ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Moon Cradle 第7部後編 第16話

 と、そんなわけで、ようやく木松悪斗の長い長い言い訳が終わったのだが、そのとき、会議室のドアのノブから、

ガチャガチャ

と、いう音が一瞬聞こえてきた。これには、月、

(あれっ、なんかドアの方から音がした・・・)

と、ドアから聞こえてきた音に気づく。が、月、まわりを確認すると、このドアからの音は月以外誰も気づいていなかった。

 で、そんなドアからの音に気付かなかった仲裁役の運営会社の役員、

「え~、これでお互いの言い分を知ることができました。それでは、これから論議に・・・」

と、論議に移ろうとした。

 が、そんなとき、木松悪斗、とんでもないことを言いだした。

「そんな論議、必要ありません!!時間の無駄です!!もう決まっているではありませんか!!」

この木松悪斗の発言に、運営会社の役員、

「あの~、お言葉ですが、まだ何も決まっておりませんが・・・」

と、木松悪斗に言うと、木松悪斗、すぐさま怒声でこんなことを言いだした。

「いや、もう決まっている!!月生徒会長の屋上使用申請は即刻却下だ!!いや、この大騒動の責任をとって月生徒会長の生徒会長職の即刻解職、および、Aqoursの即時解散、なのです!!」

これには、月、

(う~、言いたいことだけ言っているじゃないか・・・)

と、木松悪斗の忘却無人さに激怒。いや、そう思ったのは月だけではなかった。

(なんていういい加減な大人、なんでしょうか!!月さんだけでなく、この私たち、Aqours、すらも貶める行為、許すわけにはまいりませんわ!!)(ダイヤ)

(私と千歌ちゃん、それに、みんなの想い、それが詰まった、このAqoursをただ気にくわない、だけで解散させるなんて、木松悪斗、許すまじ~!!)(曜)

(ルビィにとってAqoursは、お姉ちゃんと、みんなの、大事な想い出、が詰まったものだもん!!だからこそ、あのおじさん、勝手に解散させようとするなんて、絶対に許せないもん!!)(ルビィ)

(この木松悪斗という男、本当に意地汚い大人、なので~す!!このマリーたちにとって大切なAqoursを潰させることなんて絶対にさせないので~す!!)(鞠莉)

なんと、月の後ろにいるAqoursメンバー4人とも怒りMAXだった。無理もない、まさかこの場にかこつけて、Aqours解散しろ、と、言ってくるなんて、男の風上にもおけないものである。

 まあ、あまりもの木松悪斗の忘却無人ぶりに、月、つい口が滑った。

「でも、本当に理由は、静真での部活動報告会で徹底的に潰したはずのAqoursがローマ・スペイン広場でのライブで息を吹き返しただけでなく、4月上旬に沼津駅南口で行われる新生Aqoursお披露目ライブ開催が決まったことで勢いを取り戻した、いや、それ以上に勢いがある、そして、今回、このビルでライブを行えばその勢いは誰も止められなくなる、それを危惧したからでしょう」

そう、月はこのときすでに知っていた、と、いうよりも気づいていた、木松悪斗が月の申請に反対する理由。と、いっても、そのことは今のAqoursの状況と木松悪斗の突然の反対にある程度わかるもの・・・なのであるが、自分の本音を月にいわれたことに、木松悪斗、

「えっ、そんなこと、あるわけないじゃないか・・・」

と、今まで見せたことがない、おどおどした姿で言ったかと思えば、いきなり、運営会社側を向いては、

「おい、お前ら、俺の言うことをきけ!!はやく、月生徒会長の申請を却下しろ!!」

と、運営会社に圧力をかけてきた。これには、運営会社の会長、

「ふんっ、そんな脅し、この私に効くわけないじゃないか!!」

と、木松悪斗の脅しに屈しない姿勢をみせる。

 しかし、次の瞬間、この強気の運営会社会長すら地に伏せることが起きてしまう。それは木松悪斗の次の言葉からだった。

「ふ~ん、この俺に対して強気な態度をとるのですか?なら、仕方ありません。あなたの会社に融資している銀行から、ここの融資、この俺、木松悪斗が止めましょうかね~!!あなたの会社に融資している銀行、そこと俺とは長い間お付き合いがありましてね~、俺が一言言えばここの融資を止めることぐらい簡単なのですよ・・・」

これにはさすがの運営会社の会長も、

「・・・」

と、渋い顔をしながら無言になってしまった。では、なぜ、運営会社の会長、木松悪斗の発言で、渋い顔、無言、になったのか。それは、なんと、木松悪斗、運営会社の会長に対して言うことを聞かないと銀行の融資を止めると脅しにかかったからだった。会社にとって業務を拡張するだけでなくいろんな業務を行っていく上でお金は必要である。そのためのお金を会社は銀行から融資という形で借りているのだが、その融資をしてもらえなくなるということは、すなわち、会社から業務をしていくためのお金がなくなる、結果、会社を存続させることができない、ことになってしまう。それは、いわば、会社にとって死刑宣告を受けたのと同じようなものである。とはいえ、そんなこと、一個人の意見だけで簡単にできないはずである。それほど融資というものは会社の存続においてとても重要なものでありとても慎重に取り扱うべきものである。なので、銀行の融資をするしないの選択権を一個人が支配することで一個人が「ラグーン」の運営会社みたいな大企業の生殺与奪権を握り自分の考えだけでその企業を簡単に潰すことなんて本当はあってはならない話なのである。けれど、これが木松悪斗となれば話は別である。木松悪斗は日本有数の投資グループの代表である。当然、銀行にも顔は知られている。いや、太いパイプを持っていたりする。また、銀行も1つの企業である。なので、木松悪斗、その銀行の株式を大量に持っていたりする。なので、木松悪斗が運営会社に融資している銀行に運営会社の融資を止めるように圧力をかければいとも簡単に運営会社に対する融資を止めてしまい、結果、運営会社はほどなくして潰れることになるかもしれない。なので、運営会社の会長、そのことをすべて木松悪斗の発言によって悟った、みたいだった。

 そんなわけで、運営会社の会長、まるで手のひらを返したかのように、

「うぅ、そんなことを言われるとこちらとしてはどうすることもできません。ここは木松悪斗様の言う通り、月さんの屋上使用申請を却下・・・」

と、諦めたかのように言ってしまう。が、この運営会社の会長の言葉に、月、

(あっ、このままいったら木松悪斗の思惑通りになってしまう!!なんとかしないと・・・)

と、焦りが出てしまう。

が、運営会社の会長、ここにきて、

「却下・・・、却下・・・」

と、口を濁してしまった。なぜなら、ここにきて会議室のドアからまた、

ガチャガチャ ガチャガチャ

という音がしたからだった。ただこの音に気づいたのが運営会社の会長と月だけだった。で、運営会社の会長、この音を聞いて、

(あっ、ついに心強い援軍が来ましたか!!心待ちわびたですぞ!!)

と、自分にとって心強い援軍がようやく来たことに気づいたのかその援軍の登場までできる限り時間を引き延ばそうとしていた。で、あるが、これには隣にいた木松悪斗のシンパである屋上責任者から、

「はやくはやく却下しましょうよ!!」

と、一番上の上司である運営会社の会長に却下の催促をすると、木松悪斗も、

「はやく結論を言ってください!!もちろん、答えは、「却下」、ですよね!!」

と、これまた「却下」の催促をしてしまった。

 が、その瞬間、月、突然のドアからの音とそれに気づいた運営会社の会長の言動に、

(あっ、もしかすると、あの(運営会社の)会長、なんか企んでいるみたいだね!!もしかすると、(運営会社の)会長、誰かを待ちわびているのかもしれないね!!なら、この僕がその時間を作ってあげるよ!!)

と、何かを感じたのか、意を決して木松悪斗にこんな質問をした。

「あっ、ところで、木松悪斗様、ちょっと質問なんですが、先ほど、「すべてのことに勝利をささげるべきである」と木松悪斗様はおっしゃっておりましたが、その勝利をささげる相手って誰のことなんですか?」

この月の質問に、木松悪斗、つい快く答えてしまう。

「おぉ、月生徒会長としてはとてもよい質問だな。なら、その質問にこの私が直々に答えてやろう。それはな、静真高校にだよ!!お前たち、静真高校の生徒たちは勝利を目指すため、日夜、勉強や部活、スポーツに打ち込むべきなのだ!!そして、そのあかつきにはすべての勝利を自分を育ててくれた静真にささげるべきなのである!!」

こう力説した木松悪斗。だが、このとき、月、ついに、木松悪斗に対し、

「木松悪斗様、本当にすごいですね~」

と、なぜかよいしょしてしまった。むろん、この月のよいしょに、木松悪斗、

「いやいや、まさか敵から褒められるなんて、なんか嬉しいものですな!!」

と、ついつい照れてしまう。どうやら、まさか突然の月からのよいしょに、木松悪斗、気をよくしてしまったみたいだった。

 そして、月、また、ついうっかり口を滑らせてしまう。

「でも、本当のところ、静真での生徒たちの手柄はすべて木松悪斗様のものになるのでしょう!!だって、木松悪斗様は静真の大スポンサーで、静真のなかで1番権力をお持ちの方なのですから・・・」

こんな月の言葉に、木松悪斗、つい本音が出てしまう。

「う~ん、たしかにその通りだ!!だって、この俺こそ静真の中で1番偉いんだから!!」

 だが、この瞬間、

バタンッ

と、会議室のドアが開くとすぐさまそのドアから1人の大男がずかずかと会議室の中に入り込む。

 しかし、木松悪斗、敵である月からよいしょをもらって嬉しかったのか、そのことすら気づかず、ついべらべら自分の本心をしゃべってしまう。

「この俺こそ静真の中で1番偉いんだ!!なぜなら、静真に1番投資しているのは、この俺、木松悪斗、だからな!!企業において1番株を持っている者が大きな力を持つのと同様に静真においてはこの俺が1番投資している。だからこそ、静真においてはこの俺が1番偉いんだ!!」

 だが、有頂天になっていた木松悪斗の態度がここにきて一変する。なんと、突然、

「へぇ~、静真で1番偉いのは、木松悪斗、なんだ~、このわしを差し置いて・・・」

という声が聞こえてきた。これには、木松悪斗、

「はい、そうなんです・・・、って・・・」

と、なにかに気づいたみたいだった。そして、木松悪斗、その声がする方、ドア側に立っていた運営会社側を見て絶句する。なぜなら・・・、

「ぬ、沼田殿・・・」

そう、そこにいたのは・・・静真の創立家の末裔であり、日本有数の大企業「沼田グループ」の総帥であり、木松悪斗が唯一頭があがらない相手、なおかつ、静真において、いや、沼津の経済界において本当に木松悪斗より権力をもっている、あの沼田であった。なんと、沼田、大男にも関わらず会議室のドアノブを繊細に「ガチャガチャ」と回すことで運営会社の会長にだけ自分が来たことを知らせるとともに、誰にも気づかれずに、それでもずかずかと会議室に入ることに成功したのだった。なのだが、そのドアノブの音がまさか月にも気づかれたことは予想外であった、が、その音に気づいた月の機転と沼田搭乗までの時間を稼ぐことについては、月、グッジョブである。

 そんなわけで、突然の沼田の登場で絶句している木松悪斗に対しなぜ沼田がここに来たのか、運営会社の会長、その理由を教えてくれた。

「実はな、木松悪斗様が直接こちらに来られる、と、いうことで、脅迫めいたものを言ってくるに違いない、そうなってしまうとこちら側としても公平な判断ができなくなる、と、思いまして、木松悪斗様が唯一頭があがらない、プラス、静真の関係者、というわけで、沼田殿を呼んだ、と、いうわけです」

 で、この運営会社の会長の言葉に、月、おもわず、

(運営会社の会長さん、グッジョブ、です・・・)

と、運営会社の会長のファインプレーに感謝の意をあらわした。

 そんなわけで、突然の沼田の登場によりおどおどする木松悪斗、それに追い打ちをかけるがごとく、沼田、木松悪斗にあることを言った。

「ところで、先ほど、静真での手柄はすべて木松悪斗のものになる、って、言っていたよね。それはどういうことですか、木松悪斗君!!」

このときの沼田の口調はまるでエンマ大王そのもの、とてもおぞましいものだった。なので、木松悪斗、おどおどしつつも、

「え~、そんなこと、言っておりませんが・・・」

と、弱弱しく否定するも、沼田、

「はぁ、このわしの聞き間違いとでも言いたいのか!!ちゃんとこの耳で聞いていたぞ!!とぼけるのもいい加減にしろ!!」

と、木松悪斗に対し激怒。これにはさすがの木松悪斗も、

「しゅん・・・」

と、小さくなるしかなかった。

 で、そんな木松悪斗とのやり取りのあと、沼田は月に対してこう言った。

「月生徒会長よ、先ほどの行動、よいフォローであった。まさか木松悪斗の本心が聞けるとはな。この俺からお礼を言おう、ありがとう」

この沼田のお礼に、月、

「いや~、たまたまですよ~」

と、謙遜してしまった。

 そして、沼田、木松悪斗の方を向いてはエンマ大王みたいな顔になってまるで天国か地獄かの判決を下すがごとく断罪する。

「さて、木松悪斗の暴言の数々、あと、この(運営会社の)会長に対する脅迫めいた言動、それについてはあとで処罰を加えるとして・・・」

どうやら、木松悪斗の「静真のものは俺のもの」発言?、それに、運営会社とその会長に対する脅迫の数々はこそこそ会議室に入ってきた?沼田の耳に入っていたらしく、木松悪斗、ついに沼田から断罪予告を出されてしまった。これには、木松悪斗、

「う・・・」

と、下を向いてうなだれるしかなかった。

 しかし、沼田の言葉はまだ続いていた。沼田、月と木松悪斗、その両方を見ると、

「それでは本題に入ろう」

と、言ってはとんでもないことを言いだしてきた。

「わしがここに来た理由、それは、月生徒会長の屋上使用申請を受理するか却下するか、その判断をするためだ!!」

で、この沼田の言葉に、月側、木松悪斗側、全員、

「え~!!」

と、驚いてしまった。

 と、ここで運営会社の会長がことのあらましを語った。

「実はな、もしかすると、このわし(運営会社の会長)をもってしてもこの申請を受理するかどうか公平に審査できないかもしれない、と、思ったのだ。なぜなら、木松悪斗様が力ずくでも申請却下に持ち込もうとするかもしれないからだ。だから、ここはお二人と同じ静真の関係者でこの沼津において唯一この件で公平にジャッジできる沼田殿にこの件の審査をお願いしたまでじゃ」

たしかにその通りである。今さっきまで運営会社の会長を脅迫するくらい木松悪斗は力ずくで月の申請を却下させようとしていた。でも、木松悪斗より権力のある沼田であればそんな脅迫なんて通じない、公平にジャッジできる、そう踏んでいたのだ、運営会社の会長は・・・。

 そんなわけで、沼田、突然、月の申請の受理についての判断基準について説明を始めた。

「さて、2人とも、これから、このわし、沼田、がある質問をする。その答えを2人とも理由をつけて答えよ!!そして、2人の出した答えのなかで、この俺、沼田、が「ずばり、その通り!!」と思った答えを出した方、それを勝者とする。もし、それが月生徒会長の答えであれば月生徒会長の屋上使用申請を受理、木松悪斗の答えならその申請は却下される。いいな!!」

これには、月、木松悪斗、両者とも、

(なんてシンプルな判断基準なんだ・・・。こりゃ、中途半端な答えを出すことなんてできないよ・・・)(月)

(ふんっ!!なんて簡単なものなんだ!!こんなもの、簡単に勝利してやる!!)(木松悪斗)

と、それぞれの心意気をみせていた。

 そして、沼田、ついに運命の質問を2人に出した。それは・・・。

「それじゃ、2人に質問じゃ!!これは簡単な質問じゃ。あまり固く考えるなよ!!それじゃ、いくぞ!!静真は部活動が盛んな高校じゃ。そんな静真においてとても大切なことを2人に尋ねたい。さて、2人に問う、

 

「部活動とは何か」「部活動をする上で一番大切なものとはなにか」

 

2人とも答えよ!!」

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