スゴロクガンダム戦記(旧潜水艦)   作:ハトメヒト(ヒットマン)

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第4章 門は開かれた。
第31話 ア・バオア・クーに行くかい? (作:K-15さん)


テーブルに肘を付くレビル将軍の凄みがヒシヒシ伝わって来る。

鋭い眼光に俺の体は思わず震えて来るが何とか抑えこむ。

空調の音が聞こえて来るくらいに部屋が静まり返り、嫌な汗が背中を流れた。

 

(どうすんの!! どうすんの? どうすんの!?)

 

思い付いた限りで3つ。

でも俺はどうするのかをまだ決められない。

こうして時間が過ぎるだけでも怪しまれる。

何とか誤魔化さないといけないがどうすれば良いのかがわからない。

 

「まぁ、突然こんな事を言われてもどう応えて良いのかわからんか」

 

「え……」

 

「当事者ではあるが、少しキミを置いてきぼりにし過ぎたかな。ジオン・ズム・ダイクンが唱えた宇宙に適応した人類。エイダ特務大佐はキミを特別視してるが私はそうは思わん。戦争と言う局面に置いてキミの存在は軍に必要だ。例えニュータイプだとしてもな」

 

「将軍は自分の事をどう考えて居るのですか?」

 

「地球連邦軍の1将兵だ。それ以上でもそれ以外でもない。確かにキミは戦果を上げたがそれは兵士として当然の事。まぁ、モビルスーツに乗れるのは知らなかったがな。彼女には私から言っておこう」

 

言うとレビル将軍はテーブルに備え付けられた電話の受話器を取って耳に当てた。

何が何だかわからねぇけど取り敢えずは大丈夫って事か?

人生は考えたようには行かない、良い経験だ。

偶然良い方向に転がっただけだが。

 

「あぁ、わかった。大佐」

 

「は、はい!!」

 

気を引き締めて直立不動になる俺。

受話器を置いたレビル将軍は立ち上がるとゆっくり俺に向かって歩いて来た。

 

「私はこれからジオンのデギン・ソド・ザビと会って来る。和平交渉だ。この戦争、ジオンは負ける」

 

「和平交渉?」

 

「戦争が終われば無駄に兵士が死ぬ事もない。もう人が死にすぎて居るとは思わんか」

 

「そう……ですね。シドニーにもコロニーが落とされて」

 

「これからは世作りをせねばならなん。戦争のキズを癒やし、若い芽を咲かせねばならん」

 

アレ? 何か忘れてるような気がする。

 

「若い世代が生き延びねばならん。頼むぞ大佐。さて、行くか」

 

手をピンと伸ばし敬礼する俺。

将軍は葉巻を吹かしながら1人部屋を出て行った。

扉が閉じたのを確認した俺は両手を力なくダランとぶら下げ、緊迫してた空気が消えた事に安堵する。

 

「あぁ~、どっと疲れた。あの女医、今度見つけたらどうしてくれるか」

 

心に余裕を持たせた俺もこの部屋から出て行く。

この感じだともうすぐ連邦とジオンの戦争は終わる。

取り敢えず、前線送りだけは勘弁願いたい。

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