第2次スーパーロボット大戦J   作:YSK

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第01話 勇者王誕生

 

──ゾンダースペース──

 

 

パスダー「目覚めよ。機界四天王よ……」

 

ポロネズ「ポロネズならここにおります、パスダー様」

 

プリマーダ「プリマーダ、もう待ちくたびれましたわ」

 

ピッツァ「ピッツァ。ただいま到着」

 

ペンチノン「このペンチノン、すぐにでも出港可能です」

 

パスダー「よくぞ目覚めた。この星のゾンダー化を開始する。心弱き者供。我が力を授けようぞ」

 

 

 闇の中。新たな敵が動きをはじめる……

 

 

────

 

 

甲児「暇だなー」

 

ロゼ=リア「暇ですわねー」

 

テニア「暇だねー」

 

メルア「暇ですねー」

 

統夜「確かになー」

 

ロゼ=リア「世界救ってくださるなら暇じゃなくなりますわよー」

 

統夜「いや、さすがに早急すぎるかな、それは。もう少し考えさせてくれ。今、他の博士達にも相談しているところだし」

 

ロゼ=リア「はーい。いつまでも待ちますわよー」

 

さやか「凄いわね。ロゼ=リアさん。もう馴染んでるわ」

 

カティア「馴染みすぎな気もするけどね」

 

 

 教室でぐだーっとしている甲児、ロゼ=リア、テニア、メルアを見て、さやかとカティアが呆れている。

 

 

シャナ=ミア「平和なのはいいことだと思いますよ」

 

統夜「そうだな。考えなきゃいけないことはあるけど、これがずっと続けばいいと思うよ」

 

甲児「暇だなー」

 

テニア「暇だねー」

 

ロゼ=リア「暇ですわねー」

 

さやか「もう。暇でいいじゃない。アキトさん達に比べたら、こうして学校に居られるのもましなんだから」

 

ロゼ=リア「アキト・サン?」

 

メルア「わたし達の仲間です。新婚さんなんですよ」

 

ロゼ=リア「まあ」

 

甲児「そりゃあっちに比べりゃ暇なのは間違いないけどよ。だからって、あっちに俺達関わるわけにもいかないだろ」

 

さやか「だったら暇だなんて言わないの」

 

甲児「つっても、今の事情さっぱりわからないしよ」

 

カティア「相良君ならなにか聞いてるかしらね」

 

統夜「他のチームの作戦になるから、さすがに聞かされてないんじゃないかな」

 

テニア「ならテッサに聞かないとダメかなー。あたしもちょっと気になってきたー」

 

ロゼ=リア「テッサ?」

 

メルア「わたし達の仲間です。相良さんの上司に当たる方なんですよ」

 

カティア「いくらなんでも教えてくれないでしょう。関係ない私達に」

 

テニア「そっかー」

 

シャナ=ミア(アル=ヴァンにならなにか聞けるかしら……)

 

ロゼ=リア「なにやら色々複雑なんですわねぇ」

 

 

 ちなみに教室には他にボス、ヌケ、ムチャのボスボロット軍団もいる。

 今は放課後。今日は先ほど名前の出た相良宗介と千鳥かなめが生徒会に突如お呼ばれしたため、その二人を待っているのだ。

 

 そうしてぐだぐだと教室でだべっていると……

 

 

 ダッダッダッダッダッダ!!

 

 

かなめ「みんな、聞きなさーい!」

 

 

 ばーん! と、教室の扉を勢いよく空け、千鳥かなめ(フルメタルパニック)が入ってきた。

 

 その勢いよい登場に、ぐだぐだしていた面々も顔を上げ、何事かとそちらの方を見る。

 

 

かなめ「『ぽに男』を捕まえるわよー!!」

 

テニア「え? どゆこと?」

 

 

 いきなりの宣言に、テニアが代表して声を上げた。

 

 生徒会に呼ばれていたかと思えばいきなりそんな声をあげたのだから、皆が困惑するのも当然だろう。

 

 

かなめ「理由は簡単よ。キョーコが被害にあったの!」

 

統夜「常盤さんが?」

 

メルア「そういえば、今日お休みでしたね」

 

 

 出たクラスメイトの名に、統夜とメルアが反応する。

 

 常盤恭子(フルメタルパニック)

 ここでは初登場のクラスメイトである。

 

 その彼女が昨日、『ぽに男』と呼ばれるチカン男に襲われたというのだ。

 

 

 回想(生徒会室)

 

 

かなめ「え? キョーコが襲われた!?」

 

林水「そうだ。君達も『ぽに男』の噂は聞いているだろう?」

 

 

 眼鏡をくいっと上げ、生徒会長の林水(フルメタルパニック)がうなずいた。

 

 

宗介「確か、馬のバケモノとか……」

 

 

 共に来ていた相良宗介(フルメタルパニック)が答えた。

 

 

林水「間違ってはいないな。では、その名前の由来については?」

 

かなめ「『ぽに』って鳴くからだって聞いてますけど……」

 

林水「それでは50点だ。ぽに男の呼び名の由来は、彼の行為に由来する」

 

宗介「行為ですか?」

 

林水「そうだ。ぽに男の目的は、遭遇した女性のヘアスタイルをポニーテールにすることだ」

 

 

 それゆえ、鳴き声(?)とあいまって、『ぽに男』と呼ばれるのだ!

 

 

かなめ「……そんなことして楽しいんですか?」

 

林水「フェティシズムというのは他人には理解しがたいものだよ。だが、被害にあった女性からすればたまったものではない。なにしろ針金と接着剤を使って無理やり髪型をポニーテールに固定するのだからな」

 

かなめ「それを、キョーコが……そんなの、許せませんね」

 

林水「うむ。君達にはぜひ、この『ぽに男』を捕まえてもらいたい。警察も動いているが、事態に比べあまり重くは考えていないようだ」

 

かなめ「馬鹿みたいな話としか考えてないんですね。わかりました。全力でやらせてもらいます!」

 

 

 友人が被害にあったとなればもう見過ごすわけにはいかない。

 

 警察がそこまで頼りにならないというのなら、いっそ自分の手でとっ捕まえてやろうということになったのである!

 

 

 ちなみにそうして恭子の敵討ちに燃えている間に、相良宗介と生徒会長が……

 

 

宗介「では、会長閣下、銃器の使用の許可を」

 

林水「その判断は安全保障問題担当・生徒会長補佐官である相良君の判断に任せよう。もし、官憲がなにか言ってきたら、この私。林水敦信が一切の責任を取ろう」

 

宗介「了解です。全力をもって任務を遂行します」

 

 

 なんて物騒な会話をしていたが、燃えて拳を握る彼女の耳には入っていなかった。

 

 

──公園──

 

 

かなめ「話によると、この公園によく出没するらしいわ。その『ぽに男』ってヤツは」

 

 

 よく出現する地点へ、移動してきた。

 

 女性陣は囮。男は犯人が出てきたところで確保する役目である。

 

 

甲児「しかし、その『ぽに男』って、チカンつーより変態だな」

 

さやか「いいえ甲児君。チカンよりもっとタチが悪いわ。乙女の髪をボンドで固めるなんて……!」

 

カティア「ええ。私もそう思うわ」

 

 

 黒髪が美しい弓さやかとカティアが静かな怒りを燃やす。

 髪は乙女の命ともいえるもの。

 

 それをぞんざいにあつかうような真似、許してはおけなかった。

 

 

ボス「しかし、相良のヤツはどこへ行ったんだわさ?」

 

かなめ「あいつはどーせなにかの装備を担いでどこかに潜んでるのよ。ぽに男が出てきたら出てくるだろうから、今は気にしないわ。早いとこ探して捕まえましょ」

 

 

 ボスの疑問にかなめが答える。

 

 

シャナ=ミア「では、先ほどくじで決めたとおり、順番で公園を……」

 

 

???「ぽにっ」

 

 

 仕切るシャナ=ミアの声を遮るように、それは公園の茂みの中から現われた。

 

 

???「ぽにっ!」

 

 

 そこに居たのは、馬のマスクをかぶり、黒のコートを身に纏った半裸の男だった。

 

 その姿。まさに……

 

 

みんな「変態だー!!」

 

 

 みんなが一斉に声を上げた。

 

 

かなめ「飛んで火に居る夏の虫ね! とっ捕まえてキョーコのカタキをとってやるんだから! みんな、お願い!」

 

甲児「任せろ!」

 

 

 甲児をふくめた男性陣が、ぽに男を囲むようにして輪を作り、ぽに男包囲網がゆっくりと完成しようとしていた……

 

 

かなめ(ちょっとソースケ、こういう時いの一番に飛び出してくるのあんたの役目でしょ。いったいなにやってんのよ!)

 

 

 一方そのころ。

 相良宗介は自分が製作した着ぐるみ型小型アームスレイブ、ボン太君に身を包み、ある者と相対していた。

 

 

ボン太君「ふも……っ!」

 

???「ぶるる……っ!」

 

 

 それは、馬!

 毛並みの美しい白馬が、公園近くの道路に居たのだ!!

 

 

ボン太君(こんなところに馬。まさか、この馬が、くだんのぽに男……!?)

 

 

 ボン太君と相対する風雲再起(Gガンダム)は驚いていた。

 

 最近巷を騒がすぽに男なる変質者。

 いかような変態かと思っていたが、想像以上の存在であった。

 

 まさかこのような平穏な街に、武装した着ぐるみがいようとは……っ!!

 

 

ボン太君「ふも」(こいつ……)

 

風雲再起「ぶるるっ」(こやつ……)

 

 

二人『((できるっ!))』

 

 

 互いの実力を察知した双方は、にらみあいとなり身動きが取れなくなっていた!

 

 

 

ぽに男「ぽにっ」

 

 

 自分がピンチと察したのか、ぽに男は自分を囲む甲児達を見回し、慌てたようなそぶりを見せる。

 

 

甲児「統夜とヌケ、ムチャはあんま無理すんなよ。荒事は俺とボスにまかせとけ」

 

 

 じりじりと包囲網を縮めつつ、甲児が指示を出す。

 

 

ぽに男「ぽにっ……!」

 

 

 もう無理だと感じたのか頭を抱え。

 

 

ぽに男「ぽにっ。ぽにっ!? ぽにいいぃ!」

 

かなめ「え?」

 

 

 それは、突然のことだった。

 

 大きな光と爆発のようなものが起きたと思えば、皆の前に巨大ななにかが現われたのだ。

 

 それは、後にゾンダーと呼ばれる怪物。

 ぽに男が変貌し、巨大な馬面の巨人に変態したのだ!

 

 

メルア「え、えええええー!?」

 

かなめ「変態が変態したー!?」

 

 

 突然の変貌に、誰もが驚きの声を上げる。

 

 

ぽに男?「ゴオォォォォ!!」

 

 

 鳴き声ともわからない音と共に、それはゆっくりと歩き出す。

 

 

かなめ「こ、こっちに来るわ!」

 

テニア「機械獣!?」

 

甲児「いや、違う。似てるけど機械獣じゃない。なんだこいつは!?」

 

統夜「ともかくみんな逃げろ。このサイズ、機体がなくちゃどうしようもない!」

 

 

???「ふもっ!」

 

???「ひひーん!」

 

???「危ない!!」

 

 

 逃げる統夜達と怪物の間に、金髪のカッコいいお兄さん(ガオガイガーの凱)と馬(風雲再起)と着ぐるみ(ボン太)がわって入った!

 

 

カティア「ボン太君!」

 

テニア「誰!?」

 

かなめ「馬ぁ!?」

 

 

 驚きの声をあげる統夜達。

 その彼等を尻目に、現われた三人組は高らかに宣言する。

 

 

ボン太君「ふもっ!」

 

凱「フュージョンを要請する!」

 

風雲再起「ひひーん!」

 

 

 さらにライオンのメカが現われ、突然現われたお兄さんと合体をはじめ、馬は馬のロボットに乗りこんだ。

 

 並び立つ、着ぐるみ、胸ライオンロボ、ロボ馬!

 

 

 この時、かなめの警護にてAS、M9で光学迷彩を作動させ、姿を消しつつ見ていたクルツ・ウェーバーはこう語る。

 

 

クルツ「あの時、他が合体やらを要請している時、俺はあいつに『なぜ姿を見せない』とか言われたけどよ、俺が出る幕はないと判断した。なんせあの場に現われたのは、のちに俺達が世話になるGGGの新型と、それを動かすミスターサイボーグ。さらにもう一つは常識の枠を平気で破壊するモビルファイターならぬモビルホースなんだからよ……」

 

 

 やれやれと、どこか呆れたようにクルツはため息をついた。

 

 

クルツ「決して。決してな、あんな絵ズラのところに出て行って同類に見られたくなかったとか、俺はそんな勇気はないとか、決してそんなことはないからな。こいつは、そう。信頼ってヤツだ。それに、予期せぬ伏兵がいるかもしれない。そのための備えってヤツでもある。そういうわけだから、みんなわかってくれるよな?」

 

 

 この時話を聞いていたインタビュアーも、苦笑するしかできなかったそうな。

 

 

クルツ「つーかよ、あの状況で平然とセンター居られるあのミスターサイボーグは、間違いなく勇者だよ……」

 

 

甲児「ど、どうなってんだ?」

 

凱「君達のことは知っている。俺はGGGの凱。ここは俺とガイガーに任せて行ってくれ。マジンガーも近くに運ばれているはずだ!」

 

甲児「っ! わかったぜ。すぐ戻る。みんな、行くぞ!」

 

統夜「ああ!」

 

 

 凱の言葉に、甲児達は走り出す。

 

 今の状態で自分達は足手まとい以外の何者でもないからだ。

 すでに素人ではない彼等は、無理もせずその場から離れることを選択することができた。

 

 

ロゼ=リア「あ、そうですわトーヤ。今ならわたくしのバシレウスと同じく、グランティードも呼べば来てくれると思いますわ!」

 

統夜「え? そうなの?」

 

ロゼ=リア「はい! オルゴンクラウドの転移であの馬のように! その上自動搭乗のおまけつきですわ!」

 

 

 いつでも呼べば来るということは、搭乗台などないところでも呼べるということである。

 なにもない原っぱに機体だけ来てコックピットに登れないというのは意味がない。ゆえに当然、来るのと同時に搭乗できるシステムもついているのである!

 

 

統夜「なら……いや、まずはみんなの安全が第一だ。なにかあった時のため、俺も一緒に行こう」

 

ロゼ=リア「確かに逃げている間になにかこちらに飛んできたらどうしようもありません。冷静な判断、さすが救世主様ですわね!」

 

統夜(いや、ごめん。正直あの集団の一人として一人で肩を並べる勇気は、俺にない……)

 

クルツ(気持ちわかる)

 

他の人(わかる)

 

 

 誰からも不思議と非難の声は上がらなかった。

 

 統夜達は一度非パイロットを安全な場所へ移動し、そこから戻ってくることを選択した。

 

 

 ちなみにグランティードは前と同じ仕様だが、バシレウスの方も副座となっており、メインにロゼ=リア、サブにもう一人乗ることが可能となっている。

 今は機体がないが、もう一機フューリー製の機体があれば、統夜達全員がパイロットとして登場が可能となるだろう。

 

 

凱「さて、誰かはわからないが、彼等を守ったということは俺の味方と考えていいんだろう。すまないが、頼りにさせてもらう!」

 

風雲再起「ひひーん!」

 

ボン太君「ふもっ!」

 

 

 凱の言葉にボン太君と風雲再起は大きくうなずいた。

 

 さすが勇気あるもの。動じない!

 

 

 こうして、第2のゾンダー。EI-02と呼称された存在との戦いがはじまった!

 

 

 しかし、ガイガー、ボン太君、風雲再起では高い再生能力とバリアを持つEI-02にダメージを与えることは難しかった。

 いかような攻撃を与えようと、即座に回復してしまったのだ。

 

 

凱「くっ!」

 

ボン太君「ふもっ!?」

 

 

甲児「待たせたな!」

 

 

 そこに、マジンガーZと統夜達の乗るグランティードも駆けつけた。

 

 

大河長官『聞こえるかね君達』

 

 

 マジンガーZとグランティードに通信が入った。

 

 

大河長官『こちらはGGG司令室。私は大河幸太郎。このGGGの長官を務めるものだ。今回EI-02と認定されたこの怪物を倒すため、君達に協力を要請したい』

 

甲児「もちろんだぜ!」

 

大河長官『では、指示はこちらのオペレーター、卯都木命君からの声に従ってくれたまえ。ヤツは手ごわい!』

 

甲児「まかせてくれ。俺達が揃えば、あんなのすぐ木っ端微塵だ!」

 

統夜「待つんだ甲児。確かにフルパワーで攻撃すればそれもできるかもしれない。でも、あそこにはあのぽに男がいるはずだ。完全に破壊しちゃダメなんじゃないか?」

 

甲児「あ……」

 

 

 統夜の言葉に、勢いよく了承した甲児が動きを止める。

 

 あまりの変態に脳が記憶から削除しかけていたが、一応、仮にもあれは人。木っ端微塵にしては夢見が悪い。

 

 

甲児「くそっ。やっかいなヤロウだぜ。あのバリアと回復力を突破するだけの火力と、中にとりこまれた変態を傷つけない繊細さが必要だなんてよ」

 

カティア「むしろバリアと回復力ならば、できる限り火力があった方がいいと思うわ」

 

 

 今回グランティードに乗っているのはカティア(前作クリアデータがある場合はインターミッションで選択可能)。バシレウスの方はシャナ=ミアがサブパイロットとして乗っている。

 

 

凱「こうなったら……!」

 

 

 GGG司令室。

 

 

命「ガイガーからファイナルフュージョン要請のシグナルが出ています!」

 

 

 凱からの要請を、オペレーターの命が伝える。

 

 

大河長官「博士!」

 

麗雄博士「しかし……ファイナルの成功率は限りなくゼロに近いんじゃがなぁ」

 

 

 大河長官がガイの父にしてガオガイガーの開発責任者である獅子王麗雄に問うた。

 返って来た答えは、承認できないと言ってもいい答えだった。

 

 

 が……!

 

 

大河長官「成功率なんてのは単なる目安だ! 後は勇気で補えばいいっ!!」

 

 

 長官の言葉により、ファイナルフュージョンは承認された。

 

 ガイガーの周囲に3機のサポートマシンが集まり、合体する!

 

 

 ここに、新たな勇者。勇者王ガオガイガーが誕生したのである!!

 

 

麗雄博士「奇跡じゃぁっ!!」

 

大河長官「頼むぞ、勇者!」

 

 

 GGG司令室でも歓声があがった。

 

 

甲児「胸にライオン、膝にドリル。肩に新幹線。こりゃスゲェな」

 

 

 ガオガイガーの姿を見た甲児が思わず声を上げる。

 

 

統夜「別のガイさんが見たら大喜びしそう」

 

カティア「確かに……」

 

 

 同じくガオガイガーを見て、統夜とカティアがつぶやく。

 ちなみに別のガイとはナデシコのクルーだったダイゴウジ・ガイことヤマダジロウのことである。今回劇場仕様にての登場となるのでヨロシクしておこう。

 

 

ロゼ=リア「合体ならばこちらも負けていませんわ! トーヤ!」

 

統夜「え? 対抗する必要ないだろ!?」

 

ロゼ=リア「それでもやるのです! あのバリアを打ち破るには火力が必要だとカティアさんも言っていましたし!」

 

統夜「そりゃ言ってたけど。ええいわかった、合体だ!」

 

 

 しーん……

 

 

ロゼ=リア「あれ……?」

 

シャナ=ミア「合体がはじまりませんね……」

 

統夜「なんだ!? バシレウス、どうした!?」

 

ロゼ=リア「わかりませんわ」

 

シャナ=ミア「ひょっとしたら、私達が乗ったからかもしれませんね」

 

統夜「くそっ。原因究明はまたあとでだ。今回はこのまま戦うぞ!」

 

カティア「ええ!」

 

 

 合体不能の原因は今のところ不明だ。

 だが、分離状態でも火力そのものは十分にある。

 

 マジンガーZのブレスとファイアー。グランティードのオルゴンスレイブが見事決まり、EI-02はよろけた。

 

 

凱「あとは任せろ!」

 

 

 ガオガイガーの両手が光る。

 

 ヘルアンドヘブン。

 ガオガイガー最大の必殺技が、馬の顔をした怪物へ突き刺さった。

 

 

命『やりました! 凱が敵ロボットの核をえぐりだしました!』

 

 

 コアを残し、怪物は爆発する。

 

 

甲児「よし!」

 

統夜「あとはあの中にいるぽに男を助ければ……」

 

 

ぽに男?「ゾンダアァァァァ!」

 

 

 コアに居たのは、人とはとても思えない怪物だった。

 しかしそれは、相変わらず馬の覆面を被っている。

 

 つまりこの怪物(ゾンダー人間)は、先ほどEI-02に変態したぽに男ということになる!

 

 

統夜「っ! ダメだ。凱さん!」

 

 

 その異変に気づいた統夜が叫んだ。

 

 

凱「うおおぉぉ!」

 

 

 コアを握ったガオガイガーが、それを握りつぶさんと動いていたのだ!

 

 変貌しているとはいえあれは人。

 簡単に握りつぶしていいはずがなかった。

 

 

大河長官『どうした!?』

 

命『凱のアドレナリンが生命危険域に入っています! 凱は自分で自分を制御出来ません!』

 

麗雄博士『いかん! 戦闘で自己制御システムが損傷を受けたか!』

 

 

 大河長官、命、麗雄博士が状況を見て声を上げた。

 だが、司令室からではそれをとめることはできない。

 

 とっさに甲児と統夜もその手を止めようと動く。

 

 

???「それを壊しちゃ、だめぇぇぇぇっ!!」

 

 

 そこに、緑色に光る球体があらわれた。

 

 光る少年は、暴走するガオガイガーと変貌した人間に触れ、それをなかったかのように浄化。『浄解』してみせた……

 

 

命『博士! 凱のアドレナリン分泌量が急速に落ちています!』

 

麗雄博士『あの少年が触れることで凱の怒りが静まった。あの子は一体……?』

 

 

 その問いに答えることはなく、光の少年は猛スピードでどこかへ去ってしまった。

 司令室でも追跡することはできず、そのまま見失ってしまう。

 

 戦闘は、終わった。

 

 

 ガオガイガーと無事人間に戻ったぽに男はGGGのスタッフの手により、その拠点へ運ばれていった。

 

 

甲児「一体、なんだったんだろうな」

 

火麻激「それに関しては、君達にも話がある。あとでGGGに来てくれないか? 改めて長官から話があるそうだ」

 

 

 回収作業を陣頭指揮していた火麻激がそう言い、去っていった。

 

 

テニア「行っちゃった」

 

さやか「あの凱って人、大丈夫かしら……?」

 

シャナ=ミア「相当無理をしていたようですからね」

 

甲児「ああ。心配だぜ」

 

 

統夜「ところで、あの白いモビルホースは?」

 

甲児「それなら、あっちだ」

 

 

 視線をむけると、ボン太君と向かい合う風雲再起がいた。

 

 

ボン太君「ふもっ」

 

風雲再起「ぶるるっ」

 

 

ボン太君「ふもっふ」

 

風雲再起「ひひーん」

 

 

ボン太君「ふもっふ、ふもふ」

 

 

 こくりと、風雲再起はうなずき。

 

 

ボン太君「ふもっ」

 

 

 ボン太君も納得したようにうなずいた。

 

 

かなめ「得体の知れない問答でわかりあうな!」

 

ボン太君「ふもっ!?」

 

 

 かなめのハリセンがボン太君の後頭部をぶったたいた。

 

 

ボン太君「ふも、ふもふもふも、ふもっ!」

 

かなめ「なに言ってんのかさっぱりわからないわよ!」

 

 

クルツ『あー、通訳するとだな……』

 

 

 見かねたクルツが音声だけ出して先のやり取りを説明する。

 

 そもそも、この馬、風雲再起が何者なのか。そしてなぜぽに男を探していたのか。それらを説明してくれた。

 

 

テニア「モビルホースって……」

 

メルア「ドモンさんのお仲間。どおりで強いわけです……」

 

シャナ=ミア「地球の技術は時に想像を超える驚きを与えてくれますね……」

 

ボス「そりゃあの強さも納得だわさ……」

 

 

風雲再起「ぶるるっ」

 

 

 風雲再起はやることは終わったと言わんばかりに皆に背を向け、夕日に向かって去っていった。

 

 その威風堂々たる姿。

 

 確かに東方不敗の愛馬だっただけはあるっ!

 

 

かなめ「えっ、なにこの光景。おかしいと思うの私だけ?」

 

 

 かなめのつぶやきは、夕日に消えた。

 

 

ロゼ=リア(あ、よかった。40億年たっていても、この光景はどこかおかしいと思ってもおかしくはないのですね)

 

 

 だが、かなめの感覚は、一人の少女を救っていた。

 

 ありがとう常識人。ありがとう、モビルホース!

 

 

 こうして、新たな敵の出現が確認された。

 

 統夜達の新たなる戦い。それが、今、はじまったのだ……!

 

 

 第1話 終わり

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