スゴロクガンダム戦記(旧潜水艦)   作:ハトメヒト(ヒットマン)

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第44話 DNE. revo emag

 光は煌々(こうこう)と輝き、俺の視線を遮るがしだいに威力を失った。

 

「うん……? 俺は今何をしていたのだろう、良く分からない」

 

 暗にそんな独り言を口にしてしまう。しかしおかしい、俺はさっきまで自分の部屋にいたハズなんだが、なぜリビングに居るのかがまるで分からない。

 

「ん、瞬間移動か……?」

 

 ふと、そんなことをボソッと口にすると、すぐに目を閉じて行きたい場所をイメージして念じてみた。しかし、目を見開いたところで何も変わりはしなかった。俺はすぐさま病院に向かった(記憶が抜け落ちるなんてどうかしているからだ)。精密検査――CTとMRI――を受けたが、至って正常だと言われてしまった。ただ、ショックやストレスなどでこうなる事があるらしいが……。

 

 最近の行動などからして、ショックやストレスなど俺には無縁なはずだ。だからこそ、この不思議な体験を片っ端から調べることにした。そんなこんなで一週間経ったある日の事、変なサイトを見つけた。

 

「オカルト調査サイトARISE……えーなになに、あなたが身近にあった不思議な出来事を書き込んでください?」

 

 俺はそのサイトに事のあらましを書きこんだ。

 

『たぶん記憶が抜け落ち……自分の部屋にいたはずだが、なぜかリビングにいた』

 

 こんな滑稽な話を、本当に信じてもらえるかは分からないが、気休め程度になれば良いかと思った。

 それから書き込んでから、確か2週間経ったある夜の事だった。俺は抵抗する暇も無く連れ去られたようだった――顔に布をかぶせられているのが、何となくだが分かった上に、手足が縛られて猿ぐつわがされているからだ。――

 

「あーら元気かしら?」

 

 左横から女の声がした。俺はもがき、精一杯の大声を上げるが言葉が出なかった。

 

「そう、大声を出せるって事は元気そうね。でも……これから、あなた解剖されちゃうなんて夢にも思わないわよね。被験者として秘密結社ARISEのために役立ってもらうわ……まぁ脳だけの存在になったとしても、せいぜい頑張る事ね。被験体七号の飛鳥涼クン。フフフ――」

 

 いきなりの事だったが首筋に何かが流し込まれるのと同時に激しい痛みを感じた。その数秒経つか経たないかの内に、俺はそっと意識を失ってしまった。

 次に目を覚ましたときに見たのは、俺の顔を覗きこむ眼鏡をかけてる普通の男だった。

 視線を逸らして周りを見渡すと、もちろん拘束されていた。諦めるしか無いのかと思ってしまう(ちなみに猿ぐつわは外されていた)。

 

「やっと目を覚ましたか、やぁ元気かな? と聞いても、本当に生きの良い元気な被験体じゃないと、私は萎えてしまうんだ」

「何を言っているんだ……!?」

「おやおや、この高尚な考えにケチをつけるのかね?」

 

 そういうことを言ってしまう目の前の男に言ってやりたい。こっちは脳だけの存在になるかもしれない状況なのに、高尚な考えやらにかまっている暇はない。

 

「ああ、こちらは殺されるんだ。そんな高尚な考えなんて持ち合わせていない」

「フハハハハ! 天才はいつの時代も理解されないもんだからな、理解されないのも無理はないが……。まぁ良いだろう、もうおやすみの時間だからな――」

 

 意識が遠退くのは、すぐだった。そして目を覚ますと向かいには鏡があった。見てみると、目玉と脳と神経だけらしき姿になって、液体に浮かぶ俺の姿があった。

 

「どうかしら、脳と目と神経だけになった感想は……案外楽しいもんでしょ?」

 

 こうして俺は実験材料として一生を終えるはずだと思う。

 

 

THE BAD END……?

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