スゴロクガンダム戦記(旧潜水艦) 作:ハトメヒト(ヒットマン)
『すぐに着きます。それまで口を開けないように』と言われてしまったが何故か気になってしまう。モヤモヤしたままにしておくのがじれったかった。ふと思い切って聞いてみた。
「あの……」
「な、なんですか? 発言は許可していませんが!」
「少し気になってしまって、メント……さんで良いんですよね。その人とはどういう関係なんですか? ……もしかして恋人だったりして」
一つ咳払いをすると、顔を赤らめたままエリルの目線が鋭くなった気がした。どうやら地雷らしきものを踏んでしまったらしい。
「メントは幼馴染です。そ、それ以上でもそれ以下でもないのです! へ、変なことを聞かないで貰いたいものです」
明らかに動揺しているが、深く追及なぞしたら最後だ。無限の監獄とかなんぞに無条件で沈められる。いや絶対に陽なんぞ拝む事さえ出来ない。ガクガク震えている俺をよそにエリルはまた歩みを進める。足並みが若干早いのは気のせいに違いない……。
エントランスらしき場所を抜け、まっすぐ進むと少し大きい扉(神の居る場所の扉より小さいが)が見えてきた。
「着きました。ここが目的の場所です。」
中を見ると大きな機械? らしきものが置かれていた。
「こ、ここは一体?」
「ここは魂の行き先を決めるための場所です。あなたはどうするかを決めなければなりません。戻るかそれとも別の世界へ向かうかを……」
「質問ですが、別の世界とは一体なんでしょう?」
「我々が管理する世界のことです。その中にあなたが居た元の世界も含まれているのです」
「なるほど、ならもう一つ質問です。別の世界は、どんなのがあるのでしょう?」
やはりここは気になる部分だ。選択肢があるのだから気になってしまう。しかし話が長くなってしまうのは悪い癖だ。ここへは重要な選択をしに来たつもりだが、心は定まっていないのかもしれない。
「色々です。あなたが空想だと思っていた世界も含まれます。例えばFolloutやメタルギア、R-TYPEなどです」
「なるほどありがとうございます」
俺は質問を聞いてすぐに決めるつもりだった。その時サイレンが鳴り響く。
『緊急事態発生! 緊急事態発生! 処刑したはずの天界の反逆者が襲撃を仕掛けてきた。繰り返す処刑したはずの天界の反逆者が襲撃を仕掛けてきた。ヴァルキリー部隊は各員出動し、敵殲滅に掛かれ!』
は? これはどういう事なんだ!? などと思わず俺は唖然となってしまう。処刑されたはずだってエリルさんだって言っていたはずだ。横に居たエリルさんを見ると歯噛みしてなぜ? という顔をしていた。
「大丈夫ですかエリルさん……?」
「大丈夫です。しかし普通はあり得ない筈です。なぜこんな事になったのか見当がつかないですが、ともかく装置の起動させ、あなたを急いで転生させなければならない事は確かです。」
エリルさんは早々とコンソールを操作し始める。
「そう言えば、行先はどうするのですか?」
「元の世界に帰ることにします。もう一度頑張ってみようと思います」
その時だったドアがすごい叩かれている音が聞こえた。反逆者が来たのだとすると本当にマズイ……。
「チッ来てしまいましたか……分かりました。装置の真ん中にある台座に座っていてください! こちらも急いであなたが転生出来るように努力します」
「えーっ! 敵が迫ってきているんですよ。本当に大丈夫なんですか!?」
「四の五を言わず座っていてください。あなたを無事送り届けるという責務があります。だから安心して座っていてください」
俺の中で不安がよぎるが、信じて待つ事しかできないようだ。依然としてドアを叩く力が強まっているように思える。このままではこの扉自体も破られてしまう。
「開けるんじゃ! さぁやろうぞジグ〇ウをな!」
ドアの向こうから聞こえた声は狂気に満ちた声だった。エリルさんはコンソールを動かす手を速めていた。本当に大丈夫なのか不安になってきてしまった。
「ほ、本当に大丈夫なんですか!?」
「うるさいですね。バリアがあるのですよ落ち着いてください。もう少しで完了します」
「ドラッセイ!」
あのじいさんが扉を突き破って入ってきやがった。おいおい大丈夫だって言っていたはずじゃなかったのか……なんだかものすごく怖い雰囲気がした。
「ほう久しいのぉ~飛鳥涼よ。お主は、わしが転生させたはず……しかし、ここに居るということは奴が連れ戻したとみるべきだな、そこの小娘退いて貰おう! わしが奴を転生させる」
「なりませんこうなったら仕方ありません。成功率は五分五分ですが転生させます!」
コンソールにあるスタートボタンが押され俺の意識が飛んだ。一瞬と思える時間だったが目を見開くと自分の部屋の天井だった。天井には、とあるオンラインゲームのポスターが貼られていた。戻ってこれたのだと悟った。外の空気を吸いたかったので、ドアを開けて空を見上げた。そこに見えたのはあり得ない光景だった。
「な、なんで……なんで空に戦艦が浮いているんだよ! おかしいだろ!」
遅くなりました。