そんな思いのせいか、それとも、地道な努力のせいか、理亜と聖良、Saint Snowは結果を残していくようになった。東京のスクールアイドルのイベントでトップレベルのスクールアイドルとの差を痛感させられた聖良と理亜は自分たちの夢を叶えるために、あつこ監修のもと、自分たちの力を磨いていく。これまでよりもみっちりした練習プログラムをしつつも路上ライブやスクールアイドルのイベントをこなしくことで、実力、知名度、ともに前以上にあげていった。それにより、ラブライブ!夏季大会は、地方予備予選、最終予選を次々と勝ち進み、ついに決勝に進出した。ここで、理亜、
(絶対にラブライブ!で優勝してやる!!これまで、私と姉さまは、自分たちの夢、ラブライブ!優勝を叶えるために一生懸命頑張ってきた!!絶対に完璧なパフォーマンスをみせて、絶対に勝って、ラブライブ!、絶対に優勝してやる!!)
と、優勝に対する執念、絶対に勝利することへの執念をみせていた。
ただ、この執念は今回はプラスに働いた。その理亜の思いと妹理亜と同じ思いだった聖良の思いががっちり噛みあい、これまでのなかで最高のパフォーマンスをみせることができた・・・のだが、上には上がいた・・・。Saint Snowとしては、勝利への執念、優勝への執念をみせていた、そんな聖良と理亜にとってみても最高のパフォーマンスをみせることができた・・・のだが、まだ初出場のユニット・・・ということもあり、Saint Snow以上の執念をみせるグループすらあった。いや、それ以外にも・・・、
「私たちだってやればできるのです!!」「そうだ、そうだ!!」
「私たち、レジェンドスクールアイドルグループ、そのなかでも銀河ナンバーワンのお姉さまの妹である私たちの手にかかればお茶の子さいさいで~す!!」
「そうだ、そうだ!!って、私たちもレジェンドスクールアイドルの一員だったでしょ!!」
「こらっ、2人とも、真面目にやりなさい!!でも、2人とも、スクールアイドルを心のそこから楽しんでいるね!!」
「うんっ!!だって、スクールアイドルって楽しんでなんぼ、でしょ!!」
「そうそう。スクールアイドルを楽しむ、そのおかげで、私たちがまえにいた学校、音ノ木坂、その最後のスクールアイドルグループとしてラブライブ!に優勝、さらに、あのお姉さまのいるμ'sすら勝つことができたのです!!」
「確かに2人の言う通りだね!!私も2人の考えに賛成だよ!!だって、私たちの先輩、(高坂)雪穂さんはこう言っていたもんね、「スクールアイドルは楽しむことがすべて」、だって!!」
と、ちょっと小さな双子の姉妹となぜかガテン系の少女、その3人のグループすらいた。
そして、ラブライブ!夏季大会決勝の結果は・・・、Saint Snowは初出場ながら全体の8位という好成績だった。あっ、ちなみに、優勝したのは、なぜか、ちょっと不真面目そうにみえたものの、心の底からスクールアイドルを楽しんでいた、あの双子の姉妹とガテン系の少女のグループだった。
と、まぁ、全体の8位になったことで喜ぶあつこに対し、聖良はそんなあつこを諭す。これを見た理亜もまた、
「あつこ!!あと一歩のところで、私と姉さまとの夢、ラブライブ!優勝、叶うはずだったんだ!!それなのに、全体の8位だなんて、私、とても悔しい!!もっと頑張らないと!!もっと上を目指していかないと!!」
と、あつこに対し、自分の今の思いを吐いた。それくらい理亜も、ラブライブ!優勝ができなかったこと、自分たちの夢を叶えることができなかったこと、ほかのグループにかつことができなかったこと、それに対して悔しがっていた。いや、それ以外にも、理亜、
(まさか、あのふざけていいるような双子のいるグループが優勝するなんて・・・、「スクールアイドルを楽しむ」・・・、そんな思いのグループに負けるなんて・・・。たしかに、あの双子は私と姉さまが目指しているあのグループのメンバーの妹かもしれないし、その双子を含めた、優勝を果たしたグループの3人とも、あのレジェンドスクールアイドルグループの一員であるってわかっていたけど、それでも真面目に頑張ってきた私や姉さまが8位で、スクールアイドルを楽しんでいた、いや、遊び感覚でしていた、あの3人組が優勝だなんて・・・)
と、優勝した3人組グループについても少し恨み節をきかせていた・・・。
ただ、このとき、悔しがる聖良と理亜、そして、あつこはその悔しさをバネに、今度こそラブライブ!優勝を、そのためにもラブライブ!を勝ち抜くことを誓い合うのであった。
その後、夏季大会で全体の8位という成績で終えたSaint Snow、なのだろうか、まわりから、「初出場ながら全体の8位という(まわりからみたら)好成績をあげた」ということで褒め称えられていた、のだが、とうの理亜も、(もちろん、聖良も、)そんなことに胡坐をかかず、自分たちの夢、ラブライブ!優勝、それを目指して精進を、いや、
(もっと、もっと、頑張らないと!じゃないと、私と姉さまとの夢、ラブライブ!優勝なんてできない!!もっと、もっと、頑張らないと・・・、もっと、もっと、勝たないと・・・)(理亜)
と、理亜、これまで以上に、練習に、イベ(ライブ)に熱を入れるようになった。と、同時に、まわりからは、「次こそ、ラブライブ!優勝、間違いなし!!」、という期待の声が聞こえてきていた。
だが、このとき、理亜と聖良、その2人のあいだでスクールアイドルに対する考えに違いが出てきてしまう。聖良はAqoursの千歌との交流で本人は気づいたいないまでも少しずつであるが、スクールアイドルを楽しもう、とする気持ちが出てくるようになる。
一方、理亜は、
「今度こそ優勝だ!!」「あともう少しで優勝できる!!」
「もっと頑張れ!!」
というまわりからの声援もあってか、
(今度こそ、私と姉さまの夢、ラブライブ!優勝を果たす!!)
という、姉聖良との夢を絶対に果たそうとする思いが強くなってしまった。いや、それどころか、
(私と姉さまの夢を果たすためには勝ち続けるしかない!!だからこそ、もっと頑張って、もっと勝ち続けないと・・・)
という勝利に対する執念も強くなってしまった。
だが、その勝利への執念が理亜にとって自分を追い詰めるきっかけとなってしまった。その勝利の執念からなのか、それとも、日々強くなっていくまわりからの期待の声からなのか、それはわからないが、理亜は次第にこんな思いを持つようになる。それは・・・、
(もっと、もっと、頑張らないと・・・。もっと頑張って、もっと練習して、もっと場数を踏んでいないと、もっと勝ちにいかないと・・・。そうじゃないと、ラブライブ!優勝、なんてできない!!私と姉さまとの夢なんて絶対に叶うことなんてできない!!)
と、自分を追い込みはじめ・・・いや、前から自分のことを追い込んでいたのかもしれない。ただ、これまでは、それが表面化していなかったのかもしれない。だが、理亜のなかにある、勝利こそすべて、その考え方、そして、勝利への執念、それが起爆剤となり、「もっと頑張らないと!!もっと頑張っていかないと、勝ち続けないと、ラブライブ!優勝、なんてできない!!」と理亜は思い込むように、自分で自分を追い詰めようとしていたのかもしれない。だって、理亜はとても真面目で、ある目標に対して自分を追い込むくらい一生懸命頑張る、それくらい、姉聖良ゆずりのストイックさがあるのだから。それに、理亜は、融通の利かない頑固者でもあった。
そんなこともあり、理亜はどんどん自分を追い詰めていく。ラブライブ!冬季大会が近づくにつれてまわりからの、自分たち、Saint Snowに対する声援は強くなっていった。それにつられてか、それとも、冬季大会が近づいているせいか、理亜の勝利に対する欲求、それとも、理亜の焦り、が強くなったのか、その両方ともなのか、断言することができないのだが、それでも、理亜は次第に、
(もっともっと自分を追い込まないと!!じゃないと、姉さまとの夢が一生叶わなくなる!!)
と、どんどん自分を追い込んでしまった。
こうなってしまうと理亜がおかしくなってもおかしくない、そう危惧したのか、あつこ、そんな理亜に対しこう釘を刺した。
「あんまりまわりに振り回されないでね、理亜さん!!それに、そこまで自分を追い込まないように!!自分は自分、なんだからね!!」
だが、そんなあつこの忠告も、理亜、
「そんなこと、わかっています!!ラブライブ!は遊びじゃない!!だからこそ今を頑張っている!!」
と、完全に無視・・・しているような感じで対応してしまった。実は、このとき、理亜、
「ラブライブ!優勝・・・、姉さまとの夢・・・、それを叶えないと・・・、勝利しないと・・・」
と、ついこんな独り言を言うくらい、いや、それ以上に、
(私はもっと頑張らないといけない!!みんなから期待されている、いや、それ以上に、私と姉さま、そのただ1つの目標、私と姉さまの夢、ラブライブ!優勝、それを目指す、その思いは誰にも負けない!!だからこそ、私と姉さま、Saint Snowは勝ち続ける!!たとえきつい練習があったとしても、どんなステージがあったとしても、私、絶対にへこたれない!!絶対に私と姉さまとの夢、それを絶対に叶えてみせる!!絶対に勝ち進んで、絶対に夢を叶えてみせる!!)
と、これまで以上に自分を追い詰める、どんなことがあっても絶対にへこたれない、絶対に夢を叶えてみせる、そんな思いになってしまった。そのため、たとえきつい練習があったとしても、どんなことがあったとしても、理亜はへこたれない、いや、諦めずに全うする、そんな心構えをするようになった。いや、それ以上に、その心構え、いや、その思いは日に日に増し、それに伴って理亜は無理をしてでも極限まで自分を追い込むようになっっていった・・・。
しかし、それは理亜にとって諸刃の剣となった。自分を極限まで追い詰めてまで得たもの、それは、「Saint Snowとしての実力」、だった。「最後の最後まで自分を追い詰めることにより、自分たちの夢を叶える、ラブライブ!優勝という夢を叶える、そのために絶対に勝ち続ける」、そんな思いに支配されていた理亜はどんな練習でもどんなイベントやライブであってもいつも全力で対応、パフォーマンスをしてきた。それは、練習を重ねるごとに、ライブをこなしていくごとに、自分の実力として十分に発揮されていく、いや、前以上のものをみせてくれることにもつながった。なので、まわりから、「今回こそ、ラブライブ!優勝、間違いなし!!」と言われるくらいの実力にまで伸ばすことができた。だが、その一方で、もしなんか起きたら理亜はその思いがゆえに壊れてしまうのでは、という危うさも持ち合わせてしまった。いつも全力でパフォーマンスをしている理亜、これには、あつこ、
(理亜さん、いつかはきっと壊れてしまうかもしれない・・・)
と、心配になるも、
(でも、理亜さんの性格じゃ、私の忠告、またしたとしても無視されるかもしれないし・・・)と、前回の理亜への忠告のこともあってか、どんなことが言っても無駄、そんな諦めに似た思いをあつこはするようになってしまった。
だが、ついに、そのときが、あつこが心配したことが現実となってしまった。そう、あの日、Xデー、北海道最終予選、Saint Snowのパフォーマンス中、理亜が、突然、聖良を巻き込むかたちで転倒してきたのだ。これにより理亜のなかにあったものすべてが無と化してしまった。このあと、いくら理亜がそのミスを挽回しようと必死になって頑張るも後の祭り・・・、結果、Saint Snowはまさかの予選敗退、それが、理亜にとって、「ゼロになってしまった、なにもかも失ってしまった」、そんな後悔、いや、深淵なる闇が理亜のなかに生まれた瞬間だった。
そして、理亜のなかで生まれた深淵なる闇のせいで理亜は、これから先、苦しむこととなった。まず、最初に現れたもの、それは、理亜の姉聖良に対する懺悔の言葉・・・、
「私のせいで、私のせいで、姉さまと大事にしてきた、Saint Snow、それを終わりにしてしまった・・・。私のミスのせいで、私と姉さまとの夢、ラブライブ!優勝、を叶えることができなくなってしまった・・・。全部、全部、私が悪いんだ・・・」
それだった。これまで理亜は理亜と聖良との夢、ラブライブ!優勝、に向けて自分を追い込んでまで必死に頑張ってきた、が、それも自分のたった1回のミスにより全てが無となってしまった、これまでの苦労なんて水の泡、そんな絶望的な状況に陥ってしまった、そのことに理亜は絶望していた。これまでの姉聖良との想い出も、想いも、キズナも、なにもかもすべて、無になってしまった、「ゼロになってしまった、なにもかも失ってしまった」、そう知らないうちに理亜はそう考えるようになったのかもしれない。むろん、それが、理亜にとって、「自分のたった1回のミスのせいでSaint Snowを終わりにしてしまった、姉さまには申し訳ないことをしてしまった」、そんな無念さを、いや、姉聖良に対する罪悪感ともとれる、そんな思いへとつながってしまった・・・。