スゴロクガンダム戦記(旧潜水艦)   作:ハトメヒト(ヒットマン)

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2話のおかしかった点を修正致しました。

副艦長がサバスになっているところをラックスにK-15さんの許可を得て修正致しました。


第4話 航海は始まったばかり (作:K-15さん)

(もうダメだっ!!)

 

諦めた俺はもうどうする事も出来ずに気力をなくしてしまう。

魚雷の爆発の衝撃で艦が揺れて体を支えようと必死にシートにしがみつき、ぼんやりと見えるのは俺を守ってくれているV2ガンダムの後ろ姿だった。

 

(V2……ガンダム?懐かしいな……知ってるか?アサルトバスターってゲームじゃ強いけど設定では弱いらしいぜ)

 

自分でも何言ってるのかわけがわからなくなり、現実を直視出来ない。

見えるはずのないものが見えて『コレは夢なんだ』と自分を納得させた。

 

「大佐殿!ケガはありませんか?」

 

「え?……え?」

 

「敵魚雷は寸前で爆発、艦に影響はありません」

 

「なんで?」

 

でも俺は生きていたし、これは夢ではないとサバスに叩き起こされる。

理解出来ない、頭が追いつかない。

 

「V2ガンダムは?」

 

「V2……なんですって?まだ勝った訳ではないですよ。敵機はまだ健在です」

 

「はは……はははははっ、そうだよな?ソナーとレーダーしかないのに外の様子が見える訳ないよな?」

 

「訳の分からない事を言わないで下さい。水中用モビルスーツとしてはまだ実験段階なのかもしれない。水圧のお陰でギリギリで勝手に爆発したのかもしれないな」

 

隣でブツブツとなんか言ってるがそんなのはどうでもいい。

親のスネかじってた報復か?死ぬ恐怖に脅えて死ねってか?

冗談じゃねぇ、水死って確かめちゃくちゃ苦しいって聞いたぞ。

そんなのは嫌だ、せめてベッドの上で死なせてくれ。

さっきのV2ガンダムも死の恐怖が見せた幻覚か?幻覚なんて初めて見たからわかんねぇよ。

でもここから外なんて見える訳ねぇし、V2ガンダムが夢だとしても俺は今生きている。

 

「敵機、深度を下げていきます。いや、これは沈んでいる?」

 

ソナー担当のレイチェルが女神にも見えた。

ただのむさ苦しいだけの男の癖に、そんな風に感じてしまうくらい俺の精神状態は最悪の状態。

当然だ、下手すりゃ水死しかけたんだ。

助かったのは嬉しいが、結局カードに書いてあった『救い』ってのは何なんだ?

 

「敵反応ロスト。水圧に耐え切れずに崩壊した模様です」

 

「各員は第一次警戒態勢のまま索敵を続けよ!大佐殿」

 

ソナーのレイチェルとラックスが勝手にやってくれている。

情けないがしばらくはこのシートから立ち上がれそうにない。

体に力が入んないし、生きている実感を噛み締めるので精一杯だ。

でも何でガルグイユは沈没なんて、70年も先のモビルスーツならこんな艦落とすなんて楽勝のはず。

そう言えば1番最初の攻撃は当たったって言ってた、ならそれが奇跡的に致命傷になったって事か?

ガルグイユの謎の沈没を頭の中で考えていたら、いきなり俺の右頬に衝撃は走った。

ラックスのヤツが思いっきり顔をビンタしやがった。

ビンタされた右頬が敏感に俺の脳に痛みを訴えかけてくる。

 

「正気に戻りましたか?」

 

「あ……あぁ」

 

「よし、それなら説明してもらいましょう。さっきの取り乱し様は何ですか?」

 

「そ、それは~」

 

ラックスが怒気を孕んだ目で俺を睨んでくる。

まるで体育教師と生徒のような絵面だ……俺が行っていた学校の体育教師の顔も名前も忘れてしまったが。

どうする、何とか誤魔化す方法は?

パニクっていたとは言えあんな無茶苦茶な事言うんじゃなかった!?

記憶喪失だなんて本気で信じるヤツなんて居るわけないし、このままじゃコーナーに追い込まれてボコボコにやられるのが落ちだ。

どうする?どうする!?どうする!

頭を高速回転させ言い訳の方法を考え、起死回生の一言を思いついた。

 

「訓練……だよ」

 

「訓練?」

 

「そう!訓練だよ!この艦の乗り組み員達がどれだけの練度を持っているかわからないからな。新任艦長として、それを測ったってわけだ。理解したか?」

 

艦長ぽいフリをして意気揚々と語ってみせたが、こんなので納得するか?

どうだ?これ以上の言い訳はもう思いつかないぞ。

もし無理なら俺はコーナーに追い込まれる。

これでもかなり無理がある方なんだ、やっぱり無理か?

 

「大佐……」

 

ラックスの顔色が増々怖くなっている気がするぞ。

こんなのじゃやっぱりダメだったか。

無神論者だが、こうなったらもう神様に祈るしかない。

俺は汗をダラダラ流しながら両目を閉じてその時が来るのを待った。

グーパンチが、全員でリンチにされ血祭りに上げられるのか、それともこの場で射殺か。

 

「さすがです大佐殿!!この艦に艦長として任命されたその責務が、自分にはヒシヒシと伝わって来ます!他の皆もそうでしょう。感服しました!無事に任務を遂行させて、勝利の美酒を味わいましょう!」

 

「あ……あぁ。そうだな」

 

大層な事を言ってのけてラックスは俺の両手を握りしめてくる。

成功したのか?コーナーに追い込まれなくてすむのか?

 

 

「進路変更!面舵、速力3ノット。目標はジオンのアデン基地……で、よろしいですね大佐殿」

 

「あぁ、各員の働きを期待する」

 

それっぽい事を言ったらそれっぽい事になったがこんなんで大丈夫なのか?

アクアジム3機と潜水艦だけで敵基地襲撃なんて無謀な気がするぞ。

信頼は取り戻せたかもしれないが、このままじゃまた自分の命をこぼれ落とすかもしれない。

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