ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Moon Cradle 第7部後編 第23話

 そして、ついに、Aqours、ラストライブ・ステージ、が始まった。曲はもちろん、「Brightest Melody」!!

トゥートゥートゥ トゥトゥトゥ トゥトゥ トゥトゥー トゥートゥ トゥトゥ

曲が始まったとたん、

(さぁ、私たちの最後のステージが始まりますわ!!)(ダイヤ)

(マリーたちにとって、最高で、最後のステージ、みせてあげるので~す!!!)(鞠莉)

(鞠莉の言う通り!!私たち、初代Aqoursにとって本当に最後のステージ、だもんね!!だからね、鞠莉、ダイヤ、悔いが残らないよう、とても楽しいステージにしようね!!)(果南)

と、最後のステージ、ということで、最初から全力でもってこのライブ・ステージを楽しもうとしている3年生の3人、さらには・・・、

(たとえ最後のステージだとしても寂しくないずら!!だって、これまでやってきたこと、すべてが宝物になって心の中にずっとあるずら!!その宝物を通じてずっとつながっていけるずら!!だから、前に進むずら!!)(花丸)

(これまでやってきたものすべてが、今、トレジャー(宝物)になった!!もう寂しくなんてない!!だからこそ、このヨハネ、ここに誓うぞ、絶対に楽しい、想い出に残る、そんなステージにするぞ!!)(ヨハネ)

(理亜ちゃんたちはあんなにすごいステージをみせてくれた!!なら、ルビィたいtもそれに応えないとね!!ルビィ、Aqoursとしてやってきたこと、それが大事な宝物となっていったこと、その宝物を通じてずっとみんなとつながっていくことをあのイタリアの旅を通じて知ったよ!!そのことを理亜ちゃんにちゃんと伝えないと!!そのためにも、ルビィ、絶対に楽しい、これまでの中で一番の、いや、史上最高のステージにするつもりだよ!!だからね、ルビィ、一生懸命、ガンバルビィ、しちゃうからね!!)(ルビィ)

と、1年は「ブラメモ」を通じて、理亜に、みんなに伝えたいこと、今まで積み重ねたものその輝きをもって未来へと進もうとすること、それを体いっぱいに表現したい、楽しみながら伝えたい、そんな気持ちになっていった。

 そして、2年も・・・、

(これは千歌ちゃんと私がこのときのために作った曲、そして、Aqours9人としての本当に最後の曲。けれど、この最後のステージもきっととても大事な輝きとなって宝物として私たちの心のなかでしっかり残ってくれるはず!!だからこそ言える、私、最後の最後まで一生懸命輝きたい!!自分と千歌ちゃんが一生懸命に作ったこの曲を最後の最後まで楽しんでいきたい!!)(梨子)

(私はこの「ブラメモ」の衣装を作ったとき、対Saint Snow用に作ったはずだった。けれど、今、それが、Saint Snowとの本気の勝負以上に、自分たちの旅立ちを指し示す、そんな衣装になった!!それもこれも月ちゃんのおかげ!!だから言える、私たちはこの曲をもってAqours9人の活動を終える。けれど、それは終わりじゃない!!始まりなんだ!!今までの想い、想い出、キズナ、そんな宝物の輝きでもって新しい道へと踏み出す!!そのためにも、この衣装とともに絶対にこのステージをめいいっぱい楽しんでやる!!)(曜)

(最初、Aqoursは私1人だけだった・・・。たった1人から、「0(ゼロ)」からはじめた。それが今は、曜ちゃん、梨子ちゃん、ルビィちゃん、花丸ちゃん、善子ちゃん、果南ちゃん、鞠莉ちゃん、ダイヤちゃん、そして、私、9人になった。最初は私はμ'sの輝きを追い求めようとしていた。けれど、今は、私たちだけの、とても大きな宝物という輝きを得ることができた!!それもこれも、このメンバー9人のおかげ!!ううん、この千歌に関わったみんなのおかげ!!だからね、みんな、ありがとう!!私の夢を叶えてくれてありがとう!!そして、今、私たちはみんなから得た宝物の輝きをもって先に進もうとしている。ならば、今、できることは1つだけ!!最後の最後まで、この9人でやってきたことすべてを、このステージに賭ける!!いや、最後の最後まであがいてみせる、楽しんでやる、この9人こそ、私にとって最高のパートナーだって証明させてやるんだって!!)(千歌)

と、自分の想いをこのライブ、ステージに全力をぶつけていた。

 そんなこともあり、

(えっ、Aqoursも最初から、全力、フルスピードを出すわけ!!)

と、月が驚くほど、あのSaint Snowに負けないくらいのド迫力のステージをAqoursはみせていた。で、あるが、月、

(でも、たしかに全力は全力だけど、Aqoursのみんなの表情、なんか笑っているようにみえる・・・。Saint Snowみたいに本気でとても真剣にパフォーマンスをしている。けれど、それ以上に、この戦いを心の底から楽しんでいる・・・、みんな、笑っている・・・)

と、AqoursメンバーもSaint Snowと同じ、本気で真剣になりつつも笑顔でもってこの戦いを心の底から楽しんでいることにびっくりしていた。そのためか、月、あることで悩んでしまう。

(Saint SnowもAqoursも全力投球で本気の真剣勝負・・・、なのに、なんで、この戦いを楽しんでいるの?勝負事ってそんなに楽しいものなの?本当にそうなの?)

そう、月にとってみても、あの木松悪斗と同じ、「勝負というのは勝ちにいくものだ。そのためには勝つために真面目にやることが大切」、だと思っていた。が、今、Saint SnowとAqours、その真剣勝負、そんなときなのに、2組とも笑っている、戦いを心の底から楽しんでいる、そんな感じがしていた。これには、月、これまで経験したことがないためか、とても困惑していた。そんなわけで、月、

(戦いを楽しむ・・・、心の底から楽しんでいる・・・、それっていったいどうなの!?)

と、なにがなんだかわからなくなってしまった。

 が、そんなときだった。

(月ちゃん・・・、月ちゃん・・・)

と、月の心の中にある少女の声が響き渡る。この声に、月、

(あっ、この声って、ルビィちゃん!!)

と、すぐに反応する。すると、月がルビィとよんでいる声の主はすぐに反応した

(うん、そうだよ!!ルビィだよ!!)

なんと、月の心の中に響き渡っていた声の主はルビィだった!!

 そのルビィであるが、月に対しこんなことを言いだしてきた。

(月ちゃん、月ちゃんのおかげで、ルビィ、今、とても楽しいよ!!)

これには、月、

(えっ、今、楽しいの!?今、Saint Snowとの真剣勝負、その真っ最中、だよね?)

と、びっくり!!しかし、ルビィは月に今の想いを口にした。

(たしかに今は理亜ちゃんたちとの真剣勝負のときだよ!!でもね、それ以上に、今、このとき、お姉ちゃんたちと、Aqoursのみんなと一緒に最後のライブを行っている、それ自体とても楽しく感じちゃっているんだよ!!いや、それ以上に、これまでルビィたちが積み上げてきたこと、その想い出、想い、キズナ、その宝物でもって、ルビィたちと同じく、聖良さんと一緒にこれまで積み上げたもの、その宝物を持つ理亜ちゃんと本気の全力の勝負ができること、それ自体、とても楽しく感じられているんだ!!)

 このルビィの想いに、月、

(えっ、なんで楽しく感じられちゃうの?)

と、ルビィにその想いについて問いかけてみる。すると、ルビィ、ひょんなことを言ってしまう。

(えっ、だって、ルビィたちと理亜ちゃんたち、それぞれ自分たちの実力を認め合った仲、だもん!!そんなお互いを認め合った2組が、今、ここで、真剣勝負をしている、これまで積み上げてきたもの、その宝物、そのすべてを賭けて、今、ここで、全力をもって勝負をしている、そんなもの、絶対に楽しいに間違いないよ!!)

 これには、月、

(えっ、互いを認め合った仲・・・?そんでもってその2組が、今、この場で真剣勝負をしている・・・、って、えっ、えっ・・・?)

と、思考が停止してしまう。

 突然の思考停止に陥った月、なのだが、ルビィ、そんな月に対しあることについてお礼を言ってしまう。

(月ちゃん、ルビィ、お姉ちゃんたちが卒業して間もないころ、お姉ちゃんたちは卒業した、またゼロに戻った、最初に戻った、そう錯覚してしまったんだよ!!そのために部活動報告会でのライブはぼろぼろ、不安・心配という深き海・沼に陥っちゃった!!でもね、月ちゃんのおかげでルビィの心の中にある宝物、その輝き、それを見つけることができたんだよ!!そして、今、その宝物の輝きでもって盟友である理亜ちゃんと本気の勝負をすることができる、そんな意味でも月ちゃんに感謝しているんだよ!!ありがとう、月ちゃん!!)

そう、ルビィを含めた(新生)Aqours1・2年はダイヤたち3年が卒業したことでその3年生がいないという喪失感ゆえに不安・心配の深き海・沼に陥ってしまった。が、イタリア旅行での月や鞠莉・果南の活躍でルビィたちはこれまで9人で築き上げてきた想い出、想い、キズナ、その宝物の存在、そして、その宝物はずっと心の中にあり、それを通じてずっとつながっている、そのことに気づいたのである。そして、今、その宝物の輝きによって、AqoursとSaint Snow、その2組が全力をもって戦っている、そのことができるようになったのも、月がルビィを生まれ変わらせた、その結果によるもの、だった。で、これには、月、

(いや~、それほどでも・・・)

と、ちょっと照れてしまう。

 が、ルビィの話は続く。

(でね、ルビィ、こう想うんだ・・・、こんな一生に一度しか味わえないようなこんな戦い、それ自体、楽しまきゃ損、だって!!)

これには、月、

(えっ、楽しむ・・・)

と、目が点になるも、ルビィ、そんな月に対して畳みかけるように話す。

(だって、ルビィたちがこれまでやってきたこと、楽しんだこと、嬉しかったこと、学んできたもの、ルビィたちの成長した心、いや、それだけじゃない、それらによって生まれたこれまでルビィたちが築いたもの、想い出、想い、キズナ、その宝物、そのすべてを賭けて、ルビィたちとおなじものを賭けている、そんな理亜ちゃんたちと全力で戦っている、それってとても素晴らしいことだよ!!すごいことだよ!!そんなもの、楽しまないことなんて絶対にない!!)

ルビィ、さらに、ダメ押しとばかりにこんなことまで言ってしまう。

(それにね、ルビィ、この1年を通じてあることを知ったんだ!!千歌ちゃんたちと、お姉ちゃんたちと一緒に、スクールアイドル、Aqours、をやってきてとても楽しかった!!とても嬉しかった!!でね、お姉ちゃんたちが卒業してしばらくのあいだはそのことを忘れていたけど、月ちゃんのおかげで、その楽しさ、嬉しさ、を思い出すことができた!!だからね、それを含めて、月ちゃん、ありがとう!!)

 このルビィからのお礼を聞いた、月、ふとあることを思う。

(ルビィちゃんは今を楽しんでいる・・・、この1年で曜ちゃんたちAqoursのみんなと一緒にやってきたこと、楽しんできたこと、嬉しかったこと、そんなものすべてを賭けて、いや、それだけじゃない、ルビィちゃんたちがそのなかで学んだもの、成長した心、そのすべて、そこから来る、これまでルビィちゃんたちが築き上げたもの、想い出、想い、キズナ、その宝物すらこの戦いに賭けている、自分たちが持つものすべてをこのSaint Snowとの戦いにつぎこんで戦っている、それどころか、その戦いそのものを楽しんでいる・・・)

そう、ルビィはこの1年で得たものすべて、この1年で千歌たちAqoursメンバーと一緒に楽しんだこと、嬉しかったこと、学んだこと、成長した心、それらによって生まれたこの1年でみんなと一緒に積み重ねたもの、その想い出、想い、キズナ、その宝物、そこから発せられる輝き、それらすべてをもってこの戦いに臨んでいた。その戦いの相手は、ルビィと同じく、聖良とのあいだでルビィたちと同じものを積み重ねた、築いた、その宝物を持つ、そんな理亜、そんな2人、お互いを認め合った2人、その同じ宝物を持った2人、いや、2組、だからこそ本気で全力をもって戦うことができる、戦いを楽しむことができる、のである、ルビィたちは・・・。

 これを踏まえたうえで、月はこうまとめてしまった。

(ルビィちゃんはこのスクールアイドル自体を、今、楽しんでいる。それは、今までルビィちゃんがやってきたこと、楽しいこと、嬉しいこと、それによって学んだこと、自分の心が成長したこと、そのすべてをもって、ルビィちゃんはこの9人とのとの大切な想い出、想い、キズナ、を築いていった。そして、それらは宝物としてずっとルビィちゃんたちの心の中に残っていく、ずっとつながっている。けれど、それはルビィちゃんたちだけではなかった。理亜ちゃんたち、Saint Snowも同じもの、同じ宝物を持っていた。そんな同じ宝物を持つ2組が、今、全力でもって本気で戦っている。同じ宝物を持っている、同じ楽しさを知っている、そんな2組だからこそ、ルビィちゃんたち、理亜ちゃんたちは、この戦いを心の底から楽しんでいたんだ・・・)

 そんななか、月、ふと、沼田のもう一つのヒントのことを思い出す。

「スクールアイドルというのは高校生ならだれでもなれるアイドルであり、それは部活と同じである」

この沼田のヒントを思い出した月、その瞬間、

ピカッ

と、ある結論が月の頭の中に浮かび上がった。それは・・・。

(あっ、もしかして、沼田のじっちゃんが言おうとしていたこと、それって・・・、

 

「スクールアイドル、いや、部活というのは、「楽しむことがすべて」

 

なんだ・・・。私たち学生は、学校を、部活を通じて、楽しいこと、嬉しいこと、いろんなことを経験していく、学んでいくんだ。そして、それは自分にとってとても大切な宝物、みんなとの想い出、想い、キズナへと昇華していく。その宝物はほかの人たちも持っている。そんな人たちと、お互いを認め合った者たちとその宝物を賭けて行う、本気の勝負、それって、その人たちにとってかけがいのないものになっていく、いや、その戦いそのものをお互い楽しむ、そんな戦いになっていく、そんな気がする・・・)

そう、月はついに沼田の言いたいこと?に気づいたみたいだった。そして、それは月の心とリンクしているルビィからも、

(月ちゃん、ルビィもそう思うよ!!いや、その想いこそ、とても大切なもの、なんだよ!!)

と、月のこの結論を追認していた。

 が、そんなときだった。

トゥトゥトゥトゥー トゥトゥトゥー

ダイヤのソロがもうすぐ終わる。曲はついにサビへと入っていく。そう、ついにあのシーンへと突入するのだ、月が必死に考えた必殺のあの演出のシーンに!!これには、月、

(あっ、もうすぐ、僕、渾身のアイデアのシーン、だ!!ルビィちゃん、そういうことなので、あとでね!!)

と、自分の心とリンクしているルビィにそう言うと、ルビィも、

(うん、そうだね!!それじゃ、月ちゃん、またね!!)

と、言って月との心のリンクを切ってしまった。

 その後、月はスタンバイ状態のあげはたちにこんな合図を送った。

(あげはちゃんたち、出番だよ!!)

これには、あげはたち、

(((ラジャー!!)))

と、月に了解の合図を送る。これを受けて、月、

(さぁ、ここからが、僕の、この渡辺月、渾身の演出だよ!!)

と思ってはその演出に向けて身構えた。

 そして、ついにそのときがきた!!

トゥトゥートゥトゥー

この音とともに月は少しずつAqoursを撮っている自分のスマホを上へと傾けていく。と、同時に、Aqoursも今までのフォーメーションから例のフォーメーション、右に3年、左に1年、そして、真ん中に2年、そんなフォーメーションへと変わろうとしていた。そんなときだった。月、

(今だよ!!みんな、上着を脱いで!!)

と、千歌、曜、梨子、ルビィ、花丸、ヨハネに合図を送る。これには6人とも、

(はいっ!!)

という心の掛け声とともに青い上着をさっと脱いだ!!本来なら青い上着は曲が終わるまでずっと着ていることを想定していたためそう簡単に脱ぐことができなかった。が、月が考えたこの演出のため、月はルビィたち衣装班に上着を加工してもらい、すぐに脱げるようにしてもらった。なので、当初とは違いルビィたちはすぐに上着を脱ぐことができたのだ。

 そんなルビィたちの上着の脱衣(パージ)と同時に月はあげはたちにも、

(あげはちゃんたち、今だよ!!)

と合図を送ると物陰に隠れていたあげはたちも、

(((はいっ!!)))

と、OKの合図を月に送ってはすぐに、それでも、誰にもぶつからずにAqoursのもとに駆け寄ると、

(はいっ、上着、回収!!)

と、Aqours1・2年が着ていた青の上着を・・・東子は千歌、曜の、シーナは梨子、花丸の、そして、あげはは・・・、

(ヨハネちゃん、ルビィちゃん、上着、もらうね!!2人とも頑張って!!)(あげは)

(あげはちゃん、ありがとう!!)(ルビィ)

(ふっ、当たり前のこと、言われなくてもわかるわ!!)(ヨハネ)

と、ルビィとヨハネに声援を送りつつ2人の上着を回収。すると、6人の上着を回収したあげはたち3人ともまた物陰に隠れてしまった。

 そして、あげはたち3人がAqours1・2年6人の上着を回収し終えた瞬間、

ツツツ ツツツ ツー

と、いう音とともに踊っているAqoursのバックに映っている沼津の市街地や山々からお日さまが姿を現した!!これには、月、

(さぁ、ここがこの曲最大の見せ場、だよ!!)

と、Aqoursを撮影していたスマホのカメラをお日さまの方にズーム、したかと思ったら、すぐにズームアウトする。すると、そこに映っていたのは、青い衣装のままのダイヤたち3年、そして、白い、いや、今にも新しい世界へと旅立とうとしている千歌たち1・2年、そんなAqoursの姿があった。

 この瞬間、自分のスマホでこのカメラ演出を見ていた沼田、

(な、なんだ、このカメラ演出は!!ま、まるで、新しい輝きとともに新しい世界へとAqoursが飛び立とうとしている、そんな感じがしたぞ!!こんなカメラ演出、見たことないぞ!!す、すご過ぎじゃ・・・)

と、あまりの凄すぎる、いや、とても感動的なカメラ演出にびっくりしてしまう。そう、このとき、月はこう思った。

(沼田のじっちゃん、たしかにその通りだよ!!これが僕が考えた渾身の演出、これからのAqoursを現した、そんな演出だよ!!)

そう、月は沼田が指摘したことを意識してこのカメラ演出を考えたのである。お日さま、それは、Aqoursメンバーにとって自分たちがAqoursというものを通じて得た経験、その想い出、想い、キズナ、その宝物、そこから放たれる新しい輝き、そのものであった。それはAqoursメンバーが愛する沼津の街並みを輝かせる、と、同時に、千歌たちAqours1・2年は青い上着に象徴されたこれまでの自分たちという古い殻を脱ぎ捨て、白い衣装、新しい翼で大空へと羽ばたこうとしている、その表現をこのカメラ演出で表現しようとしていたのである。ちなみに、あげはたちであるが、千歌たちが青い上着を脱いでそのままにしていたり放り投げたとしてもそのあとでパフォーマンスしているAqoursメンバーの邪魔になることは目にみえていた。そのため、パフォーマンスしているAqoursの撮っているカメラ(月のスマホ)が上を向いている少しのあいだ、急いで千歌たちが脱ぎ捨てた上着を回収する、という重要な役目を担っていた。が、「カメラを上を向いている=Aqoursが映っていない」、その時間は数秒しかなかったため、すぐに青い上着を回収しないといけなかったのだが、このときもAqoursはフォーメーションを変更するために動いている、なので、Aqoursメンバーとあげはたち3人がぶつからないようにしないといけない、そのために、このシーンの練習ではそこを重点的に行っていたのである。そして、本番では、あげはたち3人はAqoursにぶつかることなく青い上着を回収するという重責を全うできたのである。まさに、Aqoursメンバー、あげはたち3人のあうんの呼吸、とはこのことを示していた。それくらい、Aqoursメンバーとあげはたちの練習は実を結んだ、ともいえた。そんなわけで、大役を果たしたあげはたち3人に対し、月、

(グッジョブ!!)

と、お礼を言うと、大任を果たして疲れてしまったあげはたち3人からも、

(あ、ありがとうございます!!)

と、月にお礼を言ったのである。

 こうして、月、最大の、そして、とても感動的なカメラ演出は終え、曲は次々と進む。お日さまという新しい輝きをバックに青い衣装のダイヤたち3年、白い衣装の千歌たちあ・2年は優雅に踊っている。それはまるで、新しい輝きのもと、新しい世界へと旅立とうとしている鳥たち、のようだった。これには、月、

(僕、優雅に踊るAqoursの姿を見ると、本当にプロデューサーをやってよかった、と思うよ!!だって、この曲、最初から最後までこの僕が関わっているんだからね!!)

と、つい考えてしまう。と、同時に、こんな想いも月のなかで生まれてくる。

(そう考えると、僕、このとき、この時間がとても楽しく思えてくるよ・・・)

そう、ついに月の心のなかに「楽しい」という思いが生まれてきたのだ。そして、その瞬間、

(あれっ、僕、つい、「楽しい」、と思っちゃった・・・)

と、この2か月のあいだ、感じたことがない感情、「楽しい」、が自分の心のなかに芽生えたことを知る、と、同時に、

(でも、僕からしたら、この「楽しい」という感情、なんか温かく感じちゃうよ・・・)

と、この「楽しい」という感情に心温かくなるものを感じていた。

 そして、曲はついにクライマックスへ・・・。

トゥートゥー トゥトゥトゥ トゥートゥー

の最後の曲調に差し掛かると、月の心のなかで、

(ついにAqoursのステージが、ラストステージが終わる・・・、そう思うと、僕、曜ちゃんたちAqoursやよいつむトリオ、あげはちゃんたち、みんなと一緒に一大プロジェクトをついにやり遂げることができた、やったー!!、そんな想いになってきちゃったよ!!あぁ、とても嬉しいよ!!)

と、Aqours、よいつむトリオ、あげはたちと一緒に一大プロジェクトを成し遂げることができた、そのことへの嬉しさを爆発させていた。さらに、月、

(そして、このみんなとのひと時を一緒に楽しむことができた、それには誇りに思えるよ・・・)

と、このプロジェクトをみんなと一緒に楽しむことができたことに嬉しさを感じていた。

 そして、月、ついに、ある想い、月にとってとても大切な想い、それが月のなかで浮かんできた。

(みんなと一緒に楽しむ、それって部活にもいえるかもしれない。だって、AqoursもSaint Snowもこの戦いを心の底から楽しんでいた、いや、この戦いに関わった者すべてがこの戦いに至るまでの時間そのものをみんあと一緒に楽しんでいた。みんな一緒に楽しむことこそ自分たち高校生には大事なのかもしれない。そして、スクールアイドルは沼田のじっちゃんの言う通り部活みたいなものなのかもしれない。そう考えると、僕、こう思ってきたよ。

 

部活とはみんなと一緒に楽しむこと!!みんな一緒にいろんなことをやって楽しむことでいろんなことを学び経験していく、その経験、その過程こそ一番大事なんだ!!

 

とね!!そして・・・、

 

その結果がこのAqoursとSaint Snowの直接対決、ラブライブ!決勝延長戦、なんだ!!あの部活動報告会での新生Aqoursのライブ失敗以降、僕たちはいろんなことをやってきた。そのなかで僕とAqoursはそれをやる上で知らないうちにそれを心の底から楽しんでいたんだ。そして、そこから僕たちはいろんなことを学びいろんなことを経験していった。いや、僕たちだけじゃない!!この戦いに関わる者すべてがこの延長戦に至るまでにいろんな経験をしそれを楽しんできた。だからこそ、言える、この延長戦、全力で、本気の戦い、だけど、自分を含めて、この戦いに関わった者すべてがこの戦いを心の底から楽しむことができたんだ!!

 

そう言えるのかもしれないね!!)

そう月が思った瞬間、月の表情はこの戦いにかける鋭い表情から、すべてを理解した、そんな穏やかな表情へと変わっていった。この月の表情の変化に、沼田、

(おぉ、ついに月生徒会長も私の問いの答えにたどり着いたんだな!!)

と、月がついに自分の問いの答えにたどり着いたことを悟った。

 と、同時に、沼田、

(ふ~、あまりに鈍感な月製会長もようやく、って感じだな!!でも、自分でそのことに気づいたことは、あっぱれ、じゃ!!でも、もし、あの場面で私が言ったことを月生徒会長が聞いていたらどうなったじゃろうかな?そう、あのとき・・・、月生徒会長と木松悪斗、ここ「ラグーン」屋上の使用申請の受理をめぐる、あの会議室での戦いのときにな・・・)

と、ようやく自分の問いの答えにたどり着いたとはいえ、自分の力でその答えにたどり着くことができた月のことを褒めつつも、あの時の出来事、そう、月と木松悪斗の「ラグーン」屋上の使用申請受理をめぐる、あの戦いのことを沼田は思いだしていた。

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