オメガモンと初対面です。
ドドモンは自分を救ってくれたデジモンを残りの体力を振り絞って見上げるとそこには、凛々しく誇り高き赤き騎士、デュークモンだった。何故自分を助けたのか、そしてロイヤルナイツがどうしてこんなところに居るのかドドモンは疑問でいっぱいになった。
「遅くなってすまなかった、まさか世界樹ではなく何もない平原エリアに飛ばされるとはこのデュークモンも思いもしなった」
「ぷぅ?(貴方は私を迎えに来てくれたの?)」
「さぁ世界樹に共に帰ろう、心配いしなくとも良い。世界樹はドドモンの生まれ故郷、恐れるものは何もないぞ」
ドドモンの言葉はデュークモンには通じはしなかった。デュークモンはドドモンをそっと優しく抱き上げ空に静かに飛び立った。不思議とデュークモンの腕に抱かれるのが安心感を呼び身体中の力を抜きそっとデュークモンにすり寄る。デュークモンはドドモンの様子を見て微笑ましく目を細めた。
「ぷぅ(なんだか落ち着く…)」
「ほぅ?早速このデュークモンに慣れてくれたか、ドドモンは本来攻撃性が高くなかなか懐かないのだが…やはり生まれたばかりだが同胞の事が本能的に分かるようだ」
「(同胞?どういうこと?世界樹が私の故郷って…)」
ドドモンはデュークモンの世界樹、同胞という言葉から推測を立ててみる。自分の種族はドドモン、ドルシリーズで最終進化系はドルゴラモンともうひとつはロイヤルナイツの空白の席の主…まさかと思いその考えをなんとか打ち消す。忘れようとしても先ほどの考えはなかなか消えはしない、現にそうだとして自分に何が出来ようかとマイナスな考えばかりが出てきてしまう。そんなドドモンの心情を悟ったのかデュークモンはあやすように言った。
「不安か?なあに心配する事はない、誰しも最初は不安になる。このデュークモンも初めのうちは不安だった時があった、しかし仲間の存在が支えとなり何時しか不安は無くなっていた」
「ぷぅ」
「しかしドドモンよ、我らはロイヤルナイツだロイヤルナイツはイグドラシルに仕えこのデジタルワールドの秩序を守るのが使命…いずれはお前もこのデジタルワールドを守護するために戦うことになろう」
デュークモンの言葉を聞きドドモンはまだ不安はあったがこれから自分も戦いに身を投じる事を悟りなんとか覚悟を決めようとする。デュークモンがドドモンを迎えにきたのは自分が空白の席に成り得るから。もし成長しきれなかったら自分はどうなってしまうのだろうか?
「ぷぅ…」
「なあに連中は癖は強いが根は悪い奴らではない。すぐなれるさ、世界樹に戻ったらこのデュークモンが責任持ってお前を強く鍛えよう」
「ぷぷぅ!(なにそれまじで勘弁なんだけど!?)」
「そうかそうか、今からそんなにやる気があるとは…このデュークモン、そのやる気に答えロイヤルナイツの中でもとびきりの強者に育て上げようでわないか」
「ぶぅ~!!(いやぁぁぁぁ!!)」
ドドモンの叫びはデュークモンに届かず変な方向へ向かっていった。この世界を生きるためにロイヤルナイツに鍛えられるのはありがたいが同時に生命の危機も感じている、デュークモンは究極体でありドドモンは幼年期Ⅰ力の差がありすぎてベジーモンとは別の危機感を募らせた。
「(あぁ…絶対にスパルタだよぉ…)」
「このまま世界樹まで突っ切って行く、顔を伏せていろ」
「ぷぅ!?」
ドドモンを自分の腕から転げ落ちないように抱え直し速度をぐんと上げた。ドドモンは先ほどのスピードからグングンと上がり最終的にはジェットコースターより遥かに速い速度で景色が激しく移動するのでドドモンはこれ以上ないほどの乗り物酔いならぬデジモン酔いをしてしまった。
「ぷぅ…(気持ち悪い…)」
「む?どうした、酔ってしまったのか。すまぬなぁイグドラシルがお前を待っていて先を急いでいるのだ、しばし堪えてもらうぞ」
「ぷぃ~!(いやぁぁぁ)」
デュークモンの容赦ない地獄のドライブに数分間ドドモンにとっては数時間揺られイグドラシルの居る世界樹へと降り立った。世界樹は遠くからでも目視ではっきりわかるほどのとても巨大な大樹だった。ドドモンは残りの体力を振り絞り世界樹を見上げまるで空まで届きそうだと心のそこから思った。
「着いたぞ此処がイグドラシルが居る世界樹だ、今日から此処がドドモンの住むところとなる」
「ぷぅ(凄い…何か雰囲気が不思議なところだ、此処がロイグドラシルが居るところなんだ…)」
「戻って来たかデュークモン、そのドドモンが例のデジモンか?」
「オメガモンか、あぁ…お主も感じるだろうこのドドモンが一介のデジモンではなく我らが同胞だと」
「ぷっ!?(ぎゃぁぁぁぁ!!でたぁぁぁぁ!!)」
好奇心で始めてみる世界樹を見渡していると知らない声がしたのでその声の主を見てみるとそこにはオメガモンがドドモンを見ていた。初めてみたオメガモンはゼヴォのオメガモンだったためドドモンは少しロイヤルナイツとしてのオメガモンが少し怖かった。一方のオメガモンはロイヤルナイツの特殊な役割を果たす例のデジモンがデュークモンから見つかったと知らせを受けそのデジモンがどの様なデジモンか見に来ただけだった。
「驚かしてしまったな、大丈夫このデジモンは我が盟友オメガモン。ロイヤルナイツをまとめる主導者だ、悪いデジモンではない」
「確かに他の幼年期のデジモンにくらべ違う気配があるがこれは幼すぎはしないか?」
「このデュークモン、このドドモンを見て驚きはしたが見たところこのドドモンはデジタマから孵ったばかりだろう。究極体に成長しきるまで時間が掛かるだろうな」
ドドモンは先ほどから自分の事で話されている会話にプレッシャーを感じながらオメガモンを見る。オメガモンの雰囲気や感じはゼヴォリューションのオメガモンとよく似ている、声的にはアグモンとガブモンが同時に喋っている声ではなくちゃんとした単体としての声だ。ゼヴォのオメガモンではなさそうだから安心した。
「何故この世界樹で生まれず幼年期として何もない平原で生まれたのかイグドラシルは何を考えておるのか」
「このデュークモンにも彼のイグドラシルの意図ははかり知れん。少なくとも究極体ではなくこの幼年期の姿で生まれたのはなにか意味があるのだろう」
「(凄く気まずい…)」
デュークモンとオメガモンの話を聞き、自分はやはり此処に居るようなデジモンではなくただの幼年期のデジモンでしかないのか、それなら何故デュークモンはこの自分を連れてきたのかなにもかも分からなくなった。
「そんなに震えずともよい、お前はこのデュークモンが見つけた正真正銘我らの仲間だ」
「ぷぅ…」
「おそらく生まれたばかりで自分が何者なのか分かってはいないだろう、まずは自分が何者なのか理解させるのが先決だ。その前にまずはイグドラシルの下へお目通りさせた方がいい」
オメガモンとの話を聞いていたドドモンはこれからイグドラシルにお目通りさせられると聞き、思わず身を捩らせデュークモンから逃げようとしたがデュークモンはしっかりとドドモンを抱き込んでいるので逃げることは出来なかった。デュークモンはそんなドドモンの姿を見てポンとドドモンの頭を撫でる。
「落ち着けドドモン、イグドラシルはこのデジタルワールドの神。恐れる存在ではない」
「何れはお前も守護する存在だ、今から慣れてもらわなければ困る」
「…(お、オメガモンの威圧が凄い…)」
「オメガモン、ドドモンが怯えているではないか。これでは慣れるどころか余計怯えてしまうぞ。ドドモンはただでさえ生まれたばかりなんだ、生まれたばかりの赤子がいきなり慣れるのは無理だろう」
デュークモンはドドモンをオメガモンから遠ざけるような仕草をし、ドドモンを慰めるように撫でる。オメガモンからの威圧感を感じ、ドドモンはオメガモンの事をすっかり苦手になっていた。それと同時にデュークモンの株はドンドン急上昇していっている。
何故太一とヤマトのオメガモンば格好いいのにこのオメガモンは怖いのかとドドモンは言葉が通じないのを利用して愚痴をだす。
デュークモンとオメガモンの会話に気を取られ気づいたら何やら不思議な場所に居た。言葉では上手く表現出来ない空間にドドモンは此処がイグドラシルのいる空間なのかと推測し空間を見渡す。
デュークモンはドドモンを自身の前にドドモンを下ろしし、膝をついた。ドドモンは不安になってデュークモンを見るとデュークモンは大丈夫だと言うように頷いたのでデュークモンを信じこれから姿を表すイグドラシルに身構える。すると目の前が光で包まれたと思ったら白く巨大な物体が現れた。そこ物体をよく見ると昔アニメやゲーム見た事のある形、ドドモンは目の前に居るのがこのデジタルワールドの神イグドラシルだと理解した。
『データスキャン…これよりこのデジタル生命体が目的のデジモンかを確認する。』
「ぷぅ!?」
青白く光る玉のような物でドドモンを捕らえイグドラシルはドドモンの中のデータをスキャンし目的のデジモンであるか確認する。ドドモンは何が起こったのか理解できず光のなかで抜け出そうともがいたがデュークモンの落ち着け、大人しくしていろとの掛け声でなんとか自分の中を見られている様な気持ち悪さを我慢しじっと耐えた。
『データスキャン完了。このデジモンは目的のデジモンのデータと100%一致。
引き続きこのデジモンを育成せよ。』
「はっ!」
「(うぅ…気持ち悪かった)」
イグドラシルはデュークモンにドドモンの育成を命じると何処かへ消えていった。デュークモンは疲れてぐったりとしたドドモンを抱き上げ目的のデジモンであることにホッと息を吐いた。
「やはりこのデュークモンに狂いはなかった、はやりお前は我らロイヤルナイツの仲間なのだな!」
「ぷぅ(もう二度とこういうのはごめんだよ…)ぷぃ!(あれ?何か力がみなぎってくる!)」
ドドモンが光に包まれてみるみる内にスライム上の姿から手足が生え紫色の毛並みと白の手足を持つ幼年期Ⅱレッサー型デジモンドリモンへと進化を果たした。
ドドモンもといドリモンは自身の初の進化に驚き戸惑いその勢いに声を出したら幼年期Ⅰの独特な鳴き声ではなくちゃんとした言語を発した事に更なる衝撃がドリモンを襲った。
「えっなに!?何が起こってるの!?」
「おぉ…短時間で進化するとはこのデュークモンにも予想はしなかった。ドリモンそれは進化だ、お前は成長によりドドモンからドリモンへと進化したのだ」
「進化?私進化したの?」
ドリモンは自分の姿を見たくても首が無いので見れないもどかしさに若干イライラした。デュークモンはそんなドリモンの心情を察してかドリモンを優しく撫でてイグドラシルの居る空間から出ていく。
ドドモンはアニメで見たことあるような空間転移を見てイライラとした感情を忘れあっけらかんと口を開けどうやって空間転移をしたのだろうと疑問に思った。
「さすがのドリモンも疲れただろう、どれ腹も減ったろ部屋に戻り自慢のパンでも馳走しよう」
「パン食べる私お腹減った!」
デュークモンははドリモンのパンを食べたいという言葉を聞き上機嫌でデュークモンに割り当てられた部屋に向かう。その姿を後ろから見ていたオメガモンはデュークモンがドリモンをパンにのめりこませる魂胆を察知しドリモンに心から同情をした。
デュークモンはロイヤルナイツいや…デジタルワールドの中でも一番の拘りと情熱を兼ね備えている、ロイヤルナイツはそんなデュークモンからのパンへの情熱話を何とか逃げていたがあのドリモンは逃げる術は持ってはいないだろう。もしかしたらデュークモン同様にパンにのめり込むかもしれない、そしたらデュークモン同様にめんどくさくなる…いや悪化するのかもしれない。
遠くはない未来を思い浮かべ、オメガモンは深いため息をこぼした。
デュークモンにより部屋へと通されたドリモンはデュークモンの自室であろう部屋を見渡した。部屋の内装は白を基調にしており決して派手ではない、しかし周りのインテリアは現実世界もといリアルワールドで考えると一般市民が手を出せる値段ではないと市民感覚のドリモンそう感じた。まるでテレビでよく見た高級ホテルのロイヤルスイートルームを思わせた。
「すぐパンを持ってくる、適当にくつろいでいてくれ」
「はーい!」
デュークモンが席を外している間ドリモンは部屋の隅々を歩き回り探検する。ドリモンは小さいので周りの一つ一つのインテリアが巨大だ、さながらジャックと豆の木に出てくる巨人の部屋に迷い混んだジャック気分だ。ジャックと比べれば周りはまだ小さい、もう少し例えるならドリモンの目線はまだハイハイしている危なっかしい赤ちゃん目線だ。
デュークモンの腕の中から見た景色と一転し下から見た景色は何れもドリモンを圧巻させる。そうこうしてるうちにデュークモンが焼きたてのパンをバスケットいっぱいに持って帰ってきた。
「待たせたな、部屋の探険の途中だが腹が空いたろう。パンを持ってきたから好きなだけ食べると良い」
「パン!食べる!」
デュークモンにテーブルまで運んでもらいバスケットに入っているパンを一つ取る。パンは焼きたてで香ばしく良い匂いがドリモンの食欲を駆り立てる。
一口かぶり付くと外はカリッとし中はふわふわ今までに食べてきたパンとは比べ物にならないくらい美味しい。
ドリモンは今までにないパンの美味しさに感動しパクパクとバスケットの中にあるパンを平らげていく。
「うむ、良い食べっぷりだな。そんなにパンが気に入ったのかな?」
「うん、私パン大好き!」
「そうかそうか!そんなにパンが気に入ったのなら毎日食べさせてやろう!」
「うん、私デュークモンのパン大好き!」
ドリモンの言葉にデュークモンは機嫌を良くした。オメガモンの危惧したようにデュークモンの思惑通りドリモンはパンの虜になった。
そんなデュークモンの思惑を知らないドリモンはこの美味しいパンが毎日食べられる事に喜びを感じた。
今後もこの調子で更新させますのでどうかよろしくお願いします。