スゴロクガンダム戦記(旧潜水艦)   作:ハトメヒト(ヒットマン)

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第13話 「これが俺のガンダムだ!」 (作:ワタナ部さん)

俺は逃げていた

病院から出て誰にも出会いそうにない場所を隠れながら外に向かって。

しかし運悪くジオン兵が銃を持ってこちらに向かってきている――

俺は直ぐ様岩山に隠れた

 

「どうすればいいんだよ、誰か助けてくれたりしないのか?肝心のすごろくも使ったばかりだし…」

 

しかしどうすることも出来ない、心臓の鼓動は大きくなっていくばかり

仕方なくジオン兵に見つからない様にその場を後にしようとした、その時だった。

 

「大佐殿! 危ない!」

「ラックス?どうしてここに」

 

その直後ラックスはその場に倒れ落ちた、胸に小さな赤黒い斑点をつけて

 

「大佐殿…貴方は逃げて…生きてください――」

 

嘘…だろ? 目の前で人が死ぬなんて

ラックス、ラックス!

「ラックス! 目を覚ましてくれ!!」

 

銃声がする、とても近くで――

気付くと俺はその場に倒れていた

腹が痛い、これは…血? 俺は死ぬのか?

様々な考えが頭の中を過ぎる。

意識が遠のく中

ただ一つ、強く頭のなかに浮かんでくる言葉がある。

 

『俺は、死にたくない』

 

そうだ、この世界に来てから何もできていないじゃないか…

このまま死んでたまるか!!!

 

 

 

目を覚ますと白い天井が見えた。

 

今のは何だったんだ?夢にしてははっきりと覚えている――

途端、甲高い音と共に頭痛が走る

「痛ッ!」

 

「起きましたか? クレイム・フレア大佐」

 

起き上がり横を向くと栗毛の美人な連邦の下士官がいた…

俺はいっぱいいっぱいの頭の中を整理して質問してみた。

 

「ここは…どこなんですか?」

 

「落ち着いてください。ここはマドラスにある連邦軍の特殊病院ですよ。貴方は意識不明で、5日間倒れていたんですよ」

 

やはりこの感覚、デジャヴュだ。

 

「トムは・・・・・・どうなったんですか?」

 

「トム、ですか・・・・・・? トムは、戦死しましたよ・・・・・・私の幼馴染で婚約者だったんですけどね。」

 

やっぱりだ。あの記憶のままに時間が進んでいる。

記憶を思い出し返答を考えたが、責任逃れや嘘を言いたくない。

 

「すいません。私が不甲斐ないばかりに…」

 

そう言った瞬間、予想通りトムの婚約者に頬をぶたれた。

 

「ふざけないで! あの人は、軍じゃ有名なフレア大佐の艦を守れるって息巻いていて喜んでいた。なのに、不甲斐ないですって!! これじゃあ天国にいるトムが可哀想じゃない!! 何の為に、あの人が貴方や、その仲間達の為に死んだのか、分からないじゃないの!!」

 

そう言い終わると、彼女は病室を立ち去ろうとする

 

「待ってください!」

 

俺は叫んだ

記憶にある俺の通り、女性を励まし慰めるスキルなんて持っていない

しかし、思っていることを口に出すことは出来るはずだ

 

「私が不甲斐なかったのは確かですが、トムの命は無駄にはしません。貴方に、そして自分に誓います」

 

「ありがとうございます…」

 

そう言うと彼女は立ち去った。

 

戦争は人から家族や大切な物を奪っていく憎むべき存在、しかし自分一人には戦争なんてどうしようも出来ない。でも、「今」の自分には周りにいる人達を守れるくらいのことは出来るはずだ――

俺はすぐに着替えを終えベットの方を見る。

 

「あった、すごろく」

 

ベットの横の棚の上にあったすごろくを広げサイコロを転がす。するとサイレンが鳴りラックスが病室に入ってきた。

 

「ラックス…」

 

「大佐殿! 敵襲です逃げてください!!」

 

「分かっている、着替えはもう済ませた。逃げ遅れた病人がいないか探す、先に行っていてくれ」

 

「大佐殿…自分は感服いたしました。逃げ遅れた病人がいないか探すとは艦長の鏡です」

 

「一人前の軍人が泣くんじゃない。敵が来ているんだから早く行け」

 

「は、はい! …ではお先に」

 

ラックスは駆け足で病室を出て行った。

 

出目は10、カードは…やっぱり「これ」だった

『モビルスーツ撃墜エースになる。褒賞としてアナハイム技術開発局より、コマンドガンダムがHLVで宇宙から3分後、ここに降下してくる』

 

「…急ごう!」

 

俺は元の世界ではロクに運動もしていなかった体に鞭を打ち、ひたすらに屋上へ向かった。

屋上に着くと迷彩色のHLVが既に降りていた、側面を見ると堂々と書かれた『G-ARMS』の文字

俺はHLVのスイッチを押した。

 

「あの時」と同じ、コマンドガンダム――

 

「あの時の過ちはもう繰り返さない」

 

自分に言い聞かせコックピットへ乗り込み、落ち着いてコックピットを見回す。

よく見るとこのコックピットには見覚えがあった。

 

「確か、陸戦型ガンダムのコックピットと同じ構造じゃないのか?」

 

もちろん08MS小隊を見ているので俺はこのコックピットをとても良く覚えている。

 

「これなら…」

 

そう思いながら俺は操縦桿を握ってみた。

(カチッ)

あれ?今何か押しちゃったような…

 

『ほうヒヨっ子か……ならば私が鍛え上げてやろう!』

 

「だ、誰だ!?」

 

『私の名前は、G-ARMS総司令官コマンドガンダム――新兵を鍛える為の補助AIだ。今から貴様をエースパイロットに鍛え上げる』

 

「そんなぁ~嘘でしょ? まだ乗ったばかりなのに」

 

『じゃあ死ぬが良い』

 

「・・・・・・」

 

『どうした? 怖気づいたのか!?』

 

「いや全然、むしろ気合が入った。一人で全部倒してやるよ!!」

 

『そうだその意気だ! 時間はないが基本操作をみっちり叩き込んでやる!!』

 

――10分の間だけだったが基本操作をみっちりと叩きこまれた。

 

「集中しすぎて首が痛いよ…」

 

『弱音を吐いている暇などないぞ、一度指示なしで自分で動かしてみろ』

 

「う~分かったよ」

 

俺は叩きこまれた基本操作、移動や旋回、目標のロックオン、武器の射出ボタンの確認を行った。

 

『初めてなら上出来だ、これからお前にはどんどん強くなってもらわねばならんからな』

 

「強くなれるんだったら本望さ」

 

俺は記憶を頼りに例の場所に向かった。

すると見慣れた顔をする兵士が見える

 

「ラックス!?」

 

「大佐殿? どうしてここへ、そのモビルスーツはなんなんです!?」

 

俺は近くにコマンドガンダムを控えさせ、ラックスに事情を説明した。

 

「落ち着けラックス、軍から支給機としてこのモビルスーツが届いた。ここは、なんとかするからお前は味方の元へ引き返せ」

 

「ですが…」

 

「良いから引き返せ、生きて会おう」

 

「……分かりました」

 

ラックスを帰すと俺はコマンドガンダムに乗り込んだ。

例の場所の少し遠くにジオン兵が見える、それと…ザク4機

しゃがんだ状態から立ち上がりゆっくりと立ち上がった

 

「くそ~どうする?」

 

『作戦くらいは自分で考えろ』

 

「そんなこと言わずに教えてくれよ~」

 

『仕方ない、今回だけだぞ!』

 

「…はーい」

 

『なんだその気の抜けた返事は!』

 

「はい! お願いします!」

 

『よろしい、まず真正面から突撃するよりも後ろに回った方が良い、奇襲がかけられるからだ。後ろにつけば、すかさず手榴弾を二つ投げ込み爆発と同時にツインレーザーマシンガンをザクの足に打ち込む、その後体勢を崩したザクへNCヘヴィガンで追い打ちをかけるのだ。』

 

「NCヘヴィガンでいきなり撃ったりしちゃ駄目なのか?」

 

『お前の技術では動いている的に当てることなど出来んだろう、だから手榴弾で混乱を誘い、ツインレーザーマシンガンで動きを封じるのだ』

 

「なるほど」

 

俺はばれないようにゆっくりとジオンの部隊の後ろに向かう。

移動しながらモニターを確認した、モニターの左には武器の場所と名前が書いてあるのだ。

"Light Hand(右手):NC ヘヴィガン"

"left Hand(左手):ツインレーザーマシンガン"

"Light shoulder(右肩):ミサイルポッド"

"shoulder(肩):手榴弾・三連砲"

"socks(足):二連砲"

"waist(腰):ナイフ"

 

もう一度確認した後、緊張しながら進んでいく。

そういえばどうしてジオンはここを攻めるんだ? マドラスの特殊病院と言っていたけど、なにか重要な物が病院にあるのか? それとも重要な人がいるとか?

そんなことを考えている内に部隊の斜め後ろに位置へついた。

 

『こんなもんだろう、作戦は覚えているな?』

 

「もちろん」

 

『よし、3…2…1…作戦開始!』

 

俺は手榴弾を二つ投込んだ、一つ爆発しザクはこちらに気づいた、俺はバックパックを使い右へ移動しながらツインレーザーマシンガンを構える。

しかしザクがザクマシンガンを取り出す動作の方が速い、ザクマシンガンのバラバラという弾を撒き散らす音が響く、俺はビビってしまい冷や汗が止まらない、だがこの状況を切り抜けないと俺に未来はない。

 

「死んでたまるかァァ!」

 

俺は叫び、ザクの足に向かって『ツインレーザーマシンガン』を撃ち始めた。

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