──岬の約束──
第13独立部隊は新たに開発されたガンダムのサポート機、Gファイターを受領するためベルファスト基地へと来ていた。
受領の際、連合軍トップのレビル将軍が基地を訪れ、ホワイトベースクルーを激励していくこととなった。
これらのことは、それだけ統夜達の働きが認められているということでもある。
ホワイトベースに所属する者は受領からの整備、説明のため基地に残り、他の者は半舷上陸として自由時間が与えられた。
時間のできたシンは、一人バイクを走らせ人気のない海岸線を歩いていた。
そこでシンは、一人の少女が崖から落ちたのに気づく。
慌てて海に飛びこみ、必死に少女を助けたシンだったが、その少女こそ、ステラであった。
エクステンデットと呼ばれる強化人間である彼女は、暴走をおさえるためのブロックワードが存在しており、助けた際シンが口にした「死」というキーワードに反応し、激しく怯えてしまう。
そんな彼女に、シンは「俺が君を守るから」と、優しく語り掛ける。
ステラを探しにきた同じエクステンデットのスティングらは、身分を隠しステラを引き取り、帰ってゆく。
シンとの別れを悲しむステラに、シンは「きっとまた会えるから」と、その背中に叫ぶのだった……
一見すると平和な港街であるベルファスト。
しかし、その街を狙う二つの影が存在した。
ひとつは、シンに助けられたステラを有するファントムペイン。
もう一つはジオンの潜水艦諜報部隊。シャアの率いるマッドアングラー隊である。
目的は双方同じ、ベルファストに滞在する連合軍のトップ。レビル将軍の首である。
連合トップの首の価値はジオンにとっては説明するまでもなく、ファントムペインの主であるロゴスにとってもブルーコスモスの思想に染まらないトップは邪魔以外ない。
ファントムペインが奪ったガンダムは、世間的にはジオンが奪ったものだと思われている。
実際ジオンが襲撃し、その後戦争までしかけてきたのだから、その一環なのだろうと考えられていた。
もちろんジオンは強奪は否定したが、それを額面どおりに受けとってもらえるはずもなかった。
ゆえにファントムペインはその状況を利用し、ザフトの機体を持ち出し、ジオンとザフトが手を組んだかのように見せかけ、レビルを殺すつもりでいた。
ザフトが連合のトップを殺した。
そうなれば、地球と宇宙にできる溝は決定的。
その溝は埋まることはなくなり、ロゴスの望む争いの世界。地球とプラントコロニーの全面戦争へと一気に加速していく。
そのため、このベルファストにロゴスの私兵、ファントムペインの面々が来ているのだった。
ファントムペインとシャア。
きしくもかつて、サイドセブンを襲った者同士が同じ獲物で接近しあうこととなった。
ネオ「さあ、いってこい。私の望む世界を実現するためにな!」
ステラ「うん。ステラ、がんばる!」
ベルファストの街に、サイドセブンから盗まれたガンダム、ザフトの混合軍が現われた!
シャア「ふむ。あれは……」
潜水艦にて潜んでいたシャアが、はじまった戦闘を見て声を上げた。
副官「いかがいたしましょう?」
シャア「どうやら連合も一枚岩ではないようだな」
状況を見て、シャアは即座にその思惑を見抜いた。
目的は同じ。
だが、このまま相手の目的がなされずとも、連合とプラントの決裂は明らか。
ジオンとすれば、このままこれを傍観するだけで連合は疲弊し、味方も増える。
願ってもないチャンスであった。
しかし、それは、相手の思惑通りに動き、その掌の上で踊っているのに等しい行為。
さらに地上に居るのはサイドセブンで奪われたガンダム。状況としては、サイドセブンの時と同じなのだ。
また、シャアを利用していると言っても過言ではない。
シャア「再び道化にされる。それは気に入らんな」
副官「では?」
シャア「うむ。出撃だ。ここは、私も出る!」
副官「はっ!」
こうしてシャアとマッドアングラー隊もベルファストに上陸を開始した!
シン「ジオンの援軍!?」
スティング「っ!?」
動揺は、シン達だけでなくファントムペイン側にも走った。
スティング「なぜジオンが。ここで高みの見物を決めておけば、ジオン有利に働いて連合の戦力が削れるってのに!」
シャア「そう都合よく進む事態だから気に入らぬと言うのさ! 落ちろ!」
不意を打つように現われた赤い水陸両用モビルスーツ。シャア専用ズゴックが、ステラの乗るガイアガンダムに迫る。
スティング「なんて速さだ!」
不意をつかれたというのも差し引いても、その速さは誰もが驚く速度だった。
その一撃はコックピット部のある腹を直撃し、その爪は機体を刺し貫いたかのように見えた(有名なあのシーン)
だが、ガイアガンダムは間一髪のところで胴体をひねり、コックピットへの直撃は避けていた。
それでもガイアの腹は裂け、コックピットは露出し、パイロットが見えてしまっている上、乗るパイロットのヘルメットさえ砕けてしまっていた。
その衝撃でパイロットが即死していなかったのは、彼女がエクステンデットだったからだろうか?
アムロ「どうしてジオン同士で!?」
突然の同士討ち。驚くのも当然のことだ。
シン「ステラ!?」
露出したガイアのコックピットを見てシンが声を上げる。
シンはそのパイロットに見覚えがあったのだ。
少し前に知り合い、必ず助けると約束した子だ!
シャア「しぶといな。だが、これで終わりだ」
返す刀でとどめをさそうとする。
シン「ステラー!」
シャア「っ!」
シン「約束、したんだ!!」
SEEDを発動させ、シンはその間にわって入った。
シャア「敵をかばう、だと!?」
明らかな敵をかばったのを見て、さすがのシャアも驚きを隠せない。
シン「ステラ、俺だ。シンだよ!」
ステラ「……ダレ?」
だが、彼女はシンのことを覚えていなかった。
シン「ステラ、どうしたんだ! 俺を覚えてないのか!?」
シャア「敵を前に、背をむけるとはな」
シャアは、その隙を見逃さない。
アムロ「シンさん!」
シンの援護にアムロが入った。
シャア「ちいっ!」
シャアは放たれたビームをかわし、さらに後退する。
アムロ「かわしたっ!?」
アムロ(このプレッシャー。赤い彗星か!)
さらにガンダムの攻撃で距離をとった。
ガンダムと対峙するシャア専用ズゴック。
少し遅れて、ゴッグも追いついてきた。
シンはステラの名を呼び続けるが、彼女は聞く耳をもたず、逃げてゆく。
こうしてジオンが乱入し、三つ巴の戦いとなった。
最初こそ統夜達はジオン同士が戦っている? 味方? いや違うと慌てたが、どっちも撃退すればいいと悟り、どちらも叩き返すことにするのだった。
戦いは、続く。
──特殊イベント──
ガンダムハンマーを使い、ゴッグを攻撃するとちょっと特殊な会話イベントが発生する。
ガンダムハンマーの一撃を、ゴッグが受け止める。
ジオン兵「さすがゴッグだ。なんともないぜ!」
アムロ「くっ!」
アルゴ「ならば本当のハンマーの使い方を教えてやる。グラビトンハンマー!」
ジオン兵「ぐわー!」
ゴッグ、撃墜。
アムロ「すごい。あれが、本当のハンマーの使い方……!」
アルゴ「ふっ」
アムロ「ならこのガンダムでも、あんな使い方が……! そのためにハンマーなんてついてたのか!」
ブライト「いや、無理だぞアムロ! ガンダムはガンダムでも、あっちはガンダムファイターだ!」
──エクステンデット──
すべての敵が撤退し、戦いは終わった。
戦後、アスランがなぜガイアを助けたと問うた。
シン「あれは、ステラだったんだ……」
タリア「ステラ?」
シンは、ベルファストの海岸であったことを説明する。
レイ「つまり、そいつらがあの時ガンダムを奪った奴等ということになるな……」
甲児「それより、なんでジオン同士で戦ってたんだあれ」
アムロ「確かに気になりますね」
マオ「どうやら同士討ちでも仲間割れでもなさそうよ」
そう言い、場に現われたマオは、データをモニターに表示させた。
マオ「そのステラという子の所属は、連合よ」
アスラン「なんだって!?」
映し出されたそこには、ステラの制服写真と連合に所属している事実がはっきりと記されていた。
同じファントムペインの他二人、スティング、アウルのデータもある。
ただ、リーダーのネオに関しては、ミスリルもまだ入手してはいなかった。
タリア「これ、極秘情報じゃない。こんなもの一体どこから……!」
マオ「それは企業秘密ということで」
タリア(確か地球には裏から世界を守る組織があると聞いたことがあるけど、その類からかしら……。ひょっとすると、オーブに現われたアークエンジェルともなにか関わりがあるのかもしれないわね)
マオ(ちょうどミスリルでも調べているところでよかったわ)
マオ「彼女の所属はファントムペイン。連合を裏から支配していると言っていい、ロゴスの私兵よ」
シン「ロゴス……?」
マオは、ミスリルが調べたロゴスについてのことを説明する。
簡単に説明すれば、『戦争を裏から操る組織』であり、それで利益を得ている集団ということになる。
その歴史は古く、多くの為政者がその恩恵を受けている。
金があるのだから、様々な場所で力を発揮し、影響力を行使しているのである。
マオ「そして、ブルーコスモスの母体でもあるわ」
レイ「そうか。だからザフトに偽装してここを襲ったのか」
マオからの情報で、レイが納得したようにうなずいた。
レイ「今の連合トップ。この第13独立部隊を作ったレビル将軍はブルーコスモスの思想になびかない男だ。それは、裏からことを牛耳るロゴスには邪魔だったということ……」
だからザフトに偽装し、トップを挿げ替え、さらにプラントコロニーと全面戦争に突入させようとした。
前に説明したのと同じことを、レイは見事推測する。
シン「そんなのが、地球にいるのか……」
マオ「私はその存在そのものを否定するつもりはないけどね。ただ、ちょっと思想が偏りすぎてるのは問題だと思うけど」
ロゴス。それは元々利益をあげるため裏で色々してきた集団が本質だからである。
ギルドや組合。それのスケールが大きくなったものといってもいいものだからだ。
それが大きくなりすぎ、一つの思想に凝り固まってしまったのが問題なのである。
まあ、それに関してはここで語ることではないので割愛しておこう。
シン「じゃあ、連合に訴えかければ、ステラは助けられるのか!?」
タリア「いえ、そうもいかないわ。いくら連合内部の足の引っ張り合いといっても、根拠がパイロット一人を見たというだけでは動けないでしょう。なにより、このデータも正式な(方法で入手した)ものとは限らないし」
マオ(さすがに気づくわよね)
シン「なんだよ。なら、次はステラを直接助け出さないとダメってことかよ……!」
レイ「……この女、エクステンデットか!?」
データを見ていたレイが声を上げた。
シン「エクステンデット?」
レイ「……シン。悪いが彼女は諦めろ。彼女は体をいじられ、薬がなければ生きられない体だ。たとえ助けて連れてきたとしても、俺達では見殺しにするしかできない」
シン「なっ……!?」
レイ「これを作った奴は、彼女を使い捨ての道具としか見ていない。だから、彼女のことはもう、死んだと思え……」
シン「そんなっ……!」
レイン「待って、アスカ君。マオさん、この身体データは最新のもの?」
マオ「ええ。ごく最近のもので、正確なもののはずです」
レイン「なら……」
レインがじっと、ステラという少女のデータを見る。
投薬状況。身体の異変。健康状態。
そして、確信する。
レイン「……助けられるかもしれないわ」
レイ「なんだって!?」
他の軍医ならば間違いなくさじを投げた症状であったが、レインは自信をもってうなずいた。
驚くレイ。
無理もない。普通に考えれば、彼女は使い捨ての道具なのだ。
作った連合だって彼女を癒す方法など考えていない。
ダメになったら廃棄して新しいのを作る。
そんな考えで作られた、コックピットに座る一つの生きた道具なのである。
だが、レインを含めた旧分艦隊に属してきた統夜等は、そういう無理だという事態を何度も蹴り飛ばし突破してきた。
特に肉体改造においては、それこそ人間ではなく別の存在に変化してしまうほどの異常を治療してきている。
今は平和に暮らしているはずのテッカマンの身体異常に比べれば、人類がちょっと手を加えただけの変化など、彼女にしてみるとまだまだ人類を癒す範疇でしかなかった。
まだ十分に人の範疇であるものの治療。それは、あの絶望的な状況に比べればはるかにマシなのである。
テッカマンを治療してきた経験。それが生かされる時がきたのである!
レイン「だから、臆さず彼女を連れてきて。私達が必ず治してあげるから」
シン「はいっ!」
ちなみにだが、いざとなればフューリーのステイシスベッドを使うという手もあったりする。
レイ(これが、かつての争乱を経験してきた者達。どうやら一筋縄じゃいかないようだよ。ギル)
シン「待ってろステラ。次あった時、必ず君を救ってみせる!!」
新たな目標を胸に、シンは拳を握るのだった!
──???──
???「どうやら、老人達の仕掛けは失敗したみたいだね」
???「……」
しゃんっ!
その男は、錫杖の音にて肯定する。
???「不出来な妹も頑張っているみたいだし、そろそろ、僕の出番かな……」
しゃんっ!
また、錫杖の肯定が鳴らされた。
???「じゃあ、そろそろあの老人達には退場願おうか。ネオと、プラントの彼に連絡を」
しゃんっ!
──ちょっと空白──
デストロイのベルリン襲撃が起きるまで、少し時が空く。
その間凱とピッツァの因縁を描いたり、宗介がラムダドライバ不信になったり、テッサの墓参りとか、またクド=ラが襲ってくるとか、エリカが海底城からバーム平和運動の組織へ移動することなどがあるが、今は割愛する。
あと、この空白の時間。ここは他中盤のネタを思いついた時に挿入するための余白である。
──ステラ──
第13独立部隊に緊急通信が届く。
それは、ヨーロッパの都市が正体不明の部隊に襲われ壊滅したという情報だった。
混成部隊であり、ザフトともジオンとも連合ともとれる装備を持つその一団は、無差別に都市を攻撃し進軍を続けている。
その様相は、侵略というものではなく、殲滅という言葉がぴったりとくる有様だった。
その行動は、見る者が見ればザフトの仕業に見え、またジオンにも、連合の仕業のようにも見えた。
だが、知る者が見れば、どこがそれを引き起こしたが、一目瞭然である。
映像に映る巨大なモビルアーマー。
そして、その周囲にそれを護衛するようにある2機のガンダム。
カオスガンダムとアビスガンダム。
シン「なら、あの巨大モビルアーマーに乗っているのは……」
それを見たとき、それを行う者達の目的がなんなのかが判明した。
今度は連合のトップをではない。力なき民を傷つけ、その憎しみを宇宙の民に向けさせようとしているのだ!
第13独立部隊に要請が入る。
あの破壊者をとめて欲しいと……
同様に、アークエンジェルも被害を食い止めるべく、ベルリンへ進路をとっていた。
ベルリンにて暴れまわるデストロイを有するファントムペイントの戦い。
この流れからして、キラ、シン、アスラン。さらにアムロが加わってステラを救出するのは目に見えているだろう。
ついでにアウルも撃墜しておけば、戦闘終了後ついでに拾ってステラと一緒に治療を受けさせ命を助けることができる。
この二人が助かった場合、後々スティングも生存させられるので覚えておこう。
アークエンジェルと第13独立部隊が到着すると、待っていたかのようにファントムペインの側の指揮官が姿を現す。
現われた2機を見て、それを知る者は驚きを隠せなかった。
一つは北辰の乗る夜天光。
北辰「やはりきたか」
アキト「なぜお前がここにいる!」
北辰「さて、なぜだろうなぁ?」
この一件の黒幕は、地球と宇宙を分断せしめんとしている影の集団、ロゴス。
そのロゴスはブルーコスモスという地球第一主義の思想を掲げる一団の母体でもある。
そして北辰は、火星の後継者を名乗る元木連の一員。
ブルーコスモスにとっては宇宙の怪物と迫害されてしかるべき存在だった。
だというのに、北辰はロゴスの私兵と共に居る。
それは、ありえないことだ。
北辰「わかりたければ、貴様とその妻を捧げよ!」
アキト「嫌だよ。捧げたくもないし、捧げるもんか!」
アル=ヴァン「いよいよ進退窮まり、身売り先を選んでもいられなくなったということか?」
ムウ「その割にはだいぶ余裕じゃないか?」
ちなみにだが、アークエンジェル側もミスリルの支援を受けロゴスのことを調べていた。
ゆえに、この暴走の裏にロゴスがいるということは把握している。
北辰「ククッ。そう見えるのならばそうなのだろう。貴様等にとってはな!」
いずれにせよ、ロゴスのすることを肯定し、統夜達の前に立ちふさがるのは間違いなかった。
そしてもう一機は、かつて獣戦機隊の上司であった男の機体。デザイアであった。
さらにその機体は、操縦者の癖を反映するかのように、右腕が小さく震えていた。
忍「この癖……」
シャピロ「フフッ。久しいな。藤原」
忍「どうしてお前がここにいる、シャピロ!」
そこにいたのは、かつての争乱で連合を裏切りグラドスにつき、火星で死んだ男だった。
シャピロ「なにを驚く。俺はいずれ世界の神となる男だぞ?」
亮「間違いない。この言動、こいつ、本物だ……っ!」
沙羅「でもあの時、間違いなくアタシがこの手で……」
そう。かつての戦いのおり、シャピロは間違いなく頭を撃たれ死んだ。
爆発にまきこまれ生死不明となったなどではなく、明確に間違いなく死亡確認されたのだ。
シャピロ「フッ。その時死んだアレも俺だが、所詮は偽物。俺の記憶を移し与えたコピーよ」
忍「なんだって!?」
シャピロ「所詮はカーボンのように複写された存在。ゆえにあの程度のことしかできなかった」
レイ「記憶までクローンした存在だって!? そんなの……まさか……!」
シャピロ「信じられんのなら信じなくてそれでもかまわん。だが、俺はこうしてここにいる。ファントムペインの指揮官。ネオとしてな! それは事実だ」
亮「前はグラドスで今度はロゴスか。相変わらず節操がないな!」
シャピロ「なんとでも言うがいい。すべては俺の踏み台にすぎないのだからな! さあ、ステラ。すべてを破壊しろ!」
ステラ「ああぁぁぁぁ!!」
シン「ステラー!」
ファントムペイン隊長、コードネームネオの指令により、デストロイとの火蓋が切って落とされようとする。
さらに……
クド=ラ「見つけたぞ、シウン・トウヤー!」
統夜を追って、クド=ラも現われた。
※ロゼ=リアがすでに退場している場合、彼女はこのシナリオ中登場しない
統夜「クド=ラ!?」
甲児「おいおい、こんな時にかよ!」
統夜「彼女の相手は俺が。みんな、他は任せた!」
アムロ「はい!」
忍「任せろ!」
一人の少女を救うための激闘が、はじまる。
統夜「確かにいつでも相手をすると言った。でも、今は君ばかりにかまっていられる時じゃない。少し手荒にいかせてもらう!」
クド=ラ「バカにするな! お前なんて、お前なんて!」
統夜「遅い!」
クド=ラ「っ!? はやっ!」
クド=ラの乗るクストウェル・ブラキウムを統夜が撃墜するとイベントが発生する。
※ステラ救出がなるとシナリオクリアなのでその前に実行しよう。
クド=ラ「くそっ。強い!」
統夜の実力に一方的に翻弄されるクド=ラ。
自分の思い通りにいかない状態に、彼女は苛立ちを覚えた。
ステラ「アアアアアァア!!」
クド=ラ「っ!?」
暴走するデストロイの放ったビームが、クストウェル・ブラキウムにむけ放たれる。
とっさのところで回避に成功するが、その横槍に、彼女の苛立ちは最高潮を迎えた。
クド=ラ「ブンブンブンブンとうるさい! ボクの邪魔をするなー!」
シン「っ! なにっ!?」
苛立ちのまま彼女は目標をかえ、デストロイを攻撃しようとする。
突然の攻撃に、ステラを救おうとしていたシンも不意をつかれてしまった。
だが……っ!
統夜「なにを……っ!」
デストロイへ迫るクストウェル・ブラキウムの前に、グランティードが一瞬で移動する。
それは、オルゴンクラウドによる瞬間移動。
合体さえせず、統夜はそれを発動させたのだ。
統夜「しようとしているんだー!」
そして、その進攻を妨げるよう、ぶん殴る。
クド=ラ「きゃっ! なにをっ!」
統夜はクストウェル・ブラキウムにつかみかかり、そしてデストロイから遠くへ押しのけた。
移動させながら、統夜は叫ぶ。
統夜「君は今、なにをしようとした!」
クド=ラ「なにをって、あいつは、ボクの邪魔をしようと!」
統夜「だから、攻撃しようとしたのか! 気づけ。君は今、自分と同じ存在を作ろうとしたんだぞ! 愛する人を奪われた気持ちがわかるなら、なぜそんなことをしようとした!」
クド=ラ「っ!」
統夜にその事実を突きつけられ、彼女は絶句する。
デストロイにパイロットが乗っていたこと。それにやっと思い至ったのだ。
統夜「前にも言った。俺以外を殺すなら、それはもう復讐じゃない。ただの八つ当たりだと! 君はわかって、それをしようとしたのか!」
クド=ラ「ボ、ボクは。ボクはっ! ううっ。バカー!」
グランティードを渾身の力で跳ね除けた彼女は、そのまま飛んで逃げていった。
クド=ラ「覚えてろよー!」
統夜「そっちこそ忘れるな! 俺を憎むのはいい。殺しに来るのもいい。でもそれ(復讐)は、俺以外の人を傷つけていい理由にも免罪符にもならないということを!」
クド=ラ「うっさいバーカ!」
クド=ラが撤退しても、戦いは終わらない。
ステラを救うため、デストロイとの戦いは続く。
ステラ「アァァァァ!」
デストロイより放たれる大口径のビーム。
ベルリンを守るため、放たれたビームをアークエンジェルが体をはって受け止める。
声も届かず暴走するデストロイをとめるため、キラとアスランはフリーダムとセイバーを犠牲にし両腕をおさえ、シンへの道を切り開いた。
シン「ステラー!」
北辰「そうくるのは読めている!」
コックピットめがけて飛ぶシンのインパルスに向け、北辰の部下、北辰衆がボソン・ジャンプを行い現われた。
甘ちゃんの彼等ならば必ずこうすると読まれていたのだ。
だが……
アムロ「そこかっ!」
統夜「っ! 見えた!」
北辰「っ!?」
現われた北辰衆は、まるでそこに現われるのがわかっていたかのような攻撃で撃ち落されてしまった。
北辰(まるでそこに現われるのが前もってわかっていたかのようだ。なんだこいつは! 未来が見えるとでもいうのか!? まさか、これが、奴の言うニュータイプ!?)
シン「ステラアァァァ!!」
北辰「だがな!」
予知のごとき先読みを回避し、北辰の夜天光が、デストロイへとりつこうとするシンのインパルスへ迫る。
錫杖がインパルスにむけ、突き出された!
キラ「させない!」
北辰「なにっ!?」
キラのフリーダムが、インパルスとの間にわってはいり、その一撃を身代わりとなって受け止めたのだ。
シン「あんたが、なぜ!?」
キラ「僕も前に、みんなのおかげで守れた。だから、守るんだ。今度も、君が!」
北辰「身を挺してまで、邪魔を!」
アキト「それ以上の邪魔はさせないぞ!」
北辰「ちいぃぃ!」
シン「ステラー!!」
こうしてデストロイは行動不能にされ、ステラは助け出された。
ボロボロとなったキラとアスランの機体はムウによりアークエンジェルに運ばれ、回収された。
この後のごたごたでアークエンジェルがこの場から消えた際、この時回収されたアスランも一緒にどこかへ行ってしまうことになる。
ちなみにだが、この時都市をかばったダメージが原因でアークエンジェルはしばらく動くことができず、次の戦いに参加できないというのを先に言っておこう。
※かわりにミスリル所属のダンクーガやアキト、アル=ヴァンなどが第13独立部隊に合流する。
シャピロ「……そろそろ潮時か。撤退する!」
デストロイが破壊され、自身もある程度ダメージを受けると、シャピロも北辰も撤退してゆく。
彼等の目的そのものは十分に達したからだ。
──ロゴスが暴かれる日──
戦いは終わり、ベルリンの街は救われた。
しかし、残した傷跡は大きい。
地球とプラント双方に芽生えた不信。
それをどうにかしなければ、更なる戦争へ発展しかねなかった。
デストロイを失ったとしても、ロゴスの目論見は大方成功したと言えるだろう。
再び争乱の世界がはじまるかと思われた時、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルが全世界にむけ演説放送を開始した。
彼は今回の一件を引き起こしたのはプラントでも連合でもなく、その裏にいた黒幕、ロゴスが引き起こしたことだと発表し、そのロゴスが悪として世界に訴え、その主要メンバーを世界に公表したのだ。
真の敵はロゴスであると訴え、デュランダルは続けてGGGに協力することを表明し、その演説は終わった。
これにより世論の流れは一気にロゴス悪しに傾き、連合内からロゴスを排除しろという流れになった。
デュランダルの演説により、地球とプラントの全面戦争だけは避けられたのである。
しかし、黒幕と名指しされ、顔写真もすべて公表されて地球に居られなくなったロゴスメンバーは自分達の息のかかった兵を集め、ヘブンズベースと呼ばれる基地へ集結する。
追い詰められた彼等は、そこを占拠し、自分達は間違っていないと主張。自分達以外は敵であり、宇宙のゴミを駆逐するとさえ言い出した。
これにより、地球連合は完全に分断状態となってしまった。
戦力が大きく低下したこの隙を見逃がす敵はいないだろう。
地球連合総司令部ジャブローが危ないと誰もが感じた。
しかし、すべての防御をジャブローにまわすわけにもいかない。
なぜなら、このヘブンズベースを放っておくなら、この危険な時に乗じてロゴス派にさえ攻められる可能性があるからだ。
ジャブローの防御を固めた上、さらにジオンやバームと同調して総司令部を攻められないよう、ヘブンズベースの方もどうにかしなければならない、二つ同時の両面作戦……
……つまりは、部隊の分割というわけである!
ジャブローへ防御へ行く隊。ヘブンズベースを監視し、できればロゴスメンバーをとらえる隊。
この二つへ別れることとなった!!
──ミスリル──
テッサ(やはり、こうなってしまいましたか……)
潜水艦、トゥアハー・デ・ダナン作戦司令室でその艦長のテレサ・テスタロッサは思う。
ロゴスを排除するため、速度と即効性を求めたなら、こうなることは予測できていた。
ミスリルはそれをせず、社会への影響を最小限に抑えるため、極秘で秘密裏に動き、一方的な思想に支配されたロゴスと連合を引き剥がそうと画策してきた。
しかしデストロイでの虐殺が起き、分断の機運が高まってしまった今、デュランダルのような手法をとらなければ争いはより激化し、地球に味方は一人としていなくなっていただろう。
デュランダルのとった判断は正しい。
だが、引っかかるものがあった。
テッサ(そもそも、デュランダル議長は私達がまだ完全に把握しきれていなかったロゴスメンバーさえ把握していた。この情報を、宇宙にいた彼は、一体どこから……?)
さらに状況として、考えれば、色々条件が整いすぎている。
ベルリンの一件は、見ようによってはロゴスの自爆としてみることさえできた。
テッサ(ひょっとすると……)
ある疑惑が浮かぶ。
だが、それを確かめている時間はない。
今は、この分裂状態を早急に正さなければならない。
できなければ、地球は疑惑以前に終わってしまうのだから……
第6話 終わり
──没ネタ──
・ネオの話
当初あの時撃沈つながりでネオをナタルにやってもらおうかと思ったけど、話がうまく転がらないことに気づいたのでシャピロ再登場になりました。
かわりにナタルはドミニオン撃沈寸前、ムラクモガイにこっそり救出され(W参考)、重傷ながらも生き残ってこの世界で生きているということで。ことで!