とはいえ、理亜のことで悩む聖良はすぐにダイヤたちに連絡・・・するわけもなく、ダイヤたちを含む千歌たちAqoursが日本に帰ってくるのを待った。その待っている日の最中、
(このパフォーマンスを見て確信しました。千歌さんたちは無事に復活を果たしました。もうこれで千歌さんたちの心配をする必要はなくなりましたね)
と、自分のスマホを眺めてはそう思った。聖良が見ていたもの、それは、イタリア・ローマのスペイン広場で行われたAqoursのライブの映像だった。イタリアに行った千歌たちは無事にダイヤたち3年生3人と再会?したものの紆余曲折を経てローマ・スペイン広場で、鞠莉の、Aqoursの、そしって、スクールアイドルの未来を賭けた運命のライブをすることとなったのだ。そのなかで、千歌たちの旅行の通訳兼ガイド役の月によりルビィが覚醒、それを起点に千歌たちも生まれ変わる?ように復活を果たしていく。そして、ローマ・スペイン広場での運命のライブ・・・、それは、あの静真でのライブに失敗した(新生)Aqoursの姿とは・・・、いや、これまでのパフォーマンス以上の・・・そんな言葉にはいえないくらいのものすごいパフォーマンスをAqoursはみせていたのである。これで千歌たちは・・・、いや、Aqoursは復活を果たした・・・、いや、それ以上のものになった・・・、そう聖良が思えるくらいのステージだったのだ。
そんなライブから数日後・・・、
(ようやくダイヤたちが帰ってくるのですね)
と聖良はダイヤたちが日本に帰ってくるのを心待ちにしていた。昨日の夜、ダイヤから日本に帰国する旨のメールが聖良のスマホに届いていたため、聖良、今日、ダイヤたちが千歌たちと一緒に日本に帰ってくることを知っていたのだ。
そして、その日の夕方・・・、
(もうダイヤたちは沼津に到着したはず。もう電話をしていいでしょう)
と、聖良、そう思うと、すぐに自分のスマホを取り出しては電話帳を開き電話をしたい相手を選び電話を・・・、
(あっ、しまった・・・。ダイヤではなく鞠莉に電話してしまった・・・)
と、ここで、聖良、つい焦ってしまったのか、ダイヤに電話するつもりが間違えて鞠莉に電話をしてしまったのだ。あの完璧超人である聖良としてはとても珍しいミス!!でも、それくらい聖良は切羽詰まるものがあったようだ。
とはいえ、
(まぁ、鞠莉に電話をしてもダイヤと一緒にいるはずですから大丈夫でしょう)
と、聖良、そのまま、鞠莉に電話をすることにした。実は昨日のダイヤからのメールのなかで、ダイヤ・鞠莉・果南は沼津に帰ってきたらその日から2週間くらい鞠莉の実家であるホテル小原沼津淡島にて高校最後となる3人だけの時間を過ごす予定だということが記載されていた。なので、聖良、そのことを知っていたのでダイヤの携帯に電話しなくても鞠莉のスマホに連絡すれば必ずダイヤにつながると考えたのである。
そんなわけで、聖良、少し待ってから鞠莉のスマホにつながったことを確認すると、いきなり、
「あの~、小原鞠莉さんの携帯でお間違いないでしょうか?」
と言うと、聖良のスマホからある少女の声が・・・、
「イエ~ス!!マリーの携帯で~す!!」
と鞠莉の声が聞こえてくる。この声を聞いて無事に鞠莉のスマホにつながったことで少し安堵する聖良。その聖良、そのまま、
「鞠莉さん、私です!!聖良、鹿角聖良です・・・」
と、自分の名前を名乗ると、鞠莉、
「聖愛、このマリーになんか御用でしょうか?」
と尋ねてくる。
と、ここで、聖良、
(人に頼み込むなんていつもの私じゃないかもしれません。でも、それくらい、私にとって、今の理亜を救うためには鞠莉の・・・ダイヤたちAqoursの力が必要なのです!!ダイヤ、鞠莉、果南、理亜を助けてください!!)
と、自分の思いを胸にし、鞠莉に対してとても重要なお願いを、必死な思いを、力強く、言った・・・。
「鞠莉、お願いです、理亜を、鹿角理亜を、Aqoursに、Aqoursに入れてください!!」
そんな聖良からの悲痛ともとれるお願い、であったが、とうの鞠莉はというと・・・、
「What!!なんですって!!」「果南、ダイヤ、大変で~す!!実は・・・」(鞠莉)
「えっ、それ、本当!?」(果南)
「これは鞠莉さんだけで決めるわけにもいけませんわ!!ここは聖良さんから詳しい事情を聞く必要がありますわね!!」(ダイヤ)
と、突然の、いや、トリックスターの鞠莉すら寝耳に水、というくらい、誰も予感すらしていなかった、そんな聖良からのお願い、に、鞠莉、ダイヤ、果南も困惑している様子・・・、なのだが、さすが、ダイヤ、まずは聖良にそのお願いに至った事情を聞くことでなんとかその場は収めた。
そして、鞠莉が自分の洲あほをスピーカーモードにすると、聖良、
「実はですね・・・」
と、そのお願いに至った事情を話した。あのクリスマスライブのあと、理亜が新しいユニットを有志と一緒に作ったこと、最初のころは順調だったものの、ある日(ラブライブ!決勝に進出したAqoursを応援しに東京に行った日)を境に理亜がユ暴走し始め、ほかのユニットメンバーに対して無謀といえる練習を課すようになった結果、次々とユニットメンバーが抜けていったこと、それを見かねて聖良が息抜きと称して理亜を連れて東京に卒業旅行にいったものの千歌からのお誘いで沼津に来たときに千歌たち新生Aqoursのみっともないパフォーマンスを見て理亜が激怒したこと、そのせいか、理亜の暴走もヒートアップ、これには、これまでSaint Snow第3のメンバーとして聖良と理亜を支えてくれていた、そして、聖良のお願いで理亜のユニットに参加していたあつこも(自分のスティグマ悪化を懸念してか)理亜のユニットを脱退、あと1人理亜のユニットに残っているものの、その人も理亜のユニットから脱退することが決定的、なので、理亜は、今、たった1人になってしまった、と・・・。
そして、聖良はダイヤたちに対し、
「それは私の憶測なのですが・・・」
と前置きを言いつつ、なんで理亜が暴走したのか、その理由も話した。理亜は(たった1人になっても)自分と一緒に果たすことができなかった夢、ラブライブ!優勝、自分のミスにより果たすことができなかった夢、それを叶えるため、一生懸命頑張っている、その思いが暴走しているのではないか、と・・・。さらには、自分のミスでラブライブ!冬季大会決勝に進出できなかった、そのことに理亜は後悔している、いや、それによって失った自分の分まで理亜は補おうとしている、そして、昔のSaint Snowと同じものを、同じ輝きを理亜は追い求めようとしていること、それらによって、理亜は自分やほかのユニットメンバーを極限まで追い込もうとしていることも伝えた。
その上で、聖良、ダイヤたちに対し、自分の思いを語った。
「ほかのユニットメンバー全員が理亜のユニットから抜けた今、理亜はたった一人になりました。そんな理亜がこれから進む道、それは、破滅という道・・・、これまでほかのユニットメンバーに向けていた思い、「自分のミスで私(聖良)との夢を叶えることができなくなった。ならば、自分だけの力でその夢を叶えないといけない。自分のミスのせいで失った私(聖良)の分まで頑張らないといけない」、その理亜の暴走の原因と思えるその思い、それを今度は理亜自分自身に向けれるでしょう。こうなってしまうと理亜は自分で自分を追い詰めていくのは明白・・・。その思いからくる苦しみ、その起因たる(ラブライブ!冬季大会北海道最終予選での)自分のミスへの後悔、それを悔いている理亜の姿・・・、もがき苦しんでいる理亜の姿、そんな理亜の姿を見て、私、「理亜からそんな苦しみを解放させたい」、そう思えるようになりました。けれど、私はもうすでにスクールアイドルを卒業した身。私には理亜をその苦しみから解放することができません。でも、私の次に理亜の理解者であるルビィさんたち、Aqoursのみなさんが理亜の近くにいればきっといつかは理亜をその苦しみから解放してくれるだろうと思います。だって、孤独な理亜が頼れるのは私以外にルビィさんたちAqoursしかいないのですから。それに、Aqoursのみなさんなら理亜が困っているときはいつもそばにいてくれる、理亜もAqoursのみなさんを信頼していつでも頼ることができる、そう思っていますから」
そんな自分の思いを伝えた上で聖良は、今一度、ダイヤたちに対しお願いをした。
「なので、聖良、一生に一度のお願いです!!理亜をAqoursに、Aqoursに入らせてください!!理亜を、(ルビィたちAqoursがいる、旧浦の星の統合先である)静真に編入させてAqoursのみなさんと一緒にスクールアイドル活動させてください!!」
熱く熱くお願いをする聖良、対し、ダイヤは冷静だった。ダイヤ、とても大事なことを聖良に尋ねる。
「で、聖良さん、このこと、理亜さんは承諾しているのですか?」
そりゃそうだ!!理亜のAqours加入、それに対し、とうの本人、理亜が承諾していることが理亜のAqours加入にとってとても大事なことである・・・のだが、もう、みなさん、お気づきだろう、聖良とあつこはそのことを理亜には話していない、というか、聖良とあつこが勝手に決めたことである。なので、聖良、
「いえ、まだ、理亜には話しておりません。これはまだ私としての案のままです・・・」
と正直に話した。なので、まだ、理亜本人がまだそのことを知らない、となれば、理亜本人の承諾なしに聖良たちだけで勝手にその話(理亜のAqours加入)を進めていては理亜のためにはならない、というわけで、ダイヤ、
「それだと話になりませ・・・」
と、そこでその話は打ち切ろうとしていた。
だが、ここで、聖良、
(でも、このままだと私の大事な理亜が、妹の理亜が、壊れてしまう!!)
と気持ちを先走ったのか、突然、
「ダイヤ、お願いです!!理亜を、Aqoursに、入れてください!!そうじゃないと、理亜、きっと壊れてしまいます・・・」
と、これまでのクールビューティーさを壊すくらいの、それくらい必死になって、大事な妹、理亜のために必死になってダイヤたちにお願いした。これには、ダイヤたちも突然のこと・・・というか、自分のイメージすら殴り捨ててまで必死にお願いする聖良の姿を見て困惑してしまう。
けれど、それだと埒が開かないため、鞠莉、
「セーラ、落ち着いて!!まずはこのことを千歌っちたちAqoursのほかのメンバーにも相談してみるから、ちょっとキープ(待って)!!」
と、聖良に対し大声で一喝!!これには、聖良、
「た、たしかにそうですね!!まずは理亜を受け入れる側、Aqoursのみなさんのなかで話し合う必要がありますね・・・」
と理解を示すとともに、
「それではAqoursのみなさんの意見がまとまり次第、私が理亜に(このことを)話すことにしましょう」
と、聖良が勝手にこのあとの段取りを決めてしまった・・・のだが、これについてはこのときは、ダイヤ、鞠莉、果南から異論がなく、まずは理亜Aqours加入についてAqoursメンバー全員で話し合うことが決まった・・・わけでして、これで聖良は安心したのか、電話を切ってしまった・・・。ただ、このあと、ダイヤ、鞠莉、果南、は鞠莉が勝手に「理亜Aqours加入についてAqoursメンバー全員で話し合う」ということを決めってしまったことに気づいてしまい、鞠莉、自分の発言に慌てふためくも、持ち前の切替のよさもあってか、すぐに千歌たちに連絡、緊急Aqours全体会議を開催することとなった・・・。
そして、ダイヤ、鞠莉、果南は手分けしてほかのAqoursメンバーに、急遽、いつも集まる喫茶店「松月」で緊急Aqours全体会議を行うことを連絡していった。
そんなわけでして、もちろん、この少女も・・・。
「ルビィ、急遽、「松月」で緊急Aqours全体会議を行います。必ず来てください」
とダイヤから電話でそう告げれたからか、
「うん、わかった、お姉ちゃん!!」
と、連絡を受けた方、ルビィもそれについては了承する。
ただ、このとき、ルビィは急遽決まった全体会議でのぼる議題について薄々と感じていた。それは・・・、
(きっと、理亜ちゃんのことだ・・・。理亜ちゃん、まだ元気がないんだね・・・)
そう、ルビィにはわかっていた、会議の議題、それは理亜のことについてだと・・・。
そして、ルビィは理亜のある言葉を思いだしていた。それは・・・、
(あのとき、ルビィたちが、不安・心配を前面に出したパフォーマンスを理亜ちゃんたちのまえで見せた時、理亜ちゃん、ルビィたちに対してこう言っていたね。
「そんなの、人に聞いたってわかるわけ、ないじゃない!!」
「全部、自分でやらなきゃ!!」「姉さまたちはもういないの!!」、って・・・)
そう、静真でのライブ失敗の翌日、内浦の砂浜海岸で理亜たちのまえで見せた、不安・心配に満ちたパフォーマンスをルビィたちはしたのだが、そのとき、姉のダイヤに頼ろうとしていたルビィに対し理亜が言った言葉、その言葉を反芻したルビィは遠い空を見上げてこう思ってしまった・・・。
(あのときはルビィたちも不安・心配という深い海・沼の底に陥ってしまってわからなかったけど、その海・沼から抜け出すことができた今だからこそ、ルビィ、こう言えるかもしれない、あのときの理亜ちゃん、いや、今の理亜ちゃん、なんか、昔のルビィの姿に、お姉ちゃんたちを探しにイタリアに旅立つルビィたちの姿に、なんか似ている気がする・・・)
その後、千歌のスマホ充電忘れもあり、Aqoursメンバー全員に連絡がついたのは夜遅くだった。そのため、緊急Aqours全体会議は、明日の朝、いつもあつまる喫茶店「松月」で行うこととなった。
そして、ダイヤ、鞠莉、果南は聖良を加えて、理亜がAqoursに加入できるのか、この3月下旬に(浦の星の統合先である)静真に編入できるのか調べてみた。だって、もうすぐ新学期という時期に編入できないのであればいくら理亜のAqours加入が決まっても静真編入ができなければ意味がないから。
で、結果は・・・、
「まさか、この時期でも静真に編入できるなんて・・・」(ダイヤ)
と、ダイヤもびっくりするくらい、この新学期に迫っている時期であっても静真に編入できることがわかった。どうやら、静真、より成績優秀な生徒やスポーツ競技に秀でた生徒を自分の学校に引き入れたいらしく、3月末まで編入試験の受付をしていたのである。まぁ、その浦にはあの男の存在があるのですが、その男と静真の生徒会長である月との争いについては別の話(「Moon Cradle」)です・・・。とはいえ、これで理亜も静真の編入試験を通れば晴れて静真の生徒の一員に、Aqoursの一員になれる、ということがわかりました。また、理亜の学力は相当高いものであること、輝かしい実績(ラブライブ!夏季大会8位入賞)があるため、静真の編入試験は一発で合格できるレベルであることもわかった。あとは、Aqoursメンバーの考え、理亜の考え次第といえた。この結果に、聖良、理亜Aqours加入のための第1段階は無事にパスした、と安心しきっていた・・・。
そのためか、聖良、こんなことを言いだしてきた。
「あとはAqoursのみなさんが理亜のAqours加入を認めてくれたら、私の理亜は、理亜は、壊れなくてすみます!!ダイヤ、鞠莉、果南、本当にありがとうございます!!」
ただ、この聖良の発言には、ダイヤ、鞠莉、果南、ともに、
「・・・」
と無言になるしかなかった・・・。