ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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SNOW CRYSTAL 序章 第3話

 こうしてラブライブ!初出場ながら全体の8位という好成績を残したSaint Snowであったが、目標であった優勝ができなかったことで悔しがる、聖良、理亜、そして、あつこ、をよそに、予想外の出来事と3人の周りはお祭り騒ぎとなっていた。北海道のスクールアイドルとしては好成績、それも初出場としては立派な成績を残した、ということで3人の周りは聖良と理亜のことを褒め称えていた。ある人からは、

「聖良ちゃんに理亜ちゃん、初出場なのに8位という好成績を残したなんてなんて立派な姉妹だこと」

と、聖良と理亜のことを褒め称える言葉でてくるとまた別の人からは、

「Saint Snowこそ函館が生んだ大スターだ!!」

と、Saint Snowのことを函館出身の大スターとしては褒め称えようとしていた。

 だが、そんな周りの声を気にしてか、聖良、

(たしかに周りからみたら8位なんて好成績かもしれませんが、私たちからしたら負け犬と同じなのです!!ラブライブ!優勝だけなのです、私たちが目指しているのは!!)

と思うくらいストイックになっていた。

 一方、あつこも2人の熱心なサポートをしていたためか、周りから、

「あつこさん、あなたのあついサポートのおかげでSaint Snowは8位という好成績を残しました。だからこそ言えるのです、あつこさんは「Saint Snow第3のメンバー」だって!!」

という声がちらほらと聞こえてくるようになった。そう、「今のSaint Snowはあつこのあついバックアップのおかげである、だからこそ8位という好成績を残すことができたのだ」、その声が日に日に増していったためか、あつこのことを「Saint Snow第3のメンバー」と呼ぶ人も少しずつであるが出てきたのである。ただ、これに関しては、あつこ、

(「Saint Snow第3のメンバー」と言われるなんてなんか嬉しいな・・・)

と喜びつつも逆に、

(でも、聖良さんと理亜さんは8位という成績に納得していない。目指しているのは優勝あるのみ!!)

と、自分に対して「ラブライブ!優勝こそ私たちの目標」だと言い聞かせようとしていた。

 だが、その周りの反応が次第に、聖良、理亜、あつこを追い詰めようとしていた。ラブライブ!夏季大会で8位という好成績を残したことで3人のことを祝う態度から次第に、

「今度こそ、ラブライブ!優勝、だな!!」

「次こそ、ラブライブ!優勝、間違いないな!!」

というラブライブ!優勝という声が聞こえてきた。これは、あつこ、

(これって昔の私と一緒じゃない!!このままじゃ聖良さんと理亜さんが苦しむだけじゃない!!)

と、昔の自分と同じ状況に聖良と理亜が陥ってしまう、そんあことを危惧していた。

 そして、周りからラブライブ!優勝の期待の声があがるなか、あつこは聖良と理亜に対し、

「あまりまわりの声に振り回されないでね!!自分は自分、なんだからね!!」

と、声をかけると、聖良、

「まぁ、確かにそうですね!!私は私、周りは周り、です。周りの声に振り回されないようにしましょう」

と、あつこの声に耳を傾けてくれた。実は、聖良、このとき、Aqoursのリーダー、千歌とはメールのやり取りをする仲となっていた。このとき、Aqoursはラブライブ!夏季大会で東海地方最終予選落ちしたものの、昔の、6月の東京でのスクールアイドルイベントのときとは違い、μ'sとは違う、自分たちだけの輝きを見つける、という目標をもつところまでに成長していた。また、6月のイベのときとは違い、Aqoursはダイヤたち3年生という初代Aqoursともいえるスクールアイドルの先輩たちも一緒に活動することになった、いや、パーフェクトナインとなっていた。それが今の千歌たちの自信へとつながっていた。そして、その千歌たちの姿に聖良も千歌たちのことを認めるようになり、Saint Snowの正式なライバルとして認めるまでにもなった。

 そんな千歌とのメールのやり取りをしていくうちに聖良も少しずつ変わっていった。例えば、ある日の夜、聖良のスマホにこんなメールが届いていた。

「私、今度、ラブライブ!冬季大会に出る予定なんだ。でも、その日はね、なんと、学校説明会もあるんだ。だから、私、ある秘策を考えちゃった!!ラブライブ!予選のあるところの近くにあるところから学校の近くにあるところまでね、みかんのためのモノレールが走っていてね、そのモノレールで近道をしようと想うんだ!!ふたつのことをこなすことはとても大変。でも、私、ふたつのことを絶対に成功させたいもん!!聖良さんも、ラブライブ!予選、頑張ってね。 千歌より」

で、この千歌からのメールを見て、聖良、

(なんか千歌さんらしい文章ですね。なんかこちらの方が千歌さんのことを心配しちゃいそうです・・・)

と思うと同時に、

(それに、このメールを見て、私、つい思ってしまうことがあります。私と違う発想をする人がこんな近くにいるのですね。人ってなんて面白い動物なんですね!!)

と、自分とは違った発想をする千歌をみてはそれを面白がっていた。

 そして、聖良はそんな千歌のことを思ってか、こんなことまで思ってしまう。

(そう考えるとたしかにいろんな考え方があります。私とは違ったリーダー、それが千歌さんです。そんな意味でもAqoursというのは本当に面白いスクールアイドルグループといえます。だからこそ、Aqoursはきっと上へと、ラブライブ!決勝へと進んでいくでしょう)

と、Aqoursのことを高く票かしていた。とはいえ、最後には、聖良、ちゃんと、

(だからこそ、この聖良、ラブライブ!の決勝でそんなAqoursと戦い勝つつもりです。待っていてください、Aqoursのみなさん!!)

と、自分たちの勝利宣言を出していた。とはいえ、聖良、このとき、ラブライブ!優勝という目標を高々にあげてはそれに向かって練習しつつも心には余裕すら感じさせていた。

 一方、理亜はというと、あつこの声掛けには、

「そんなこと、わかっています!!ラブライブ!は遊びじゃない!!だからこそ今を頑張るしかない!!」

と、あつこの声なんて気にしない、いや、自分は頑張っているのだから、ラブライブ!優勝という目標に向けてがらむしゃに頑張っているのだから、黙っていて、そう言わんばかりの態度をとった。これには、あつこ、

(理亜さん、大丈夫かな・・・)

と、理亜のことを心配そうにみてしまった。事実、理亜には時々こんな独り言をつぶやいていた。

「ラブライブ!優勝・・・、姉さまとの夢・・・、そして、みんなからそう期待されている・・・、人下手な私だからこそ・・・、それに向かって頑張らないと・・・」

それはまるで理亜がラブライブ!優勝という呪縛を受けている、まわりからの声という呪縛にとらわれている、そんな感じがしていた。

 

 そして、その呪縛が最悪の形で表に出てしまう。ラブライブ!冬季大会北海道予備予選は無事にトップで通過すると続く北海道最終予選、聖良と理亜は毅然とした姿で会場となるはこだてアリーナの楽屋に来ていた。

「ラブライブ!予選、一緒に頑張りましょう」

挨拶に来ていたほかのスクールアイドルグループの少女たちに挨拶をする聖良、対して、理亜はただ、

「・・・」

という無言を貫いていた。

 そんななか、

「おじゃまします」

と、Aqoursの千歌たちが聖良と理亜に激励しに楽屋を訪れていた。これには、聖良、

「あっ、Aqoursのみんさん、こんにちは!!」

と、千歌たちの存在に気づいたのか千歌たちに挨拶をしていた。実は、Aqours、鬼門だった東海地方最終予選を無事に突破、そんなこともあり、ラブライブ!の運営から北海道最終予選のゲストとして呼ばれていたのである。

 そして、千歌たちと聖良はいろいろと会話で楽しんでいたのだが、理亜はただ黙々と予選への準備をしていた。Aqoursのみんなが自分たちの激励をしに来ている、聖良は楽しくその対応をしている、対して、理亜はただ1人自分のことだけに集中していた。そんな聖良と理亜の対照的な姿に、あつこ、そんな2人を見ては、

(聖良さん、なんか楽しそう。対して、理亜さんはなにか根気詰めているところがあります。本当に大丈夫でしょうか、理亜さんは・・・)

と、理亜のことを心配そうに見ていた。

 だが、そのあつこの心配が現実のものとなる。いざ予選のステージへと上がった聖良と理亜、聖良はこのとき、

(Aqoursのみなさんは決勝に進みました。今度は私たちの番です。今の私たちをこのアリーナにいるみんなに見せつけてやるつもりです!!そして、今を楽しむつもりです!!)

と、本気で理亜と一緒にこのステージを楽しもう、そんなつもりでいた。

 一方、理亜はというと、曲が始まるまえ、

「勝たないと、ちゃんとしないと・・・。じゃないと、私と姉さまとの夢が・・・」

と、まるで呪文を唱えているかのように自分になにかを言い聞かせていた、そんな感じがした。

 そんな全く異なった2人の心中のなか、ついにSaint Snowのステージが始まった。最終サビの直前までは完璧、あとは最終サビを残すのみとなった。だが、その瞬間、聖良

(えっ、理亜!!)

と、はっとしてしまう。なんと、聖良の近くでパフォーマンスをしていた理亜が突然バランスを崩したのだ。これによって聖良もそれに巻き込まれるかたちでバランスを崩してしまう。こうして、聖良はまるで尻もちをつくように、リハは外側に大きく転倒するかのように倒れこむ。

(痛っ!!)

と尻もちをつく聖良、すぐに理亜の方を見る。するとまるでスローモーションのように理亜は転倒していった。いや、聖良だけじゃない、観客席から見ていたAqoursも、いや、観客全員がまるでスローモーションのように転倒する理亜の姿を見ていて。こrねいは、ステージ袖で2人を見ていたあつこも、

(あっ、理亜さん!!)

と、つい声をかけたくなるような気がしていた。

 そして、ついに理亜がステージの床に倒れこんでしまった。これには、聖良、そんな理亜の姿を見てか、

(理亜!!)

と、ついに叫びたくなるも理亜はすぐに立ち上がり何事もなかったかのように曲の続きを踊りだした。これには、聖良、

(もう理亜ったら・・・)

と、理亜の様子に安心しつつも自分も再び立ち上がり曲の続きを踊りだした。

 だが、ステージ袖で2人を見ていたあつこは、このとき、あることに気づいていた。

(いつもの2人じゃない・・・。まるで、緊張の糸が切れた道化師みたいだよ・・・)(あつこ)

そう、2人の動きは今までとは違う、Saint Snowらしさを失った、そんなパフォーマンスだった。いや、そうではない。聖良はちゃんと今までと同じようなパフォーマンスを繰り広げられていた。一方、理亜はというと、聖良とは対照的なキレの悪いパフォーマンスをしていた。そんな対照的な2人の姿を見て、あつこ、審査員を含めて観客のみんなは今の2人をまるで道化師のように見ている、そう感じてしまった。

 そして、そんな感じ方をしてしまったあるこはこう思ってしまう。

(あぁ、これは予選敗退かな・・・)

 

 そんなあつこの予想は現実のものになった。

「ラブライブ!冬季大会北海道最終予選、決勝進出は・・・」

ここでSaint Snowの名前が呼ばれることはなかった。これには聖良と理亜は強くショックを受けてしまった。楽屋近くの廊下で2人は悔し涙を流していた。そのなかで、聖良、

(あぁ、これで、私たちの夢、ラブライブ!優勝、は儚く消えてしまったのですね。なんか悔しいです・・・)

と、自分の中にある悔しさを噛みしめていた。一方、理亜の方も悔しい思いでいっぱいだった。そんな2人を見てか、あつこ、

(あぁ、これで私たちの夢が潰えてしまったのですね。私、2人を十分サポートできませんでした・・・。私としてもとても悔しいです・・・。)

と、自分が完全に2人のサポートができなかったことがとても悔しく感じていた。

 だが、そんな大粒の悔し涙を流す姉聖良の姿を見たのか、理亜、突然、一緒になって悲しんでいる聖良を突き放しては聖良のもとから離れようとする。これには、聖良、

「理亜!!」

と、理亜の方に向かって叫ぶも理亜は悔し涙を流しながら遠くへと走り去っていってしまった。むろん、これには2人の近くにいたあつこも、

(なんか理亜さん、この件で心に深い傷を負っていないかな・・・)

と、理亜のことを心配してしまった。

 そして、そんな自分のもとから走り去ってしまった理亜の姿を見てか、聖良、

(理亜、どうしたのですか・・・。私、理亜のこと、とても心配です・・・)

と、理亜のことが心配になってしまった・・・。

 

 そして、あつこが予想した通り、今回の件で心のなかに深い傷を負ってしまった理亜・・・だったがある少女のおかげでもとに戻る?ことができた。その少女の名は黒澤ルビィ、Saint Snowのライバル、Aqoursの1年生である。そのルビィがAqoursのみんなとふらっと立ち寄った茶房菊泉、その住居部分に侵入してしまったルビィ、そこで自室で1人で悲しんでいる理亜を発見する。その後、ルビィは理亜と話しあううちに理亜が落ち込んでいる理由が「自分のせいで姉さま(聖良)とのスクールアイドルユニット、Saint Snow、を終わらせてしまったこと」ということがわかり、ルビィは理亜に対し、それを終わりにさせない、というわけでクリスマスイベでのライブを提案する。これには理亜も了承、2人は同じ1年の(Aqoursメンバーの)花丸とヨハネを巻き込みながらもそのライブに向けて準備を4人一緒に楽しみながら進めていた。これには、聖良、

(あっ、なんか楽しそうなことをしようとしていますね。こうしてみていると、なんかほっとします)

と、つい思ってしまうとこそっと4人が今からしようとしているところをのぞいていたりしていた。

 

 また、あつこの方も理亜とルビィの行動に意外なかたちで巻き込まれてしまった。理亜とルビィは初めて作詞に挑戦してはそれが出来上がるとすぐにあつこのところに持って行っては、

「あつこ、お願いがあります。この歌詞に曲をつけてください」

と、あつこに作曲を依頼してきたのだ。曲を作ったことがない理亜とルビィ、なので、作詞の方ななんとかなったものの作曲についてはずぶの素人であった。そのため、いつも聖良と一緒に作曲をしているあつkに作曲の依頼をしてきたのだ。これには、あつこ、

(ふ~ん、理亜さん、ルビィさんという大事な仲間を見つけたんだね。なら、私も、そんな理亜さんの力にならないとね!!)

と、思っては二つ返事でOKを出した。

 こうして、ルビィ・理亜作詞、あつこ作曲の「Awaken the power」は完成した。その後、いろんなサプライズを経て、函館のクリスマスイベのオープニングセレモニーにて、Saint Snow、Aqoursの奇跡の合体ユニット、Saint Aqours Snowのライブが行われた。そこで、「Awaken the power」は理亜とルビィが2人の姉であるダイヤと聖良に送る・・・というよりも、その2人を含めたSaint Aqours Snowとして、函館の、いや、全国にいるみんなに対してクリスマスプレゼントとして送る歌として歌われたのである。

 そして、このライブのあと、自分のなかにあるSaint Snowとしての踏ん切りがついた理亜は姉の聖良に対し、Saint Snowとしての活動にピリオドを打ち、自分だけの新しいユニットを作ることを聖良を前にして宣言したのである。

 

「・・・と、ここまでがSaint Snowの歴史なんだけど、一緒に振り返ってみて、聖良さん、ここまででなにか気づいたこと、ありませんか?」

と、あつこは聖良に対し問うと、聖良、自分の意見を述べた。

「たしかに理亜はあの(ラブライブ!冬季大会)北海道最終予選で心に深い傷を負いました。けれど、それはルビィさんたちのおかげでクリスマスイベのときに癒されたと思います」

この聖良の意見にあつこ、

「まぁ、たしかにその通りかもしれませんね。だって、理亜さん、Saint Snowを終わりにして新しい自分だけのユニットを作る、って宣言しましたしね」

と、激しく同意していた。

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