そんな理亜の決めた地獄の練習メニューをさぼることを決めたあつことしのっち、一方、卒業旅行のために東京に行くことになった聖良と理亜であったが、旅行初日の夜、
「姉さま・・・」
と寝言を言いながら聖良の隣のベッドでぐっすり眠っている理亜、それに対して、聖良はというと・・・、
「もう、理亜ったら・・・」
と、理亜の寝顔を見ながら笑っていた。
とはいえ、もう夜である・・・というわけで、明日も早い、ってこともあり、聖良、
「さぁ、私も寝ることにしますか」
と、自分のベッドに行っては寝る準備をしていた・・・、そのときだった。突然、聖良のスマホから、
ブルル ブルル
と着信音がなった。これには、聖良、
「あっ、誰からでしょうか?」
と自分のスマホの画面を見る。すると、
「あっ、ダイヤからLIMEですね・・・」
と言ってしまう。そう、なんと、Aqoursのメンバーで3年生、いや、Aqoursのまとめ役だったダイヤから突然の連絡、というか、SNSアプリLIMEを通じて連絡がきたのだ。
そんなわけで、聖良、SNSアプリLIMEを起動、すると、なんと、画面いっぱいにダイヤのコメントがずらりと並んでいた、こんな風に・・・。
(ダイヤ)「どう、どうしましょう・・・、私のルビィが、ルビィが・・・」
(ダイヤ)「ルビィが、ルビィが、苦しんでいます・・・。私、どうしたらいいのでしょうか・・・」
(ダイヤ)「でも、和足は、私は・・・、ルビィのもとにはおりません・・・」
(ダイヤ)「それでも、私、ルビィを助けたいのです・・・。でも、でも、今は・・・、私は・・・」
これが50件以上・・・。これにはさすがの聖良も、
「・・・」
と無言になるしかなかった・・・のだが、それでも、聖良、
(あのダイヤが我を忘れて困惑しているということは、なにかルビィさん(Aqoursのメンバー(1年生)でありダイヤの妹)になにかがあったに違いありません。ここは同じ妹を持つ私がダイヤの相談に乗るべきかもしれませんね)
と、聖良、同じ言おうとを持つ身としてダイヤの相談に乗ろうとしていた。
まぁ、そんなわけで、聖良、すぐにコメントを返す。
(聖良)「ダイヤ、なにがあったのですか?」
これには、ダイヤ、すぐに反応。
(ダイヤ)「あっ、聖良さん、こんにちは・・・。うぅ、私の大事なルビィが、ルビィが、大変なことになってしまいました・・・」
いつもは冷静なダイヤがルビィの件で心配になっている・・・、そう思った聖愛らはすぐにコメントを返信する。
(聖良)「ルビィさんの身になにか起きたのでしょうか?」
この聖良の質問に、ダイヤ、すぐに返信する。
(ダイヤ)「ルビィ・・・だけでなく千歌さんたち新生Aqours(千歌・梨子・曜・ヨハネ・花丸・ルビィたちAqours1・2年だけで作った新しいAqours)にいえることなのですが、今日行われた新生Aqours初めてのライブが失敗に終わったのです。私、失敗したライブの動画を見て、私の大事な妹であるルビィがかなり落ち込んでいると心配で心配で・・・)
このダイヤの心配に満ちたコメントを見て、聖良、
(大事な妹であるルビィさんのこととはいえ、あのダイヤがかなり心配していると考えると、そのライブ、ダイヤにとって相当ショッキングなものだったかもしれませんね・・・)
と考えるとダイヤに対しこうコメントを返した。
(聖良)「ダイヤ、そのライブの動画、私にも見せてもらえませんでしょうか?)
すると、ダイヤ、すぐにその動画のURLをLIMEに投稿した。聖良、そのURLをだっぷすると、今日行われた新生Aqours初めてのライブの映像が流れた。実は、この動画、今日、千歌たちが通っていた(廃校となった)浦の星の統合先である静真の講堂にて行われた「静真高校部活動報告会」でこれまたとある理由で浦の星代表として参加した千歌たち浦の星スクールアイドル部新生Aqoursのライブ・・・というか、千歌たち(ダイヤたち3年生3人が抜けた)新生Aqours初めてのライブを映したものだった。あっ、ちなみに、この動画、ある静真の生徒が新生Aqoursのライブということで勝手に撮影して動画サイトにアップしたものであり、決して、(曜のいとこで静真高校生徒会長の)月や(その敵である)木松悪斗とは関係ないのであしからず・・・)
で、その動画を見て、聖良、こう思ってしまう。
(あっ、ルビィさんが盛大に転んでいますね・・・。こ、これがラブライブ!で優勝したAqoursの今の姿・・・なのでしょうか・・・)
唖然となる聖良。でも、たしかに聖良が唖然となるのも仕方がなかった。ラブライブ!に優勝するくらい実力を有しているAqours・・・なのだが、聖良の目の前で映っていたのは、ラブライブ!優勝時を100にすると、40,いや、30、くらいの実力しか発揮していない新生Aqoursの姿であった。ダンスの動きもいつもよりキレキレ・・・ではなく、本当にガクガク、歌声もよくない、しまいには、なにかの拍子に大きく転倒してしまい、ヨハネ、花丸を道ずれにステージの床に倒れこっむルビィの姿・・・、これにはさすがの聖良もダイヤが心配になるのは仕方がない・・・と思えてしまうものだった。
そして、聖良、この動画を見ての感想をLIMEに投稿する。
(聖良)「たしかにひどいものですね。でも、ラブライブ!優勝してからそんなに日が立っていないはずなのですが、なんで、こんなに千歌さんたちはパフォーマンスがひどくなったのでしょうか?」
この聖良の投稿に、ダイヤ、すぐに返信。
(ダイヤ)「それはきっと私たち3年生3人がいないからだと思います・・・」
このダイヤの投稿に、聖良、なにを思ってか、すぐに返信する。
(聖良)「えっ、それはどういうことですか?」
すると、ダイヤ、あることを聖良に伝えた。
(ダイヤ)「実は、私、まりさん、果南さんは、今、とある理由でイタリアにいるのです。なので、今、ルビィのそばに私たちはいないのです・・・」
これには、聖良、
(聖良)「えっ、ダイヤ、今、ルビィさんのそばにいないのですか?」
とダイヤに尋ねると、ダイヤ、すぐに返答した。
(ダイヤ、)「はい、なので、今、私がルビィを助けることができない・・・というか、私たちは、今、どうすることもできない、と、思います・・・」
だが、これには、聖良、さらにダイヤに問う。
(聖良)「ダイヤ、どうしてそう思うのですか?」
これにも、ダイヤ、すぐに答えた。
(ダイヤ)「ルビィたち新生Aqoursのライブの失敗の原因・・・、それは、私たち3年生3人が抜けたからだと思うからです」
これには、聖良、すぐに、
(聖良)「ダイヤたちが抜けたことでルビィさんたちはボロボロになったのですか?」
とダイヤに尋ねるとダイヤは少し考えたのか、間をおいてから返答した、ある真実を含めて・・・。
(ダイヤ)「はい・・・。私たちAqoursは学年それぞれに役割がありました。私たちAqoursという船に例えると、千歌さんたち2年は船頭、船長としてAqoursという船の進路を決めていました。また、ルビィたち1年生は新米の船員として私たち3年生や千歌さんたち2年生に必死になってついてきました。一方、私たち3年生はエンジン役として千歌さんたち2年生が決めた進路に船を進ませるとともに、屋台骨として、洲ククールアイドルの先輩として1・2年生を導き、そして、支えてきました。しかし、今、Aqoursという船の3年生というエンジン役、屋台骨がなくなった今、千歌さんたち1・2年生だけとなった(新生)Aqoursは漂流している・・・、闇のなかを漂っている・・・、そんな感じがあのライブから見えてしまったのです・・・」
ダイヤの言葉、それは今のAqoursの現状を如実にあらわしていた。ダイヤたち3年生というエンジン役、屋台骨がいなくなった千歌たち(新生)Aqours、それgは船でいうところの漂流中の船、潮の流れにただ身を任している、もがいてもがいてもどうすることができない、いや、心配・不安という深き海・沼の底に沈んでしまった・・・そういえるのかもしれない。
そんなダイヤの言葉を知ってか、聖良、すぐにあることをダイヤに尋ねる、それは・・・。
(聖良)「でも、ダイヤ、あなたなら千歌さんたち(新生Aqours)に手を差し伸べることができるのでは?」
そう、たとえ離れ離れになってもSNSなどを通じて日本にいるルビィたちとやり取りができるはずである・・・のだが、これには、ダイヤ、少々困りつつもこう返信した。
(ダイヤ)「聖良さん、すみません。今、とある理由でルビィたちとは連絡がとれないのです」
そう、実はこのとき、ダイヤ、鞠莉、果南の3人はある人のせいでルビィたちと直接連絡をとることができなかったのだ。さらには・・・、
(ダイヤ)「それに、私たちは、今、イタリアにいます。なので、直接、ルビィたちと会うこともルビィたちがここに来ることも難しいのです・・・」
そう、ダイヤたち3年生3人は、今、イタリアにいる。ルビィたちがいる日本・沼津から1万キロ以上も離れている。なので、ルビィたちがおいそれとダイヤたちがいるイタリアに行くこともダイヤたちがルビィたちがいる沼津へと行くこともできないのである。これには、聖良、
(聖良)「あっ、たしかにそれはそうですね・・・」
と、ダイヤの言うことに納得の様子。
しかし、ダイヤはその件についてさらなる心配をしていた。それは・・・。
(ダイヤ)「それに、このライブの失敗を見て、私、こう思いました、今の千歌さんたちがいなくなったことで「0に戻った、もとに戻った」、知らないうちにそう思い込んでいるのではと・・・」
これには、聖良、
(聖良)「ダイヤ、それは・・・」
と言い返すと、ダイヤ、こんな弱気の発言をしてしまう。
(ダイヤ)「私たちAqoursは夏祭りのときに私たち3年生3人が加入したことで(鞠莉さんの言うところの)パーフェクトナインになりました。9人になったことで、パーフェクト、完璧となりました。けれど、今はそんな私たち3年生3人が抜けてしまい、昔の6人、Aqours結成時の6人に戻ってしまいました。こうなると、千歌さんたち、「昔に戻った、もとに戻った、「0」に戻った」、そう考えてしまったのかもしれません。今、千歌さんたちから漂っている不安・心配はそこから来ているのではないでしょうか?」
このダイヤの弱音に、聖良、たまらず、
(聖良)「ダイヤ、それって単なる考えすぎではねいでしょうか?」
と、ダイヤのことを心配するも、ダイヤ、そんな弱音からか、聖良にあるお願いをしてしまう。
(ダイヤ)「聖良さん、お願いがあります、もし、千歌さんたちから聖良さんに連絡がありましたら千歌さんたちの力になってあげてください。お願いします」
このダイヤの必死のお願い、ということもあってか、聖良、
(あのダイヤがこんなにルビィさんたちのことを心配している・・・。ならば、私もそんなダイヤのためにも助けることにしましょう。ちょうど理亜のこともありますしね・・・)
と、ルビィたちのことで心配しているダイヤ、そして、なにかの原因で暴走している?理亜のために一肌脱ぐことを聖良は決意した。
そして、すぐに、聖良、
(聖良)「ダイヤ、わかりました。この聖良、なにかあったら動きましょう!!」
とコメントを打つと、ダイヤ、すぐに、
(ダイヤ)「聖良さん、本当にありがとうございます。恩に切ります」
と、お礼のコメントを送るとそこで聖良とダイヤのSNSでのやり取りは終わりを迎えた。
その後、聖良はダイヤとのやり取りを受けてこう考えていた。
(千歌さんたちが大変なことになっています。あのライブを見る限り、千歌さんたちは不安・心配の深い海・沼の底に陥っております。その理由がダイヤの言う通りダイヤたち3年生3人がいないためであるならそれはとても危ういものかもしれません。不安・心配という深き海・沼の底に陥ってしまいそこでもがき苦しんでいるとそこから簡単に抜け出すことなんてできなくなりますからね)
たしかにその通りであった。人というのは不安・心配という海・沼に陥ってしまうとそこから抜け出そうともがき苦しむ。しかし、そこから抜け出すことは容易ではない。いくらもがいてもまるで蟻地獄のようにどんどん深みにはまってしまうものなのである。もしこうなってしまうとまっているのは絶望である。絶望をむかえた人がとる行動、それは言葉では言えないものになってしまう。そうならないためにもその人たちに対して十分なサポートをするのが必要である、が、不十分なサポートであるとその人たちはさらに不安・心配という深みにはまってしまう、そのことに気づいていた聖良は、
(そして、ダイヤからそんな千歌さんたちに対してサポートをしてほしいと私に頼んでいましたが、果たしてそれによって千歌さんたちを不安・心配という深い海・沼の底から救い出すことができるのでしょうか。私にはそんな力があるのでしょうか。むしろ悪化するのでは・・・)
と、つい考えてしまった。ダイヤにお願いされたこととはいえ、理恵のことで精一杯な自分が千歌たちのことまで十分にサポートできるのか、むしろ、逆に悪化するのではないか、と逆に心配になっていたのである、聖良は。
とはいえ、今のところ、そんな千歌たちから連絡はきていない。そんなこともあり、聖良、
(とはいえ、今のところは様子見ですね。もし、千歌さんたちから連絡があれば動くことにしましょう)
と、今のところは様子見・・・というわけで、ちょっと千歌たちと理亜のことは考えつつも寝ることにした。
だが、そんな聖良にある連絡が入る。それは理亜と一緒に浅草に観光しに来ていたときのことだった。
「姉さま、この人形焼き、とてもおいしいです!!」
久しぶりに姉との2人だけの時間・・・ということもあり、今さっき仲見世で買った人形焼きを食べては笑いながら姉の聖良に語りかける理亜、それに対し聖良は、
「本当に理亜の言う通りですね」
と、こちらも2人水入らずの時間を楽しんでいた。
そんなときだった。突然、聖良のスマホから、
You Gut Mail!
という音が聞こえてきた。どうやら、聖良のところにある人からのメールが届いたみたいだった。そのことに気づいた聖良、
「あれっ、誰からでしょうか?」
と仲見世の陰に入っては自分のスマホを取り出しその画面を見てみる。すると・・・、
「あっ、これは・・・千歌さんからですね!!」
そう、聖良に届いたメールは千歌からのものだった。これには、聖良、
(これはもしかすると千歌さんたちからのSOSではないでしょうか。昨日の夜、ダイヤが言っていた通り、不安・心配という深き海・沼に陥った千歌さんたち、そこから抜け出したいために私にSOSを送ってきたのでしょうね)
と考えていた。ダイヤたち3年生3人がいないという喪失感のためか、不安・心配という深き海・沼に陥った千歌たち新生赤生、だが、助けを求めようにもダイヤたち3年生3人はもう千歌たちのもとにはもういない、なら、お互いに力を認め合った仲、ということもあり、ちょうど東京に来ていた聖良、理亜のSaint Snowに助けを求めてきた・・・、そう聖良は思っていた。
と、同時に、聖良、こんなことまで考えていた。
(千歌さんたちからすると私たちが東京に卒業旅行に来ていることを事前に伝えていたのでそれならついでに沼津に来てほしい、と短絡的に考えたのかもしれませんね)
そう、聖良、千歌には事前に東京に卒業旅行のために行くことを事前に伝えていたのだ。なので、千歌、「それならば聖良たちを直接沼津に呼び寄せてしまえばいいじゃない、そして、直接見てもらえれば」と短絡的に考えていたのかもしれない。だって、自分たちのパフォーマンスを直接見てもらえれば確実なアドバイスをしてもらえるはずだから。このネットが発達した現在、ネットを介してそこにいなくてもスマホやタブレット、ビデオカメラからの映像を見ることでいろんなアドバイスをもらうことができる。しかし、そんな間接的なものよりも直接的に実際に見たほうが的確なアドバイスをもらうことができるものである、なぜなら、直接見ることでその場でしか感じることができないものを感じることができるものであるから。映像で見るより直接見るほうがよかったりするものである。聖良はそのことをすでに知っていたのかもしれない、多分・・・。
そんなわけで、聖良、理亜に突然ある提案をする。
「理亜、突然ですが、沼津に行きませんか?」
これには、理亜、突然の聖良の発言だったためか、
「ね、姉さま、突然どうしたのですか?」
と困惑そうに聖良に言うと、聖良、
「理亜、先ほど、千歌さんたちから東京に来ているのなら沼津に来てみませんか、というメールが届きました。私としてもラブライブ!で優勝したAqoursの実力を直接見てみたいと思います。理亜としても久しぶりにルビィさんと会うことができると思います。理亜、どうでしょうか?」
と、理亜に沼津に行くか尋ねると、理亜、元気よく、
「私、行きたい!!沼津に行きたい!!」
と、答えた。
こうして、急遽、聖良と理亜は沼津へと行くことになったのである。
そして、聖良と理亜は沼津駅に到着すると待ち合わせ場所である内浦の砂浜海岸までバスで行くことに。さらに、2人はバスで内浦に到着すると待ち合わせ場所まで少し歩くこととなった。その途中、聖良は帽子を深くかぶった男の身なりをしていた人を見つける。それに、聖良、
(あれっ、誰かいますね?)
とその人の存在に気付くとその人を少し観察してしまう。すると、
(なんか、あの人、帽子を深くかぶりながら練習をしている千歌さんたちのこと、じっと見ているみたいですね)
と、聖良、その人が砂浜で練習をしている千歌たちのことを見ていることに気付く。そのためか、聖良、
(なんか気になりますね)
とその人のことがちょっと気になってしまった。
まぁ、そんなわけでして、聖良、わざとそのひとのそばを通ると聖良の狙い通りその人は自分の近くを通った聖良たちに対し、
「あっ、こんにちは」
と聖良たちに挨拶をすると聖良も、
「こんにちは」
と挨拶をした・・・のあdが、ここで、聖良、その人についてあることに気付く。
(あれっ、この人、男の身なりをしていましたが、声は少女のような声をしていましたね。なんか、私、この人に、興味、もってしまいました)
そう、その人は男の身なりをしているのだがその人が発した声はまるで少女のものだった。これには、聖良、その人に興味をもったのか、すぐに、
「あれっ、男の姿をしているのに、声は女の子、みたいですね。私、びっくりしました!!」
と、ちょっと皮肉?みたいなことを言うとその人も、
「あっ、たしかに。僕、そんな格好、していますからね」
と、ちょっと戸惑いを感じつつもそう答えた。
だが、その人のこの言葉に、聖良、さらに興味が湧いてしまう。
(うわぁ、少女の声かと思えば一人称は僕とは。これが俗に言う「僕っ子」なんですね。私、この人にとても興味を持ってしまいました)(聖良)
なので、つい、聖良、その人に対して笑いながらこう話してしまう。
「僕、だなんて、私、あなたのこと、少し興味を持つことができる、そんな感じがします。男の姿をしているけど、本当は女の子、それできて、僕っ子。私にとってこれmで会ったことがない子、ですね。もしかすると、近いうちになにか関わることがあるかもしれませんね」
この聖良の少しいたずらめいた言葉に、その人、困惑しながら、
「そ、そうですね・・・」
と、返答してしまった。
だが、そのとき、聖良の隣にいた理亜がしびれを切らしたのか、
「姉さま、もうすぐ約束の時間です。さっさと行きましょう」
と、聖良に早く待ち合わせ場所に行くよう催促してきた。これには、聖良、
(あっ、たしかに理亜の言う通りですね。ちょっと時間を費やしてしまいました)
と、少し反省しつつ、理亜に対し、
「わかったわ、理亜」
とうなずくとその人に対しては、
「じゃ、また今度、お会いいたしましょう」
と言ってはさよならをした。これにはその人も、
「あっ、さようなら」
とさよならを聖良たちにした。
その後、聖良はあることを考えていた。それは途中に出会った「僕っ子」のことだった。それは・・・。
(あの「僕っ子」、私の見る限りでは、昔、イタリアに住んでいたような気がしています)(聖良)
そう、その「僕っ子」、イタリアに昔住んでいて、そのことを聖良は気づいていたのだ。なぜなら・・・、
(あの「僕っ子」、「r」の発音のとき、舌を巻いて発音していましたから)(聖良)
そう、その「僕っ子」、知らないうちに「r」の発音のときに舌を巻いていたのだ。イタリア語なまりの強い人は「/r/」の発音のとき、イタリア語特有の巻き舌をしてしまうことがある。それをあの「僕っ子」がしていたのである。なので、聖良はその「僕っ子」が昔イタリアに住んでいたことを見抜いていたのである。
ではなぜ聖良がそのことを知っているのか。それは身近なところにイタリアに住んでいたことがある親友がいたから。その親友とは・・・もちろん鞠莉のことである。鞠莉の家の先祖はイタリア系の家系なので、昔、鞠莉はイタリアに住んでいことことがあるし、一時期、浦の星を離れていたのだが、そのときはイタリアの高校に留学していたのである。なので、鞠莉がしゃべっているときにイタリア語特有の発音になることがときどきみられていた。なので、聖良は鞠莉を通じてイタリア人特有の発音のことを知っていたのである。
そんなわけで、聖良、ついこんなことを考えてしまった。
(これはAqours復活に役に立つかもしれませんね、イタリアにいるダイヤたちに会うための通訳兼ガイドとして・・・)
まぁ、実際のところ、聖良の思惑通りになるのですがね・・・。