ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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SNOW CRYSTAL 序章 第25話

「あつこ、あの曲の封印を解くときがきました」

ダイヤたちとの電話のあと、聖良はあつこに対しこう言うとクローゼットから「封印」というシールで封していた段ボールを出すとその封を解く。すると、段ボールの中から楽譜やCD、ダンスが収められたDVD、そして、ボンテージ風の衣装がでてきた。これには、あつこ、

「あの曲って、まさか・・・」

と言うと、聖良、すぐに、

「はい、そうです。あの曲、「Believe Again」、です」

と、はっきりと答えた。

「Beleve Again」・・・、それは聖良がラブライブ!決勝であの千歌たちAqoursと戦うために用意していた曲である。Aqoursがラブライブ!決勝でSaint Snowと戦うために「Brightest Melody」を用意していたのと同様にSaint Snowもそのために「Believe Again」という曲を用意していたのだが、Saint Snowがラブライブ!冬季大会北海道最終予選で敗退し、たため、聖良はもうこの曲は歌うことはない、もうAqoursと戦うことがない、と思いクローゼットの奥に封印していたのだ。だが、今回、ラブライブ!決勝延長戦、ライバルである千歌たちAqoursとの最初で最後の死力を尽くした全力全開の戦い、をする、ということで、聖良、Aqoursと戦うならあの曲しかない、という強い思いのもと、「Belive Again」の封印を解いた次第なのである。あと、延長戦まで残された時間があまりない(数日後に延長戦を開催予定)ため、新曲などを準備するよりもまえに作っていた曲をブラッシュアップしたほうがより良いものを延長戦で披露できると考えたこと、この延長戦のことは理亜には延長戦開催日まで秘密にすることが決まっていたため、そんな理亜でもすぐにパフォーマンスができるようにしたい、という配慮が必要、というのも「Believe Again」を延長戦で歌う曲として選んだ理由の1つとなった。

 そんなこともあり、聖良、あつこに対しあるお願いをした。

「あつこ、あまり時間がありませんが、この「Believe Again」を(延長戦で)あのAqoursに勝てるくらいにまでブラッシュアップしてください。私はこの衣装の補修とパフォーマンスや曲の構成などの見直しなどを行います。千歌さんたちAqoursも私たちSaint Snowを本気で倒すためにこれまで以上に、いや、最大限のものを披露してくるはずです。ならば、私たちSaint Snowも最大限の力で迎え撃つ、いや、あのAqoursを倒しにいく、そんな気持ちではないといけないと思います。なので、あつこ、お願いです、これぞ私たちSaint Snow、これぞ私たちにとって最大限の力である、それを示すくらいの曲に、「Believe Again」に仕上げてください」

これには、あつこ、

「聖良さん、うん、わかりました!!私、この「Believe Again」をあのAqoursに勝てるくらいに、私たちSaint Snowにとって最大限の力である、それを示すくらいの曲に仕上げるね!!」

と元気よく答えた・・・のだが、すぐに、

「仕上げる・・・、仕上げる・・・、ね・・・」

と、なんか歯切れの悪い方向に進んでしまった。

 そんなあつこに対し、聖良、

「あれっ、あつこ、なんか元気がないみたいですが・・・」

と、あつこのことを心配そうに言うと、あつこ、、

「そ、それは・・・」

と、つい言葉を濁してしまう。

 だが、聖良、そんなあつこに対しあることを話す、

「もしかして、あつこ、ルビィさんに言われたことが気になるのでしょうか?」

この聖良の発言に、あつこ、

「!」

とはっとした感じになると、聖良、続けて、

「ルビィさんの言った通り、あつこ自身、「とても大切な宝物、それをなくしてしまった、もしくは、最初からそんなものなんて初めからなかった」、そう思っているのかもしれませんね」

と言うと、あつこ、さらに、

「!!」

とさらにびっくりしてしまった、いや、図星を言われた、そんな表情になってしまった。

 そんなあつこに対し、聖良、ある言葉を投げかける。

「でも、あつこ、私はこう思っております、あつこのなかにも大切な宝物がある、いや、もっと大切な宝物があつこのなかにも存在する、と・・・」

 そして、聖良はあつこに対しこんな言葉でもって締めた。

「あつこ、「Believe Again」をブラッシュアップしていくうちにきっとその宝物の存在に気付くと思います。なので、あつこ、「Believe Again」をより良い曲に、これがSaint Snowの力なのだ、それを指し示す曲に作りかえてください、あつこのなかにある、あつこがまだ知らない宝物とともに・・・」

 

 その日の夜、

「・・・と聖良さんは言っていたけど、本当に私のなかにそんな宝物が存在するのかな・・・」

と、あつこ、ルビィ、そして、聖良、に言われたことを思い返しながら「Believe Again」をブラッシュアップしていた。とはいっても、あつこ、これまでSaint Snowの曲すべてに関わってきたこともあり、これぞSaint Snowの曲、というものに作りかえることなんて容易い・・・というか、もともと自分たちのライバルであるAqoursと戦うために作られた曲であったため、Saint Snowらしさを追求した曲にもともとなっていた、ので、そこまで手直ししなくてもよかった・・・のだが、あつこ、今回は、

(この曲はAqoursと戦うために作られた曲・・・、だけど、今回はそれに加えて理亜さんに、聖良さんと一緒に紡ぎあげてきたSaint Snowという名の想い、想い出、キズナ、そんな宝物の存在、その宝物を通じてずっと聖良さんと、みんなと、つながっていける、それを気付かせることが必要。だからこそ、よりSaint Snowらしさを追求した曲にしないと・・・)

という心意気で「Believe Again」をブラッシュアップしていた。

 そんなあつこ、「Believe Again」をブラッシュアップしていくなかでルビィと聖良に言われたことなんてつい忘れては陽気に作業を進めていた。なぜなら・・・、

(あぁ、私、聖良さんに誘われてSaint Snowのサポーターをしていろいろやってきたけど、この「Believe Again」をSaint Snowらしさがいっぱい詰まった曲にブラッシュアップしていると、なんか、いろんな想い出が蘇ってくるよ・・・)

そう、あつこ、「Believe Again」というSaint Snowらしさがいっぱい詰まった曲にブラッシュアップしていくうちいあつこのなかに眠る、聖良と理亜、Saint Snowと関わった楽しい想い出が蘇ってきたのだ。たとえば・・・

 

(あれは聖良が私に対し夢を語ったときのこと・・・、

 

「あつこ、実はあることをしようと考えています」(聖良)

「えっ、それってなんでしょうか?」(あつこ)

「私、理亜と一緒にスクールアイドルになってラブライブ!で優勝します!!」(聖良)

 

そのあと、私が証人となって聖良さんはあの誓いをしたんだよね・・・、

 

「私、鹿角聖良はここにいる理亜、そして、あつことともにスクールアイドルになってラブライブ!優勝を目指します!!」(聖良)

「わ、私も、姉さまと一緒にラブライブ!優勝を目指します!!」(?)

「この私、蝶野あつこ、この2人の誓い、たしかに確認しました!!2人の証人として、私、いつの日か、その誓いを果たすため、全力でサポートをすること、ここで誓います!!」(あつこ)

「って、あつこ、しれえっと、変なこと、言ってた!!なんで、あつこが、そんなこと、誓うの!!」(?)

 

それに、私が大ケガをしたとき、聖良さんはこんなことを言ってくれました。

 

「うぅ、もうフィギュアスケートなんかできないよ・・・。でも、私、フィギュアスケートない生活を考えたらもう生きる価値なんてないよ・・・」(あつこ)

「あつこ、それだったら、、あの日の誓いを・・・、その誓いを果たしてください!!あつこ、お願いです、私と理亜の夢のサポートをしてくれませんか」(聖良)

「えっ、聖良さん・・・、それって・・・」(あつこ)

「そうです、私と理亜の夢、スクールアイドルになってラブライブ!優勝を目指す、そのお手伝いです!!あつこ、私たちのユニット、私たちの夢を叶えるためのお手伝いをしてください!!私たちにはあつこの力が必要なのです!!」(聖良)

 

それに、それに、Saint Snow本格始動したときも・・・、

 

「理亜が聖女に入学してくれました。ユニット・・・、本格始動です!!」(聖良)

「でも、聖良さん、私、これまでその下準備をしてきたからその自覚がないのですが・・・」(あつこ)

「でも、これからは理亜とともにスクールアイドル活動をしていくつもりです。残された時間はそんなにありません。これからは本気でやっていくつもりです!!」(聖良)

「私だって頑張る!!絶対に私と姉さまとの夢を叶えてみせる!!」(?)

 

あと、ラブライブ!夏季大会で8位になったときも・・・、

 

「聖良さん、理亜さん、やったよ!!8位じゃない。すごい成績だよ!!(あつこ)

「8位じゃダメ!!優勝しないと!!優勝しないといけなかったのです!!」(聖良)

「姉さまの言う通り!!私たちは優勝を目指していた!!あともう少しだった!!けれど、私と姉さまの夢、ラブライブ!優勝は叶わなかった!!悔しい!!とても悔しい!!」(?)

「聖良さん、理亜さん、ごめんなさい!!8位の成績じで喜んでいた私がバカだったね・・・」(あつこ)

「でも、ラブライブ!8位の成績じゃ聖良さんも理亜さんも納得いかないでしょ!!冬季大会では優勝を目指して頑張らないとね!!」(あつこ)

 

(そして、あの日、ラブライブ!冬季大会北海道最終予選で敗退したときも・・・、

 

「あつこ、ごめんなさい、こんなみっともない姿、見せてしまって・・・」(聖良)

「聖良さん、それは仕方がないことです。だって、まさか予選敗退するなんて、自分タイの夢を叶えることができなかった悔しさ、これまで聖良さんたちのことを全力でサポートしてきた私だってこう思うます、とても悔しい、って・・・」(あつこ)

「あつこ、ありがとう。私、普段なら、こんな姿、見せたくないんだけど、今だけ、今だけ、させて・・・。あつこ、ごめん、あつこの胸、貸して・・・、泣かせて・・・」(聖良)

「聖良さん、わかりました・・・、2人で一緒に・・・、この悔しさ・・・、泣いて・・・晴らしましょう・・・」(あつこ))

 

「Believe Again」・・・、Saint Snowらしさがいっぱい詰まった曲・・・、それをブラッシュアップしていくうちにあつこのなかに眠っていた聖良と理亜との想い出、Saint Snowとの大事な想い出、それが次々と想いだされていく。これには、あつこ、

(なんか、いろんな想い出、想いだしちゃった。1冊のにまとめられないくらい、それくらいたくさんの想い出・・・、私にとってどれもこれも大切な想い出・・・、辛いこともあったし、楽しいこと、うれしこともあった・・・、どれもこれも私にとって本当に大切な想い出・・・)

そんな想い出とともに「Believe Again」はさらによりSaint Snowらしい曲へ、あのAqoursの「Brightest Melody」に負けないくらいの曲に仕上がっていく・・・。

 のだが、あつこ、ここでふと思うことがあった。それは・・・、

(なんか「Believe Again」をブラッシュアップしていくうちに私と聖良さんたちとの想い出がどんどんよみがえってくる・・・)

そう、ついにあつこも気づいたのだ、自分のなかにも聖良と理亜との、Saint Snowとの想い出が残っていることを・・・。そのため、あつこ、こう考えてしまう。

(たしかに、ルビィさんの言っていたことって、これまで私たちが一緒になって築き上げたもの、想い、想い出、キズナ、それが宝物だって言っていたよね。もしかして、私のなかにも、その宝物、眠っている、存在している・・・ってことなのかな・・・)

そうあつこ、自分のなかに眠るもの、その一部に気付くことができたのである。だが、

(でも、その宝物が完全にわたしのなかにあるっていうのは今のところ断定できない。私はSaint Snowのサポーター、Saint Snowの一員じゃない・・・)

と、あつこ、その宝物の存在を自分のなかにもあるとは断定できずにいた。あつこのなかには「自分はSaint Snowのサポーター、Saint Snowの一員じゃない」、その思いがあった。なので、Saint Snowの一員である理亜みたいにSaint Snowという宝物が完全に自分のなかにある、そう断定できずにいたのだった。

 しかし、それでも、あつこ、あることを決める。

(けれど、私のなかにも、聖良さんや理亜さんとの想い出、Saint Snowとの想い出、が残っている、それだけは言える!!ならば、私も、ラブライブ!決勝延長戦、そこで、私のなかにもその宝物が存在しているのか、理亜さんとともに確かめてみる!!」

そう、今はその宝物が自分のなかに眠っている、存在している、そう断定できない、ならば、ラブライブ!決勝延長戦でその宝物が存在しているのか、その宝物の存在を忘れている理亜とともに確かめてみる、そんな決意をあつこはしたのだった。

 だが、あつこ、ここであることに気付く。

(・・・なんだけど、次々と湧き上がる聖良さんと理亜さんとの想い出、と、止めきれないよ・・・。これじゃ私の頭がパンクしちゃうよ・・・)

そう、あつこは「Believe Again」のブラッシュアップによってどんどん湧き上がる聖良たちとの想い出、それを止めきれずにいたのだ。このまままだとあつこの頭がパンクしちゃう、ブラッシュアップの作業に支障がでてしまう、そうあつこは危惧したのだ。

 そんなわけで、あつこ、あることを決める。

(ならば、「Believe Again」のブラッシュアップ作業はいったん置いといて、この想い出を一気にぶつけてしまおう!!その方法とは・・・、ただ1つ、この想い出を、この想いを、曲として、1つの曲として作ってぶつけてやる!!)

なんと、あつこ、今湧き上がる聖良と理亜との想い、想い出を1つの曲としてぶつけてしまおう、というのだ。なんというあつこの熱量!!でも、それくらい、あつこの頭にのなかで湧き上がる聖良と理亜との想い出、想いは膨大なものだった。

 こうして、あつこは「Believe Again」のブラッシュアップ作業をいったん止め、1つの曲を作り上げることにした。どんどん湧き上がる歌詞、どんどん紡がれていく曲、それはこれまでのあつこには見られなかった、とても熱い作業となった・・・。

 そして、1時間後・・・、

「ふ~、なんとかできた・・・。でも、それくらい、とてもいい出来に仕上がった・・・。Saint Snowみたいに、Aqoursみたいに、虹という輝きを越えた先にある、新しい輝き、新しい虹、それを目指して行く、これまで気づき上げてきた、みんなとの想い、想い出、キズナ、その宝物、それによってずっとみんなとつながっていける、みんなと一緒にその虹を、その輝きを越えることができる、そんな曲に仕上がった・・・」

と、あつこ、これまでにないくらいいい曲、これからのみんなのことを、いや、自分を含めてみんなと一緒に虹という輝きを越えて次へと進む曲、それができた、と自信満々に言えるくらい曲ができた、と思っていた。そう、今ここに、あつこ、最高の1曲を完成させたのだ。

 そんなあつこ、この曲に対しあることを決めた。

「そうだ、この曲の名は・・・、みんなと一緒に虹という輝きを越えたその先にある新しい輝き、新しい虹、それを目指していく、そう、この曲の名は・・・、「Over the Next Rainbowだ!!」

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