ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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SNOW CRYSTAL 序章 第20話

「どうすれば、あの理亜を救うことができるのでしょうか。そうしないと、理亜が・・・理亜が・・・」

理亜のことが心配で心配でたまらない聖良。そんな聖良に対し、あつこ、

「たしかにこのままだと、聖良さんの言う通り、理亜さんは自分で自分を追い詰めてしまいます」

と、聖良の言うことを理解するとともに、

「なので、ここは理亜さんがそうならないためにもこのあとどうすべきか一緒に考えていきましょう、聖良さん」

と、これから先、理亜をどうするか、一緒に考えることを聖良に提案。これには、聖良、

「う、うん・・・」

とうなずいてくれた。

 とはいっても、漠然と決めたのでは理亜も納得してくれない・・・というわけで、あつこ、

「理亜のこれからを決める前になぜ理亜さんが暴走しているのか考えてみることにしましょう」

と、理亜が暴走した理由を考えてみることを聖良に提案すると理亜のことが心配で心配でたまらなかった聖良も心を落ち着かせることができたのか、

「うん・・・」

とうなずいてくれた。

 そんなわけで、理亜が暴走した理由について考えてみる、ということで、あつこ、

「これまでの理亜さんの行動で理亜さんの本心を知る糸口がありましたでしょうか・・・」

と、理亜の本心を知る糸口がないか、これまでの理亜の行動を振り返ってみる。すると、聖良、

「あっ、あつこ、たしか、この前、理亜はこんなことを言っていました!!」

と、思いだしたかのように言うと、あつこ、

「えっ、聖良さん、いつのことですか?」

と、聖良に尋ねてみる。

 すると、聖良、そんなあつこに対し、、

「たしか、あつこが理亜とぶつかったあの日のことです!!」

と、聖良が答えた。そう、卒業旅行から帰ってきた次の日、理亜があつことしのっちに対し函館山の3番目の観音様まで中距離ダッシュを無理やりさせた日のことである。その日は無謀な練習をあつことしのっちに課したあつこが理亜に反抗、また、理亜のことで心配で理亜の様子を見に来た聖良が対立する理亜とあつこの仲裁に入ったものの、理亜は怒ってどこかにいってしまった、あの日のことである。そのときのことを聖良は思いだしたのだ。

 そして、聖良はあつこにその日の理亜の言動のことを話した。

「あつこと理亜が喧嘩して私が仲裁したあと、理亜はその場を離れましたが、そのとき、理亜はこう言っていました。

 

「これは私が解決しないといけないことです!!この私にしかできないことです!!」

「私は必ず成し遂げないといけない、私のミスのせいで私は姉さまとの夢を・・・、私は必ずしないといけない、姉さまの分まで、この私が・・・、この私が・・・、Saint Snowと同じものを・・・、同じ輝きを・・・、いや、それ以上のものを・・・」

「私は・・・、私は・・・、姉さまの分まで・・・、私のミスのせいで・・・、姉さまと叶えることができなかった・・・、あのルビィたちが成し遂げてしまった・・・、ラブライブ!優勝・・・、私たちの夢を・・・叶えないと・・・、私がしないと・・・、いけない・・・。そのための・・・、勝ち続けるための・・・、ユニット作りを・・・、私は・・・、私は・・・、しないと・・・いけない・・・」

「私は・・・私は・・・失った姉さまの分までやらないといけない!!」

 

と・・・」 

 この聖良の言葉に、あつこ、あることに気付くと聖良にこう言った。

「聖良さん、もしかして、理亜さん、まだ、あのことを後悔しているのではないでしょうか」

このあつこの言葉に、聖良、

「えっ、あつこ、あのこととはいったい・・・」

と、あつこに尋ねると、あつこ、理亜が後悔しているあのことについて言った。

「聖良さん、あのことっていうのは、聖良さんとの夢が潰えたあの日のこと、ラブライブ!冬季大会北海道最終予選の日のことです!!」

そう、あの日のこと、それは、ラブライブ!冬季大会北海道最終予選の日のことである。みなさんもご存じの通り、予選本番、「姉さまとの夢を叶えないと・・・」と自分を追い込んでしまった理亜、その思いのせいか、それにより焦ったのか、理亜は聖良を巻き込むかたちで大転倒してしまった。これにより、このあと、満足がいくパフォーマンスができず、聖良と理亜、Saint Snowはラブライブ!決勝に進めることができなかったのだ。

 だが、これについては、聖良、反論する。

「でも、そのときの後悔はあのクリスマスライブで理亜のなかから消えたのではありませんか?」

たしかに聖良が言っていることも一理ある。あのあと、理亜は自分のミスでSaint Snowを終わりにした、姉の聖良に申し訳ない、その後悔の念を持つようになった。が、前述の通り、その様子を偶然ルビィが見つけたのだが、そのルビィの機転によりクリスマスライブというかたちで昇華させたはずだった。あっ、ちなみに、その際、ルビィと理亜は同じ1年の花丸・ヨハネを巻き込む形で一緒に行動、自分たちが作詞したものを理亜から依頼を受けたあつこが作曲、その曲を理亜とルビィはそのライブで披露したのだった。また、このライブのあと、理亜は姉の聖良に対し「Saint Snowを終わりにする。自分だけのユニットを作る」、そう宣言もしていた。

 だが、その聖良の反論に対し、あつこ、とんでもないことを言った。それは・・・。

「聖良さん、もし、その後悔がなにかがきっかけで復活していたらどうですか?」

このあつこの説に、聖良、思わず、

「た、たしかに・・・」

とうなずいてはたじろいてしまった。

 そのあつこ、たじろく聖良に対し、自分の考えを述べた。

「聖良さん、もし、その後悔が復活していた、いや、消えたと思っていたけど理亜さんの心の奥底にまだ残っていたとなれば理亜さんの言動にも説明がつきます。「私のミスで姉さまとの夢を・・・」、それって、あの北海道最終予選のことを言っているのかもしれません。そのため、その夢を自分の力で叶えようとしたいために理亜さんはスクールアイドル初心者である私たちにきつい練習を課してラブライブ!優勝と目指そうとしていたのです!!これが理亜さん暴走の理由です!!」

で、このあつこの考えに、聖良、

「た、たしかにそう言われると納得がいきますね・・・」

と、あつこの考えに理解をみせる。

 そして、あつこは聖良に対しある確認をした。

「そんな意味でも、聖良さん、これまでSaint Snowの歴史をもう1度、簡単に、振り返ってみましょう!!」

これには、聖良、あまりのあつこの勢いに、

「う、うん、そうですね・・・」

と、ただ答えるしかなかった。

 

 あつこはSaint Snow結成の理由について振り返る。

「聖良さん、たしか、Saint Snow結成の理由は、「ラブライブ!に優勝してA-RISEやμ'sと同じ頂きに昇ってそこから見える景色を確かめてみたい」、でしたよね」(あつこ)

このあつこの言葉に、聖良、

「た、たしかにそうでした。たしか、あれは・・・」

と、昔を振り返る。スクールアイドルが人気になりだしたころ、スクールアイドルの甲子園ともいえるラブライブ!が開催されるようになった。そのとき、もっとも活躍していたのが、第1回ラブライブ!優勝チームのA-RISE、そして、その第2回を制したμ's、だった。その2組の活躍を函館の地にて見ていた聖良と理亜、2人はその2組に憧れ、「いつかはきっと2組と同じ頂きにのぼってそこから見える景色を確かめたい」、そのような夢を抱くようになった。そして、聖良の幼馴染であったあつこを巻き込み、理亜が高校に入学するときにスクールアイドルユニットを結成することを誓い合ったのである、聖なる雪が降る日にその夢を誓って・・・。その後、スクールアイドルの世界は「勝利至上主義」など紆余曲折しながら大きく発展していく・・・。

 そんな聖良の思い出話をしたあと、あつこは続けて、

「そして、理亜さんが聖女に入学するまで聖良と私、そして、理亜さんはユニット結成のための下準備をしていました。その後、理亜さんが聖女に入学、聖良さんと理亜さんのスクールアイドルユニット、Saint Snow、は本格的に活動をスタートさせました」

と言うと聖良も、

「たしかにそうね」

とうなずくとここでまた昔のことを振り返った。理亜が聖女に入学するときにユニットを結成する、そのことを決めたときから聖良と理亜、あつこの3人はそのための下準備を始めた。スクールアイドルに必要な練習はなにか、どのような練習メニューがいいか、オリジナル曲の作詞作曲、そんな下準備を3人は行っていた。その下準備であるがあつこが大会で大事故を起こしフィギュアスケートを半引退状態になったことである影響を受けてしまう。あつこが半引退状態になったため、その大事故で負った(身体、精神ともに傷ついた)あつこはそのリハビリを兼ねてあつこはその下準備をせっせと行ったのだ。それは、あつこにとって大事故を起こして大ケガをした、そのことに対しての後悔の念を忘れさせることにもつながった・・・はずである。一生懸命下準備をすることであつこはいつしかその後悔を表面上は忘れることができたのである。その後、その下準備も終わりを迎える。理亜が聖女に入学してきたのだ。こうして、聖良、理亜のユニット、Saint Snow、は始動した。

 そんな聖良の昔話を聞くとあつこは続けて、

「そして、聖良さんと理亜さんはSaint Snowとして活動するとちゃんとした下準備をしてきたせいか快進撃を続け、ついにはラブライブ!夏季大会で全体の8位までのぼりつめたのですよね」

と言うと聖良は、

「たしかにそうね。このときは、私たち、自分たちの夢を叶えることで必死でただ勝ち続けることしか頭になかったのよね」

と言っては昔を思いだしていた。聖良たちSaint Snowはちゃんとした下準備をしていたおかげで快進撃を続けていた。下準備したときに作成したロードマップにのっとり、最初のころはきつい練習メニューをこなしつつ小さなイベントにも参加していくことでSaint Snowの知名度をあげていった。そして、それが実を結び、東京のスクールアイドルのイベントに呼ばれるまでに成長・・・したのだが、それには満足せず、日々精進を重ね、ついには、ラブライブ!夏季大会で全体の8位という好成績を残した。ただ、このとき、聖良と理亜、2人とも、自分たちの夢を叶えるため、勝ち続けることしか頭になかった。そのため、ラブライブ!全体の8位という好成績であっても2人は満足していなかった。

 そんな聖良の昔話のあと、あつこ、ついにあのときのことを思いだしては言った。

「そして、Saint Snowはラブライブ!優勝を目指して頑張ろうとした、そのとき、あの日がきてしまったのです。ラブライブ!冬季大会北海道最終予選、Saint Snowは理亜さんのミスにより予選敗退してしまいました・・・」

このあつこの言葉に、聖良、

「たしかに、このとき、私も悔しかったです。けれど、すぐに気持ちを入れ替えることができたのでそのことを後悔することはありませんでしたが、理亜はそのことを後悔してふさぎこみました。ですが、ルビィさんの働きかけにより理亜は立ち直ることができました。なので、あのときのルビィさんには感謝しております」

と言った。ついさきほど記述した通り、Saint Snowはラブライブ!優勝を目指して頑張っていたものの、理亜のミスによりSaint Snowは北海道最終予選で敗退してしまった。その後、聖良と理亜の対応はわかれてしまった。聖良は千歌との交流により勝つことより楽しむことの大事さを自分が自覚していないにもかかわらずそれに染まってしまったこともありそこまで後悔することはなかった。しかし、理亜の場合、自分のミスのせい、ということもあり、ルビィが機転をきかすまでずっと後悔し続けたのである。

 そして、最後にあつこは、

「そして、立ち直った理亜さんは自分だけのユニットを作ったものの、まさかの暴走でメンバーが次々と脱退していく状況に陥ってしまう、これが、今現時点、のことです」

と言うとすぐにある仮説をあつこは立てた。

「聖良さん、私としては、理亜さん暴走の理由、それは、あの日の後悔、ラブライブ!北海道最終予選の日の後悔、聖良さんとの夢を自分のミスで終わらせてしまった、その後悔を挽回すべく、いや、その後悔の末、「昔のSaint Snowと同じ、いや、それ以上のものを作り今度こそラブライブ!優勝を目指す」、その思いを叶えるべく、ラブライブ!に勝ち続けるためのユニット、それを作ろうと素人同然の私たちに無謀といえる練習を課したのかもしれません」

 このあつこの仮説に、聖良、

「た、たしかにそう言えるかもしれませんが、そう断定できないのでは・・・」

と少し反論するも、あつこ、ある事実を聖良に突きつけた。

「でも、理亜さん、私と喧嘩した日、こう言っていました。「私は必ずしないといけない、姉さまの分まで、この私が・・・、この私が・・・、Saint Snowと同じものを・・・、同じ輝きを・・・、いや、それ以上のものを・・・」と・・・。これって、昔のSaint Snow、それを追い求めていたからじゃないでしょうか、理亜さんが・・・。なので、こういえるのですが、理亜さん、昔のSaint Snowを追い求めたい、同じものを、同じ輝きを、いや、それ以上のものを作りたい、追い求めたい、その一心で素人同然の私たちに限界を超えた練習を課したのです」

このあつこの考えに、聖良、

「た、たしかにそう言われてみるとそうですね・・・」

と納得の表情。たしかにあつこの言う通りである。理亜はあつこと喧嘩した日、「Saint Snowと同じものを・・・、同じ輝きを・・・」と言っていた。その同じもの、それは、昔の聖良と理亜、昔のSaint Snow、そのことを指しているといえた。なので、理亜が暴走しているとき、理亜の心には、昔のSaint Snow、あの勝ち続けていたときのSaint Snow、それと同じもの、同じ輝き、いや、それ以上を追い求めようとしていたのだ。それがあつこたちユニットメンバーに対する限界を超えた練習に結びついた・・・のかもしれない。だって、スクールアイドル経験者とは違い、あつこたちユニットメンバーはスクールアイドルを始めたばかりに初心者なのだから・・・。

 だが、ここで聖良、こんなことをあつこに尋ねてしまう。

「でも、たしかにあつこの言う通りだとすると納得いくけど、そんな理亜を暴走へと突き動かしている元凶ってなんなのでしょうか?私、あの日の後悔以外にも理亜のなかにないか、気になってしまいます・・・」

そう、たしかに、あつこの言う通りなら、昔のSaint Snowと同じもの、同じ輝き、それ以上のものを追い求めているために理亜は暴走している、と言えるのだが、聖良に言わせると、それ以外にもなにか元凶となるものがあるのでは、と疑問に思ってしまうというのだ。

 で、この聖良の疑問に、あつこ、

「う~ん、たしかに・・・」

と少し考えるとすぐに、

「あっ、大事なこと、忘れていた!!」

と言っては聖良に対しあることを言った。

「聖良さん、たしか、「私は・・・私は・・・失った姉さまの分までやらないといけない!!」って言ってませんでしたか、私と理亜さんが喧嘩したとき、理亜さんが!!」

これには、聖良、そのときの理亜の言動を思いだすとすぐに、

「た、たしかにそうでしたね!!」

とあつこの言うことに同意した。

 すると、あつこ、聖良に対し新たなる仮説を立ててはこう言った。

「聖良さん、もしかすると、理亜さん、自分のミスで叶わなかった夢、そのなかで、自分と一緒に夢を叶えようとして叶えることができなかった聖良さんのぶんまで頑張ろうとしていたのではないでしょうか!!!だって、聖良さんにとって(北海道最終予選があった)ラブライブ!冬季大会が自分たちの夢を叶える最後の機会でしたから!!」

たしかにその通りである。ラブライブ!夏季大会を全体の8位という好成績で終えたSaint Snow、その次のラブライブ!冬季大会は自分たちにとって自分たちの夢を叶える最後のチャンスであった。なぜなら、聖良は高3である。で、スクールアイドルは高校生ならなれるアイドルのこと。この大会のあと、聖良は高校を卒業する。なので、次の冬季大会が自分たちの夢を叶える最後のチャンス、ともいえた。ところが、そのチャンスを自分のミスのせいで潰してしまった、そのことを理亜は後悔していたのだ。ただ、この後悔はルビィの機転による働きかけによりあのクリスマスライブというかたちでその後悔は消えた・・・はずだった。だが、なにかがきっかけで理亜さんのなかでその後悔が復活した。ただ、復活したときには肝心の聖良はすでにスクールアイドルを引退していたため、その夢を叶えるため、いや、それ以上に、自分のたちの夢を叶えることができなかった聖良の分まで自分でなんとかしないといけない、そう思ってしまい、理亜は暴走した・・・、ともいえた。このあつこの新仮説に、聖良、

「た、たしかにそうかも。あつこの言う通り、引退した私の分まで頑張ろうとした結果、理亜は素人同然の温子たちに対して無謀と言える練習を強要した、理亜は暴走した、といえなくもありませんね・・・」

と、納得してしまった。

 で、そのことを踏まえた上で、あつこ、聖良に対し、

「けれど、それによって私を含めて理亜さん以外のメンバー全員が理亜さんのユニットを脱退したことになります。こうなると、理亜さん、このあと、どうなると思いますか。聖良さん・・・」

と尋ねてみると、聖良、いやなことを考えたのか、

「いや~、私の理亜が・・・、私の理亜が・・・、壊れる!!」

と発狂じみた声をあげる。これには、あつこ、

「たしかに、聖良さんの考え通り、理亜さんはきっと自分のせいでほかのユニットメンバーが抜けた、また1人になってしまった」、って後悔するでしょう。その後悔と「自分のミスのせいで失った聖良さんの分を含めて聖良さんとの夢を今こそ叶える」という思い、それが合わさってしまった結果、今度は自分を罰するがごとく理亜さん自身に対して無謀といえる練習を課してしまう、そんな危険性がでてくるかもしれません。こうなると、私の二の舞、つまり、理亜さんは自分自身を追い込んでしまい、自滅、壊れることになるでしょう」

と聖良に言ってしまう。そう、理亜は聖良譲りにストイックさがある。また、なにに対しても真面目である。いや、それ以上に融通がきかない子でもある。そのため、「自分の暴走のせいでほかのユニットメンバー全員が抜けて自分1人になってしまった」という後悔の念が生まれてくる、その後悔、さらに、「失った姉さまの分まで頑張らないと、姉さまtの夢を叶えないといけない」、その思い、あの日の後悔、それが合わさってしまい、それによって自分で自分を律する、いや、それ以上に、無謀といえる練習を自分に課する、いや、それ以前に、その思いたちによって理亜の心は、体は、壊れていく、そうあつこは言いたいのだ。これには、聖良、

「あつこ~、私、どうしたらいいのでしょうか。理亜が壊れていくところ、私、見たくありません!!」

とあつこに泣きつく。

 これに対し、あつこ、聖良にある提案をした。

「それなら、それを止めてくれる人に頼んでみましょう」

このあつこの提案に、聖良、

「えっ、ある人に頼む?」

とあつこに尋ねると、あつこ、

「はい、あの暴走している理亜さんを止めてくれる人に頼むのです」

と、平気にこんなことを言った。むろん、その人について、聖良、

「それって誰のことでしょうか?」

とあつこに尋ねると、あつこ、その人のことを言った。

「Aqoursのみなさんのことですよ!!」

このあつこの言葉に、聖良、

「あつこ、なぜ、Aqoursのみなさんに頼むのでしょうか?」

とあつこに逆に尋ねてしまった。

 すると、あつこ、その理由を答えてくれた。

「それは理亜さんの性格がゆえに、それと、高校を卒業する聖良さんのこともあるからですよ」

で、この理由を聞いて、聖良、あつこに再び尋ねる。

「あつこ、なぜ、理亜のことをAqoursのみなさんに頼むのと私のこととどう関係があるのですか?」

 すると、あつこ、そのことを含めて自分の発言に対する解説を始めた。

「理亜さんがもっとも信頼している聖良さんですが、函館の大学に進学するとはいえ、いつかは理亜さんと離れ離れになります。そうなると、人見知りの理亜さんの性格上、誰にも相談することができなくなります。だって、理亜さん、ほかの人とはあまり話したがらないですから、人見知りだから。これだと、もし、理亜さんの身になにかあったら、きっと、理亜さん、誰にも相談できずに自分を追い込んでしまい、結果的には、自滅、するでしょう。しかし、理亜さんにはまだほかにも理亜さんのことを理解してくれる信頼できる人たちがいます。それがAqoursのみなさんなのです。特にルビィさんは北海道最終予選敗退によって聖良さんに対する後悔の念を持ってしまった理亜さんのためにクリスマスライブを提案してくれました。ルビィさんはそれくらい理亜さんのことを理解してくれています。なので、Aqoursのみなさんにお願いして理亜さんの良き相談相手として動いてもらったら、きっと、理亜さんのなかにあるその後悔の念も消してくれる、暴走を止めてくれる、と思います。それに、同じスクールアイドルでありライバルでもありますからね」

たしかにあつこの言うことも一理ある。誰とでも仲良くなれる聖良とは違い、理亜は内向的というか、極度の人見知り、である。その理亜の一番の理解者は聖良であるが、その聖良も聖女を卒業する身、なので、理亜がずっと聖良に頼ることができないのだ。けれど、極度の人見知りの性格上、理亜は自分の悩みなどを打ち明ける、そんな人が理亜のまわりにはいなかったりする。いや、なにかあった場合、理亜は姉であり理亜の1番の理解者である聖良以外に頼ろうとはせずに自分一人でなんとかしようとするだろう。だが、それにより、それに加えて、なにに対しても真面目に取り組む理亜の性格もあいまって、理亜自身暴走してしまう、そんなことが起こってしまう、その危険性があったりする。現に、今、理亜はそれらによって暴走状態に陥っている。でも、そのことについて、今は理亜の隣には聖良がいるのだから、聖良に相談の1つぐらいすればいいのでは、という疑問が浮上すると思うが、まぁ、それついてはおいおい話すとして、それは抜きにして、というか、あつこ自身、それについては忘れていたのかもしれないが、あつこの考えによれば、今、暴走状態である理亜を止めるためにも、理亜にとって聖良以外の理亜の理解者にその役を頼もう、というのだ。で、その聖良以外の理亜の理解者・・・というのが、Aqours、だったのである。あのクリスマスライブによってAqours、特に、理亜と同じく姉妹の妹であり姉思いであるルビィとは互いに分かり合える存在、理亜にとって自分の理解者、となってくれたのである。また、Aqoursは理亜と同じくスクールアイドルであり、互いを認め合ったライバル同士でもあった。なので、同じ穴のむじな?であり理亜にとって理解者であるAqoursにお願いして理亜の暴走を止めてもらう、と、あつこはそう考えたのである。

 だが、あつこの解説は続いた。

「それに、このままだと理亜さんはたった一人でこの聖女でスクールアイドル活動をすることになるでしょう。こうなると、もし、今みたいなことが起きたらまた今と同じことが起きてしまう。なので、理亜さんがAqoursに加入してくれたら今回みたいなことを未然に防ぐこともできますしね・・・」

このあつこの解説に、聖良、

「理亜がAqoursに加入ですか・・・。なんか、Aqoursのみなさんに理亜を押し付けているだけのような気がするのですが・・・」

と、少し考え込んでしまう。たしかに、あつこの言う通りである。もし、今回の暴走のことが終わったとしても、これから先、理亜はたった1人でこの聖女でスクールアイドル活動を理亜が続けるのであればきっと今回と同じことが起きるだろう。こうなってしまうと理亜は絶対に壊れてしまうだろう、だって、頼りになる唯一の存在である姉聖良、もう聖女にはいないのだから。ならば、理亜のことを理解してくれるAqoursに加入すれば、今回と同じようなことが未然に防ぐことができるだろう、もし、今回と同じことが起きたとしても理亜自身相談できる相手がいるAqoursなら今回みたいに大きくなることはないだろう、そうあつこは考えていたのだ。ただ、それについては、聖良、Aqoursに理亜のことを押し付けているだけなのでは、という心配もあった。

 が、しかし、

「でも、今考えられる案としてはそれが一番妥当ですね・・・」

と、聖良、あつこの案、「理亜をAqoursとして加入させる」、それが理亜にとって1番いい案である、と認めてしまった・・・、というか、これからの理亜のことを考えるとあつこの案以上のものを考え出すことができなかったのだ。なので、聖良、あつこの案に賛成してしまった。

 そういうことで、あつこ、聖良にあるお願いをする。

「聖良さん、Aqoursのみなさんに理亜さんAqours加入の打診をお願いします」

そう、Aqoursと接点があるのはこの函館では理亜以外に聖良しかいなかったのだ。なので、あつこ、聖良に理亜Aqours加入の打診をお願いしたのだ。これには、聖良、

「あつこ、わかりました。今、Aqoursは大事な案件がありまして、すぐには打診できないのですが、数日後、Aqoursが日本に帰ってきたその日にそのことを打診しましょう」」

と答えてくれた。今、Aqoursは、鞠莉の未来のため、Aqoursの未来のため、そして、スクールアイドルの未来のためにイタリアでライブをする準備をしていた。なので、すぐの打診はできなかった。が、それが終わって数日後、Aqoursがイタリアから帰ってくる、その日にそのことを打診することを聖良は決めたのである。

 だが、このとき、聖良とあつこは表面上のことしか気づいていなかった、理亜の暴走の

理由、「自分のミスで予選敗退したため、)叶えることができなかった夢、それを叶えるために、その夢を叶えることができなかった姉の聖良の分までそれを叶えたい!!「ラブライブ!優勝という頂きにのぼってA-RISEやμ'sと同じ景色をみたい」、その思い、もしくは、あの日の後悔、その裏に潜む真意、いや、理亜の心のなかに潜むある深淵なる闇、それがあることに・・・。

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