とある少女のデジモン生活   作:狛さん

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お待たせしました…


4話

デュークモンにコッテリと怒られ暫く外出禁止令がでて二ヶ月が過ぎた頃、ようやくお許しが出て漸く外に出られると思ったのも束の間、オメガモンによる厳しい特訓がドリモンを待ち構えていた。

 

「びゃ!」

 

「遅い!これが戦場ならばお前はとっくに死んでいる!」

 

グレイソードを振り下ろしてくるオメガモンの攻撃を必死に避けオメガモンから必死に逃げ回る。それでもオメガモンの攻撃は止まずにドリモンに襲いかかる、メタルドロップで応戦するも直ぐ様弾かれてしまう。

ドリモンは自分がドリモンで良かったと心から思った、真っ直ぐだけど早いスピードで走れるため何とかギリギリオメガモンの攻撃を避ける事が出来た。

 

「甘い!」

 

「ぎゃっ!」

 

「この程度の攻撃このオメガモンに効かぬ!」

 

グレイソードの剣圧でドリモンは意図も容易く吹き飛ばされる。ドリモンは逃げるので精一杯で起死廻生も撃てぬまま派手に転ばされるのを繰り返す。

 

「(手加減してくれてるのは分かるけどもうちょっと力の加減を考えて欲しいよ!オメガモンは超究極体で私は幼年期…月とスッポンというより月と石ころの差があるじゃん!)」

 

ドリモンはオメガモンへの愚痴を心の奥底で溢す。ドリモンはオメガモンの事を決して嫌いではない自分を立派に強く育て上げようとしてくれてるのは理解できているがなにせスパルタ過ぎる、今のドリモンから見るとオメガモンは幼児に厳しい軍事訓練を指導する鬼教官に見える。

オメガモンはデジモンの憧れの的で腕に自信があるデジモンならオメガモンの指導を受けたいと思うだろう、是非とも受けて欲しい。この鬼畜な訓練に耐えられる自信があるならば。多分大半は素足で逃げ出すだろう、ドリモンも今すぐ逃げ出したい、よくテレビや漫画で見る主人公の様な根性が無ければ耐えられない。

そんな都合の良い主人公補正などドリモンに備わってはいないので強くなりたい思いではなく今は逃げ出したい思いの方が勝っている。

 

「そこまでだ」

 

「…ふへぇ(やっと終わった)」

 

「動きは前回よりは申し訳程度上がったがまだまだ無駄な動きが多い、戦場では有に40回は死んでいる」

 

「…はい」

 

厳しい訓練から解放され力無く地べたにへたりこみそんなドリモンをデュークモンが抱き上げる。デュークモンの腕の中はドリモンにとって一番安心できる場所だ、ドリモンは優しく包み込んでくれるデュークモンの腕にすりより先程の厳しい訓練から出た疲れに負けうとうとと夢の中へと沈んでいった。

 

「随分と懐かれている様だなデュークモン」

 

「共に過ごした時が誰よりも多いのだ、嫌でも懐かれるだろうさ。オメガモンは随分と嫌われているようだな?」

 

「それは嫌味か?」

 

デュークモンの軽い嫌味にオメガモンはムッとし目を細める。そんな様子のオメガモンにデュークモンはこれは面白いものが見れたと内心笑いつつドリモンを優しく撫でた。

 

「なんだ、我盟友オメガモンは子供に嫌われるのを気にしているのか?」

 

「そんな物始めから気にしてはおらん!」

 

「少しは素直になってはどうだ我盟友オメガモン、貴殿がドリモンの事を誰よりも一番気にかけているのはとっくのとうに分かっている。貴殿は不器用過ぎるのだ、ドリモンはまだ幼い子供、厳しすぎる態度で接されば誰でも尻込みしよう」

 

「……」

 

図星を突かれ押し黙ったオメガモンにデュークモンはやれやれと息を吐いた、オメガモンはロイヤルナイツを纏めるリーダーでありそれ故周りにもオメガモン自身にも厳しく接してきた為か彼を怖がる者憧れを抱く者も居る。ドリモンは前者に当てはまるだろう、しかしオメガモンの盟友であるデュークモンは誰よりもドリモンの事を気にかけているのを理解していた。

 

「とはいえ将来戦いに身を投じる定め、いつか必ずその厳しさの裏に隠されたオメガモンの優しさに気づく日が来るだろう」

 

「本当にその日が来るのか」

 

「さぁてどうだろうな、気づくのも気づかないのもドリモン次第。気づかなければそれまでの事よ」

 

デュークモンはドリモンを一撫でするとオメガモンに背を向け世界樹へと戻った。

ドリモンの顔を覗き見るとオメガモンによる厳しい修行に疲れたのか力無くぐっすりと眠っている、この様子ならちょっとやそっとの事では起きないだろう。

 

「よく寝ている、よっぽどオメガモンとの修行が堪えたのであろう…しかしお前は強くあらねばならぬ、それまで厳しくいかせてもらおう」

 

 

 

 

 

オメガモンによる厳しい修行に耐え、戦闘における立ち回りを覚えてきた時世界樹にガンクゥモンが来たとデュークモンから聞いた。ドリモンはデュークモンの邪魔にならないよう世界樹から周りを展望できる部屋でデュークモンの帰りを待っていた。

 

「あぁ~暇だなぁ…召集はやく終わらないかなぁ、あぁ~でも召集終わったら勉強三昧だぁ…終わってほしいけどやだなぁ~」

 

オメガモンの容赦ない訓練にデュークモンの英才教育の日々にドリモンは深いため息を吐いた。大金持ちの子の大変さを身をもって思い知った。

 

「あぁ~!休みほしぃ外に出たい、進化したいぃ~!」

 

「ん?お前誰だ!どうしてチビがこんなところに居るんだ!?」

 

「私チビがじゃないもん!ドリモンって名前だもん!よく覚えとけトゲトゲ頭!」

 

「なにを~!?僕はハックモンという名前だ、トゲトゲ頭じゃないやい!」

 

ドリモンはハックモンをマジマジと見ると昔親友に半強制的に連れてこられ映画館で見たtryで出てきたデジモンだと理解した。内容は覚えていないが何かアルファモンと戦ってたな〜としか覚えていない。

改めてハックモンを観察してみると、このハックモンはtryに比べ幼い印象を受けた。恐らくこのハックモンはドリモンと同じで誰かの下で修行をしているのだろう、ドリモンはハックモンに少しだけ親近感を抱いた。

 

「お前はなんでここに居るんだ!此処はロイヤルナイツが守っている場所だぞ!」

 

「私はデュークモンに連れてこられて此処に来たんだよ、勝手に入って来た訳では無いもん!」

 

「デュークモンが!お前ロイヤルナイツになるのか!?」

 

デュークモンの名を聞いたハックモンはおっかなびっくりした顔でドリモンを見た。自分以外にもロイヤルナイツを志ている者がいるだなんて思ってもみなかったのだろう。

 

「まだロイヤルナイツになれるかは分からないけど、うーんと強くなる予定だよ!」

 

「ふーん、お前チビなのにロイヤルナイツを目指してるだなんて…ぐぬぬこれは負けてらんないぞ!」

 

「チビじゃないし!私だって進化して大きくなるし!」

 

「今はチビじゃないか、チビにチビと言って何が悪いんだよ〜!」

 

「(何こいつ腹立つ〜!)」

 

小さな足でバンバンと床を叩きながら反論するとハックモンは挑発するかのようにドリモンを見下ろす。その態度に更なる苛立ちを覚えたドリモンは更にバンバンと床を叩きながらハックモンへ反論していく、何度言っても馬鹿にする態度を改めないハックモンにいっその事メタルドロップでも浴びせてやろうかと思った矢先、どこからともなく此方を仲裁する声が聞こえてくる。

 

「ストーップ!喧嘩はやめなさーい!」

 

「えっと、君誰!?」

 

「ふふーん♪よくぞ聞いてくれたわね!私はこのハックモンの世話をしている姉貴分のシスタモンノワール!」

 

「その妹シスタモンブランだよ〜♪」

 

いきなり背景に戦隊物の爆発が起こりそうなノリでやってきた姉妹にドリモンは唖然と見ることでしか出来なかった。今日は変なデジモンばかりに出会うなと心の底で思っているとハックモンから事情を聞いたシスタモンノワールはすくすくと笑った。

 

「あらそぉ〜、そんな事があったのねぇ〜。でもハックモンもついこの前まで幼少期だったでしょ?ドリモンと大して変わらないじゃない」

 

「ハックモン自分が成長期だからって幼年期デジモンからかうの良くない」

 

「うっ…僕はお師匠様を超えるロイヤルナイツなるんだ!こいつになんて構ってる暇ないやい!」

 

「こいつとはなんだよこいつとは!私なんてオメガモンとデュークモンに修行つけて貰ってるんだ!お前なんかよりもおーーっと強くなるもんね!」

 

「なんだとー!なら僕はその倍修行してお前より強くなってやる!」

 

「ストーップ!2人とも言い争わないの!」

 

シスタモンノワールの静止によりドリモンとハックモンは一旦静かになった。ハックモンの馬鹿にした態度にまだ怒りが収まりきれないドリモンはフーッ!と威嚇する、その様子を見ていたシスタモンノワールは暫く考えたあとしめた!というように何かを思いついた。

 

「これは少年漫画にある好敵手…またの名をライバル!主人公が熱いバトルをライバルと競い争い時には手を取りあい…そして最後は互いを認め合う…正しくこれよ!これなのよ!」

 

「始まった…お姉ちゃんこうなったら誰にも止められない」

 

(めんどくさくなる前ににげよーっと)

 

「ハックモーン?何処に逃げるのかしらぁ〜?ドリモン貴方もよ♪」

 

「「ギクッ」」

 

熱血少年漫画によくある展開を熱く語るシスタモンノワールになんだか嫌な予感を感じ取ったドリモンとハックモンはこの部屋から力の限り逃亡を図るがシスタモン姉妹に逃がさないとばかりに捕獲された。

 

「離せ〜!僕達をどうするつもりだー!!」

 

「熱血少年漫画にはこう描かれているわ、主人公とライバルは拳と拳をぶつけ合い互いに己を鍛えあらゆる荒波という名の試練を乗り越え力を磨いている…

ハックモン、今まで私達は貴方を鍛えてきたけれどそれでも足りなかった…私は悩んだわ、ハックモンに何が足りないのか、何が必要なのかを。

そして見つけたわ!

そう、それはライバル…そう、ドリモン貴方のことよ!」

 

「………」

「…………………」

 

熱血少年漫画の内容を熱く語るシスタモンノワールにドリモンとハックモンは呆れてものも言えなくなった。先程からひしひしと感じる嫌な予感に血の気が引くような感覚がし全身の毛を逆立て第六感が逃げろと必死に訴えかけてくる。

何とか逃れようと手足をばたつかせるもドリモンを抱いているシスタモンブランの腕が逃がさないとばかりにぎゅっと強くなる。

 

「ダメよドリモン逃げ出しちゃ〜?修行の前に先ず貴方に頑張ってもらわなくちゃいけないもの!」

 

「が…がんばる?」

 

「ドリモン進化する…そしてハックモンと修行する」

 

「そう!進化よ!ドリモン貴方はまだ幼少期Ⅱ、成長期のハックモンと熱きライバルには到底慣れない…しかし速解決する方法は今進化することよ!

ドリモンが進化すればハックモンは熱く闘志をもやせるライバルを得てドリモンは進化し強くなる!これぞwin-winの関係よ!」

 

「ヒィィ!!」

 

シスタモンノワールはドリモンを何処ぞの獅子の王子を掲げる獣の様にドリモンを天高く振りかざし目を熱く輝かせ進化しろと促す。

対するドリモンはシスタモンノワールの熱すぎる闘志に恐怖を覚え半泣きで心の中でデュークモンとオメガモンに助けを求めた。その様子を見ていたハックモンは暴走するシスタモン姉妹に捕まったドリモンに同情の眼差しを送った。

 

「(あーあ…こうなったらもうお師匠様しか止められない、アイツには悪いけど僕はここいらで逃げさせてもらうよ!)」

 

「さぁ!進化するのよドリモン!己の中の無限の可能性を今解き放つのよ!」

 

「急に言われたっていきなり進化できないよ〜!それにライバルって私はライバルになる予定は無いよ!」

 

「駄目よ貴方も将来立派な戦士になるんだからライバルくらい1人や2人や3人くらい作らないと!強くなれないわよ!」

 

「その定義ってなに!?私よく分からないよ!」

 

そのやり取りがあと2時間続くなんてドリモンは知るよしもなかった…

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