ことは1年前に遡る。あつこのところに聖良が来ていた。そのとき、突然、聖良があつこに対し、
「あつこ、理亜が聖女に入学したらついにあれを実行しようと考えております!!」
と言うと、あつこ、
「えっ、それってもしかして?」
と聖良に尋ねると、聖良、あつこに対しこう宣言した。
「そうです!!ついに実行に移します!!妹と、理亜と、一緒に、スクールアイドルをやります!!そして、ラブライブ!優勝します!!こ」
この聖良の宣言に、あつこ、
「あっ、理亜さんと一緒にスクールアイドルをついに始めるのですね!!聖良さんの夢だったスクールアイドルですね!!私、とても楽しみです!!」
と、喜びに満ちた声をあげた。これには、聖良、
「まぁ、あつこは別に驚くわけでもありませんですしね。ただ、私の周りの人たちにスクールアイドルを始めることを言うとみんな驚くのですがね」
と、ちょっとした事実を話すと、あつこ、そんな聖良に対し、
「まぁ、私は聖良さんからそんなことを言われても驚きませんよ!!だって、聖良さん、昔から私の前で言っていたじゃありませんか、「私、スクールアイドルになります」って!!」
と言うと聖良も、
「あぁ、たしかにそうでしたね」
と、あつこの言葉に同意する。
聖良は数年前にモニターの画面に映るステージ上でパフォーマンスををしていたA-RISEやμ'sの姿を見て、自分も妹の理亜と一緒にスクールアイドルをやりたい、そう思うようになっていった。
そして、聖なる雪が降る日、妹の理亜と一緒に、同じ高校に入りスクールアイドルになる、ことを聖なる雪に誓ったのである。で、その誓いの場にあつこは証人として2人の前に立っていた。
けれど、なぜあつこは2人の誓いの証人いなったのか。それは聖良がその誓いを立てる前、聖良があつこに対しこう言ったからだった。
「私、理亜と一緒にスクールアイドルになってラブライブ!で優勝します!!」
この聖良の発言にあつこも、
「聖良さんがそういうのなら、今は自分のことで精一杯だからそこまで力になれないけれど、いつかはきっと聖良さんと理亜さんの2人を全力でサポートしてあげるからね!!」
と、いつの日か聖良と理亜の2人をサポートすることを誓ったのだ。ただ、そのあつこの誓いはあることがきっかけで果たされることになるのだが・・・。
とはいえ、聖良とあつこはついにあることを実行することを決めた、あの計画を・・・。
そして、ほどなくして理亜が聖良とあつこが通う聖女に入学することになった。ついに聖良と理亜の夢が動きだすときが来たのである。そのスタートの号令があの聖良の宣言によって打ち鳴らされたのである。
むろん、聖良とあつこ、そして、理亜の3人はその計画の下準備をすでに終わっていた。あつこはこれまで聖良と理亜の夢を叶えるためにいろいろと準備をしてきた。聖良と理亜がこれから行うスクールアイドルに向けての練習プログラムの作成、スクールアイドルとして聖良と理亜が披露する曲、あの「Self Control」などの作曲や編曲、などなど。なので準備はすでに万端だった。
とはいえ、なんでスクールアイドルを始めるにあたってすでに準備万端かというと、それは聖良に理由があった。実は聖良は理亜が聖女に入学した年にすでに高校としては最高学年である高3となっていた。で、スクールアイドルというのは高校生の女子生徒が学校の部活動として活動していくアイドルのこと。そう、聖良がスクールアイドルとしていられるのは1年しかないのだ。それでも聖良にとってみれば、妹である理亜と一緒にスクールアイドルをする、自分たちの夢、ラブライブ!優勝を叶えるためにも十分すぎる機関であった。この限られた1年という期間を駆け抜けるためにも、悔いを残さないためにも、聖良はあつこと理亜と一緒にスクールアイドルを始めるための下準備をこれまでやってきたのである。そして、ついに聖良によってその号令が打ち鳴らされたのである。
そんな今か今かとスクールアイドルを始めようとしている聖良を見てか、あつこ、あることを聖良に尋ねる。
「ところで、聖良さん、もうすでに自分たちのユニット名を決めたのですか?」
そのあつこの言葉に聖良は力強くうなずき、
「はい、もうすでに決めております。あの聖なる夜に誓った、あの日を忘れないために、「Saint Snow」と・・・」
とこれまた力強く応えた。これにはあつこも、
「「Saint Snow」ですか・・・。なんかとても良い響き、いや、聖良さんと理亜さんにぴったりな名前ですね」
と、微笑みながら応えた。「Saint Snow」、数年前、聖なる雪の降る日に自分たちの夢を誓い合った聖良と理亜、そんな2人にぴったりな名前である、そうあつこはこのときは思っていた。
その後、理亜が聖女に入学するとついに聖良と理亜は本格的なスクールアイドル活動を始めた。まずはあつこがたてた練習プログラムに沿って2人はスクールアイドルとしての練習を行うこととなった。それはこの1年でラブライブ!で優勝するためのハードな練習だった。ずぶの素人がたった1年でスクールアイドルの頂点というべきラブライブ!優勝をするためには、いや、どんなときでも勝利するためには必要というべきとてもハードな練習だった。だが、たとえそうであっても2人は自分たちの夢を叶えるべくがむしゃらにこのハードな練習を行った。
そして、週末には、いろんなところに行ってはそこで行われるイベントに参加していた。たとえそれが小さな街レベルであってもである。むろん、それは、自分たちのユニットの名前、Saint Snow、その知名度をあげるためだった。ただの無名なスクールアイドルグループ、いや、スクールアイドルユニットではラブライブ!優勝なんて夢のまた夢である。なので、聖良と理亜は積極的に各地で行われるイベントに参加していた。
で、あつこはというと、そんな2人に対して完全なサポートに徹していた。これまであつこは大切な親友である聖良とその妹である理亜の夢のためにスクールアイドルユニット「Saint Snow」、その準備を聖良と理亜とで一緒に行ってきた。それにより聖良と理亜は準備万端の状態でスクールアイドル活動を始めることができた、なのだけど、だからといって2人がスクールアイドル活動を始めてからといってこれまでみたいに、聖良と理亜のサポートをしていく、そんな2人との関係性が変わることなんてなかった。むしろ、あつこ、
(聖良さんと理亜さん、2人は自分たちの夢に向かって頑張り始めている。なら、私もその2人のサポートをしっかりやっていくよ!!)
と、2人の前で心のなかでそう誓うくらい、2人を、Saint Snowを、精一杯バックアップしようと考えていた。
そして、あつこはその誓いを果たすかのごとく2人のサポートをこれでもかというくらいしてきた。例えば、聖良があつこに対して、
「ねぇ、あつこ、この「Self Control 」だけど、私のほうでこんな風に編曲したのだけど、つこだったどう思う?」
と尋ねるとあつこは聖良の編曲した曲を聞いてはすぐに、
「うん、とてもいいかも。でも、こことここは・・・」
と、自分が気になったところを次々と指摘すると、自分の部屋からキーボードを持ってきては、
「そのところはこうすればもっと良い曲になりますよ」
と、自分なりにすぐに編曲してはそれを聖良に聞かす。すると、聖良、
「うん、たしかにあつこの言う通りですね。あつこの案を採用しましょう」
と、あつこの案を採用することとなった。
と、こんな具合にあつこは聖良が作詞作曲した曲の編曲、聖良と理亜のために作った連数プログラムの管理や変更、週末に2人が出たいイベントに対しての出演交渉や2人のスケジュール管理など、Saint Snowに関わるもの全てのサポートを一手に引き受けていたのである。それはあつこにとって、
(昔の私たちみたいに私が表舞台に出るわけじゃない。けれど、私は私で聖良さんと理亜さん、Saint Snowの完全なサポートをすることで2人が活動しやすいように、2人の夢、ラブライブ!優勝のために、私は2人の裏で頑張っていくのだから!!)
と考えるくらい、聖良と理亜、Saint Snowのために2人のサポートを一生懸命頑張っていた。
そして、あつこの完全なるサポートのおかげか、聖良と理亜、Saint Snowの知名度も日がたつごとに上がっていった。いや、それ以上に、聖良と理亜、2人にはスクールアイドルとしての適性があったのかもしれない、聖良の自信満ち溢れる力強い歌声とダンス、理亜のたぐいまれなる運動センスと力強い理亜ラップ、それにより、4月の最初のころには知名度のないただのスクールアイドルユニットだったのが少しずつ大きなイベントに呼ばれるようになっていき、6月初旬にはあの札幌のよさこいソーラン祭りのステージに呼ばれるくらいまでに急成長するまでになった。むろん、その陰にはあつこの苦労もあったみたいで、あつこ、よさこいソーラン祭りのステージに立ってパフォーマンスをする聖良と理亜の姿を見ては、
(この祭りのステージの出演のOKがもらえたときは私の知名度のおかげで聖良さんと理亜さんはこのステージに立つことができたと思っていたけど、今の2人の雄姿を見ていて確信したよ、2人は2人の実力でもってこのステージに立つことができたんだって!!)
と思えるくらい2人の雄姿にほれぼれしていた。実は最初の交渉のときはこのステージを管理している団体としてはそこまで知名度のないSaint Snowを出演させることを渋っていたのだがそこをあつこが昔の自分の知名度を活かして強引にそのステージのプログラムにねじりこもうとしていた。だが、突然、その団体はSaint Snowの出演にOKを出した。ではなぜその団体はそうしたのか。それは日に日に上がっていく、聖良と理亜、Saint Snowの知名度によるものだった。たとえ小さなイベントでも積極的に参加していくSaint Snow、そのイベントのステージで繰り広げられる圧巻ともいうべき2人のダンスや歌がSNSを通じて、北海道、いや、日本中に拡散されていったのだ。そんなこともあり、6月初旬にはその団体もSaint Snowの参加を認めざるをえないものとなっていった。
そんな全国的にも有名な札幌のよさこいソーラン祭りでのSaint Snowの圧巻ともとれるステージは、聖良と理亜、2人の名を、Saint Snowの名を、全国規模へと押し上げるくらいにまでになった。そして、そのステージを聞きつけた東京のスクールアイドルイベントの運営がSaint Snowに対しオファーを出してきたのだ。これには、あつこ、
(これで聖良さんと理亜さんの夢、ラブライブ!優勝、にぐっと近づくことができる!!)
と、二つ返事で了承、Saint Snowは東京のスクールアイドルイベントに参戦することが決まった。
その後、聖良と理亜は2人のサポート役、というか、2人のマネージャー役だったあつこを連れて東京に上京、そこでまた1・2年のみだったAqoursと神田明神で初めて邂逅することになる。このとき、Aqoursは動画投稿サイトに公開された自分たちのPVによって知名度を伸ばした結果、Saint Snowと同じくそのイベントの運営からオファーを頂いた、というわけである。だが、このときのAqoursはμ'sみたいなスクールアイドルを目指したい、ラブライブ!に出て廃校の危機に瀕していた浦の星を救いたい、という漠然とした目標しか持っていなかった。対して、聖良たちSaint Snowは、ラブライブ!に優勝したい、という完全なる目標を持っていた。そんなこともあり、結果的にはSaint Snowは完璧なるステージを見せつけては入賞できないまでも上位に食い込むことができた。一方、Aqoursは最下位、というか、「0」という数字をたたきつけられてしまう。だが、このときの「0」がこれから続くAqoursというサクセスストーリーの原点になったということはいうまでもない。
ただ、この結果は聖良と理亜にとって今の自分たちの実力とトップレベルのスクールアイドルの実力の差を見せつけたものになってしまった。これには、あつこ、
「聖良さん、理亜さん、私がオファーを受けたばかりにこんなことになってしまってごめんなさい・・・」
と聖良と理亜に謝ると、聖良、逆に、
「いや、あつこのおかげで今の私たちの実力を知ることができました。あつこ、オファーを受けてありがとうございます」
と、あつこにお礼を言うと、すぐに、
「さぁ、ラブライブ!まで時間がありません。やることは1つだか、ラブライブ!優勝を目指して、日々精進、です!!」
と気合を入れなおす。むろん、あつこに対しても、聖良、
「あつこ、これからもこんな私たちのために一生懸命サポートしてくれますよね!!」
と言うとあつこも、
「もちろんそのつもりです!!」
と元気よく返事した。
こうして、聖良と理亜は、自分たちの夢、ラブライブ!優勝を目指して一生懸命スクールアイドル活動を邁進してきた。2人はとてもきつい練習に音をあげることもなく、武者修行と称していろんなイベント、特にスクールアイドルのイベント、に次々と参加していくことになる。むろん、イベントがない日に関しては2人は率先して自分たちの路上ライブの宣伝ビラを配っていたりきつい練習をしていた。そんな2人に対してあつこは今以上に2人のサポートをしていく。Saint Snowの路上ライブのビラのデザイン作成や印刷、練習プログラムの見直し、イベントへの積極的な売り込みなど、2人のためになるものはすべて自分でやる、そんな心意気があった。
こうして、Saint Snowは、実力、知名度、ともに伸ばすことができた結果、ラブライブ!夏季大会では北海道予備予選、北海道最終予選を順当に勝ち進んでは決勝に進出、そこで初出場ながら全体の8位という成績を残すことができた。これには、あつこ、
「聖良さん、理亜さん、やったよ!!8位じゃない。凄い成績だよ!!」
と2人を褒め称えるも、聖良、
「8位じゃダメ!!優勝しないと!!優勝しないといけなかったのです!!」
と、まるで自分たちを責めるかのように言ってしまう。これには、あつこ、
(あっ、確かにそうだよね。聖良さんと理亜さんの夢、それって、ラブライブ!優勝、だもんね。ただの8位じゃダメだったね)
と、8位という成績に喜んでいる自分を恥じると聖良に向かって、
「聖良さん、ごめんなさい。8位という成績で喜んでいた私がバカだったね・・・」
と謝ってしまう。これには、聖良、
「いや、あつこ、あなたが私たちを褒めたい気持ち、本当に嬉しいです。それなのに、そんなことに気付かずに責めてしまったようにみえてしまい大変申し訳ございません」
とあつこに逆に謝ってしまう。これには、あつこ、すぐに、
「聖良さん、謝らないでください。ほら、顔をあげてください」
と言うと聖良も下げていた頭をあげると、あつこ、続けて、聖良に対しこう言った。
「でも、ラブライブ!で8位という成績じゃ聖良さんも理亜さんも納得いかないでしょ!!なら、冬季大会は優勝目指して頑張らないとね!!」
と、聖良と理亜を元気づけるように言うと聖良も、
「たしかにあつこの言う通りですね。私、聖良、これからも、私たちの夢、ラブライブ!優勝、目指して頑張っていきます!!」
と言っては元気を出すような仕草をした。