ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Moon Cradle 第7部後編 第24話

「楽しむこと」「みんなと一緒に楽しむこと」

そう月が沼田の問いの答えを(一緒に来ていたルビィ、曜、ダイヤ、鞠莉とのイタリア旅行の話の流れで無意識に)言ったあと、静真高校生徒会副会長のナギからの突然の呼び出し電話により月は、ルビィ、曜、ダイヤを連れて会議室をあとにした、鞠莉を置いて・・・。

 で、月が去った後、審判者である沼田、この会議室での議題、「ラグーン」屋上の使用申請受理について、その判断基準となる沼田の問い、「部活動とはなにか」「部活動をする上で一番大事なこととは」、それを使用申請を受理してもらいたい月側、使用申請を却下してもらいたい木松悪斗側、その両方の答えを参考したうえでその使用申請受理に対する最終決断を下すことにした。ちなみに、「部活動とは楽しむこと」という答えを出した月に対し木松悪斗は「部活とは勝利こそすべて」という答えを出していた。

 そして、ついに、沼田、その最終決断をすると、大きな声で自分が下した決断を言った!!

「それじゃ、判定を下す!!勝者は・・・、月生徒会長、とする!!「ラグーン」屋上の使用申請を受理する!!」

この沼田の言葉に、月側で唯一残っていた鞠莉からは、

「オー!!グレート!!」

と、大きな喜びを示すとともに小さくガッツポーズをした。

 が、この沼田の決断に納得いかない者が・・・。

「沼田殿、どうしてですか!!こちら側はしっかりとした答えを出したじゃありませんか!!足して、月生徒会長の答えはただ話の流れで言った答え!!俺からしたら納得いきません!!」

そう、木松悪斗である。自分の考えを堂々と言ったにもかかわらず、つい話の流れで答えを言ってしまった月に負けてしまった、いや、自分の答えこそ一番正しいのだ、そう主張したいみたいだった、木松悪斗は・・・。そのためか、

ドシドシ

と地響きを鳴らしながら沼田に詰め寄る、いや、脅しをかけていた。

 が、そんな脅しなんて百戦錬磨の沼田にとって別に大したことではない、逆に、

「このたわけが!!そんな薄っぺらな脅しなんてこのわしには効かぬわ!!」

と、なぜか隠し持っていた扇子で木松悪斗を叩くと、沼田、その木松悪斗をそのまま、

ぐわんっ、

と、合気道技で、裏美、旺夏のところまで大きく飛ばしてしまった。これには、裏美、旺夏、ともに、

「大丈夫ですか、ご主人様!!」(裏美)

「お父様、大丈夫ですか?」(旺夏)

と、沼田に投げ飛ばされた木松悪斗のことを心配する。

 が、沼田、そんな木松悪斗なんて気にせず、この問いに関する自分の考えを語り始めた。

「なぜ、私の問い、「部活動とはなにか」「部活動をする上で一番大事なこととは」、その答えに、月生徒会長の答え、「楽しむこと」、それを選んだのか、それはな・・・、部活・・・、いや、すべてにおいて、木松悪斗の考え、「勝利こそすべて」、それがとても危険な考えであること、それに、部活動においてとても大切なことを忘れている、そう思ったからじゃよ」

 ところが、この沼田の言葉に、木松悪斗、つかさず反論!!

「ほう~、私の答えが危険なものなのですか。これほど今の世の中にとってとても大切な考えだと思えるのですがね・・・」

 だが、この木松悪斗の反論を受けてか、沼田、あることを話し始めた。

「まぁ、木松悪斗の反論も正しいのかもしれないな。なぜなら、私たちが知る歴史そのものが、「勝者の歴史」、そのものなんだからな!!」

これには、木松悪斗、

「たしかにそうだな!!」

と、相槌を打つ。

 が、沼田、この木松悪斗の行動は無視しつつ話を進める。

「歴史を英語に訳すると「history」なのだが、その言葉をバラバラにすると、「his+story」、つまり、「彼の物語」となる。その彼とは誰なのか?それはな、勝者、である。なぜなら、今、わしらに伝えられている過去の歴史とは勝者側がまとめた勝者によって都合のいい歴史物語であることが大きかったりするものだからな!!」

このとき、沼田はこう思っていた。

(今、自分たちが知っている歴史、近現代を除けば勝者によってまとめられた勝者にとって都合のいい書物によるものが大きかったりする。たとえば、裏切り者として後世に伝えられている明智光秀のようにな・・・)

そう、歴史というのは勝者側にとって都合といいものが大きかったりする、というよりも、敗者側の本当の歴史が書かれた書物があまり残っておらず、逆に、勝者側中心の歴史が書かれた書物が多かったりすることでそんなことが起きた、とも考えられる。むろん、それが意図的かどうかはさておいて、今、私たちが知っている歴史はどうしても勝者側に偏っている、としかいえないかもしれない。たとえば、沼田の言う通り、裏切り者として有名な明智光秀であるが、彼が治めていた国では名君として誉れ高かったりする。が、それを証明するものは少なく、多くの書物でどうしても「裏切り者」というレッテルを貼られているため、今を生きる自分たちも光秀のことを裏切り者として認識してしまっていたりする。ほかにも、宮本武蔵と戦った佐々木小次郎(若いというイメージがあるが一説によるとお爺ちゃんであるといわれている)という敗者の詳しいこと、さらには、大化の改新で中大兄王子(天智天皇)らによって討たれた蘇我蝦夷・入鹿親子、古代ローマの暴君ネロが本当に悪者だったのか、それを知るすべは今はないため、その者たちがどういう者だったのかは当時の書物や伝記をもとに推測するしかない。が、その書物や伝記も勝者側によって、もしくは、勝者側に有利になるように書かれたものであったら、本当のことすら知ることができないかもしれない。それほど、自分たちが知る歴史というのは「勝者の歴史」と言えるのかもしれない。(ただ、現在において、これまで見つかっていなかった敗者側のことが書かれている書物などが見つかってきている。それにより私たちの歴史そのものが変わってしまうことが起きるかもしれない、そのことも記しておこう)

 で、この沼田の言葉に、木松悪斗、

「ほらね!!やっぱり、私が言うことが一番正しいのですよ!!」

と、自分の考え、「勝利こそすべて」、それが正しいことをこの会議室にいるみんなに大声で言うも、沼田、これには、

「おいっ、木松悪斗、わしの話はまだ終わっていないぞ!!」

と、木松悪斗に対して一喝すると、さすがの木松悪斗も、

「はい・・・」

と、またもやしゅんとなってしまった。

 このあと、すぐに沼田は自分の話に戻る。

「けれど、たとえそうだとしても、勝利のみを追い求めること自体とても危険なことなのじゃ!!」

この沼田の発言に木松悪斗以外の会議室にいる者すべて、

(えっ!!)

と、驚いてしまう。それを目撃した沼田はその発言について自分の考えを述べた。

「と、いっても、このわしが考える「勝利」であるが、「勝利」といってもわしからすれば、大きく分けて2つの、まったく意味が異なっている、2つの「勝利」がある、とわしはそう考えておる。1つ目は「意味をもつ勝利」そして、もう1つは「それ以外の勝利」じゃ!!」

この沼田の考えにここにいる者すべて「?」とハテナを頭の上に浮かべてしまった。

 だが、それを見越してのことか、沼田、自分のなかにあるある考えを披露した。

「で、今、木松悪斗が言っている「勝利」、それこそ、2つの意味をもつ「勝利」のうちの1つ、「それ以外の勝利」なのじゃ!!」

が、これには、木松悪斗、すぐに反論!!

「沼田殿、そのどこが「それ以外の勝利」といえるのですか!!勝利することで自分たちの希望が叶うのですよ!!勝利し続けることが俺たちが生き続ける、歴史に残る上でもとても重要なことなんですよ!!」

 だが、沼田、その木松悪斗の反論を言い返した。

「木松悪斗、それこそが「それ以外の勝利」につながるのじゃぞ!!」

これには、木松悪斗、突然の沼田の反撃に、

「ぐぐぐ・・・」

と、黙るしかなかった。

 そして、沼田は「それ以外の勝利」について持論を展開した。

「その「それ以外の勝利」とはな、「ただ相手を徹底的に潰すため、自分、もしくは自分たちの自己利益のためだけ、そして、敗者、特に弱者のことなんて心配せずただ自分たちのためだけに、ただそれだけのためだけに、勝つことのみを信条にし、敗者・弱者を排除しながら勝利のみを邁進する」、そんな勝利のことを言うのじゃ!!」

この沼田の言葉に、一瞬、(木松悪斗を除く)ここにいるみな、つばを飲み込む。(木松悪斗以外の)ここにいるみな、沼田の言葉に一喜一憂してしまっている、そんな感じがまわりから湧き出しているようだった。

 だが、沼田の持論は続く。

「そして、なぜ、「それ以外の勝利」が危険だというと、それにより、わしたち人類が滅亡してしまう、それくらい危険なものだからだ!!」

沼田、こう言うと、会議室にあったホワイトボードをもってきてはなにやらなにかを書こうとしているのか、マジックを用意しては自分の話を続けた。

「そして、危険だといえる理由なのじゃが・・・」

この言葉の後、沼田、持っていたマジックでもってホワイトボードに以下の3つの言葉を書いた。それは・・・。

①「それ以外の勝利」により、敗者・弱者が排除されることになったり新たなる争いの火種になりかねない!!それどころか、それにより人類滅亡につながる可能性もある。

②「それ以外の勝利」により勝者そのものに残酷な運命が訪れることがある。場合によっては自滅することもある

③「それ以外の勝利」を追い求めるあまり、とても大事なことを知る機会を失ってしまうことがある。

 この3つの言葉をもとに、沼田、

「では、これらについて、1つずつ話をしていこう」

と、言うと、沼田の説明がついに始まった・・・。

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