スゴロクガンダム戦記(旧潜水艦)   作:ハトメヒト(ヒットマン)

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第26話 俺、終わっちゃうの?(作:K-15さん)

トリントン基地へ到着した俺は杖を片手にスペースシャトルへ乗る。

でっかいブースターの付いたサラミスが見えたからアレに乗るものだと思ってたが、戦いに行く訳ではないので普通にシャトルらしい。

シートに座ってシートベルトをさせられて。

ジェットコースターとは比べ物にならない衝撃に体を押さえつけられながら辛い時間をなんとか乗り越える。

重力を引きはがして俺は宇宙へ来た。

何もしなくても体が勝手に浮かび上がる。

 

「これが無重力!? 何か楽しいな!!」

 

こんな無邪気な気分になれるなんて子供の頃以来だ。

シートベルトを急いで外した俺は床を蹴って宙に浮かび上がってみる。

 

「すげぇ、気持ち良い!!」

 

他に誰も居ないし思いっきり遊んじまえ。

俺はプールの中を泳ぐ様に手足をばたつかせて前に進もうとするが、宇宙を舐めてた俺にさっそく洗礼が来た。

やりたくもないのに体がグルグル回る。

 

「うあぉあぉあぉ!! どうすれば止まるんだ!?」

 

天井、床、天井、床。

だんだんと目が回って来てしまう。

回転を止める方法もわからず、次第に胃の奥から何かが込み上げて来た。

これはマズイ!!

何か掴めるモノはないのか?

シートだ、どれでも良いからシートに手が届けば!!

 

「何を遊んで居る?」

 

足首を掴まれた。

でもようやく止まる事が出来て一安心、危うく出す所だったぜ。

ようやく床へ足を付けた俺の前に立ってたのは潜水艦に居る筈の女医。

 

「え~と……どうしてここに?」

 

「施設がないからな。お前の体を治してやる。あの時に笑わせてくれた礼だ」

 

「あぁ、そうなんだ」

 

「ルナ2に到着したらすぐにやるぞ」

 

「えぇっ!? だって――」

 

命令で呼ばれてるのに寄り道なんてしてて良いのか?

俺の心配は他所に目の前の女医は話をどんどん進めて行く。

 

「ダメだ。私のやる気が出て居る間に終わらせるぞ」

 

「でもこっちにも事情と言うモノが」

 

「しらんな。あと数時間もすれば到着するのだろう? あぁ、久しぶりに体が暑くなって来たぁ。私の気が済むまでは絶対に帰さないからな」

 

結局、ルナ2に到着した所で有無を言わさずに俺は連れて行かれた。

いまさら怖くなって来たよ。

でもこんな所で助けてくれるヤツなんで居ないし。

他のヤツは今ごろ海底さ。

俺は冷たい手術台に横たわって目を閉じた。

 

「安心して眠りな。目が覚めた時には――」

 

意識が遠くなって声が聞き取れない。

自分でもわからない間に俺は眠ってしまった。

 

「科学に犠牲は付き物だ。せめてもの手向けだ、親族に連絡くらいはしてやる」

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