「どうして僕を曜ちゃんたち(新生Aqours)の連れ添いに選んだのですか?」
と、月、聖良に食って掛かっていた。ここはホテル小原沼津淡島が所有している船、シャイニー号の船室。千歌たちのイタリア行きが決まった・・・ということもあり、鞠莉‘sママによるイベ?もここまで、というわけで、ついにお開き、になったものの、もう夜、というこどで、千歌たち6人、そして、聖良と理亜、月はシャイニー号に乗って帰宅することとなった。が、千歌たち6人は急遽決まったイタリア旅行の計画を練るため、子にゃは千歌の実家である旅館に泊まっての作戦会議・・・というわけで内浦で降りてしまった。そんなわけで、現在、シャイニー号に乗っているのは沼津市街地近くの住宅街に住んでいる月と、この後、沼津駅から新幹線に乗って宿がある東京まで戻ろうとしている聖良と理亜、その3人だけだった。
そんなわけで、千歌たちのイタリア旅行に月を同行するように鞠莉‘sママに進言した理由を進言した方、聖良に対してなぜそうしたのか月が聞こうとしていた。で、そんな月に対し、聖良ははっきりとした声でこう答えた。
「それはですね、月さん、あなたが(千歌さんたち)新生Aqoursをよみがえさせる、その大任を任せるのにうってつけだからです!!」
この聖良の答えに、月、
「え~!!」
と、驚いてしまうも、その隣にいた理亜から、
「う、うるさい!!うるさい・・・」
と怒鳴っては、
ZZZ
とすぐに眠りに落ちていた、いや、眠っていた理亜。どうやら、いろんなことがありすぎて疲れて眠っているようだ。で、先ほどの怒鳴り声も寝言・・・みたいなものでした。
と、それは別にいいとして、月は聖良に対し千歌たちのイタリア旅行の同伴として月を選んだ理由を尋ねると、聖良、大声で月に対し、
「理由は3つあります」
と言うとその理由をあげていった。まずは1つ目。
「1つ目は、あなた(月)、イタリアに住んでいたこと、ありますね!!」(聖良)
これには、月、驚く。だって、月、実は・・・、
(僕、たしかに・・・、ここ沼津に来る前、イタリアに住んでいた・・・)
そう、月、なんと、沼津に住む前、イタリアに住んでいたのだ。月は小3・4のときに父親の転勤でここ沼津に引越してきた。その際、月のいとこである曜を通じて月の世界は広がった。でも、沼津に引越してくる前、どこに住んでいたのか。それはイタリアであった。なので、月にとってイタリアは自分の庭・・・とまではいかないまでも自分の想い出のある地、であった。また、イタリア、海外に長く住んでいたため、月は日本語以外にイタリアの言語であるイタリア語、そして、国際的にはよく話されている英語が堪能だってりする。いやゆる、マルチリンガル、なのである。月はただこのことについては曜以外知っている者はいなかった・・・のだが、それなのに、聖良はそのことを知っていた。これには、月、
(この聖良って子、まさか、私の個人情報を・・・)
と、疑い深くなるも、聖良、しごくまっとうなことをいう。月がイタリアに住んでいたことがわかった理由、それは・・・、
「月さんの言葉を発するときの口の動きからわかったのです。「r」の発音のとき、月さん、知れないうちに舌を巻いていますよ。それを見て、私、月さんが、昔、イタリアに住んでいたことがわかりました」(聖良)
そう、これも前にも書いていたが、聖良は月と同じく、昔、イタリアに住んでいた鞠莉の発音を通じてイタリア人特有の発音の仕方を知っていた。そして、聖良が千歌たちに会う直前、遠くから千歌たちを見ていた「僕っ子」こと月と出会い、その月の発音から月が昔イタリアに住んでいたことを見抜いていた・・・のだが、このときから、聖良、
(月さんなら千歌さんたちがダイヤたちと会うための必要なピースの1つ)
と、考えていた。なぜなら、千歌たちがダイヤたち3年生3人と会うために乗り越えないといけない障害が2つ、1つはダイヤたちがいるイタリアへの渡航費用、そして、もう1つはイタリアという千歌たちにとって全く知らない地に行く、ということである。イタリアの地理や言語などまったく知らない、そう、千歌たちにとってイタリアは未知のエリアだった。そんななかでただ千歌たちだけをイタリアに行かせてしまったら、日本語が通じない地、そんな中で、千歌たち6人、なにもわからないまま右往左往するだけ・・・というのは目に見えていた。しかし、月というイタリア語が堪能、イタリアの地を熟知している、いわゆる、ガイド兼通訳が同行していたら、たとえ、イタリアのことがまったくわからない千歌たちでも迷わなくて済む。ダイヤたちのところまで確実に行ける、と言えた。なので、聖良は月をイタリア未経験の千歌たちのガイド兼通訳として鞠莉‘sママに推薦したのだった。まぁ、月にとって自分の発音だけでイタリアに住んでいたことを見抜いた聖良の凄さには脱帽していたのですがね・・・。
そして、2つ目の理由は・・・。
「千歌さんたち6人、私と理亜、そして、月さんの立ち位置です」(聖良)
そう、千歌たちとの立ち位置・・・というか、関係性、である。聖良曰く、
「私と理亜は(あまりに長い間一緒に千歌たちと過ごしてきたために)千歌さんたち6人に近づきすぎてどうしても(千歌さんたちに)道場いしてしまいますし・・・」
そう、聖良は知っていた、あまりに対象者と長い時間、一緒に過ごしてしまうと、なにかあったとき、人はどうしてもその対象者のことに同情してしまう・・・かもしれないことを。それを聖良は危惧していたのだ。一方、月はというと、
「でも、月さん、あなたなら、千歌さんたちと一緒に過ごした時間は短い。たとえ同情的になってもそこまで甘くならないでしょう。むしろ、より客観的に物事を判断、より効果的な方法で(千歌さんたちを)よみがえさせることができるでしょう」(聖良)
月は曜を除いて千歌たちと一緒にいた時間が短い。なので、そんなに同情的に物事を判断しない、そう聖良は思っていたのだ。でも、これについて、月、本当にそうであるか疑問に思ってしまった。
しかし、聖良の2つ目の理由に関して、の本当の理由は別にあった。聖良は2つ目の理由について月に言っていたとき、こう考えていた。
(月さん、あの静真で生徒会長をしている。それを曜さんから聞いてわかりました。あの部活動がとても盛んで全国的に優秀な成績を残している、あの静真で生徒会長をしていること、それにも関わらず、生徒たちをより良い方向へと導こうとしている、そのことを聞いて、月さんなら客観的に千歌さんたちを見ることができる、そう思いました)
そう、聖良は月のことを高く評価していた。聖良、実は静真が部活動がとても盛んで全国的に優秀な成績を残していることを知っていた。そんな静真で月が生徒会長として頑張っている、生徒たちをより良い方向へと導こうとしている、そのことを曜からホテルのロビーで聞いていた聖良、彼女なら誰に対しても客観的に物事を判断できる、とみていた。静真という静岡の中でもすごい部類に入る高校、なので、生徒会長として抱える案件は一筋にはいかないものがほとんどである。さらに、そこに私怨が入ってしまうとどちらか一方の方に傾いてしまい、最悪の場合、学校がいけない方向へと進むことがありえる。そんあこともあり静真という凄い高校で生徒会長をする場合、私怨をを持ち込まず客観的に者後を判断しながら案件を進めていく必要がある。それを月はちゃんとしているのである。生徒会長としてなので、聖良、たとえ千歌たちに対しても月なら客観的に千歌たちのことを判断できる、そう考えたのである。
さらに、2つ目の理由の付け加えとして、聖良、こんなことまで言ってしまう。
「そして、月さんの場合、以前、今の新生Aqoursの状況と同じ状況に陥ってしまった、そう私は感じていました。その経験を千歌さんたちに伝えることができれば必ず新生Aqoursをよみがえさせることができるでしょう」
そう、聖良は月に今回の千歌たちと同じ状況に陥ったことがある、そう思えた・・・のではなく、曜から聞いていたのである、ホテルのロビーのところで・・・、といっても前にも書いていたのだが、くわしいこについては別の機会に話すことにして、繰り返しにはなるが、曜と月が中3の卒業のときのこと、である。そこで月は、もとに戻った、「0」に戻った、そんな錯覚に陥るも、曜から「離れ離れになってももとに戻らない、、「0」に戻らなない、むしろ、これまでの曜との想い出、想い、キズナは宝物としてずっと残っている、(と、もう一つ、)その宝物を通じてずっとつながっている」と月に言ったことにより月は立ち直ることができたのである。で、今回の千歌たちにもそれが当てはまるのではないか、そう聖良はにらんでいた。今回、ライブの失敗というより、ダイヤたち3年生3人がいない、という喪失感により不安・心配という深き海・沼に陥ってしまった千歌たち、その心のなかには3年生がいないことにより3年生が入る前の聖良たちSaint Snowに出会う前の、もとに戻った、「0」の状態に戻った、その思いが生まれてきたのかもしれない。ならば、以前に同じことを経験している月を通じて、そして、3年生と再び会うことでその思いこそ間違いであり、本当は今でもダイヤたち3年生とのこの1年で一緒に得た想い出、想い、キズナ、その宝物はずっと残っていくこと、そして、その宝物を通じてずっとつながっていること、それに気付く、そう聖良は思っていた。事実、この後、千歌たちはイタリア旅行での出来事を通じてそのことを知ることができる・・・というか、月がルビィを更生させて・・・とこれについて話すととても長くなるので、こちらの件も別の機会に話すこととして、結果、それによって千歌たちは復活を果たす。なので、このときの聖良の見立ては間違いではなかったのだ。まぁ、このときの聖良はそうなるだろうと月に期待していたのであり、月は結果的にその期待を果たしたのである。えっ、曜から聞いたのだから曜を中心にそれをしたらすぐに復活をするのでは・・・。たしかにその通りだが、このときの曜は失意のどん底を味わっていたため、中3の卒業のときの出来事と今回の件とが同じであるということにこのときは気づいていませんでした。なので、その点についてはあまり追求しないでください。
まぁ、2番目については長々となったが、2番目の理由を聞いて、月、なにか決意した、みたいのようだが、すぐに、月、3番目の理由を聖良に聞く。すると、聖良はすぐに月にこう尋ねた。
「あと、月さん、あなた、なにか悩んでいますか?」
この聖良の問いかけに月は、
「これは曜ちゃんたち新生Aqoursの不調の原因にもつながっています」
と前置きしつつも次のことを話してくれた。千歌たちの学校浦の星と統合することとなった静真、その静真の大スポンサーである人物が突然その統合自体を白紙撤回しようとしていること、その理由が初戦敗退続きで部活動に対する士気が低い(とその人物が言っているのですが・・・)、そんな浦の星の生徒が(部活動が盛んで全国大会に出場する部が多い)部活動に対する士気が高い静真の部活動に参加すると静真の部活動に対する質が落ちてしまうこと、月たち生徒会の頑張りもあり統合白紙撤回は阻止できたもののその人物が掲げた理由に賛同する保護者が多く、それが「保護者の声」となってしまい、その声がなくならない限り浦の星の生徒は新しく作られる分校に通うことになったこと、そして、月の策略により浦の星のなかで唯一全国制覇した千歌たちスクールアイドル部Aqoursの力を借りてその声を打ち壊そうとするも昨日のライブの失敗により浦の星の生徒たちの印象が逆に悪くなったこと、そして、最後に、「「沼田のじっちゃん」という静真のなかで一番偉い人が月にその保護者の声を打ち消すためのヒントとして「部活動とはなにか」「部活動をする上で一番大事なこととは」という問いを月に投げかけてきたものの月としてはまだその問いの答えを見つかっていないこと、を。
で、それらのことを聞いたうえで聖良は「沼田のじっちゃん」という人はかなりの策士、と褒めつつも、これらは今静真で起きている「分校問題」を解決するいい問いである、と認めていた。なぜなら・・・、
(この静真で起きている分校問題、それは、部活動における考え方、ともいえるでしょう。なぜなら、初戦敗退が続くことがあっても楽しみをもって部活をしている、それが浦の星のいいところです。それに、それは昔のAqoursにも見られました。一方、静真というところは部活動は盛んですがなにか浦の星とは違った考え方をもっているのかもしれませんね)(聖良)
そう、浦の星の部活動、それは楽しさを全面的に出したものだった。それは昔のAqours、ダイヤたちを含めた9人でのAqours、でもみられるものだった。なので、たとえ初戦敗退続きでも浦の星の部活動をする生徒たちはどんなことがあってもへこたれない、楽しさを前面に出していく、そして、なにかあったとき、生徒一丸となって楽しみながらそれをこなしていく、そんなことを平気でしてしまうのであった。一方、静真の部活動はそんな浦の星の部活動を是としない、いや、それ自体を認めていない、そんな風にみえてしまったのである、聖良にとってみれば。なので、「沼田のじっちゃん」という人が言った問い、それは浦の星と静真の部活動の違い、それを明確にしたもの、いや、本来、どちらが部活動に地する考えが正しいのか、それを問いかける、とてもいい問題、ともいえた。
そして、聖良は月に昨日の千歌たちのライブの失敗、その舞台となった部活動報告会のときに、
「なにか変わったこと、ありませんでしたか?」
と尋ねると、月
「あっ、たしか・・・」
と前置きしつつ、昨日のライブ、部活動報告会で起きたことを語った。それは報告会で去年のインターハイで優勝した女子サッカー部の部長が言っていたことだった。
「静真の部活動、それは、「勝つことこそ正義なのです」
「その言葉を考えるとどうしても「勝利こそ正義」「勝利こそすべて」と聞こえてしまいます」
そのことを聞いた聖良、あることを思いだす。
(あっ、これって、2年前のラブライブ!のときと同じ状況・・・ですね)
と、聖良、今、静真の部活動で起きていることと2年前にラブライブ!で起きたことが同じであることに気付いた。
そして、聖良は月に対し、
「私はその沼田のじっちゃんの問いに答えることができるかもしれません」
と前置きしつつもその問いの答えのヒントになること、あることを話し始める。2年前、スクールアイドル界では悪しき考え、「スクールアイドルにとって勝利こそすべて、勝つことが一番大事である」、そんな、「スクールアイドル勝利至上主義」、がはびこっていたこと、を。その聖良の言葉に、月、
(あれっ、これってうち(静真)と同じ状況・・・)
と、今静真で起きている状況と聖良が言ったことが同じ状況であることに気付く。
そんな月を見てか、聖良、その状況を踏まえた上で過去に起きたことを語った。その悪しき考えにより上位にいるスクールアイドルが下位にいるスクールアイドルを見下す風潮が生まれたこと、自分としてはその風潮がいやでその風潮がなくなるまでスクールアイドルになることを控えていたこと、を。
そして、月はその悪しき考え、「スクールアイドル勝利至上主義」、勝者が敗者を見下す風潮、それをあるスクールアイドルグループ、あのレジェンドスクールアイドルであるμ'sの高坂穂乃果や絢瀬絵里の妹、そして、矢澤にこの双子の妹といった音ノ木坂最後にしてレジェンドスクールアイドルであるそのグループが打ち砕いたことも話した、そのグループは当時はびこっていた悪しき考えとは違う、スクールアイドルを心の底から楽しむことを全面的に出したグループであり、紆余曲折しつつも1つのグループとして成長した結果、ラブライブ!決勝まで進出し、「勝利至上主義」の権現で絶対的王者だったグループと対決、その楽しさを前面に出した戦いによりそれを撃破、このあと、いろんなことがありつつもそのグループのおかげで「勝利至上主義」という悪しき考えを討ち果たすことができたことを・・・。これには、月、
(楽しむことを強調している・・・)
と、思ったのか、聖良に対しこんなことを尋ねてきた。
「聖良さん、さっきから「楽しむこと」を強調しておりますが、そこはどうなんでしょうか?」
だが、このとき、運悪く船は沼図港に到着してしまう、と、同時に聖良は寝ている理亜を抱っこすると、
「今日は楽しかったです。今度はゆっくりお話ししましょう。それでは、また」
と言ってはそのまま船の外へと出ていってしまった。
そんな船を去っていく聖良の後ろ姿を見て、月、あることを考えてしまう。
「楽しむこと・・・、それってとても大切なことなの・・・」
月はその後、千歌たちとのイタリア旅行、ダイヤたち3年生との邂逅、その中で起きたいろんな騒動、そして、静真の分校問題を通じて楽しむことの大切さをしっていくのだが、それについては、長い、長い、そんな別のお話しである・・・といってもこの「SNOW CRYSTAL 序章」とはあとでつながりがあるのですがね・・・。