あるべき姿へ戻すために!」

 

ジ・ヴォーダ「なにを言っているのです? わたしにその身をゆだねれば、すべては安らぎに包まれます。さあ、見なさい。皆安らぎの時をすごしているでしょう。これがすべてのものが望む、楽園なのです……」

 

 

 彼女の目で見れば、先の宿敵達の行動は、楽園へ友をいざなうため、ハグし、いざなおうとしているほほえましい光景にしかとらえられていなかった。

 それが、彼女に与えられた安らぎの定義。破壊こそが、安寧。そもそも認識が、違うのである……

 

 

ロゼ=リア「わかっています。あなたは悪くない。だからもう、なにも言う必要はありません。悪いのはわたくし達。救いの手は、自分達で伸ばすしかないのですから。トーヤ、皆さん。お願いします!」

 

統夜「ああ!」

 

 

 ここに、『ジ・ヴォーダ』との、最後の戦いが、はじまった!

 

 

 純粋なエネルギーの塊となった『ジ・ヴォーダ』の猛攻は激しかった。

 

 この世界そのものといっていいそれは、どの場所へも攻撃でき、逃げ場など最初から存在しない。

 

 全体を締め上げるよう、すべてのもののエネルギーを奪い、心を折り、絶望させ、彼等をこの世界へといざなおうとした。

 ※敵ターン最初にHPやエネルギー、SPを一定の割合減らしてきたりする

 

 

 しかし、そのような攻撃、幾度もの絶望を切り払ってきた統夜達に通じはしない。

 

 いかなる攻撃も、いかなる言葉も、すべて耐え抜き、『ジ・ヴォーダ』へと攻撃を返す。

 

 

 エステバリスカスタムのダブルゲキガンフレアが。

 

 ガオガイガーのゴルディオンハンマーが。

 

 マジンカイザーとグレートマジンガーのダブルバーニングファイヤーが。

 

 Gガンダムとマスターガンダムの究極石破天驚拳が。

 

 コン・バトラーVとボルテスVとダイモスの超電磁烈風正拳突きが。

 

 インフィニットジャスティスとストライクフリーダムのコンビネーションアサルトが。

 

 ダンクーガの断空光牙剣が。

 

 ウルズチームのウルズストライクⅡが。

 

 ガンダムチームのV作戦が。

 

 

 そして、最後に……!

 

 

ジ・ヴォーダ「なぜです。なぜ、安らぎを受け入れないのです。すべては、皆が望む、安らぎの園というのに……」

 

統夜「ここがそう見えているのなら、君の認識が間違っているということになる。一度、そのシステムを止めさせて貰う! いくぞ!」

 

パートナー「はい!」

 

 

 グランティード・ドラコデウスのインフィニティ・キャリバーが、『ジ・ヴォーダ』を刺し貫いた。

 

 

ジ・ヴォーダ「わたしは……わたしは、すべてのものに安らぎをあたえるもの。あたえねば……あた……あ……」

 

 

 動きを、止める。

 

 

統夜「これからが本番だ」

 

 

 インフィニティキャリバーをしまい、無手となったグランティード・ドラコデウスが大きく両手を広げ、『ジ・ヴォーダ』を優しく包みこんだ。

 

 

統夜(見える。サイトロンを通じて、それがなぜそうなっているのかが!)

 

統夜「生まれ変われ! 『ジ・ヴォーダ』! すべてを正せ。グランティード・ドラコデウス!!」

 

 

 護がゾンダーメタルを浄化した時のように、緑の光。オルゴンの力が輝きを放つ。

 

 光に包まれたそれは、小さな小さな塊となって、ドラコデウスの中へと吸いこまれていった。

 

 それは、未来の卵。

 いずれ新たに生まれる、安らぎの園の管理者の姿だった。

 

 

 はじけた光が闇を切り裂く。

 地獄と呼ばれた世界に光が溢れ、恨みを唱えていた存在はすべて消えてゆく。浄化されてゆく。

 

 

甲児「終わったか……」

 

ロゼ=リア「はい。ですが、まだ終わりではありません」

 

 

 そう。『ジ・ヴォーダ』が消えた。

 すなわちそれは、この領域の終わりを意味する。

 

 地獄に堕ちた者達も、ここにいる者達も、今度は等しく平等に、オムニスフィアやザ・パワーと呼ばれる表の領域へすいこまれてゆくだろう。

 そこは『彼等』の望んだ安らぎの世界。

 

 しかし統夜達はまだ、その世界へ行くわけにはいかなかった!

 

 

統夜「これは……!」

 

ルリ「予想以上の力で引っ張られてゆきます! このままでは私達も、すべて一つになりかねません!」

 

タリア「ちょっと、分が悪いかもしれないわね」

 

シン「それは困る! まだ俺達は、デュランダル議長とやらなきゃならないことがあるんだ!」

 

レイ「そうだ。グラディス艦長だってそうだろう!」

 

タリア「もちろんよ。諦めたりなんかしないわ!」

 

 

豹馬「つってもよ、これで、どうしろってんだ?」

 

アムロ「……!」

 

セイラ「……っ!」

 

統夜「これは……!」

 

 

 ニュータイプの音が光り、音が響いた。

 

 

アムロ「聞こえる」

 

セイラ「ええ。私達を呼ぶ声が」

 

ブライト「え?」

 

 

マユ「お兄ちゃん。こっち」

 

シン「マユ……?」

 

カザリーン「こちらです。ハイネル様」

 

ハイネル「カザリーン」

 

ウズミ「君達はまだ、こちらに来るべきではない……」

 

キラ「ウズミさん……」

 

 

弓教授「こっちだ。甲児君。さやか」

 

さやか「お父様!」

 

 

竜崎博士「一矢よ」

 

リオン大元帥「エリカよ」

 

一矢「父さん!」

 

エリカ「父上!」

 

 

華「護君。こっち!」

 

護「華ちゃん!」

 

 

恭子「カナちゃん!」

 

かなめ「キョーコの声まで!」

 

恭子「なんかその言い方失礼な気がするよ!」

 

かなめ「あはは。ごめんごめん」

 

 

ドモン「兄さん……」

 

凱「……母さん。聞こえたよ」

 

 

レナード「……」

 

テッサ「兄さん……」

 

レナード「はじめて、この世界に生まれてきてよかったと思えたよ……」

 

 

カリーニン「……」

 

カリーニン(世界を変える必要など、なかった。望めば、私達はいつでも会うことができたのだな……)

 

 

 その導きの声に、男は心の中で、静かに涙を流す。

 

 

統夜「聞こえた。父さんの声が」

 

メルア「はい。聞こえます。お父さんとお母さんが、わたし達を」

 

シャナ=ミア「お父様……」

 

テニア「行くよ、みんな!」

 

カティア「ええ。この導きがあれば!」

 

 

アル=ヴァン「フー=ルー。お前も、我等を見守ってくれているというのか……」

 

カルヴィナ「……女の名前みたいだけど、誰?」

 

アル=ヴァン「妬いているのか?」

 

カルヴィナ「違うわよ」

 

 

ジュア=ム(俺は、死んでいたらどちらの立場だったのだろうな……)

 

クド=ラ「兄さん?」

 

 

 死したもの。生けるもの。

 彼等の無事を願う者達の想いが、彼等を出口へと導いてゆく。

 

 

???「そうだロゼ=リア。むかうのだ。その先へ……」

 

ロゼ=リア「父上……」

 

 

アムロ「そうだ。僕達にはまだ、帰れる場所があるんだ。こんなに嬉しいことはない……!」

 

 

 こうして第13独立部隊の面々は、無事、地球への帰還を果たすのだった……!

 

 

 最終話 終わり

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