遊戯王ARC-V The After   作:カオスキマイラ

1 / 15
最終話に納得いかなかったので始めます。
黒咲達を救済したくなりました。

注意
・この小説は遊戯王ARC-Vの原作後の世界観です
・オリカ及びオリキャラが登場します。
・途中からほぼデュエルだけのシーンがあることをご了承ください。
・対戦相手として歴戦のデュエリストを登場させる予定です。
・リンクモンスターは新ルールに移行した影響で登場させます。ただし、アークファイブメンバーは相手がリンクモンスターを使用する場合のみ使用いたします。その為ヴレインズキャラとリンクテーマ使用者以外との戦いではリンク召喚は登場しません。



プロローグ
プロローグ


…………

 

「お前の本当の闘いはテストに合格した。この瞬間から始まるだ!!プロとして戦い続ける覚悟はあるか!?」

 

 プロデュエリストにしてエンタメデュエルの開祖である榊遊勝が、LDSの社長にしてプロデュエリストの赤馬零児を倒してプロデュエリストの最終試験に合格した自分の息子の榊遊矢に問いかけた。

 

「もちのろん!俺はこれからも!デュエルでみんなを笑顔にする!!そして必ず父さんを超える。エンタメデュエリストになって見せる!!お楽しみはこれからだ!!」

 

 柊柚子や権現坂昇といった遊矢の大切な仲間、ジャック・アトラスや沢渡シンゴなどのかつて游矢と激戦を繰り広げた強者達がプロデュエリストに合格した遊矢を祝福していた。会場の観客も新たなプロデュエリストの誕生と次元戦争の終結を心より感激して会場全体が盛り上がっていた。

 

……ただ一人を除いては。

 

「……やれやれ、歴戦のデュエルチャンピオンのプロデュエリストになる直前を見に来てみたら、こういうことだったとはね。それにしてもアクションカード……か。そいつがあるから榊遊矢の実力が本当にあるのか疑わしいな。」

 

 スタジアムの連中に見つからないように見学しているその男は先程の赤馬零児と榊遊矢のデュエルをつまらなさそうに見ていた。

 

「そしてユート、ユーゴ、ユーリは榊遊矢の中にいたままであり、セレナ、リン、黒咲瑠璃は柊柚子の中で意識も無いまま一つになっているということか……。この結末には納得がいかんな。特にあそこにいる黒咲隼が一番納得がいっていないだろう。無理矢理に納得したようにしか見えん。」

 

 謎の男は会場が熱気に包まれている中一人だけ冷めた表情をしていた。

 

「さてと、こうなったら我らが望んだ結末に書き換えてやろう。だが、赤馬零王のように侵略戦争をするつもりはさらさらない。ここは彼ら自身に試練を与えるとしよう!………今からその試練の時が楽しみになってきたよ……。」

 

 そう呟くと謎の男は姿を暗ませた。

 

 

 

 

榊遊矢がプロデュエリストになってから3か月後……

 

ペンデュラム次元において榊遊矢は遊勝塾で2人の塾生デュエルの勉強を行っていた。

 

「遊矢兄ちゃん。俺達を教えていて大丈夫なの?」

 

「安心しなフトシ!こうして人に教えるということも勉強になるって父さんが言っていたんだ。」

 

「そうよ~。遊矢お兄ちゃんが教えてくれているときは集中しなさいよ!」

 

 プロデュエリストになって3か月後の遊矢は忙しい毎日を送っていた。そんな中で遊勝塾で講師として活動も行っていた。

 

「う~ん。確かに遊矢兄ちゃんから教えてもらうときに余計なことを考えるのは失礼だね。」

 

「そうだな。フトシ!まずは融合召喚に関してちゃんと学ばないとな。」

 

「うーっ、すぐに理解したタツヤが羨ましいよ~」

 

 現在遊勝塾に所属している紫雲院素良は、一早く融合召喚の実践に向かったタツヤを教えており、ほかに融合ができる柊柚子が出かけているため、必然的に遊矢が融合召喚を教えていた。因みに塾長の柊修造は遊矢がプロデュエリストになったことで遊勝入塾希望が増えたため、基本のことを教えている。そして遊矢の父の遊勝は、現在はエンタメデュエルを広めるため多次元に向かっていた。

 

(やれやれ、基本は俺に任せてと言っていたので任せたけど大丈夫なのかい?遊矢!?)

 

(そうだぜっ!はやくシンクロ召喚を教えさせろって!)

 

(……二人とも教えたいという気持ちはわかるが、いったん落ち着け!焦っても何も始まらないぞ!)

 

(二人ともすまない。なるべく早く実践に行けるようにするからさ。)

 

 遊矢の精神世界では遊矢のなかにいるユーリとユーゴがそれぞれ自分の得意とする召喚法を教えたいようでうずうずしていた。それをユートがたしなめていた。

 

(まあ、簡易融合やデッキ融合なども教えているから仕方がないところもあるみたいだね。)

 

(ちっ、仕方ねぇ。まあシンクロ召喚も奥深いものがあるからここは我慢するか。)

 

(二人とも抑えてくれてありがとう!後ユートも二人を抑えてくれてありがとうな。)

 

(例には及ばないさ遊矢。)

 

 フトシとアユが融合召喚の勉強を行っていると、突如扉が開いた。

 

「大変だよ!遊矢!」

 

「うわっ、とととと。あれ?デニス?どうしてそんなに慌てているんだ?」

 

「それは俺から話すぜ。」

 

 遊矢と同じエンタメデュエリストのデニスが突如乱入してきたのだ。驚いた遊矢が問いかけるとデニスの後ろから神月アレンが部屋に入ってきた。突然の乱入者にフトシとアユもびっくりとしていた。

 

「どうしたんだ?アレン!?」

 

「……遊矢、それとユート。心して聞いてくれ。」

 

(……何かあったのか?アレン。)

 

 アレンの態度がおかしいことに遊矢と遊矢の中のユートが訝しんでいるとアレンが衝撃のことを言ってきた。

 

「実は、隼がいなくなっちまったんだっ!」

 

「はっ!?黒咲がいなくなっただって!?」

 

(隼の身に何があったんだ!?)

 

 親友が行方不明になったことを聞いてユートは遊矢の中で思いっきり声を荒げた。

 

「わからない。書置きもなくいなくなったんだ。」

 

「どうやら、キャンプ地に戻ってきていないことを確認したサヤカが連絡してきたみたいなんだ。」

 

「デニスに事情を説明して、アカデミアのエクシーズ次元復興部隊に問い合わせてみたんだけど、エクシーズ次元にいないみたいでさ。」

 

「それで、遊矢に心当たりがないかと思ってきたんだけど……」

 

「すまないが、俺も知らない。でも、一度ほかの人にも聞いたほうがいいかもしれないな。」

 

(手伝ってくれるのか遊矢!?)

 

(勿論さユート!黒咲は俺たちの仲間だからな!)

 

 かつての戦友が行方不明になったことを聞いて遊矢は彼の捜索に手を貸すことになった。心配していたユートも感謝の声を上げた。

 

「俺達も手伝うよ!」

 

「わたしも!」

 

「フトシ!アユ!ありがとう!」

 

 話を聞いていたフトシとアユも協力してくれることになり、出かけようとしたタイミングで素良とタツヤが休憩するために修練場から出てきた。彼らも話を聞いて黒咲の捜索に力を貸してくれることになり、遊矢たちはそれぞれ情報を集めに向かった。遊矢とタツヤはLDSに向かい、アレンはエクシーズ次元に戻り、素良とデニスは融合次元へ向かった。フトシとアユは遊勝塾に残り、出かけている柚子を待ってから行動することになった。

 

 

一方行方不明になっている黒咲はというと……

 

「……これでいいのか?赤馬零児に手紙を俺の名前で送るだけで……」

 

「ああ。奴らはおそらく来るだろう。そして成功した場合お前の望みは叶う。」

 

「信用していいんだよな?」

 

「信用するかどうかは君の判断に任せるさ。データだけで言うと成功率は97%だ。」

 

「3%で失敗する可能性がある以上確実とは呼べんな。」

 

 遊矢たちが捜索している黒咲は謎の空間で謎の男と話していた。

 

「それにしてもいきなり、この俺にデュエルを挑んできたときは敵かと思ったぞ。」

 

「……すまないな。これも計画には必要なことなのだから」 

 

「まあ、瑠璃を取り戻すのに必要と言われたら協力するに決まっているからな。」

 

 

 黒咲がこのように見るからに怪しい風貌の男になぜ協力しているのか。話は3日前に遡る。

 

 その日黒咲は自宅で瑠璃がいないキャンプ地でムシャクシャとした気持ちを抱えていた。遊矢とのデュエルで瑠璃とユートのことは区切りをつけたはずなのにまだ心の奥で納得していない自分がいた。両親がいない彼にとって唯一の肉親である瑠璃が自分の支えであった。しかし、あの日瑠璃がユーリに攫われてしまった日に彼の心の奥底にある絶望が始まったのである。

 

 平和なハートランドを襲った大いなる絶望。それは融合次元のプロフェッサーである赤馬零王の指令によりエクシーズ次元は侵略をされてしまった。そんな絶望的な状況下の中で自分の大切な妹を心の支えにして彼はアカデミアの先兵と死闘を繰り広げていた。

 

 その日は彼は親友のユートと共に民間人の救出作戦に参加していた。強制的にバトルロイヤルで攻めてくるアカデミアの尖兵に苦戦しながらも拠点に到着した彼は疲れ切っていたため、すぐに眠ってしまった。そして気が付くとかけがえのない大切な妹が攫われてしまったのだった。

 

 その後はスタンダーと次元に向かい、赤馬零児と共にランサーズとしてアカデミアと戦っていた彼だが、遊矢の暴走により復活したズァークなど激闘を繰り広げた先に待っていたのは、親友と妹は消えたことだった。

 

 戦いが終わり、遊矢がプロデュエリストになった姿を見て一区切りはつけたものの、納得していない自分がいるのだった。そのあとは半分抜け殻になりながら毎日を過ごしていた。

 

 そんな中外出していた彼は突如自分の腕にワイヤーをかけられた。警戒してあたりを見回すと謎の男が立っていたのである。

 

「……誰だ貴様は!?」

 

「……黒咲隼だな?RRという鳥獣のエクシーズを用いて戦う反逆の心を持つ戦士。」

 

「………俺のことをよく知っているとは……貴様はアカデミアの残党か?」

 

 黒咲が警戒するのにも訳があった。赤馬零王の命令により、次元戦争は確かに終結はした。しかし、その命令に納得いかない連中が当然出てきてしまう。彼らは本部の命令を無視してエクシーズ次元やシンクロ次元で騒ぎを起こしていたのだった。

 

「残念ながら、私はアカデミアの関係者ではない。」

 

「では、一体貴様は何者なんだ!?」

 

「……お前の望みを叶えることができるものとでも言っておこう。」

 

「なっ、なんだと!?」

 

 突然現れた謎の男は自分の望みを叶えるといわれて、黒咲が混乱していた。見るからに怪しい男が自分の望みを叶えることができると言われて彼は、戸惑ってしまった。

 

「あ~。すまんすまん。確実に叶えられるとは限らんよ。」

 

「何?」

 

「あくまで、お前の望みである黒咲瑠璃とユートの復活ができるかもしれないという話だ。」

 

「……何を訳の分からん事を!貴様は俺をバカにしているのか!?瑠璃とユートは榊遊矢と柊柚子と一体化して戻ってこないだぞっ!」

 

 自分の妹と親友の復活ができるかもしれないという胡散臭い話に彼は当然のことながら、反論した。

 

「ふむっ、詳しく説明したら君も納得してくれるだろうが。さてさてどうしたものか。」

 

「おいっ!俺の問いに答えろ!」

 

 自分の反論を無視して話を進めようとする男に彼は苛立っていた。

 

「君の問いである黒咲瑠璃とユートが完全に体を取り戻して復活できる可能性があるだけだ。」

 

「そんなこと信じられるか!」

 

「あ~。別に今すぐに信じろというつもりはない。ただし、私も暇じゃないのでね。悪いが少し私と戦ってもらうよ!」

 

そう言って謎の男は黒咲に謎の紐をぶつけてきた。

 

「……何だこれは?」

 

「これはデュエルアンカー……。今からこの私とデュエルを行わない限り君は解放されることはない。つまり、私とデュエルを行う以外に道はないということだ。」

 

「くっ、強制的にデュエルということか……」

 

「まあね。デュエルをしたらこのデュエルアンカーは解除される。君に選択肢は存在しない。」

 

「……いいだろう受けて立ってやる!」

 

 選択肢を与えてこようとしない相手を見て黒咲は苛立ちながら、渋々デュエルすることを引き受けるのだった。

 

「それでは、始めようとしようじゃないか。」

 

 謎の男はそう告げると指を鳴らした。その次の瞬間黒咲のいる場所が謎の空間に移動していた。

 

「なっ!?なんだここは!?」

 

「ここならば、邪魔は入らない。さあ、始めるとしよう。」

 

「くっ、仕方がない。フィールド魔法『クロス・オーバー』発動!」

 

 黒咲がクロス・オーバーを起動するとそこら中にアクションカードが散らばってデュエルが開始された。

 

「「デュエル!!」」




次回は謎の男と黒咲が闘います。因みに一つ言っておきますが、謎の男はデュエルするたびに毎回デッキが変わります。

前書き通りですが、遊矢達は歴代のシリーズの強者達と対戦してもらう予定です。オリジナルキャラクターもいますのでそこはご了承ください。やり直しになりますので、キャラクターも一新いたします。

登場予定キャラ※一部です。
《遊戯王 DM》
武藤遊戯、アテム、海馬瀬人、城之内克也、ペガサス・J・クロフォード、孔雀舞、真崎杏子、ジーク・ロイド、バンデット・キース、ダーツ、闇マリク、盗賊王バクラ、ダーツ、天馬夜行

《遊戯王 GX》
遊戯十代、万丈目準、GX版天上院明日香、丸藤亮、丸藤翔、ティラノ剣山、GX版エド・フェニックス、ヨハン・アンデルセン、ジム・クロコダイル・クック、アモン・ガラム、クロノス・デ・メディチ、斎王琢磨、覇王十代、ユベル、ダークネス、トラゴエディア

《遊戯王 5D´S》
不動遊星、十六夜アキ、5D´S版ジャック・アトラス、5D´S版クロウ・ホーガン、龍亜、龍可、鬼柳京介、ボマー、レクス・ゴドウィン、シェリー・ルブラン、牛尾哲、アポリア、アンチノミー、パラドックス、Z-ONE、骸骨騎士

《遊戯王 ZEAXL》
九十九遊馬、アストラル、観月小鳥、神代凌牙、神代璃緒、ZEAXL版天城カイト、トロン、V、Ⅳ、Ⅲ、ゴーシュ、ベクター、アリト、ギラグ、ドルベ、ミザエル、ドン・サウザンド、e・ラー

《遊戯王 VRAINS》※本名がある人物は本名で記載
藤木遊作、人間体AI、財前葵、鴻上了見、鬼塚豪、穂村尊、財前晃、別所エマ、道順健碁、スペクター、草薙翔一、ボーマン、ライトニング

遊矢の初戦の相手は以下の誰が宜しいでしょうか?

  • ジーク・ロイド
  • 暗黒界の狂王 ブロン
  • ディマク
  • Mr.ハートランド
  • インヴェルズ使いのハノイの騎士

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。