スゴロクガンダム戦記(旧潜水艦)   作:ハトメヒト(ヒットマン)

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第29話 甘いお菓子 (作:K−15さん)

「連邦は敵だ!!」

 

言うと目の前の男は腰から銃を取り出して俺の頭に向けて来る。

 

「確かに連邦だけどどうして敵になるんだよ!?」

 

「うるさい!! 連邦は敵だ!!」

 

「連邦は敵だ!!」

 

「連邦は敵だ!!」

 

声の数が増えた。

振り返れば俺に対して銃を向ける男がもう2人。

逃げる事も出来ない。

この宇宙服に防弾効果なんて……ある訳ないよなぁ。

どうしようもない『死』と言う現実を突きつけられると諦めにもにた冷静さが出て来る。

こんな所で誰かもわからないヤツに殺されるなんて本当は嫌だよ。

でもどうしようもないんだ。

せめて少しでも恐怖を和らげようとまぶたを閉じてその時が来るのを待つしか出来ない。

 

「連邦は敵だ!!」

 

「連邦は敵だ!!」

 

「連邦は敵だ!!」

 

「連邦は敵だ!!」

 

うん?

声の数がもっと増えたぞ。

どう言う事だ?

いいや、どうせ死ぬんだからひと思いにやってくれ。

 

「連邦は敵だ!!」

 

「連邦は敵だ!!」

 

「連邦は敵だ!!」

 

「連邦は敵だ!!」

 

「連邦は敵だ!!」

 

ってか声がどんどん大きくなってきてうるさい!!

敵だ敵だ言うだけで撃ってこないしどうなってるんだ!!

恐怖がいつの間にかストレスに変わって、俺は閉じてたまぶたを開けて前を見る。

すると――

 

「なんじゃこりゃ~!!」

 

四方八方、俺の周りを銃を構えた男達が覆い尽くす。

 

「連邦は敵だ!!」

 

「連邦は敵だ!!」

 

「わかったからヤメろ!! とにかくうるせぇぇぇぇ!!」

 

体の奥底から絶叫する俺。

それと同時にまどろみの中に沈んで居た意識も戻る。

 

「うるさいのはお前だ」

 

「はっ!?」

 

目を覚まして周囲を見渡すと、そこはスペースシャトルの中だ。

俺の右斜め前で睨みを利かした女医が腕を組んで立って居る。

 

「ゆ……夢か?」

 

「何を見てたかは知らんが人はそれを夢と言う。わかったならさっさとシートベルトを外せ。降りるぞ」

 

「降りる?」

 

「ソロモン……いいや、連邦の占領下に置かれた今はコンペイトウか」

 

言うと女医は背を向けて何処かへ行ってしまう。

そうか、さっきのは夢か。

ワームホールとかタイムリープとかあり得ないもんな。

そうだ、スゴロク!?

夢現でやっちまったけどどうなったんだ?

どこだ、何処にある?

シートから立ち上がった俺は見当たらないスゴロクを探した。

すると荷物置きの所へ親切に置いてある。

 

「良かった、見つかった」

 

手に取る俺はスゴロクの図面を見てみる。

そのマス目には『近くでワームホールが開きマザーバンガードが出現! 2マス進む』と書いてあった。

 

「あれ?」

 

でもだ、その上から黒いボールペンのインクで真っ直ぐ横線が引かれて居た。

そしてその下にこう書いてある。

 

『そんな非科学的な事がある筈がない。現実を見ろ』

 

「アイツだな」

 

どうやらマスが進んだだけに終わったみたいだ。

俺はスゴロクをカバンへしまって、コンペイトウへ上陸する。

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