聖良と理亜が卒業旅行から帰ってきた日の翌日の放課後・・・、
「さぁ、今日から練習、再開!!」
いつもの通り、学校の校門前に集まった理亜とあつこ、しのっちの3人、そこで理亜が2人に対して言うも、理亜、なんか険しい表情であつことしのっちをにらむ。これには、あつこ、
「どうしたの、理亜さん?なにか私たちを疑うような目をしているけど・・・」
と言ってしまう。そう、理亜、険しい表情・・・とういか、あつことしのっち、2人に対し鋭い目でにらんできたのだ。
そして、その理亜は2人に向かって鬼の形相で怒り口調になりながらもこう言ってしまう。
「2人とも、私が旅行にいっているあいだ、練習、さぼっていたでしょ!!」
この理亜の発言に、あつこ、知らぬ顔で、
「いや、私としのっち、理亜さんが旅行にいっているあいだも練習していました」
と答えてしまう。まぁ、こおではうそをついてでも「練習をしていた」と言うしかないのだろう。だって、「練習していない」、なんて答えたら理亜がさらに怒るのは目にみえているから。
だが、理亜、あつこの答えに対し疑っているのか、ギアをあげてさらに怒ってしまった・・・。
「あつこ、うそ、つかないで!!2人が練習していなかったのは、私、わかっているんだから!!」
これには、あつこ、理亜がそんなことを知っていることに、
(えっ、うそ・・・)
と驚きつつもポーカーフェースを貫こうとしたのか、理亜に対しあることを尋ねてみた。
「へぇ~、旅行中にここにいなかった理亜さんがなぜそんなことを知っているのですか?」
このあつこの質問に、理亜、さらにギアをあげてこう答えた。
「みんなから聞いてきた!!私が旅行中、2人がスクールアイドルの練習をしている姿、誰もみていない、そう答えてくれた!!」
この理亜の言葉に、あつこ、
「へぇ~、とても人見知りの理亜さんにしてみればほかの方に聞いてまわること自体かなり大変だと思いますがね・・・」
と、理亜に嫌味を言いつつもある事実を理亜に突きつけた。
「ですが、理亜さん、私としのっち、こうみえても、スクールアイドルに必要な発生練習をしていたのですよ。だって、ここ最近、発声練習なんてしてこなかったでしょ!!」
そう、ここ最近、スクールアイドルに必要な発生練習をしていなかったのだ。ここ最近していたのは、そう、雪がいまだに積もっている函館山での短距離ダッシュだけである。なので、スクールアイドルにとって欠かせない、歌唱、その基礎練習となる発声練習をあつことしのっちはしていた・・・のだが、これには、理亜、激怒してしまう。
「発生練習・・・って、ただ、カラオケに行っただけでしょうが!!あつこ、うそ、つかないで!!」
そう、あつこがいう発声練習、なんと、「カラオケ!!」、だったのだ。ただ、これについては、あつこ、こんなことを言いだしてきた。
「カラオケだって立派な発声練習です!!それにストレス発散にもなります!!」
まぁ、たしかに、カラオケだって立派な発声練習・・・になるのかもしれない?だって、声をだすことには・・・歌を歌う・・・には間違いない・・・のかなぁ・・・。
でも、頭に地が上っている理恵にとってみればあつこの主張なんてただの言い訳でしか聞こえていなかったのか、理亜、
「あつこ、言い訳なんて見苦しい!!カラオケはただのお遊び、でしょうが!!」
と、完全にブチギレ状態・・・。まぁ、理亜からしたらカラオケも立派なお遊びの1つでしかみえていないのかもしれない。ただ、これについては、あつこ、
「でも、カラオケも立派な・・・」
と理亜に言い返すも、理亜、
「そんなうそ、聞きたくもない!!」
と、あつこの言葉を一蹴してしまった。
そして、理亜は理亜が旅行前に決めたきつい練習をしていなかったことについて怒鳴るようにこう言い切ってしまう。
「あのね、練習というのは1日休むともとに戻るのに3日ぐらいかかるの!!スクールアイドルもそれと同じ!!1日休んだらもとに戻るまで3日以上かかってしまう!!つまり、1日でも休んだら3倍以上もの努力が必要なの!!」
なんと、理亜、とんでもないことを言いだしてしまう。そりゃ、1日休んだら3日かかるってよくいうけど、人は休むことも大切・・・なのだが、今の理亜からしたら、そんなもの、机上の空論、としかみえていないのであろう。だって、今の理亜はまるでどこかのスパルタ教師にみえてしまうのだから・・・。
と、まぁ、とんでもないことを言った理亜にあつことしのっちはともに、
「・・・」
と、無言、いや、唖然となるも、そんなもの、理亜は気にせずに2人にに対してこんなことを命令してきた。
「あつこにしのっち、さぼった分まで練習するから、覚悟してなさい!!さぁ、函館山まで、長距離走、する!!」
この理亜の命令にあつことしのっちはただただ従うしかなかった。ここで反抗したら、火に油を注ぐ・・・、いや、火山に隕石を叩き込む、そんあことになりそうだから・・・。
そんなわけで、あつことしのっちは理亜に強制的にいつもの函館山の麓まで走らされてしまった。そして、3人が函館山の麓に到着すると、理亜、あつことしのっちに対し、こんなことを言ってきた。
「あつこ、それに、しのっち、これから練習に入るけど、さぼった分まで取り返す、いや、それ以上にするから、覚悟、していて!!」
そんな恐ろしい前置きを言いつつ、理亜、さらに恐ろしいことを言ってきた。
「今日は前よりもちょっと長いから覚悟していて!!これまでは2番目の観音様のところがゴールだったけど、今日からは、その倍、3番目の観音様までダッシュで走るからね!!」
これには、しのっち、
「え~、3番目の観音様、って、かなり距離、あるよ・・・」
と、理亜の言葉に絶句してしまう。だって・・・、
「理亜さん、少し考え直してください!!3番目の観音様って2番目の観音様との距離の倍じゃない・・・。それって、山の中腹までダッシュして走ることになるじゃない・・・。それって無謀過ぎ・・・。それに、これ、もう、短距離、じゃなくて、中距離、になってしまうよ・・・」(あつこ)
そう、あつこがこう指摘しても不思議ではなかった。麓から3番目の観音様までのダッシュ、それは麓から2番目の観音様の距離の倍もの距離を走ることを意味していた。ちなみに、3番目の観音様であるが、2番目の観音様がある場所、その先に車道と細長い山頂へと続く登山道が交差する場所がある。その交差する場所からその細長い登山道へと入って少しいった先に設置されている。ただ、その場所、実は、函館山の中腹の位置にあるといっても過言ではなかった。なので、あつこのご指摘通り、もうこれは、短距離ダッシュ、ではなく、中距離ダッシュ、となるので、かなり体力が必要ともいえる。また、それに加えて雪も積もっているのだら、もう人間の体力の限界すら越えるくらいの体力が必要、ともいえた。なので、もうここまできたら、地獄の・・・でいうより、絶望に満ちた練習・・・としかいえなかった。いや、この練習自体、無謀、なのかもしれない。
だが、そんなあつこの指摘なんて完全無視!!、あのか、理亜、あつことしのっちに対し、
「そんな無駄話なんてしないで、さぁ、3番目の菅野さんまでダッシュ!!」
と、無理やり短距離・・・、いや、あつこの言う通り、中距離ダッシュ、をさせてしまった・・・。
ただ、1本目、2本目はなにごとも起こらずに終えることができた。雪が積もっているとはいえそれに注意しながら3番目の観音様までダッシュ(ただし、全力ではなく、転倒しないように注意しながらほどほどの力でのダッシュ)をあつことしのっちはしていた。
とはいえ、そんな自分の感覚を研ぎ澄ましながらのダッシュ、なので、たった2本のダッシュであったとしても、あつこ、しのっち、ともにほどんどの体力をもっていかれてしまった、いや、精神的にも体力的にも相当きつい、それくらい、とても疲れた、立つのがやっと、そんな状態になってしまった。ただ、2人とも全力を出していない、そんなダッシュをしていることに気に食わないのか、理亜、相当疲れている2人に対し、剣幕を起こすくらいの大声で、
「2人とも、もっと真面目にやって!!次、全力でダッシュ、しないと、罰、与えるから!!」
と、脅迫めいたことを言ってしまった。これには、あつこ、
(う~、このままだと、理亜さん、私たちをさらに苦しめてしまう。ここは理亜さんの言う通りにしましょう・・・)
と、ついに白旗をあげたのか、仕方なく、次のダッシュ、3本目のダッシュは全力でいくことに決めた。
そして、この3本目のダッシュのときについに事件が起きてしまった。いや、誰から見ても起こっても仕方がない、そんなことが起きてしまった。理亜、あつこに対し、
「はいっ、3本目のダッシュ、いく!!あつこ、はいっ!!」
と言うと、あつこ、
「どりゃ~」
という大声とともに全力で3番目の観音様めがけて全力でダッシュをする、そんなときだった。あつこ、なんと、1本目、2本目のダッシュの際に踏み方溜まっていたアイスバーン状態となっていた雪に足が取られてしまったのだ。これには、あつこ、
(う~ん!!)
と、必死になって転倒しないようにバランスをとろうとするもそんなあつこの頑張りの甲斐なく、
(あれっ?)
と、あつこが思うくらいふわっとあつこの体は宙を舞った、いや、足を滑らせてしまった、そういってもいいだろう。あつこは雪に足を滑らせてしまい、あつこの体は一瞬宙を舞ったと思うとそのまま地面へとたたきつけられようとしていた。
そんなあつこ、一瞬、あつの脳内にある光景が浮かび上がった。それは・・・。
「もっと頑張らないと、もっと頑張らないと!!そうじゃないともとに戻らない!!あのときみたいに立派な成績なんて残せない!!あのときみたいに勝ち続けることなんてできない!!みんなの期待に応えることができなくなる!!」
そう思ったあつこは昔の栄光を取り戻したい、昔みたいに優秀な成績を残したい、それを期待している自分のまわりにいるみんなの声に応えたい、そんな思いからか、今まで以上にきつい、あつこの体が壊れるかのような過酷な練習をするあつこの姿があった。
そして・・・、
(あともう少しで、昔の私みたいな、誰もが納得がいく、そんな成績が残せる!!)
と、昔の、栄光があったときの自分と同じ、自分に期待している、そんなまわりのみんなが納得がいく、そんな演技をしている、そう自分言い聞かせていたあつこ、だったが、最後の締めの大ジャンプをして跳ぼうとしていた、そのとき、
(さぁ、これを決めたら優勝だ!!)
と思った瞬間、
(あっ、体が・・・いうことを・・・きかない・・・)
とそう思えるくらい、これまでの無謀な練習がたったのか、その練習の疲れがどっと出てしまったのか、それはわからない、でも、あつこの体は一瞬、バランスを崩してしまう。それでも、
(なんとか体のバランスをもとに戻さないと!!)
と、あつこ、諦めずに体勢をもとに戻そうとするも体は言うことをきかない、。そのため、
(えっ!?)
と、一瞬、あつこの体が宙に舞った・・・と思うとすぐに、
(うっ、痛い!!)
と、あつこの体はそのまま地面に、いや、氷の上にたたきつけられてしまい、そのまま、あつこの体はたたきつけられたときのスピードを保持したまま氷の上を滑っていき、ついには・・・、
バタンッ!!
という音とともにあつこの体は氷を取り囲むように築かれていた壁へと叩きつけらえてしまった、その光景、さらには、
「うぅ、あつこには期待していたのに・・・」
「なんであんなことが起きたんだ・・・」
「まさか、大きな大会で転倒して大けがをするなんて・・・」
と、自分に期待していたものの大きな大会で大けがをしてしまい半引退状態になってしまった、そんなあつこの姿に大きく落胆してしまった、いや、それ以上に、
「お前に期待して損した!!」
「もっと頑張ればよかったのに・・・、お前の頑張り不足だ!!」
と、あつこに言いがかりをつけるまわりの人たちの光景だった。
そんな光景が走馬灯のように自分の脳内を駆け巡ったためか、あつこ、一瞬、
(このままだと前と同じことが起きてしまう!!このままだと、私のスティグマ、開いてしまう、悪化してしまう!!)
と思うと宙に舞った自分の体を半回転させては自分の背中が地面にぶつかるような姿勢をとる。そして、そのまま柔道の受け身の体勢をとると、次の瞬間、
ドスッ!!
という鈍い音とともにあつこの体は地面にたたきつけられた・・・のだが、このとき、あつこ、
(い・・・、痛く・・・ない!!)
と、体をぶつけたときの痛みがないことに気付く。どうやら、あつこ、とっさにした受け身の姿勢、そして、ダッシュでアイスバーン状態になった場所はあるもののあつこが地面にたたきつけられたときの衝撃を和らげるくらいの雪が残っていた、のがよかったのかもしれない、あつこは地面にたたきつけられたものの、ケガどころかたたきつけられたときの痛みすらない、そんな奇跡的なことが起きていた。
しかし、これが理亜にとって気に食わないものとなってしまった。理亜、足を滑らせて宙を舞うあることを見て、
「あつこ!!」
と、あつこに対して声をかけるも、あつこ、地面にたたきつけられた・・・のだが、なにごともなかったかのように、
「えへへ、転んじゃった!!」
とはいかみながらそう言うと平然とした姿でその場から立ち上がった。
だが、そんなあつこの姿を見てか、理亜、
「あ~つ~こ~!!」
と、怒りに身をまといながらあつこに近づくと、あつこ、
「あれっ、理亜さん、どうしたの?」
と、なにごともなかったかのような感じで理亜に接する。すると、理亜、
「あつこ、なんで転んでしまっわけ?一瞬ひやっとしてしまった・・・」
と転倒したあつこのことを心配する素振りをみせると、あつこ、
「いや~、なんか、疲れてしまっていたのかもしれませんね。一瞬気が緩んだみたいですね・・・」
と、理亜に対し、笑いながら言った。
しかし、理亜の次の行動はあつこにとって驚くものだった。理亜、笑いながら答えるあつこに対し、誰もが驚くような大声で、
「あつこ、なんで転ぶわけ?それってただの疲れから起きたわけじゃない!!この練習に取り組んでいなかったから起きたわけ!!本当に真剣に取り組んでいたらそう簡単に転ぶわけ、ないから!!」
と、怒鳴るように言ってきた。これには、あつこ、
「り、理亜さん・・・」
と、一瞬たじろいてしまう。だが、理亜の咆哮は止まらない。たじろいだあつこに対し、理亜、集中砲火を浴びせ続ける。
「あつこ、あなたは真剣にスクールアイドルになろうとしているわけ?私にはそう見えない!!だって、真剣に取り組んでいたなら、転ぶってこと、起きないから!!真剣にやっていないから、一瞬、気が緩んでしまったから転んだわけ!!わかる、あつこ!!あなたが真剣に練習に取り組んでいたら未然に防ぐことができたわけ!!それくらいあつこはスクールアイドルに対して真剣に取り組もうとしていない、ただのお遊びにしか思っていない!!」
この理亜のあつこに対する口撃に、あつこ、
「り、理亜さん・・・」
と唖然となりつつもすぐに言い返す、ある事実を突きつけるために。
「理亜さん、私に対していろんなことを言っていますが、私からしたら、この練習、とても無謀といえる、いや、取り返しがつかないことをしている、そんな練習をしています。もし、この練習を続けていたら絶対に後悔します!!そんな練習を理亜さんは私たちに強要しているのです!!いや、もしかすると、理亜さんの好きなスクールアイドル活動ができなくなる、それくらいの練習を私としのっちにさせようとしているのですよ!!理亜さん、そのことを自覚してください!!」
だが、理亜、そんなあつこの忠告なんて無視!!、すぐにあつこに対しこんなことを言いだす。
「あつこ、あなたたちがいけないことをしていたからこの練習をしているわけ!!私の言う通り、あの練習メニュー(理亜が卒業旅行前にあつことしのっちに対し突きつけた旅行期間中に2人がやるべき地獄の練習メニューのこと)こなしていればよかったわけ!!それを2人はさぼってしまった、そのさぼった分を取り返すため、こんなきつい練習をしないといけない!!わかるでしょ、あつこ!!」
むろん、これについては、あつこ、売り言葉に買い言葉、ということで、理亜に起こりながら反論した。
「理亜さん、あの練習メニュ、スクールアイドルを始めた、いや、普通のスクールアイドルの高校生すら、普通に無理、ともいえるものです!!それを私たちにさせるなんて、理亜さん、鬼、ですか?いや、3番目の観音様までダッシュをやること自体、理亜さんは鬼です、悪魔です!!大ケガではすまない、そんなレベルではありません!!」
そんなあつこの反論に火がついたのか、理亜、完全にキレてしまった。なので、理亜、あつこに対しこう言い返してしまった。
「あつこ、こんな練習をしないといけない、それくらいのことをあつこたちはやったわけ!!私が(卒業旅行前に突きつけた)練習メニューをこなしていれば今日の練習(3番目の観音様までのダッシュ走)を平気でこなすことができる!!けれど、それをあつこたちはさぼった、いや、それ以上に、今日の今日までお遊び感覚でスクールアイドルの練習をしてきた、そのつけがまわっているわけ!!だからあつこは大きく転倒してしまった!そのことを、あつこ、反省しないなんて、やぱっぱりあつこは本当にいい加減にすぎる!!スクールアイドルを甘く見過ぎている!!」
むろん、あつこ、ここで黙ってはいられない。理亜に対し、
「理亜さん、黙って聞いていれば・・・」
と言い返そうとしていた。
もうここまできたら、理亜とあつこ、戦争状態に突入したといっても過言ではないだろう、そんな一発即発の状態に2人は陥ってしまった。これには、しのっち、
「理亜ちゃん、あっちゃん、少し落ち着いて・・・」
と、2人のあいだを取り持とうとするも2人のあいだがこのような状態に陥っているためか、
「わ、私、どうしたらいいの・・・」
と、おどおどし始めてしまった。
もうここまできたら誰も、あつこと理亜、2人を止められない、そう思えたときだった。突然、
「理亜にあつこ、2人ともにらみ合うのはやめなさい!!」
と、理亜とあつこ、2人ともよく知っている声が聞こえてくる。その声に反応したのか、理亜、その声がする方を向くと、その声の主の名を呼んだ。
「ね、姉さま・・・」
そう、突然2人を止めに入ろうとしてきたのは・・・聖良だった・・・。