スゴロクガンダム戦記(旧潜水艦) 作:ハトメヒト(ヒットマン)
マゼランの艦長シートに座る俺は目の前に広がる光景に圧巻するばかり。
敵も味方も総力戦で見渡す限りに艦隊とモビルスーツが広がってて、いよいよ最終戦が始まるのかと背中に冷たい汗が流れた。
そして目の前にはア・バオア・クーがそびえ立つ。
流れに任せてたらこんな所にまで来ちまったけどコレは非常にマズイ。連邦軍が勝つのは決まってるが俺が死なないのは決まってない。何としても行きないと。こんな宇宙で死ぬなんてゴメンだぞ
表には何とか出さないようにはしてるが内心ではいつものようにビビりっぱなしだ。
慣れろなんて言われてもこんなの無理。
今までにも数回戦闘はあったがこんな大規模なのは初めてだし、死ななかったのが奇跡みたいなもんだ。
とてもじゃないが自信になんて繋げられないし、手が震えるのを抑えこむので精一杯だ。
平成の日本で生きてきた俺にいきなり大戦をやれだなんて……
今回ばかりはダメなんじゃないか?
不安で押しつぶされそうだ。
逃げれるなら逃げ出したい、誰か助けてくれ!!
でも、心の奥ではそんなの無理だと認めて居た。
だから精一杯虚勢だけは張って、声が震えないように!!
「開戦と同時に主砲一斉射撃!! モビルスーツはまだ出すなよ!!」
「了解です。艦長、ジョン・マーベリック少尉より通信です。もうすぐ作戦開始ですが繋げますか?」
「無視も出来んだろ。指揮にも関わってくるしな。だが手短には済ませる。回線繋げろ」
言うと通信兵が回線を繋げてくれた。
スクリーンには数分前に会ったアイツの顔が映し出される。
フルフェイスのヘルメットを被ってるせいで見えにくくはあるが。
「何があった?」
『隊長さんよぉ、俺の勘なんだがヤバイ奴が来るぜ」
「ヤバイ奴? もっと具体的に言え」
『何回も言わせるな。勘だよ勘。でもな、俺の勘は良く当たる』
「それだけ言われても対策のしようがない。まぁ良い、気にはしてみる。出撃に備えろ」
『了解!!』
口から大きく息を吐きながら背もたれに体重を乗せる。
額からどっと汗が吹き出して来た。
ヤバイ奴ってなんだよ?
唯でさえ不安なのに更に掻き立てるような事言いやがって!!
ヤバイ奴? なんだ、何だよ!?
こっちの精神状態もヤバくなって来た。
何とかして手の震えを抑えこむ。
落ち着け、落ち着くんだ。
勘だって言ってたし、当たらない可能性の方が高い。
そうだ……勘だし当たらないに決まってる。
そうやって思い込もうとしてた時、遂に攻撃が開始された。
両軍とも一斉に攻撃を初め爆発の炎が至る所に広がる。
ムサイの主砲がすぐ近くのマゼランを撃ち抜いた。
ヤベェ、また震えて来る。
今にも泣き出しそうだ。
でもその時思い出した、ここにはホワイトベースも居ると。
って事はガンダムに乗ったアムロも居る!!
だから大丈夫だ、動揺を表にだすな!!
そう思ってた矢先、ヤバイ奴がジオン軍の中から現れた。
「ジオング……」
赤い彗星、シャア・アズナブル。
コイツが居る事にどうしてもっと早く気が付かなかったんだろ?