「終わった・・・」
夕方6時、ナギからの依頼でとり急ぎ静真の生徒会室に戻ってきた月、ナギたちの手伝いがようやく終わった・・・ということで机の上に倒れこんでしまった。これには、ナギ、
「月生徒会長、本当に助かりました。ありがとうございました」
と、月にお礼を言った。
そして、月は顔をあげると隣にいる人たちにこんなことを言った。
「ルビィちゃん、曜ちゃん、そして、ダイヤさん、手伝ってくれてありがとうございました」
そう、月のあとを追った、ルビィ、曜、ダイヤも生徒会室に入るなりナギたちの手伝いをしていたのだ。そんなわけで、手伝ってくれたお礼を月が言うと、3人から、
「別に大丈夫だよ!!」(ルビィ)
「困ったときはお互い様だよ!!」(曜)
「そんなにかしこまなくてもいいですよ」(ダイヤ)
と、そこまで低姿勢にならないようにと月に言う。
だが、月、このとき、あることについて後悔していた。
「しかし、この様子だと、僕たち、負けちゃったのかな・・・」
おす、今さっきまで「ラグーン」の会議室で行われた月と木松悪斗の対決のことである。月からしたらあまり自信のない答え、対して、木松悪斗からしたら自信たっぷりの答え、どっちが勝つかは一目瞭然、と、月はこのとき思っていた。
そんなときだった。突然、月のスマホから、
ツルル ツルル
という呼び出し音が鳴る。これには、月、
「はいっ、渡辺月ですが・・・」
と、自分のスマホを取り出しかかってきた電話に出る。すると、突然、月のスマホから、
「マリーで~す!!月のテレフォンですか?」
と、鞠莉の大きな声がこだました。これには、月、
「あっ、鞠莉さん!!ところで、結果はどうでしたか?」
と、さっそく、月と木松悪斗の対決の行方を鞠莉に尋ねる。
すると、鞠莉から信じられない言葉が飛び出してきた。
「勝負の行方は・・・、Big Win、大勝利、ですね!!マリーたち、Aqoursの大勝利で~す!!」
この鞠莉の言葉を聞いた瞬間、生徒会室から、
「ヤッター!!」
という声がこだました。そう、あの木松悪斗から大勝利をもぎ取ったのだ。それは、あの木松悪斗という大敵を討ち果たした瞬間でもあった。そのため、たった1人を除くこの生徒会室にいる全員、歓喜に満ちた大声をあげたのだった。
が、たった1人だけ唖然となっていた。
「「楽しむこと」、ただそれだけを言っただけなのに・・・」
そう、月だった。とても自信がなく、ただその場の話の流れで言った答え、「楽しむこと」、それなのに、まさかそれによってあの木松悪斗という大敵を討ち果たすことができるなんて思ってもいなかったからだった。そのため、あまりの衝撃的なことだったためにただただ唖然となるしかなかったのだ、月が・・・。
こうして、月とナギたち静真高校生徒会、そして、Aqoursの長い1日は終わった・・・、あの大敵である木松悪斗との勝負に打ち勝つことができた、その喜びと、それがたんなるその場の話の流れの中で言った答えによるものであることにただただ唖然となる月を残して・・・。