孤独な少年が始める異世界生活   作:村田 ハル

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第1話

「おい、あれって例のあいつだろ」

 

「ああーあの人殺しって呼ばれてるやつか」

 

「怖いからあんま近付かない方がいいぜ」

 

 

やめてくれ

 

 

「あいつ何考えてるんだろうな」

 

「気持ち悪いよね」

 

 

やめろ

 

 

「おい!人殺し!」

 

「人殺しなんて生きる価値ないんじゃない?」

 

「死ねばいいのにね」

 

 

やめろ!!!!

 

 

「またあの時の夢か。何年たっても慣れないな」

 

そう呟いたのは、黒い前髪を目元まで伸ばしており、見る影もなく痩せ細っている不健康そうな高校生くらいの男だ。

 

「嫌な夢を見たな」

 

嫌な夢を見たからなのか額には汗をかいていた。

 

「シャワー浴びるか」

 

そう言って男は立ち上がった。

 

「腹減ったな」

 

男がシャワーから上がってそう呟いた。

 

「作るのもめんどいしコンビニ行くか」

 

そう言ってアパートから出る。

彼がコンビニに向かっていると同じ高校生くらいの人達が制服を着て登校していた。

学校か、学校なんてもう何年も行ってないな。まあ、どうでもいいか。

男が考え事をしている間にコンビニに着く。

 

「帰って飯食ってもう一回寝るか」

 

男がコンビニで買い物を済まして帰ろうとすると急に頭痛がする。

 

「痛ってー。なんなんだよ」

 

男は目を閉じる。

 

「やっと治ったか」

 

男が目を開けると

 

「は?どこだよここ」

 

男が周囲を見渡すと猫耳がある獣人やトカゲみたいな顔をした亜人がいた。

 

「なんだよこの状況。たしかにラノベは好きだが俺が異世界に来るなんて聞いてねぇぞ」

 

男が戸惑っていると『八百屋?』の人が話しかけてきた

 

「にいちゃん、変わった格好してんな。旅の途中か?」

「まあそんなとこです」

 

てか、言葉は通じるのに文字が全然読めない。とりあえずこの人に話聞いてみるか。

 

「すみません、この果物ってなんて言うんですか?」

「そいつはリンガだ。買うか?」

 

日本円が使えるか試してみるか

 

「すみません、これって使えますか?」

「あ?どこの国の金だ?んなもんルグニカじゃ使えねぇ。てか、さっきのやつもそんなもん渡してきたな」

 

さっきのやつ?

もしかすると俺以外にも日本から来た奴がいるのかもな。そいつを探してみるか。

 

「すみません、さっきのやつって言ってましたけど、そいつがどこに行ったかわかりますか?」

「さぁな。でも、ついさっきのことだ。ここら辺を探せば見つかるんじゃねえか?てか、金持ってないんだったらあっちに行け。商売の邪魔だ!」

「すみません、ありがとうございました」

 

さてどうするか?とりあえずそれらしい人を見た人がいないか聞いてみるか。

 

「すみませんここら辺に俺と同じような格好をした人を見かけませんでしたか?」

「ああー。それならあっちの路地裏に入っていくのをさっき見たよ」

 

よし!1発目からビンゴだ。とりあえずそいつを追いかけるか。

 

「すみません、ありがとうございました」

 

そいつが日本人だったら助かるんだけどなー。

俺が路地裏に近ずくと、男の声が聞こえる

 

「ふざけた真似しやがって!」

「ぐあっ」

 

見てみると1人の男が3人組の男に蹴られていた。

あの蹴られているやつ、日本人っぽいな。

とりあえず助けるか。

 

「おい、てめぇら何やってんだ」

「ちっ、見られたか。おいお前らこいつもやるぞ」

 

そう言って男達は襲いかかってきた。

1番大きい男が殴り掛かってきたので、拳を受け止めて、そのまま背負い投げをする。

 

「ぐはっ!」

「てめぇ、舐めてんじゃねぇぞ!」

 

ナイフを持った男が切り掛かってくる

俺はナイフを避けて相手の顔面に回し蹴りを決める。

 

「うっ」

 

ナイフを持った男が気絶する。

 

「おい!こいつらを連れてさっさと消えろ」

「は、はい!」

 

そう言うと背の低い男が2人を連れて逃げて行く。

俺は3人組がいなくなったのを確認してからそいつに声をかける。

 

「おいっ、お前大丈夫か?」

「あ、ああ。大丈夫だ。助かった。お前、もしかして日本人か?」

「ああ、そうだ」

 

やっぱりこいつも日本人か。これからのことをこいつと相談して決めないとな。

俺が目の前の男に話しかけようとした時。

 

「そこまでよ」

 

そこには、綺麗な、長い銀髪の美少女がいた。

 

「今なら許してあげる。だから、潔く盗んだものを返して」

「盗んだもの?」

 

全く身に覚えがないんだが。

 

「お願いあれは大切なものなの」

 

めんどくさいことになりそうな気がするなぁ。

 

「俺は盗んで無いんだが」

「じゃあ、そっちの人でしょう」

 

俺の目の前にいる男に聞いている。

 

「動かないで」

 

銀髪美少女はそう言うと、俺の目の前にいる男をじっと見つめる。

男は頬を赤くして、顔をそらした。

 

「ほら、やましいことがあるから、目をそらしたんだ。私の目に狂いはないみたいね」

「そうかなぁ?今のは健全な男の子的反応ってだけで邪悪な反応はゼロだったけど」

 

銀髪の少女の手から猫が現れて喋った。

 

「猫が喋った!?」

「失礼な。僕は猫じゃなくて精霊だよ」

「パックは黙ってるの」

 

どうやらこの猫、じゃなくて精霊はパックという名前らしい。

 

「あなた、私から徽章を盗んだ子を知ってるでしょ」

「ああ、いや、悪いけど、全然、まったく、これっぽっちも知らない」

「え?いやだ、嘘、本当にただ回り道しちゃっただけ?」

「早く追いかけたほうがいいよ。なんなら手伝っ」

 

俺の前にいる男は何かを言いかけて倒れてしまった。

そりゃそうだ。あんだけボコボコにされてたんだし。

 

「あーあ。無理して立つから。どうしよっか?」

 

パックが呆れるように言う。

 

「関係ないでしょ。死ぬほどじゃないもの」

 

銀髪の少女が答える。

 

「あっ。気絶した」

 

俺の目の前にいる男が気絶したっぽいので口に出すと、銀髪の少女が男の側に行き、手を添える。

 

「何してるんだ?」

「魔法で傷を治しているの」

「関係ないんじゃなかったっけ?」

「この人に聞きたいことがあるから仕方なくよ!別にこの人のためじゃないんだからね?」

 

俺の質問に少女が答える。

この子、損な性格してるなー。こいつが知ってることなんて何もないってわかってるはずなのに。

 

「あなたは盗まれた徽章について何か知ってる?」

「いや、何も知らないな」

「そう」

 

少女の質問に答える。

 

「それにしても、あなたもこの人も珍しい格好してるわね。どこの国から来たの?」

「東の小さな島国だよ」

「ルグニカは大陸図で見て1番東の国だからこれ以上東の国なんてないと思うけど」

「まじかよ」

 

そんな感じの会話をしていると、怪我をして気絶していた男の目が覚めた。

 

「目が覚めたのね」

「この子に感謝しておけよ。魔法で傷を治してくれた上に起きるまで待っててくれたんだから」

「勘違いしないで。全部、私が情報を得るためにしたことなの」

 

本当に素直じゃねぇな

 

「それであなた、私の徽章について何か知らない?」

「悪いけど何も知らないよ」

「それじゃ仕方ないわね。じゃあ、私はもう行くわね。怪我は一通り治ってるはずだけど次からは人気のない路地に1人で入るなんて危ないことはするべきじゃないわね」

 

そう言って少女は歩いて行った

 

「ごめんねー。素直じゃないんだようちの子。変に思わないであげて」

 

パックが怪我をしていた男にそう言う

 

「素直じゃないって、そんなレベルじゃないだろ。めちゃくちゃ損する生き方じゃねぇか」

 

男はそう言って少女を追いかけていく。

俺も追いかけるか。あいつは日本人だし、一緒にいたほうがいいだろうからな。

 

「待ってくれよ」

 

男が少女に声をかける。

 

「なに?これ以上は私もちょっとしか付き合ってあげられないから」

「そうじゃなくて、大切なもんなんだろ?俺にも手伝わせてくれ。俺はそれを盗んだ子の顔を見てるからもう1回見たらわかる」

「言っておくけど、何のお礼もできません」

「お礼なんていらないから手伝わせて欲しい」

「俺も手伝うよ」

 

少女は俺たちに手伝ってもらうか悩んでいるようだ。

 

「悪意は感じないし素直に受けいれてもいいと思うよ」

 

パックが援護してくれる。

 

「じゃお願いするわ」

「ああ、任せとけ」

 

俺の横にいる男が自信満々に言う。

とりあえず、こいつらの名前知らないし聞いてみるか。

 

「俺たち、お互いの名前も知らないし教えてくれないか?ちなみに俺の名前はアズマソウタだ」

 

俺がそう言うと俺の横にいる男とパックが答える。

 

「俺はナツキスバルだ。よろしくな」

「改めまして、僕はパックだよ。よろしくね」

 

スバルが銀髪の少女に名前を聞く。

 

「君の名前、教えてくれないか?」

 

銀髪の少女は顔を曇らせて答える。

 

「サテラ、サテラとそう呼ぶといいわ」

 

嘘だな。何か隠しておかなければいけないことでもあるのか?

まあ、いいか。常に警戒していればいい。いつものことだ。

サテラと名乗った少女にスバルが笑いかける。

 

「よろしくな。サテラ!」

 

 

 




早くレムを出したいのに話がまったく進みません。
とりあえず頑張ります。
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