皆さんご存知のあのキャラが登場します。
一気に登場キャラが増えますが、実際にデュエルするのは極僅かで、チーム戦のみ参加もいます。
「見事だな。黒咲隼よ。約束通りデュエルアンカーは解除しよう。」
黒咲に負けた謎の男は敗北後あっさりとデュエルアンカーを解除した。
「貴様っ!一体何が目的だ!?」
「その答えはすぐに分かる。」
「何?……そういえば地面から何か不思議な気が出てきたような」
謎の男の言葉が言うと不意に先程まで戦っていたフィールドから霊気が溢れ出してきた。謎の男が丸い物体を取り出すと霊気は物体に吸い込まれるように吸収されていった。
「……何が起こったんだ!?」
「説明するさ。これは先程まで私と君が戦っていたことにより生み出されたエネルギーだ。そして私の持つこれこそが黒咲瑠璃とユート復活のカギとなるもの……」
「どういうことだ?まるで意味が分からんぞ……」
「まあ、実際に復活しない限り君は信用してくれないことはよく分かっている。だが、これにデュエリストのエネルギーが溜まった時…彼らは復活する!」
「瑠璃とユートが復活するだとっ!?」
「ああ。私の目的はユート達が復活することだからね。……あの結末は納得がいかないからな。」
「……よく分からんが、とりあえずお前の目的はユート達の復活。」
「ああそうだ、黒咲隼。君と彼らが再会させることが私の目的の一つさ。」
「……本当に俺と瑠璃を再会させることが目的なんだな?だとしたらそいつが溜まれば再び会えるのか?」
「そうさ。といっても会うことは直ぐにでもできるさ。会うことはね。」
「……どういう意味だ?」
「私たちのいるこの場所。ここは『時限の裂け目』と呼ばれている。この場所ならば彼らは復活することができる。」
「それは本当なのかっ!」
瑠璃とユートにまた会えると知って黒咲は興奮した声を上げた!
「話を最後まで聞いてほしいね。」
「……っ!すまん。」
「まあいいさ。この『時限の裂け目』では確実に彼らは復活するが、この次元に実体をもって復活することはできず数か月ほどで意識も消滅してしまう。」
「なんだとっ!?」
「ただし、私のもつこの『時限のオーブ』にデュエリストのエナジーが満たされたとき彼らの体を再生させることができる!」
「……それにエナジーをためれば瑠璃とユートとまた笑いあえる生活が返ってくるのか!?」
「と言っても確実とは言えない。何せこのオーブが本当に機能するかは私も試していないからね……」
「それでは信用できないな。」
瑠璃とユートを復活させることができるという『時限のオーブ』を試したことがないと謎の男が言った途端。彼は警戒しだした。
「それはそうだろうね。だがとりあえずユートと瑠璃にこの地で再会させたら信用してくれるかね?」
「……信用できるかどうかは知らんが、俺はもう一度あいつらに会いたい!ユートは俺の一番の親友で、瑠璃はかけがいのない大切な家族だから……。」
瑠璃とユートに再び会えるかもしれないという希望を知って、黒咲の中で抑えられていた感情が溢れ出してきた。
「……ひとまずこの時限の裂け目では会えるんだな?」
「ああ。それは保証しよう。」
「だったら、本当に会えた時に初めて信用することにする。」
「まあ、それが妥当だろうね。」
黒咲は自分の大切な人に会えることを心から願っていた。謎の男はそれを温かい目で見ていた。
「さてと、再会させる前にこの場に二人の人物を連れてこなければならない。」
「……もしかして榊遊矢と柊柚子か?」
「そうだ。彼らがこの地にいないと再会することはできない。」
「……それもそうか。それであいつ等を俺が誘えばいいのか?」
「そうしてもらえるとありがたい。ただし、君は一端失踪してもらうが…」
「どういうことだ?何故俺が失踪しなければならない?」
目の前の男が自分に行方不明になれと言ったため黒咲は困惑の表情を浮かべた。
「人間。己にとって大切なものが消息を絶つと話を聞きやすくなるそうだからね。それにただ単に呼び出しただけじゃあ意味がない。私のもう一つの目的もやりたいからね。」
「もう一つの目的だと?」
「ああ、それにデュエルエナジーをためる都合上デュエリストに集まってもらった方が、効率がいい。」
「それはそうだが、俺が何か送ればいいのか?」
「ペンデュラム次元のLDSの赤馬零児宛に、榊遊矢、柊柚子、権現坂昇、沢渡シンゴ、紫雲院素良の5人を呼び出してほしい」
「榊遊矢と柊柚子は分かるが、何故その3人を呼び出す必要がある?」
「赤馬零児を除いたその3人はより良いデュエルエナジーを生み出してくれそうだからだよ。この時限のオーブにエナジーが溜まるのも早くなるだろう。」
「……いいだろう。信用していない状態で手伝うのだからここで瑠璃と再会できなかったら承知せんぞ……」
「ああ。その時は好きにするといい。」
ーーー回想終了ーーー
時限の裂け目の黒咲達……
「……そろそろ約束の時が迫っているぞ。」
「約束は守るよ。ただ、ある男が赤馬零児を襲撃しそうだがな。」
「ある男だと?」
「君たちも知っている男だよ。かつてシンクロ次元のセキュリティーのトップだった男だ。」
「あいつだと!?何故奴が襲撃してくる!?」
「まあ、本人が言うからそれを待とう。さてと赤馬零児と榊遊矢が彼らを集めたら……彼らの前に姿を出すぞ。」
「……いいだろう。」
一方ペンデュラム次元 LDS
「社長。榊遊矢がお会いしたいとのことです。」
「ああ、通してくれ。」
LDSの社長の赤馬零児は部下からの報告を受けて遊矢を通すように伝えた。彼のデスクには黒咲から送られてきた手紙と融合次元にいる両親からの報告書であった。
「……父より行方不明者の情報を求められたと思ったら、黒咲からの謎の手紙か……。恐らくこれらは繋がっているだろうな。」
零児は書類に目を通していると社長室の扉がノックされた。
「社長。榊遊矢をお連れいたしました。」
「通してくれ」
零児の許可を受けたことを知ると遊矢は社長室に入ってきた。ちなみにタツヤは遊矢に頼まれて志島北斗や光津真澄、刀堂刃などに情報を聞きに行った。
「よくぞ来た遊矢。君の目的は黒咲隼のことかな?」
「えっ!?なんでわかるんだ零児!?」
「今朝黒咲からこの手紙が送られてきたんだ。」
「黒咲から!?あいつは消息を絶ったと聞いたから零児なら知っているかと思ってきたんだけど……」
「なるほど、彼は消息を絶っていたのか。それならばいい。ちょうど私の方も君に用があったからね。」
「どういうことだ?零児?」
「それは黒咲から送られてきた手紙を確認すれば分かるだろう。」
「………?」
遊矢は零児に言われるまま手紙を確認することにした。
≪赤馬零児へ
突然の話で済まないが、お前たちに手伝ってほしいことがある。瑠璃とユートを本当の意味で取り戻すために力を貸してほしい。詳細は追って話す。
そしてもう一つお前たちに言っておきたいことある。それは歴戦のデュエリストと戦えるチャンスがあるとのことだ。これも俺が指定する人物がお前の部屋に揃った時に詳しく話す。胡散臭いと思うが手を借りたい。
お前の部屋に呼んでほしいのは、榊遊矢、柊柚子、権現坂昇、沢渡シンゴ、紫雲院素良の5人を確実にLDSに呼び出してほしい。それ以外に人がいても構わん。それではよろしく頼む。 黒咲隼より≫
手紙を読み終えた遊矢は?マークを浮かべていた。
「……どういうことなんだ?俺達を零児に集めてほしいって。」
(それに俺と瑠璃を本当の意味で取り戻す……とその手紙にはあったな。隼の奴は何を考えているんだ?)
(ユートを復活させたいっていうことなんだろうけど。僕たちは遊矢と一つになっている状況だしね……)
(ああああもう訳が分からねぇっ!あいつは何がしてぇだよっ!?)
黒咲からの謎の手紙に遊矢と彼の中にいる3人も混乱していた。
「彼に何かしら思惑があるにせよ。この手紙ははっきり言うと怪しいと言わざるを得ない。だが、私はこの手紙の指示に従おうと思っている。」
「怪しいのに従うのか?」
「ああ。黒咲瑠璃とユートを取り戻すという話はともかくとして……もう一つの歴戦のデュエリストと戦えるというものは非常に興味深いからだ。」
「……その気持ちは分かるかもな……。」
「黒咲のことは心配ではあるが、我々はデュエリストだ。デュエリストならば受けた挑戦は受けざるをえまい。」
「……そうだね。俺も俺のエンタメデュエルを更に磨き上げたいし……」
「本来ならば、このような話は無視するがかつての戦友の頼みだ聞いて上げるのが筋というものだろう。それで君はどうする遊矢?」
「…………。」
(さてと遊矢?どうするんだい?僕としても面白そうだからその話に乗ってみたいけど……)
(俺もだぜっ!黒咲の話はともかくとして歴戦のデュエリストって話は面白そうだからな!)
(俺も参加した方がいいと思うぞ。お前はジャックや零児との戦いで成長はした。だが、まだ見ぬデュエリストと戦うことも成長に繋がるだろうかな。)
(ユーリ、ユーゴ、ユートの言うとおりだね。俺のエンタメデュエルを更に広めるためにもここは黒咲の話に乗るかっ!)
(ああ。その意気だぜ遊矢!)
黒咲の手紙の前半の内容はともかく歴戦のデュエリストと戦えるという言葉に、遊矢と彼の中の3人の本能ともいえるデュエリストとしての魂の炎が火を灯した。
「やろう零児!柚子たちを呼んで来ればいいだね?」
「ああ。それ以外にも読んでいいとのことだから私の方でも声をかける。明日LDSに来るように伝えてくれ。」
「よしっ、分かった!」
遊矢は黒咲の無事をアレン達に伝えるために社長室を後にしようとしたが、そこを零児が止めた。
「まて遊矢もう一つ君に伝えておかなければならないことがある。」
「俺に伝えなければならないことってなんだよ?」
「アカデミアの父より本日ある一報が入った。融合次元のデュエリストであるバレットなど複数の人員が各次元から消息を絶っている。」
「なんだって!?」
「無論アカデミアの残党の仕業の可能性も否定はできないがくれぐれも注意してくれ!」
「………分かったよ零児!」
遊矢は零児からの報告を受けるとすぐに社長室を後にした。そしてタツヤと合流してアレンに黒咲の無事を伝えると共に明日LDSに集まってほしいことをデニス達に伝言してほしいと伝えた。その後は柚子と合流して沢渡や権現坂達に明日LDSに集まってほしいことを伝えていった。権現坂達は自分たちが指定されていることを疑問に思いつつもLDSに集まることを承諾したのだった。
翌日
早朝から仕事に向かう人々はLDSの周りに人が集まっている光景を見た。それぞれ名前の知られた人々が多かったため何事かという野次馬がたくさん集まっていた。
各次元より様々な人間が集まっていた。
するとLDSの社員が現れて彼ら全員をLDSの社長室に連れて行った。
「うーん、知り合いに伝えたらここまで集まっちゃったね。」
「確かにちょっと狭いわね。」
「仕方あるまい。遊矢と零児の声掛けでここまで集まってくれたんだから。」
「やれやれ、俺達を呼んで何をするつもりなんだ?」
「沢渡は遊矢の話を聞いてなかったの?どうやら歴戦のデュエリストと戦えるみたいだよ。」
遊矢達は零児が来るまで社長室で会話をしていた。久しぶりに集まる面々ばかりだったためあちらこちらで会話が飛び交っていた。
「それにしてもジャックやエド達も来てくれたんだね。」
「ふん、歴戦のデュエリストという話には興味があったからな。」
「それに遊矢。君の頼みだ喜んで引き受けるよ。」
謎の男が指定した5人以外に数多くのメンバーが集まってしまい大所帯になってしまった。
「揃ったようだな。」
会話がこのまま終わらないと思ったタイミングで零児が赤馬零王と赤馬日美香たちと降りてきた。
「想像以上に集まっているな。さすがに多すぎだと思うが……黒咲の手紙には人数は指定されていなかったな。」
「黒咲からの手紙ってどういうことだよ?」
「ああ。それはね。」
黒咲の手紙云々の話を聞こうとしたクロウに対して遊矢は周りの人々に説明を含めて今回の件を説明しだした。
「……隼は瑠璃とユートを本当の意味で取り戻したいって……?」
「それに歴戦のデュエリストと確実に戦うことができる……か。」
「意味が分からん説明だが、何かありそうだな。」
零児と遊矢の話にそれぞれが会話をしていると…急に社長室が時限の裂け目に移動した。突然のことに全員が困惑をして騒めきだした。
「な……なんなんだこの場所は!?」
「アークファイブではない……ということはここは一体……」
「……不気味な場所だなグレース。」
「ええ。こんな場所に来たことないわ……」
「おいおい…ここは一体何だってんだよ…」
「知らないわよ。北斗は知っているの?」
「ボ…ボクが知っているわけないだろう!」
全員がいきなり謎の場所に飛んだことで恐怖と絶望にさらされていると……謎の男と黒咲が姿を現した。
「隼!無事だったのね!」
「おい黒咲!ここは一体どこなんだよ……」
「ここは時限の裂け目と呼ばれる場所だ。詳しい説明はこいつが話す。」
「……誰なのかしら彼は……」
「さてと初めまして、私の名前はマギア。黒咲に頼んで君たちを呼び出した張本人さ。」
「……ということはあなたが黒咲を利用してあたし達を呼んだのね?」
「うーん、一体全体何が起こっているのやら……」
「私の話をする前にまずは、黒咲との約束を果たそう。」
そういうとマギアは指を鳴らした。すると遊矢と柚子の体が光りだして、その光が段々と強くなっていき辺りは光に包まれた……。
「ま……眩しい。大丈夫か遊矢!?」
「柚子っ!大丈夫かっ!?」
「遊矢っ!」
「「「遊矢お兄ちゃん!?」」」
光が消えると特に何か起きた様子のない遊矢と柚子が出てきた。
「父さん、母さん。別になんともないよ?」
「あたしも……別に何か起こったわけじゃないけど…」
他の人々も特に何も起きた様子が見られないため先程の減少は一体何だったのか疑問に思っていると黒咲の歓喜の声が轟いた。
「瑠璃っ!!ユート!?」
「う~ん。ここは?」
「いてて、何だったんだ。ってリンっ!?」
「あれ?ユーゴ?なんでここに?」
「リーーーーーーーンっ!ぐほっ!?」
「いきなり抱き着こうとしないっ!」
「瑠璃ーーーーーっ!」
「わわっ、兄さんいきなり抱き着かないでよっ!?」
「隼!?どうしたんだいきなり瑠璃に抱き着いて……ってぐふっ」
「ユート!ユートよね!」
「サヤカ!?アレンにカイトも……どうなっているんだ?」
「くっ、ここは一体どこなんだ?」
「いてて、僕は今までなにを………。」
謎の光が消滅するとなんと榊遊矢の中にいたユート、ユーゴ、ユーリ達3人が……柊柚子の中にいたセレナ、リン、瑠璃の3人の合計6名が復活したのだった!
「これは……」
「一体どうなってんだ……」
「マギアといったな?何故彼らがここにいるんだ?」
「ここは時限の裂け目。その中にある神気を利用した。それによって彼らはこの空間の中でのみ実体を取り戻したのさ。」
「なっ……だとしたら……レイは?レイも復活するのか!?」
「赤馬零王よ。安心しろ、レイに関してはこれから私がやろうとしていることに協力すれば復活する!」
「ほ…本当なのか!?」
「ああ。さてと、黒咲よ。私は約束を果たした。だから協力してもらうよ。」
「ああ。実際に瑠璃に会えたんだ。協力するさ。」
「どういうこと?兄さん?」
黒咲とマギアは彼らが現実世界に復活する方法であるデュエリストエナジーに関して説明した。
「……まるで意味が分からんぞ…」
「だろうな。信じろという話が無理であろう。」
「でも歴戦のデュエリストと戦えるのは本当なんだろうな?」
「ああ。と言っても優先権があるがね。」
「どういうことだ?」
「遊矢達4人と柚子達4人を除いてサシで戦えるのは零児、素良、沢渡、権現坂そして黒咲隼の5人となっている。」
「……ってことは俺たちは戦えないということか?」
「サシではな。チーム戦でならば、それぞれの強敵に戦うことができる。」
限られた人物しか戦えないことに一部のメンバーは怒ったが、マギアの話を聞いてとりあえず納得した。
「それでどのように戦うつもりだ?」
「ああ…それはな。」
「見つけたぞっ!赤馬零児ーーーーーーーーっ!」
「!?この声……ロジェか……!?」
マギアが更に説明しようとすると突如ジャン・ミシェル・ロジェが乱入してきた。
「てめぇはロジェ!?なんでおめぇがここにいる!?」
「くたばりぞこないが、今更何の用だ」
「決まっているっ!貴様を倒すためだっ!赤馬零児ーーーーっ!」
「私への私怨ということか……」
「そうとも、そして貴様はそれを拒否できないっ!そらっ!」
「むっ!?」
ロジェがデュエルアンカーを零児に取り付けた。
「なんだこれは?」
「これはデュエルアンカー。これはデュエルしないと解除できない。」
「なんだと?」
「さあ、さあ。私の真の実力を見てやる。私とデュエルだああああああああ!」
「こいつ……。本当に俺達コモンズを今まで虐げていた奴なのか……?」
「どう考えても頭いかれちまっているようだな……」
「………いいだろう。受けて立ってやろう!」
「アクションフィールドON!フィールド魔法『クロス・オーバー』!今度こそ貴様を完膚無きに叩きのめしてやるぞおおおおおっ!!赤馬ぁぁぁぁぁぁぁ零児ぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」
「………何があったかは知らないが、返り討ちにしてやろう。行くぞっ!」
時限の裂け目の中にアクションカードが散らばっていった。
「「デュエルっ!!」」
ほとんどのメンバーが揃ってしまいましたが、チーム戦などで出番が出てくる奴もいます。
この後のロジェ撃退後はしばらくデュエルばかりが続く予定となっております。
次回は零児VSロジェで、ここでオリカが複数出現すると共にロジェが驚きのモンスターを召喚します。
遊矢の初戦の相手は以下の誰が宜しいでしょうか?
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ジーク・ロイド
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暗黒界の狂王 ブロン
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ディマク
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Mr.ハートランド
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インヴェルズ使いのハノイの騎士