第2次スーパーロボット大戦J   作:YSK

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エンディング1

 

──フラグに関するあれこれ──

 

 

 無事エンディングをむかえることになり、残るはいかような終わりとなるか。である。

 なのでエンディング直前のここで、そのことに関して説明しておこうと思う。

 

 まず、今回も、前作と同じく、出撃ごとにポイントがたまってゆく形である。

 簡単に言えば、統夜と共にフューリー機に相乗りした回数が多い者とエンディングをむかえると考えればわかりやすいだろう。

 

 バシレウスのメインパイロットであるロゼ=リアと、途中加入となるクド=ラは例外で、グランティード・ドラコデウスとなったあと、統夜のサブパイロットに居た回数により、通常の倍のポイントが得られることになる。

 もちろん、この二人は途中退場などしていないことが前提条件となる。

 

 ちなみに、フューリー機の中には一人で動かせるものもあるので、その気になれば誰にもポイントを増やさずにエンディングをむかえることも可能である。

 逆にグランティード・ドラコデウスには3人サブパイロットが乗れるので、その分ポイントが加算される。

 

 エンディングの種類はノーマルソロ、ノーマルノーマル、カティアエンド、クド=ラエンド、シャナ=ミアエンド、テニアエンド、メルアエンド、ロゼ=リアエンド(五十音順)、全員エンドの9種となる。

 

 このうちノーマルソロは、対応ヒロインがすでに退場していた場合や、全員のポイントが一定以下であった場合、誰とも結ばれないという、統夜一人エンドのことを指す。

 

 ノーマルノーマルは、ヒロインが全員生存し、全員のポイントが一定以上であるが、個別エンドをむかえるまで得られていない場合のもの。前作のノーマルエンドと同じで、万一次があった場合ここからはじまると考えればいいというエンド。

 

 個別エンドは説明するまでもなく、全員エンドは、全員が個別エンドを迎えられるだけポイントを貯めていた場合に見られるものとなる(今回は周回加算可能)

 

 

──ノーマル ソロエンド──

 

 

 すべての戦いは終わった。

 

 統夜は一人、仲良く話をする彼女達を見つめていた。

 

 

弓教授「どうしたのかね?」

 

 

 どこかたそがれている統夜に声をかけたのは、一番最初から気にかけてくれた恩人だった。

 

 

統夜「どうやら、俺はもうあいつ等には必要ないみたいです」

 

弓教授「それは、どういうことかね?」

 

 

 最初こそは、生きるため互いに必要だった。

 それは、精神的にも、戦力的にも。

 

 だが、長い戦いを経て、彼女達は強く成長し、心の傷も癒えた。

 

 そんな彼女達の心に、統夜という支えはもう必要ないのだ。

 

 彼女達はもう、統夜を必要とせず、一人で歩いている。

 

 彼はそれを、感じ取ったのである。

 

 

統夜「俺にも、彼女達にも、もう互いは必要ない。だから、俺達はもう、別々の道を歩むべきなんだと感じました……」

 

弓教授「そうかね。確かに、互いに新しい道を見つけたのなら、別々に歩きはじめてもよいだろう。でも、いいのかね?」

 

統夜「いいんですよ。俺がもう、必要とされていないんですから。なにより、彼女達とはいい仲間です。離れていても問題ありません。他のみんなと同じですよ」

 

弓教授「確かに、そうだね」

 

統夜「だから、これでいいんです」

 

 

 こうして、統夜と彼女達は別の道を歩き出した。

 

 新しい未来のために……

 

 

 それから。

 

 確かに地球は平和になった。

 しかし、悪の芽がすべて摘み取られたわけではない。

 

 世界規模でなくとも、戦争の残した遺物を使い悪さをしたり、機をうかがっていたりした組織もいるだろう。

 

 さらに言えば、宇宙からの脅威も完全に消えたとは言い切れない。

 

 そのため統夜は、彼女達が幸せに暮らせるよう、地球の未来を守ろうと決めた。

 

 

 Gアイランドシティ、ベイタワー(再建)

 GGG本部。

 

 

鉄也「そうか。ついに覚悟を決めたか。ならばお前を戦士と認めねばなるまいな。これからお前も、一人前の戦士だ!」

 

凱「歓迎するよ。統夜君!」

 

炎竜「ああ。頼りにしてるぜ」

 

氷竜「共に地球を守っていこう!」

 

統夜「はい!」

 

大河長官「剣君に続き、歴戦の勇士である君が加わってくれるのなら、GGGもあんた……」

 

???「ちょおっと待ったぁ!」

 

大河長官「なにっ!?」

 

ゴルディ「誰だ!?」

 

クルツ「そいつをスカウトしたいってんなら、こっちも黙っちゃいないってことさ!」

 

マオ「そういうこと。せっかくだからさ、ウチ(ミスリル)に就職しない? こっちも再建したばかりで、人手不足なんだわ。いい待遇にしておくわよ?」

 

大河長官「なんと!」

 

クルツ「そいつを評価しているのは、GGGや光子力研究所だけじゃないってことですよ」

 

プロスペクター「おっと、それならばウチも名乗りをあげたいところですね」

 

統夜「プロスペクターさん!?」

 

プロスペクター「おひさしぶりです。一応ナデシコには乗っていたのですが、顔をあわせるのは久しぶりですね。ともかく、統夜君ほどの逸材ならば、ネルガルの方でも喉から手が出るほど欲しい人材です。サイトロンとIFSは相性も悪くありませんしね。ですので、どうです? 色々色をおつけしますよ?」

 

ムウ「それならこっちもいるぜ!」

 

統夜「ムウさん!」

 

ムウ「アークエンジェル隊が軍に完全復帰することになってな。統夜、せっかくだから、仕官する気はねぇか? 准将くらいの地位もらえそうだぞ」

 

クルツ「准将!?」

 

プロスペクター「そこまで出しますか」

 

鉄也「次から次へと。紫雲を最初に預かったのはウチだ。よそへはわたさん!」

 

プロスペクター「いやはや、あなたがそこまで言うとは。それほど目をかけていたのですね」

 

鉄也「ふん」

 

統夜「鉄也さん……」

 

東方不敗「ほぉう。中々面白い話をしておる。小僧がフリーになったというのなら、ワシの出番でもよいわけだな。あのバカ弟子もようやく手がかからなくなったところだ。ここいらで新たな弟子をとるのも悪くなかろう。ニュータイプにも似た先読みの力で、次代のシャッフル同盟。目指す気はないか?」

 

ムウ「マスターアジアまできやがったか!」

 

鉄也&凱「ウチだ!」

 

クルツ「ウチだ!」

 

プロスペクター「ウチです!」

 

ムウ「ウチだ!」

 

東方不敗「ワシだ!」

 

 

 やいのやいのと、統夜争奪スカウト合戦がはじまってしまった。

 

 

プロスペクター「っと。我々でいがみあっては本末転倒。こうなっては仕方ありません。ここは、統夜君本人に決めていただきましょうか」

 

統夜「……え?」

 

 

 その提案に、全員の視線が統夜に集まる。

 

 

統夜「は、ははは」

 

統夜(確かに地球を守る仕事につきたいとは思ったけど、まさかこんなことになるとは……)

 

 

 思わず乾いた笑いが出てしまった。

 

 しかし、どの組織に属そうと、統夜の願いはかなえられるだろう。

 

 悪の芽はいまだ消えない。

 だが、この地球には多くの正義を守る戦士、勇者達がいる。

 

 彼等が居る限り、この地球が悲しみに染まることなどありえないのだから!

 

 

 統夜の戦いは、まだはじまったばかりだ!

 

 

 

 おしまい。

 

 

──ノーマル ノーマル──

 

 

甲児「このダンボール、これはどっちだ?」

 

カティア「それはロゼ=リアのものね」

 

甲児「ならこっちか」

 

 

 戦いは終わり、ロゼ=リアは未来を得た。

 

 しかし、過去に居た世界に戻っても、そこにはすでに誰も居ない。ならば、これからのことはここで考えようということになったのである。

 当初彼女は未来のことなどなにも考えていなかった。

 

 ゆえにシャナ=ミアのところでやっかいになっていたが、これからは違う。ということで、そこを飛び出し、新たな生活をはじめようと、引越しをしたというわけである。

 

 そして同じように、クド=ラも、シャナ=ミアのところを出る。

 これからは正式に地球の留学生として、統夜達の後輩となるために。

 

 もちろん住む家は、統夜達の住む家の近くだ。

 

 

甲児「ふー。これでどれくらいだ?」

 

ロゼ=リア「まだ半分くらいですわね!」

 

ボス「まだ半分!? 一人だけなのに、なんでこんなにあるんだわさ!」

 

 

 ロゼ=リアの答えを聞き、ボスも甲児も驚いた。

 

 

カティア「これ、私達が引っ越してきた時の量に匹敵するわね」

 

メルア「ですね」

 

テニア「なんでこんなに……?」

 

ロゼ=リア「だって、未来が開けたんですもの。色々気になって……」

 

さやか「それで、興味がわいたものを手当たり次第注文したわけね」

 

ロゼ=リア「ですわっ!」

 

 

 えっへんと胸を張った。

 

 

テニア「それ、威張れることじゃないよね!」

 

ロゼ=リア「てっへへー」

 

統夜「あれ? こっちはまだ終わらないのか?」

 

クド=ラ「ボクの方はもう終わったよ?」

 

ロゼ=リア「早い!」

 

クド=ラ「まあ、元々ボクの荷物はそんなに多くないし、追加もそこまでだったんだけど……」

 

ロゼ=リア「どうしてこんなに差がつきましたの……」

 

甲児「そりゃ荷物をコレだけ増やせばそうもなるだろ……」

 

シャナ=ミア「しかたありません。私達もこちらを手伝いましょう」

 

統夜「そうだな」

 

ロゼ=リア「すまないですわねぇ」

 

クド=ラ「全然悪気が感じられない!」

 

かなめ「はいはい。口を動かすより手を動かしましょう」

 

ボス「というか、こんな時相良のヤツはどこへ行ったんだわさ? あいつがいれば、もっと楽になるってのに」

 

かなめ「そうねえ……この気配! ソースケ!」

 

 

 近くにあったモップで、天井をつついた。

 

 

宗介「やるな千鳥」

 

 

 天井裏から、にゅっと宗介が現われる。

 

 

テニア「……あれ? なんか、デジャヴ」

 

かなめ「まーた、なにか余計なもの仕掛けようとしたんでしょ」

 

宗介「安心しろ。今回は盗聴器や怪しいものがないかをがないかを見回っただけだ。それ以外はなにもしていない」

 

かなめ「いや、それ前もやったことだからね。同じことしてるからね」

 

宗介「そうだったか……? 普通とは難しいな」

 

かなめ「普通は……まあ、いいわ。そうやって考えるだけ成長してるってことだし」

 

 

 やれやれと、かなめも軽く肩をすくめた。

 

 

かなめ「それより、荷物運ぶの手伝いなさい」

 

宗介「了解した」

 

 

 宗介も加わり、ロゼ=リアの荷物をさらに運び入れる。

 

 

甲児「つかこれ、ゲキガンガー?」

 

ロゼ=リア「ああ、それはヤマダのガイという方からいただきましたの」

 

シャナ=ミア「それはとてもいいものですよ!」

 

カティア「こくこく」

 

 

 ゲキガンガーの映像ディスクに、あれからお気に入りとなったシャナ=ミアとカティアが反応する。

 

 

ロゼ=リア「こんなに食いついてくるとは。ならば、あとできちんと拝見せねばなりませんね!」

 

甲児「……見て、どっちに転ぶか不安だな」

 

 

 下手すると、木連みたいに影響を受けちゃうんじゃないかと心配するのは当然のことだろう。

 だが、それを耳にした統夜は、くすりと笑った。

 

 

統夜「どっちでも大丈夫だよ。ぶっとんでるように見えるけど、実はそうじゃないから。二人と同じで、公と私を分けられる子だからね」

 

甲児「……お前、よくわかってんだな」

 

統夜「そりゃ、仲間だからな」

 

甲児「……お前らしい答えだよ」

 

統夜「?」

 

 

 統夜の答えに、甲児もやれやれと呆れるしかなかった。

 だからこそ、ノーマルエンドなのだが。

 

 

 ピンポーン。

 

 引越しを進めていると、インターホンがなった。

 

 

統夜「あれ?」

 

メルア「他に誰か、来客の予定ありましたっけ?」

 

シャナ=ミア「ないと思いましたが」

 

ボス「じゃあ、また誰かが引っ越してきたんじゃ?」

 

統夜「前と同じパターンか。でも、ロゼ=リアもクド=ラももう引越ししたし。今回他に引っ越してくるような心当たりはないけど……」

 

 

 一体来客は誰が? と、玄関へむかう。

 

 好奇心に負けた大勢の者も一緒に。

 

 

テッサ「こんにちは」

 

テニア「テッサ!?」

 

宗介「大佐殿!?」

 

 

 そこに居たのは、ミスリルの指揮官でトゥアハー・デ・ダナンの艦長、テレサ・テスタロッサだった。

 その後ろには、保護者代わりのカリーニンがこれまた引越しそばを持って立っている。

 

 ちなみにこの保護者役、誰が引き受けるかでダナンは戦場と化したそうな。

 

 

統夜「え? ひょっとして?」

 

テッサ「はい。この近くに引っ越してきましたので、挨拶に来ました」

 

かなめ「ええぇぇぇ!?」

 

宗介「……!!?」

 

クルツ「おーおー、あのむっつりが驚いてやがるぜ」

 

マオ「そりゃ驚くでしょ。あの子がいきなり来たら」

 

 

 かなめの護衛としてついている二人も、その光景を見て面白そうに笑った。

 

 ブラックテクノロジーの元凶。ウィスパードにささやきを送っていたソフィアはこの時代から消え、宿敵のアマルガムも壊滅した今、彼女が世界の裏側で頑張る理由はもうない。

 

 ゆえに、これからしばらく、普通の女の子として、学生生活を送ることになったのである。

 

 この場所を選んだのは、戦友が多いということもあるが、元凶が消えたとはいえ、授かったブラックテクノロジーの知識は消えない。

 かなめ同様まだまだ狙われる可能性もあるため、かなめと同時に護衛のしやすい場所ということで、ここが最適だと選ばれたのである!

 

 そんな感じの建前が、カリーニンから説明された。

 

 

統夜「なんか言葉の間に変な注釈が入った気がする……」

 

カリーニン「きっと気のせいだ」

 

 

 気のせいなのだから仕方が無い!

 

 

テッサ「というわけですから、よろしくお願いしますね。サガラさん」

 

かなめ「まさかテッサ、あんた……」

 

テッサ「まだ時間はありますから。私だって、負けませんよ!」

 

宗介「? ??」

 

 

 にこりと笑い、静かな火花が散ったような気がしたが、きっとそれは気のせいなのだろう。

 

 かなめとテッサ。恋の戦い。

 統夜達と同じく。彼女達の恋の行方も、まだまだ決着はつかないようだ……

 

 

ボス「……ラ、ラブコメの波動が増した気がするー! なんなんだお前等ばっかり、うらやましいんだわさ!」

 

ヌケ「そーだそーだ!」

 

ムチャ「一発殴らせるでやんすー!」

 

統夜「なんで俺までー!?」

 

 

 わいわいがやがやと騒ぎが広がる中、テッサもロゼ=リアもクド=ラも、楽しそうに笑っていた。

 その笑いは、他の者達にも広がってゆく。

 

 どうやら、まだまだ統夜達の波乱の人生は続くようだ……

 

 

 

 おしまい。

 

 

──個別エンド カティア──

 

 

 あれから……

 

 

統夜「ついにここまできたな」

 

カティア「ええ。いよいよね」

 

 

 統夜の胸元に、一つのバッジが輝く。

 それは、新地球連邦の議員である証。

 

 統夜は秘書のカティアのかいがいしいサポートのかいあって、見事議員へ選ばれたのだ。

 

 

アカツキ「やれやれ。まさか君がこちら側にくるとはね。しかも、この若さで」

 

統夜「俺もここまで来れるとは思いませんでした。でも、いつも俺を見守ってくれて、応援してくれる大切な人が後ろにいましたから」

 

アカツキ「へーへー。言ってくれるねぇ」

 

 

 統夜をバックアップする後援会の一つに、ネルガル重工がある。

 そのトップであるアカツキも、統夜がこんなにも早く政界へ足を踏み入れるとは思わなかったようだ。

 

 

デュランダル「君がこちらに来てくれた。これで地球の未来も安泰だろう。君ならば、きっと皆の期待に答えてくれる」

 

統夜「精一杯がんばります」

 

シン「あんたなら大丈夫さ」

 

レイ「それは俺も保障しよう」

 

 

 ギルバート・デュランダルのボディガードを勤めるシンとレイも、新たな議員の統夜を歓迎する。

 

 

デュランダル「これで私も引退し、子育てに集中できるかな」

 

シン「自分としては、まだまだいけると思いますけどね」

 

レイ「夫人の手伝いなら、俺がしますし」

 

デュランダル「ならば、私ももう少しがんばるとしようか」

 

統夜「その方が、俺も心強いです」

 

 

 ベテラン議員と新人議員。二人が揃って笑いあう。

 はたから見て、かつて議長を務めたこともある超大物と談笑できるその姿は、とても新人とは思えないものだったそうな。

 

 

カガリ「ふふっ。政治の世界なら、かなり私の方が先輩だからな。困ったらいつでも頼っていいぞ!」

 

統夜「ああ。その時は、よろしく頼むよ」

 

アスラン「……」

 

カガリ「なんだアスラン。その心配そうな目は! 私だって色々ちゃんとやれているじゃないか!」

 

カティア「大丈夫よカガリ。今度は私もいるから」

 

カガリ「おい、私のが先輩だと言っているだろう!」

 

 

 カガリいじりはコレくらいにして。

 

 

セイラ「ふふっ。楽しそうね。これからも色々大変だと思うけど、一緒に頑張りましょう」

 

統夜「覚悟はもうしてあるから大丈夫。それに、俺には彼女がいるからね」

 

カティア「そういうのは言わなくていいわよ」

 

セイラ「ふふっ。頼もしい答えだわ」

 

 

 統夜より少し先輩議員のセイラと握手を交わす。

 正しく言うと、アルテイシア議員であるが、ここではセイラのままで通させてもらおう。

 

 共に居るラルは、腕を組みながら統夜の方に手を軽く上げ挨拶してくれた。

 

 

カガリ「おい、なんか態度が全然違うぞ。私の時と。どういうことだ?」

 

アスラン「……」優しい微笑み

 

カガリ「なにか言えー!」

 

 

アラン「ついにこの世代がやってきたか。これでまた、世界はより良い方向へと進むだろう」

 

リヒテル「異なる星の者達と交流するのに抵抗のない世代か。確かに、その通りだろう」

 

ハイネル「うむ」

 

 

 父のイゴール長官とは異なる道を進んだアラン議員が、バーム移民代表のリヒテルとボアザン特別大使のハイネルと並び、統夜の背中を歓迎する。

 

 

レナード「やれやれ。若い議員なら僕も同じだというのに、完全にもっていかれたな」

 

 

 さらにレナード・テスタロッサ。

 彼も今までとは別の方法で、世界を変えようとしているようだ。

 

 ちなみに、シャア・アズナブルことキャスバル・レム・ダイクンはララァとどこかで隠居しているようだ。

 

 

 この日、多くの大物議員達が注目する若者が政治の世界へ足を踏み入れた。

 

 魔界とさえ言われる政治の世界で、彼は諦めるという言葉を知らないかのように、多くの弱者に手を差し伸べ、より良い世界へ導こうと、まい進してゆく。

 

 その彼の活動がどうだったのか、評価されるのは、もう少し時代が進んでからになるだろう。

 

 

 ただ……

 

 

統夜「さあ、いこうかカティア」

 

カティア「ええ。いきましょう。あなた」

 

 

 二人は、同じ方向を向いて、新たな一歩を歩みだした。

 

 

統夜「いつもありがとな。君がいるから、俺はなにも恐れず、前だけをむいて歩いていける」

 

カティア「なにを言ってるの。まだまだこれからよ。いくらでも、倒れるまで走り続けていいわ。その背中には、私がいるのだから。だから、これからも一緒にがんばっていきましょう」

 

統夜「ああ」

 

カティア「あと、もう一つ」

 

統夜「ん?」

 

カティア「愛しているわ。この世界の、なによりも」

 

統夜「俺もだよ」

 

カティア「ふふっ」

 

統夜「ははっ」

 

 

 笑い、歩く二人。

 

 そうして歩く、この世界の未来は。彼等の未来は、きっと明るい。

 

 

 

 おしまい。

 

 

──個別エンド クド=ラ──

 

 

 あれから……

 

 

クド=ラ「もらった! 今日こそ、あんたを倒す!」

 

統夜「くっ! だが!」

 

クド=ラ「うそっ!? なにそれ!?」

 

 

 YOU WIN!

 

 

クド=ラ「あーもー。また負けたー!」

 

 

 クド=ラはゲームコントローラーを放り投げ、後ろのソファーに倒れこんだ。

 

 

クド=ラ「なによこれ。わけわかんない! なんで考えるだけで操縦する技術があるのに、わざわざ両手使ってやらなきゃならないのよ!」

 

統夜「脳波コントロール型やコックピット型じゃ俺に勝てないと言うから、せめて平等にとこれを借りてきたんじゃないか」

 

クド=ラ「そうなんだけど、ボクが勝てなきゃ意味ないの!」

 

統夜「俺はけっこう楽しかったけどね。これ」

 

クド=ラ「そりゃ勝ったあんたは気分いいでしょうよ。もー!」

 

統夜「そうか。なら次は別のにしよう。ルリちゃんに返さないとな」

 

クド=ラ「え? それルリのやつなの!? 意外!」

 

統夜「ナデシコに乗ってた時暇つぶしにやってたんだってさ」

 

クド=ラ「へー。あの子もこうういのやるんだ。まあいいや。次!」

 

統夜「まだやるのか」

 

クド=ラ「なによ。あんたが復讐しにきたけりゃいつでも来いって言ったじゃない。だから、来てるの。ゲームに負けたのをリベンジしに!」

 

統夜「……」

 

 

 確かに言った。しかしそれはジュア=ムへの復讐というものだと言いたかったが、彼女もそれを理解しているからか、ゲームのリベンジにという新しい理由を作っていた。

 こうなっては、あの時明確になんの復讐にと明言しておかなかった統夜は不利である。

 

 

統夜「まあ、別に俺のところへ遊びに来るのはかまわないけどさ。せっかく地球にきたんだから、もっと他の。前にも話した地球に降りたらやりたいこととか、やったらいいのに」

 

クド=ラ「うっさいの。ほら、次やるよ!」

 

統夜「ってけっきょくソフト入れ替えただけかよ」

 

クド=ラ「やっぱこの方式が一番勝てそうだから! 次こそ、勝ーつ!」

 

統夜「やれやれ」

 

 

 その新たな復讐に、統夜はつきあうことにした。

 

 

 ところ変わって。

 

 アル=ヴァン宅。

 

 

ジュア=ム「でね、ですね……!」

 

アル=ヴァン「そういえば、その君の妹の夢。結局なんだったんだ?」

 

ジュア=ム「ああ。地球に降りたらやりたいことですか。大切な人と、ずっと一緒に暮らしたいってことですよ。てっきりそれは俺のことだと思ったんですがね……」

 

アル=ヴァン「……聞いてすまなかったな」

 

ジュア=ム「いいんです。あいつは今、幸せのはずですから!」

 

アル=ヴァン「確かにそうかもしれないな。彼ならば、きっとより幸せにしてくれるだろう」

 

ジュア=ム「はい。もちろん、自分も今幸せですよ。アル=ヴァン様とこうして話していられるんですから!」

 

カルヴィナ「それはよかったわ。はい、お茶漬け」

 

ジュア=ム「ありがとうございます、カルヴィナ教官! いやー、こんなもてなしまで、悪いですねー」

 

カルヴィナ「ええ。ゆっくりしていっていいのよ」

 

アル=ヴァン「……」

 

 

 確かしばらく前、シャナ=ミア様が日本の文化について学んでいたことがあったな。なんてアル=ヴァンは思い出した。

 その時、京都という土地では、お茶漬けなるものを客に出す時は……

 

 

アル=ヴァン(いや、やめておこう。それ以上思い出すのは)

 

 

 アル=ヴァンは記憶の棚をあけるのをとりやめた。

 

 

ジュア=ム「本当に今、自分は幸せだー!」

 

カルヴィナ「ふふふ」

 

アル=ヴァン「……」

 

カルヴィナ「あら、どうしたの、あなた?」

 

アル=ヴァン「いや、カルヴィナ。頼むぞ?」

 

カルヴィナ「安心してアリー。そんなヘマしないわ」

 

アルヴァン「……それでも、だ」

 

カルヴィナ「ふふっ。わかったわ。あなたが言うなら、ね」

 

アルヴァン「……」

 

 

 幸せそうにお茶漬けをすする自分の元部下を見て、どうかいつの間にか行方不明になっていたりしないでくれよ。とせつに願うアル=ヴァンであった。

 

 

クド=ラ「くぬっ、くぬっ! あ、あー!」

 

統夜「ふー。今回はちょっと危なかったかな」

 

クド=ラ「もう一回。もう一回よ!」

 

統夜「はいはい。何回でもつきあってやるよ。君の気が済むまでね」

 

クド=ラ「言ったわね! 気の済むまでずーっとつきあってもらうから! ずーっとね!」

 

 

 楽しい笑顔の花が咲く。

 

 きっかけは憎しみ。

 結果は……

 

 

 彼女の復讐の旅路は、まだまだ終わらないようだ……

 

 

 

 おしまい。

 

 

──個別エンド シャナ=ミア──

 

 

 あれから……

 

 

シャナ=ミア「ふんふふふふーん♪」

 

 

 とんとんとんとん。

 軽快な鼻唄と共に、包丁がまな板を叩く音が響く。

 

 美味しそうな匂いを伴った料理の音に、統夜はベッドで心地よいまどろみを覚えていた。

 

 

シャナ=ミア「うん」

 

 

 ことことと音を立てる鍋の中身。味噌汁をひとすくいし、味見をした彼女は、今日もよい出来だとうなずいた。

 

 料理の完成を確信した彼女は火をとめ、ぱたぱたとスリッパを鳴らし、愛しき夫のもとへと走る。

 

 

シャナ=ミア「さあ、あなた。起きて。朝ですよー」

 

統夜「んー」

 

 

 肩を揺らされ、統夜はベッドの中でもぞもぞと動いた。

 

 二、三度揺らされると、ゆっくりと重い瞳を開き、にこにこと微笑むシャナ=ミアを見る。

 

 

統夜「あー。ああ、おはよう。シャナ=ミア」

 

シャナ=ミア「はい。おはようございます。今日はいいお天気ですよ」

 

統夜「そうか。いくつかてるてる坊主を吊るしたかいがあったな」

 

シャナ=ミア「ええ。今日一日、がんばってくださいね」

 

 

 可愛い奥さんが小さく拳を握り、ポーズをして見せた。

 

 

シャナ=ミア「あの子はもうやる気満々で席についてますよ」

 

統夜「幼稚園の運動会だからって、張り切ってるな」

 

シャナ=ミア「だって大好きなお父さんと一緒に走れるんですもの。張り切って当然でしょう。あの子と一緒にがんばってくださいね。目指せ一等賞ですよ」

 

統夜「がんばるつもりはもちろんあるけど、相手にはドモンさんやキラがいるんだ。うちじゃちょっと厳しいよ」

 

シャナ=ミア「そんなことはありませんよ。あの子とあなたなら、きっと負けません。だって、あの子は私達の子ですし、あなたはお父さんなんですから!」

 

統夜「そう言われたら、がんばるしかないな。俺は、お父さんだから!」

 

 

 だって我が子を前にした父は、なんでもできるものだから!

 

 ……その条件は、相手も同じなんじゃ? というのは野暮なので言いっこなしである。

 

 

シャナ=ミア「そのためにはまずは朝ごはん。いえ、まずは顔を洗いましょうね」

 

統夜「確かにね」

 

 

 ベッドから降り、統夜は洗面所へ足をむける。

 

 

シャナ=ミア「あ、そうだあなた」

 

統夜「ん?」

 

シャナ=ミア「大好きですよ」

 

統夜「いきなりなんだよ?」

 

シャナ=ミア「言いたくなったんです。はい、あなたは?」

 

統夜「もちろん、俺もだよ。愛してる」

 

シャナ=ミア「ふふふ」

 

統夜「ははは」

 

 

 二人で顔を見合わせ、笑う。

 

 きっと朝ごはんを今か今かと待つ彼等のお子は、呆れているころだろう。

 

 この町は、とても平和だ。

 なにせ世界で一番強いお父さん達がそろっているのだから。

 

 だから、こうして笑いあう家族の未来は、ずっと明るい。

 

 

 

 おしまい。

 

 

──個別エンド フェステニア──

 

 

 あれから……

 

 

甲児「くわー。やっぱ日本とは色々違うなー」

 

統夜「そうだな。でも、やりがいはあるよ」

 

甲児「ああ。厳しい分、レベルの高さがよくわかるぜ」

 

 

 ここは、アメリカ。

 

 高校を卒業後、統夜と甲児はアメリカに留学していた。

 どちらも、新しい機械工学を学ぶためであり、今は昼飯のため、食堂でのんびりしているところだった。

 

 

テニア「やっほー。統夜。ご飯もってきたよー。やっぱりアメリカはスケール違うね。なんでもおっきいや!」

 

 

 テニアが取り出したのはバスケット。その中にはでっかいサンドイッチが入っている。

 

 

統夜「おー。ありがとな、テニア」

 

テニア「いいのいいの。これくらいしかできないから」

 

 

 てへへ。と笑う。

 

 

甲児「かー。うらやましいもんだぜ。俺もかっこつけないでさやかさんについてきてもらうんだった」

 

統夜「そっちはそっちで、早く終えて帰ろうって励みになるだろうから、また違うと思うけどな」

 

甲児「それはあるな。やる気が違うぜ。でも、そういうのもやっぱうらやましいんだよ!」

 

統夜「そういうのを言い出したら、時間をあわせて通信するとか、そういうのはできないぞ」

 

甲児「悩ましい問題だぜ」

 

テニア「あ、甲児も食べる? 量もいっぱいあるから遠慮しなくていいよ」

 

甲児「おう。いただくぜ!」

 

 

 テニアに促され、甲児もサンドイッチを手にとった。

 

 

アムロ「あれ? 統夜さんに甲児さん?」

 

統夜「アムロ?」

 

 

 食堂に現われたのは、戦友であるアムロ・レイだった。

 

 

統夜「ひょっとして……」

 

アムロ「はい。僕もここで学ぶことになりました」

 

 

 きゅぴーんと光が走り、阿吽の呼吸で統夜の疑問に答えを返す。

 

 

甲児「そうか。ようこそ。だぜ。アムロも食うか?」

 

テニア「まるで自分のお昼のように。作ったのはアタシで、統夜のなんだからね」

 

甲児「どうせ勧めるんだから同じだろ?」

 

テニア「そりゃいっぱいあるから誘うけどさ。なんか気に入らないの!」

 

甲児「ああ。気持ちわかるぜ。なんか嫌だよな」

 

テニア「わかるならやるなー!」

 

統夜「あはは」

 

アムロ「あはは」

 

 

 そのやり取りに、統夜とアムロが笑う。

 

 

アムロ「じゃあ、お言葉に甘えて」

 

 

 サンドイッチを一つ手に取り、彼も席に着いた。

 

 

アムロ「でも、意外ですね」

 

甲児「ん? なにがだ?」

 

アムロ「甲児さんもですが、統夜さんがここにいるなんて」

 

甲児「お前も言うかよ。こう見えてもウチは、科学者一家なんだぞ」

 

 

 マジンガーZ。マジンカイザーを設計、製作したのは甲児のおじいちゃん。兜十蔵なのは有名な話だ。

 

 

テニア「アムロもアタシ達と同じこと言ってるー」

 

甲児「別にいいけどよ」

 

統夜「まあ、そう思うのも無理はないよな。俺も自分でも意外だと思うし」

 

アムロ「じゃあ、どうして?」

 

テニア「あ、アタシも気になってたな。なんで目指そうと思ったの?」

 

統夜「きっかけ、か。ああ、きっかけはきっと、二人のおかげかも」

 

テニア「アタシと?」

 

アムロ「僕の?」

 

統夜「ああ。アムロのハロ。あれを見ていた時、テニアの一言で機械に興味が出てさ。サイトロンの理解を通じて色々わかったおかげで、ヴォーダも救えたし。そうしたら、今度は自分で作ってみたいなんて思ったんだよ」

 

テニア「へー。そうだったんだ」

 

統夜「だから、今俺がここに居るのは、テニアのおかげってことになるかな」

 

テニア「統夜……。も、もー。いきなりなに言ってんのさ!」

 

甲児「やれやれ。アムロ、お前は完全に蚊帳の外だぞ」

 

アムロ「そうみたいですね」

 

 

 二人で苦笑する。

 

 

甲児「でもよ、こうして俺達三人が集まったってことは、その三人で知恵を出せば、なにか凄いのができそうな気がしないか?」

 

アムロ「それは言えてますね。少し、わくわくします」

 

統夜「お、いいな。共同でなにか作ってみようか。コンテストとかあるみたいだし」

 

テニア(よかった。アタシ、統夜の力になれてないんじゃないかって不安になってたけど、そんなことはなかったんだね)

 

 

 先の統夜の言葉を聞き、テニアはほっとする。

 こうして統夜についてきたのも、少しでも力になれればと思ったからだ。

 

 だが、それは自分の杞憂だった。

 

 自分でも立派に、統夜の役に立っているのだとわかった。

 

 

テニア(アタシのおかげか)

 

 

 えへへ。と、一人はにかむ。

 

 

テニア(ねえ。統夜……)

 

 

 三人で頭をつきあわせ、なにを作るか話に没頭しはじめたオトコノコ達を見る。

 なんか三機合体で、とか。組み合わせで形体が変わるとか言っているが、彼女にそんなことは関係ない。

 

 

テニア「……大好きだからね」

 

 

 ぽつりと、小さく口の中だけでつぶやいた。

 

 

統夜「俺もだよ」

 

テニア「っ!!???」

 

 

 口の中だけでつぶやいたつもりだったが、聞こえていたようだ。

 

 没頭するアムロと甲児をよそに、統夜は一人、テニアを見ている。

 にこりと微笑んでいる。

 

 

 かーっと顔が赤くなるのを感じた。

 

 

甲児「やれやれ、またやってやがるぜ」

 

アムロ「またなんですか」

 

 

 やれやれと、甲児が呆れる。

 

 この三人が集まりできる機械は、きっとみんなの想像を超えるものだろう。

 だがそれは、この物語とは関係ない代物だ。

 

 今必要なのは、たった一言。

 

 

 お幸せに!

 

 

 

 おしまい。

 

 

──個別エンド メルア──

 

 

 あれから……

 

 

メルア「はい。シュークリームできあがりました!」

 

統夜「こっちも、並べ終わったよ」

 

 

 ここはある町にある、美味しいラーメン店の隣にある、小さなお菓子屋さん。

 

 双方若い夫婦が営んでいるというのに、味がよくてめっぽう美人な看板娘がいると、たいそう評判なお店なんだそうな。

 

 

 完成した品を並べ終わり、あとは客が来るのを待つばかりとなった。

 

 

 からんからん。

 店の扉が開き、扉に設置された鐘が鳴った。

 

 

メルア「いらっしゃいませー」

 

ジョルジュ「さて、マダム。今日も甘いお菓子をいただけますか?」

 

チボデー「こっちも頼むぜ」

 

メルア「あ、ジョルジュさん。それに、チボデーさんも」

 

統夜「また、シャッフル同盟の方でなにかあるんですか?」

 

ジョルジュ「いえいえ。今日は女王陛下とのお茶会があるだけです」

 

チボデー「こっちはご機嫌取りってヤツさ。女に甘いものを送る時は、ここが一番だからな」

 

メルア「毎度ありがとうございます」

 

忍「おう」

 

沙羅「いつものダースでもらえる?」

 

ジョルジュ「おや」

 

忍「おう。シャッフル同盟の。お前らも、作戦前の景気づけか?」

 

ジョルジュ「いえ。今日は違います。ですが、そちらも活用しているようですね」

 

忍「ああ。作戦前にここのを食うか食わないかで、達成率に雲泥の差が出るからな」

 

ジョルジュ「まったくです」

 

 

 裏で地球を守る正義の味方達に、この店は有名だった。

 

 これを食した者達は、こう語る。

 

 

雅人「なんていえばいいんだろうね。これを食べると、そう。気力の上がりが違うんだよ。すぐにギアが入るっていうか、一気に野生化まで持っていけるんだ」

 

アルゴ「これを食べたのとそうでないのとでは、気合と集中力がまるで違う。ハイパーモードへ変わる時の時間が半分以下になるからな」

 

風雲再起「ひひーん! ぶる。ぶるるるっ!!」

 

 

 と、このように作戦前に食すると、気力が最初からばーんとあがったような状態で戦いに挑めるのだとか!

 

 ゆえに彼等は、なにかの作戦を行う前のブリーフィングでここのお菓子を食べ、出撃するのが暗黙の了解になりつつあるんだとか……

 

 ちなみに、馬用のにんじんケーキというのがあるのを報告しておこう。

 

 

メルア「別に、普通に作ったお菓子なんですけど」

 

沙羅「そうかもしれないね。でも、こもった愛情は全然違うさ」

 

ジョルジュ「そういうことです。皆を笑顔にできる。それは素晴らしいことですよ」

 

チボデー「しかも、うまい。これ以上言うことはないだろうさ」

 

メルア「皆さん。ありがとうございます!」

 

 

 来る客は、そのような不思議な効果を求めてだけではない。

 

 その味を求めやってくる客が大半だ。

 

 

東方不敗「茶にあうものを一つ貰おうか」

 

九十九「妻と妹に勧められてきたのだが、君達だったのか」

 

ブライト「妻と息子のためになにかお勧めはないだろうかね?」

 

 

ユリカ「メルアちゃーん。今日のお勧めなにかしらー」

 

ルリ「ピークの時間をすぎて、夕方まで休憩です」

 

メルア(誰に説明してるんだろう)

 

 

 町の小さなお菓子屋さん。

 

 裏にも表にも欠かせない、ひっそり地球を守る重要なお店なのです。

 

 

 今日も見事に完売。

 店の棚は、見事にからっぽになった。

 

 

メルア「……」

 

統夜「どうした?」

 

 

 今日の役目を終えた店内を見回した彼女は、どこか遠くを見る。

 

 

メルア「えへへ。夢みたいだと思って。統夜さんと一緒に、こうしてお菓子屋さんができるなんて」

 

統夜「おいおい。夢みたいなんて言うなよ。その夢は現実で、かなった夢なんだから」

 

メルア「あ、そうでしたね。じゃあ、新しい夢。そうです。このまま大好きなお菓子に囲まれて、大好きな統夜さんとずっと一緒に居られるのがいいです!」

 

 

 この変わらぬ幸せな毎日が、ずっとずっと続くこと。

 

 

メルア「それが、わたしの新しい夢です!」

 

統夜「大好き、か。照れるな」

 

メルア「統夜さんは、わたしのこと大好きじゃないんですか?」

 

統夜「もちろん、大好きさ。でも、その夢は、実現が難しい夢だな」

 

メルア「でしょう! ずっとずっとですから!」

 

統夜「じゃあ、毎日毎日、その夢をかなえ続けよう。ずっとずっと、幸せでいよう」

 

メルア「はい!」

 

 

 毎日幸せでいられるのは、とても難しいことだ。

 

 平和になったとはいえ、小さな危険は消えない。

 

 だが大丈夫。

 ここのお菓子がある限り、大きな世界も小さな世界も、みんな気力がすぐマックスになるのだから。

 

 世界を守る者達は、この店がある限り、決して負けることはない。

 

 ならば、彼女の幸せは確約されたも同じ。

 

 

 だから彼女は、毎日こう言い続けることができる。

 

 

メルア「わたしはとても幸せです!」

 

 

 と。

 

 

 こうして描かれる、彼女の夢の未来は、いつまでも明るい。

 

 

 

 おしまい。

 

 

──個別エンド ロゼ=リア──

 

 

 あれから……

 

 

 赤い星、火星。

 十億人とも言われる小バームの者達は、この火星を再び開拓し、そこに住むこととなった。

 

 さらに望むならば、フューリーの者達と同じように、地球に住まうことさえ可能である。

 

 完全に敵対した相手に対してこの待遇は、双方に大きなわだかまりはないという証であった

 

 

 バームの姫エリカ。地球の代表、竜崎一矢。

 この二人の指揮のもと、火星の開拓は地球の民と共同で行われている。

 

 その開拓団の中には……

 

 

ロゼ=リア「この星を緑の星に変える! これぞ未来を夢見ることを諦め、その闇の中から再び未来を思うことを許されたわたくしにふさわしい新たな第一歩!」

 

 

 火星の荒野のど真ん中で、彼女は両手を天高く突き上げ雄たけびのような声を上げた。

 

 惑星を生命の住める大地に変えるというのは、フューリーの技術があればわりと簡単に行える。

 小バームと地球。さらにフューリーの技術をあわせ、通常の100倍くらいの速度でこの火星は緑豊かな、生命溢れる星へと生まれ変わるだろう。

 

 それは、真っ白な未来をキャンパスに色んな色をつけてゆく彼女の未来と同じ。

 

 

 そうして一人野望(?)に燃える彼女の背後で、物資を運ぶコン・バトラーVとボルテスVの姿もあった。

 

 外宇宙の脅威と戦うため作られた彼等だが、今度は星を開拓するため力を使うという新たな使命を与えられていた。

 これからは戦うためでなく、新たに星を作るため、その力をふるうのである。

 

 もちろん、ダイモスも。

 

 

 しかし、宇宙は広い。まだ知らない生命体も多い。その中には話も通じず、侵略行動をとる生命体もいないと限らない。

 その時彼等は、その封印をとき、本来の姿を取り戻し、この火星と地球を守るため、戦う力となるだろう。

 

 

豹馬「おい。なんかあっちでまたロゼ=リアがなんかやってるぞ」

 

健一「なにをしているんだろうな。ちょっとマイクをむけてみよう。日吉」

 

日吉「はいよ兄ちゃん!」

 

ロゼ=リア「正直もうしますとね、いきなり未来があると言われましても、想像もしていなかったことなので、なにをしたいのかわたくし自身もよくわからないのです。だから、この真っ白な火星を開拓しながら、わたくしの未来も開拓しようというわけです!」

 

小介「なにやら説明してますね」

 

十三「一体誰に説明しとるんや?」

 

一平「さあな」

 

 

 コンバトラーVの十三が首をひねるが、隣にいるボルテスVの一平も答えることはできなかった。

 

 

ロゼ=リア「ボアザン、キャンベル。さらにグラドスという星々との本格的な交流もはじまり、いよいよ本格的な宇宙時代が見えてきた今! このまま火星と地球を拠点に、この広き星海の大海原へ旅立つのもわるくありませんわね……!」

 

大作「言ったとおり、これからのことを考えてるったいね?」

 

大次郎「じゃっどなぜここで?」

 

ロゼ=リア「いや、地球圏内をもっと見てまわるというのも十分な選択肢。いっそ歌手などもよいかもしれませんわ。元姫の歌姫。これは話題性抜群ですわ!」

 

ちずる「元姫とは言わないけど、地球にはラクスさんがいるから難しいんじゃないかしら」

 

ロゼ=リア「バックバンドに、そういえば、ダンクーガの方々が楽器ができるとか聞いた覚えが……あの方々をバックバンドにむかえれば、なんかワイルドで話題になる気がします!」

 

めぐみ「ミスリルに戻った獣戦機隊をどうやって連れてくる気なのかしら……」

 

十三「思いつきやろ」

 

ロゼ=リア「いや、ドラムなら竜崎の一矢さんが趣味にしているとか聞いたことが……いやいや。せっかく今火星にいるのですから、地球にいる方でなく、ちずるさん、めぐみさん。そしてエリカさんとユニットを組んで宇宙の歌姫を目指すのも一つの手! これはいけますわ」

 

ちずる「そんなの嫌に決まってるわ!」

 

めぐみ「私もさすがに……」

 

健一「まあ、皆に許可をとらず勝手に進めるということはないだろう。多分……」

 

ロゼ=リア「ま、結局どんな未来が待ち受けようと、どこに行こうと、どうでもいいんですがね!」

 

十三「いいんかい!」

 

 

 聞いてた十三が思わずツッコミを入れてしまった。

 言っても彼等の声は届かないわけだが。

 

 

ロゼ=リア「だってー♪。トーヤと一緒に居られるならー。わたくしどんな未来でもハッピーですからー♪」

 

ちずる「歌いはじめたわ」

 

十三「結局ノロケかいな」

 

豹馬「ったく。未来がないから自由にやってたとか言って、未来があっても結局自由じゃねーかよ」

 

 

 そんなロゼ=リアに近づく人影が一つ。

 

 

豹馬「お、統夜が来たぞ」

 

十三「姫さんも気づいたみたいやな。弾丸みたいに突撃しとるわ」

 

ちずる「きっと一人で寂しかったのね」

 

めぐみ「ああ。だから」

 

豹馬「そういうもんなのか?」

 

健一「さあ?」

 

ちずる「もう。これだから……」

 

めぐみ「そうよね」

 

 

 女性陣二人が、ロゼ=リアの気持ちをわかるよううなずいた。

 

 

ちずる「これ以上聞くのは野暮というものね。みんな、行くわよ」

 

豹馬「こっからがむしろ本番じゃねえかよ」

 

ちずる「豹馬!」

 

豹馬「はいはい」

 

 

 集音装置をむけるのをやめ、彼等は仕事にもどった。

 

 その背後では、突撃してきたロゼ=リアを受け止める統夜の姿。

 

 

ロゼ=リア「トーヤトーヤトーヤ!」

 

統夜「うわっ!? いきなりなにするんだよ」

 

ロゼ=リア「ずっと待たせたのですから当然のことです!」

 

統夜「俺にだって用事はあったんだからしかたないだろ。ロゼ=リアだって仕事があったじゃないか」

 

ロゼ=リア「そんなの二分で終わらせてやってきたに決まっているじゃありませんか! トーヤに会いたくてがんばったんですのよ!」

 

 

 えっへんと胸をはった。

 

 

ロゼ=リア「トーヤは違うんですの?」

 

統夜「そりゃ俺もがんばったけどさ。ロゼ=リアには負けたよ」

 

ロゼ=リア「まあ、こうしてあえましたから水に流します! それに、待ってる間に一つわかりましたしね」

 

統夜「なにが?」

 

ロゼ=リア「やっぱり、わたくしはトーヤと一緒にいるのが一番幸せなんだって!」

 

統夜「……」

 

 

 ぎゅーっと抱きしめられ、ちょっと照れた統夜は思わず頬を染め、ぽりぽりと頬をかいた。

 

 

ロゼ=リア「だからトーヤ。これからもずっと、一緒にいましょうね!」

 

統夜「もちろんだよ。ずっとずっと、一緒だ」

 

ロゼ=リア「はい!」

 

 

 彼女の未来になにが待ち受けているか。それは誰にもわからない。

 

 だが、どんな無茶な未来が待ち受けていようと、どんな場所に行くことがあろうと、彼女は間違いなく幸せだろう。

 なぜなら、これからずっと、その隣には自分の未来を保障してくれる、最愛の人がいてくれるのだから……!

 

 

 だから、彼女の未来は、いつまでも明るい。

 

 

 

 おしまい。

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