ダンジョンで妖精王に出会うのは間違っているだろうか 作:さなわかた
ヒロインはグロキシニア様です。大罪の中でも好きなキャラなのでTSヒロインにしてみました。
初心者なので至らないところも多いと思いますがよろしくお願いします。温かい目で見てもらいたいです。
僕は出会いを求めてダンジョンに潜っている。おじいちゃんから毎日聞かされていた英雄譚。僕はそんな英雄譚の主人公みたいになりたかった。ダンジョンに潜って可愛い女の子と出会ったり、助けたり。そして仲良くなって、一緒に冒険したり。こんなことを考えているのは僕ぐらいの年頃の男なら当然のことだと思うんだ。おじいちゃんの言っていた『男の浪漫』ってやつをしてみたい。ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?今日も出会いを求めてダンジョンに潜った…のだが………。
『ヴモォォォォォォォォォォォォォォッ⁉』
「ほぁあああああああああああああああああああああああっ⁉」
結論、ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
なんで?なんで
僕は今、モンスターに追いかけられている。それもLv.1の僕では到底かなわない相手『ミノタウロス』にだ。なんでミノタウロスがどうして5階層にいるんだ?エイナさんの話によると、確か中層にいるモンスターのはず。僕がエイナさんの忠告を無視して5階層まで潜り込んでしまったから天罰が下ったのだろうか?いや、今はそんなことを考えている場合じゃない。走って逃げなきゃ!
Lv.2にカテゴライズされるミノタウロスに捕まえられていないのは、僕の敏捷力のおかげであり、幸いにも5階層の地形が入り組んでいたからだ。田舎にいたころから僕はよく走り回っていたので足には少し自信がある。しかし、次の角を曲がって分かったことは、その先が行き止まりであったことだ。もう逃げられない。その時僕は足を止めてしまった。そして追いついてきたミノタウロスに、背後から
「ぐはぁぁッ。」
ごろごろとダンジョンの床に転がる。今まで食らったことのない尋常じゃない痛みを感じ、思わず吐血する。口の中からは鉄の味が広がってきた。
痛い…とてつもなく痛い…。でも…っ。諦めずに立って戦わなきゃ、なりたい英雄になれないだろうがっ‼
壁を背に立ち上がり、ナイフを構える。そして勢いよく地面を蹴飛ばして、ミノタウロスに切りかかる。勝ち目があると信じて。自分の間合いに入ってミノタウロスを切り裂いた…つもりだった…。しかし気が付いたことは、そのナイフが折れてしまっていたことだ。それもそのはず。業物のナイフでは兎も角、駆け出しの冒険者に与えられる支給品のナイフでは筋骨隆々であるミノタウロスの皮膚を傷つけられるはずがない。その時僕は死を直感した。動きを止めしまった僕の身体にミノタウロスは容赦なく殴り掛かった。そのまま僕は壁に打ち付けられた。
ああ、僕はここで死ぬのか…。結局女の子との出会いは訪れなかった。おじいちゃん、僕はもう無理みたいだ。こんな僕が英雄を目指そうなんておこがましいことだったみたい。今からおじいちゃんのもとに向かうよ…。こんな親不孝な孫でごめん…。神様…、ごめんなさい。僕はもっと神様とともに過ごしたかった…。さようなら…。
僕の目は蹄を振りかぶるモンスターを映し、次にくるであろう衝撃に備えて目を閉じた。しかし、予想していた衝撃は来なかった。代わりに『グサッ』という音と『ヴゥモォォォォォ⁉』という断末魔が聞こえ、身体全体に赤い生暖かい液体を浴びた。
「ふぅー、間に合った。間一髪、危ないところだったっスねー。大丈夫っスか?」
目を前に向けると、そこにいたはずの猛牛は存在せず、代わりに金色に輝く槍が頭上の壁に刺さっていて、長く赤い髪に加えて、尖った耳、背中に揚羽蝶を連想させる虹色に輝いた羽をもっていて、アマゾネスのような服装をした少女がいた。Lv.1の駆け出しの冒険者の僕でも、目の前の人物が誰だかわかってしまった。【アテナ・ファミリア】に所属する第一級冒険者。オラリオにいる女性の中でも最強の一角と謳われるLV.7.【妖精王】グロキシニア。
「もしもーし。大丈夫っスかー?」
大丈夫じゃない。全然大丈夫じゃない。僕の心臓は今にも爆発して砕け散ってしまいそうなほどの鼓動を刻んでいる。僕の頬が赤くなっていくのを感じる。僕の心はこの時奪われた。助けてもらったことのお礼を言おうと思ったが、手を差し伸べられたとたん、あまりの可愛さに脳がオーバーヒート。気が付いたら羞恥心と緊張があふれ出てしまっていて…。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、ぐでっ。うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
全速力でその場から逃げてしまった。何度か転んでしまったけれど、必死になって。
僕は今、彼女に恋をしている。
ダンジョンで妖精王に出会うのは間違っているだろうか?
間違えなんかじゃない。間違っているはずがない‼
これが僕の英雄譚の1ページ目だ。
小説を書くのは難しいですが、続けられるように頑張っていこうと思います。誤字脱字等の指摘、感想をいただければ嬉しいです。