だが、それも長くは続かなかった。ある日を境に理亜は変わってしまった。そのあの日とは、そう、ラブライブ!決勝があった日、そう、理亜と聖良がラブライブ!決勝に進出したAqoursを応援しに東京へ行った日である。
それはすべての戦いが終わり、ついに結果が発表されるときに起きた。ステージに集まる決勝進出者たち、そこにはルビィたちAqoursのメンバーの姿もあった。そんなAqoursメンバーたちを見た理亜、
(あともう少しですべてが決まる・・・。ルビィ、Aqoursのみんな、頑張って・・・)
と思いつつルビィやAqoursメンバーに向かって声援を送る。決勝に進出できなかった理亜もまるで決勝に進出したかのような思いでかたずとその結果を待ち望んでいた。
そして、ついに結果が発表された。ステージ上ではドラム音が鳴り響く。そして・・・、
「ラブライブ!優勝は・・・、浦の星女学院スクールアイドル部、Aqours!!」
その瞬間、ステージ上にいたAqoursメンバー全員が一斉に、
「ヤッター!!」
という喜び声を会場中に響き渡らせるとともに、
「よしみちゃん、いつきちゃん、むつちゃん、そして、浦の星のみんな、やったよ。私たち、みんなとの約束、消えゆく浦の星の名、ラブライブ!の歴史に刻み込んだよ・・・」
と、千歌はうれし涙を流しながら観客席にいる浦の星のみんなに向かってそう言った。そう、Aqoursはある目標をもって決勝に臨んでいた。それは、廃校となる自分たちの学校、浦の星の名をラブライブ!の歴史に刻み込むこと、だった。Aqoursは当初、廃校阻止のため、少しでも入学希望者を増やすためにラブライブ!に臨んでいた。だが、ラブライブ!冬季大会では決勝に進出できたものの、浦の星の入学希望者はそこまで伸びなかった。そして、冬季大会東海最終予選の翌日、つまり、入学希望最終締切日までに98人までは伸びたものの、最低ラインだった100人を越えることはできなかった。これにより、Aqoursはあと一歩のところで浦の星の廃校を阻止することはできなかった。それにより当初の目標を叶えることができずスクールアイドルを続ける意欲を失ってしまったAqoursメンバー、せっかくラブライブ!決勝に進出できたもののそれすら辞退することも考えてしまう。だが、このとき、よいつむトリオら浦の星のみんながそんなAqoursメンバーに対し新しい目標を提示してくれた。それが、「消えゆく浦の星の名をラブライブ!の歴史に刻み込んでほしい」、というものだった。そんな浦の星のみんなの声もあり、Aqoursメンバーは再び立ち上がり、新しい目標のもと、今日まで頑張ってきたのだ。そして、ついに、Aqoursメンバー、その目標を叶えることができたのである。
ラブライブ!優勝と自分たちの目標達成、それを成し遂げたことでとても喜んでいるAqoursメンバー、そんな様子を観客席から見ていた理亜、そのAqoursメンバーに対し、
「ルビィ、そして、Aqoursのみんな、優勝、おめでとう・・・」
と賛辞を送ると続けて、
「次はきっと私だって「ラブライブ!」で優勝してやる!!」
とこれからの抱負を語っていた。
だが、このとき理亜のなかであるものが動き出していた。それは、これまで理亜のなかにずっと潜んでいたもの、理亜がもうその存在を忘れていた、あの日、クリスマスライブですべてが消えたと思っていたものだった・・・。理亜、これからの抱負を語った瞬間、この思いにとらわれてしまう。
(でも、もし、あれさえなければ、私も、あのステージに・・・)
こう思った理亜、その直後、自分のなかであるものが動き出してしまう。それに、理亜、
(きゃっ!!)
という心の叫び声とともに、あの日の出来事、北海道最終予選の出来事、理亜がミスをして決勝を逃した、あの日の出来事、がフラッシュバックしてくる。これには、理亜、
(や、やめて!!あの日の思い出なんて、私にとって姉さまとの夢を終わらしてしまった、そんな思い出なんて、思い出させないで!!)
と、困惑してしまう。だが、それはすぐに収まる、いや、収まるというか、ある思いが理亜のなかで駆け巡る。それは・・・、
(もし、あの失敗がなければ、あれさえなければ、きっと、姉さまと私は、いや、Saint Snowは、ルビィと、Aqoursと同じステージに上がれたはず・・・。そう、私、姉さまに申し訳ないことをしてしまったんだ・・・。私のせいで、私のミスのせいで、姉さまは、姉さまと私の夢、ラブライブ!優勝、その夢を叶えることができなかったんだ・・・)
そう、あの日、クリスマスライブで捨てたはずの後悔、いや、深淵なる闇、それが理亜のなかで復活を果たしたのだ。
だが、これだけではすまなかった。理亜、さらにあること、Aqoursのことを考えた。
(ルビィたちはAqoursのみんなは・・・あの目標に向かって・・・、「消えゆく浦の星の名をラブライブ!の歴史に刻む」・・・、その目標に向かって頑張ってきた・・・、私と姉さまが正月のときに渡したとてもきつい練習メニューを渡した・・・、ルビィたちはそれを毎日こなし・・・、目標を果たした・・・、浦の星のみんなとの約束を果たした・・・)
実は理亜と聖良は、正月、沼津に出向いては新しい目標に向かって頑張っているAqoursに対して臨時コーチとして指導していたのだ。そのなかで理亜と聖良はAqoursがいる浦の星が廃校になること、それが決まった際、Aqoursが浦の星のみんなと消えゆく浦の星の名をラブライブ!の歴史に刻むという約束をしたこと、その約束のもと、Aqoursはその約束を果たすという目標を新たに掲げ頑張っていることを知った。そのためか、聖良、そんな新しい目標に向かって頑張っているAqoursメンバーに対し、その目標が達成できるように聖良(+少しあつこ)考案のきつい練習メニューを記したメモを渡していたのだ。その練習メニューをAqoursメンバーは毎日こなした結果・・・かどうかはわからないがAqoursはその目標を果たすことができたのだ。で、そのことを思いだした理亜、そんなAqoursと自分を比較してしまう。
(ルビィたちAqoursは私たちが渡した練習メニューを毎日こなしつつ浦の星のみんなと決めた目標に向かって「絶対に叶えたい」という強い想いで頑張ってきた・・・。そして、その目標は達成された・・・。けれど、私は・・・、私は・・・、私のミスさえなければ・・・、あのとき・・・、私が・・・、もっとしっかりと・・・していれば・・・、あのときのミスなんて・・・なかった・・・。私たち・・・Saint Snowも・・・きっと・・・ラブライブ!決勝・・・、ルビィたちAqoursと・・・同じステージに・・・立てたはず・・・。もっと・・・もっと・・・強い想いで・・・やっていれば・・・きっと・・・姉さまとの夢を・・・叶えることが・・・できた・・・はず・・・)
そう、理亜、もっと強い思いでやっていれば姉聖良との夢を果たすことができた、と再び後悔し始めたのだ。Aqoursは新しい目標に向かって、浦の星のみんなと約束したその目標に向かって、「絶対に叶えたい」という強い想いで頑張ってきた、それによりその目標を達成することができた、対して、理亜はそんな強い思いがなかったから姉聖良との夢を、「ラブライブ!優勝」という夢を叶えることができなかった、それを再び後悔していたのだ。
さらに、理亜、こんなことまで考えてしまう。
(それに、ルビィたちは、Aqoursは、自分たちの輝きを追い求めてきた。自分たちだけでの輝き、それを追い求めて、私たちより強い想いで頑張ってきた。そして、その輝きは、Aqoursという輝きは、より磨き上げられ、日本一の輝きになった・・・。それに対して、私と姉さまの、Saint Snowの、輝きは、私のミスのせいで、予選敗退したせいで、その輝きは失ってしまったんだ・・・。全部、全部、私が悪いんだ・・・。私が、Saint Snowという輝きを失わせてしまったんだ・・・、Saint Snowそのものを失わせてしまったんだ・・・)
ルビィたちAqoursはAqoursという輝きを追い求めてきた。それはたんに自分たちだけの輝きを探していたのかもしれない。けれど、理亜からすれば、Aqoursという輝きはルビィたちAqoursメンバーがこれまで築き上げてきた想い、想い出、キズナ、そのものだと思ったのかもしれない。そんなAqoursという輝きは、ラブライブ!優勝、そして、新しい目標を達成したことで日本一の輝きとなった、と理亜は思ったのに違いない。対し、自分たちの輝き、Saint Snowの輝きは、理亜と聖良がこれまで築き上げたもの、それは、あのときのミス、北海道最終予選での理亜のミスによりすべてが無ときした、Saint Snowの輝きそのものが理亜のあのときのミスによりすべてなくなってしまった、そう理亜は思い込んだのかもしれない。
そして、理亜、そのことを踏まえてある結論に達してしまう。それは・・・、
(そう考えてしまうと、このままだと、私たちは、私が作ったユニットは、ただ楽しんでいるだけのユニットなんて、「楽しむ」というお遊びをただしているだけのユニットなんて、お遊びというゆるゆるの練習だけしかしないユニットなんて、ラブライブ!で優勝できないじゃない・・・)
なんと、理亜、このままだと自分が作ったユニットではラブライブ!優勝なんてできない、
「楽しむ」というお遊びをしているだけのユニットではラブライブ!優勝なんてできない、そう思い込んでしまったのだ。なぜなら、
(だって、私が作ったユニット、これまではスクールアイドルを楽しみながら練習してきた。私を除いて全員初心者だったから、私、これまで基礎的な練習しかしてこなかった、それもかなりゆるゆるの・・・。だから、成長するスピードもゆるかった・・・。でも、このペースでいくと私が卒業する2年後であってもラブライブ!で優勝できるまでの実力はつかない・・・。それに、これまで「楽しむこと」を重点的にしてきたけど、どう考えてみても「楽しむ」ことなんてただの「お遊び」じゃない!!それじゃ、私のユニット、ラブライブ!、優勝できないじゃない・・・)
そう、これまで、理亜、あのクリスマスライブで知った「楽しむことこそ大事」という想いのもと、自分の新しいユニットでもそれを実践するがごとくあつこを含めたユニットメンバー全員がスクールアイドルを楽しめるように、そして、初心者であってもスクールアイドルをするのに必要な基礎の部分が育つようにゆるゆるとした練習をしてきたのだ。だが、このペースで進むと理亜が卒業する2年後までにラブライブ!で優勝することなんてできない、いや、それ以上に、「楽しむこと」、それ自体、ただの「お遊び」である、そう理亜は断定してしまったのだ。
さらに、理亜、こんなことまで考えてしまう。
(私はこれまでSaint Snowの一員として姉さまと一緒に「ラブライブ!優勝」という夢を叶えようとしてきた。だから、Saint Snowという輝きはとても美しいものだった・・・。でも、今の私のユニット、実力はまだまだ、私以外初心者、だから、ラブライブ!地方予備予選すら突破できないレベル・・・。そして、ゆるゆるの練習のままだと、「楽しむ」という「お遊び」の考えのままだと、そこまで実力は伸びない・・・。私のユニット、このままだと「お遊び」集団と化してしまう・・・。いや、ただ「楽しんでいるだけ」の集団、「楽しい」という「お遊び」を実践している集団と化してしまう!!このままだと、姉さまとの輝き、Saint Snowと同じ輝きになるなんて夢のまた夢!!)
なんと、理亜、Saint Snowの輝きと今の理亜のユニットの輝きを比較してしまったのだ。で、このままだと、たとえ理亜が卒業する2年後になってもSaint Snowという輝きと同じものに達することなんてできない、そう理亜は結論づけたのだ。
そして、理亜は最初に立ち返り、こう考えてみた。
(でも、そんな私だってスクールアイドルとしてある夢を持っている。それは、ルビィたちと同じ場所、ラブライブ!優勝、その場所に立つこと!!一スクールアイドルとして、私だってあの場所に立ちたい!!あの場所に立って、今度こそ、姉さまとの夢、ラブライブ!優勝を果たして、A-RISEやμ's、そして、ルビィたちAqoursが立った頂きから見える景色を見たい!!)
その瞬間、理亜のなかにあった深淵なる闇、「ゼロになってしまった、なにもかも失った」、その闇が理亜の全身を駆け巡った、いや、その触手が理亜の全身を覆いつくしてしまった!!理亜、ついにある思いに達してしまう。
(そうだ、このままだといけない・・・。あのゆるゆるとしたペースで練習していたら、「楽しむこと」という「お遊び」なんてしていたら、きっと、私の夢、私と姉さまの夢、ラブライブ!優勝、それを果たすことができなくなる・・・。なんとかしないと・・・)
なんと、理亜自身で作ったユニット、このままだと、自分の夢、いや、自分と姉聖良の夢、ラブライブ!優勝、なんてできない、そう自覚してしまったのだ。さらには・・・、
(私は、私は、絶対に、絶対に、ラブライブ!に優勝しないといけないんだ!!だって、私のミスのせいで姉さまは、夢を、ラブライブ!優勝という夢を、叶えることができなかったんだ!!私のせいで、私は、姉さまは、Saint Snowという輝きを失ってしまったんだ!!だから、私は、その姉さまの分まで頑張らないといけないんだ!!その夢を叶えることができなかった、Saint Snowという輝きを失った、そんな姉さまの分まで、頑張らないといけないんだ!!そんな姉さまのかわりに、この私が、絶対に、私と姉さまの夢を、ラブライブ!優勝を、叶えないといけないんだ!!そうじゃないと私のせいですべてを失くしてしまった姉さまに申し訳がたたない・・・)
と、理亜、これまで忘れていた後悔、そこから発せられた姉聖良への懺悔の思い、それに浸食されていった。理亜はストイックなところがある。それが悪い意味で作用してしまった。自分のミスのせいで自分が大事にしている姉聖良はSaint Snowという輝きを、いや、それを含めたすべてを失ってしまった、そんな姉聖良のためか、いや、自分のミスのせいですべてを失った姉聖良に対する罪滅ぼしのためか、理亜、そんな姉聖良の分まで頑張って、いや、自分のせいですべてを失った姉聖良の分を埋めないといけない、姉聖良と自分の夢、ラブライブ!優勝、を果たさないといけない、そう自分に言い聞かせるように理亜はそう思い込むことになったのだ。
そして、理亜、ついに、あることを思い立ってしまう。
(今のままだと私の作ったユニットは「ラブライブ!優勝」なんてできない!!なら、仕方がない、私、今の私のユニット、絶対に、「ラブライブ!」優勝できる、そんなユニットに生まれ変わらせてみせる!!「ラブライブ!優勝したい」という強い思いのもと、もっともっと強いユニットに、勝つことができるユニットに、してみせる!!もっと強いユニットにして・・・ルビィたちと同じ場所に立たないといけないんだ!!少なくとも、私と姉さまの・・・、Saint Snowと同じもの、同じ輝きにしてみせる!!そして、今度こそ、私のミスですべてを失った姉さまの分まで頑張って、もっと頑張って、絶対に、姉さまとの夢、ラブライブ!優勝、を叶えてみせる!!)
なんと、理亜、ついに、姉聖良との夢、ラブライブ!優勝、それを自分の作ったユニットで叶えてみせる、ルビィたちAqoursと同じ強い思いのもと、必ず夢を叶えてみせる、少なくとも、失ったSaint Snowと同じもの、同じ輝きにしたい、そう理亜は決意したのだ。さらには・・・、
(けれど、私には頼れる人なんていない。だって、姉さまはもうスクールアイドルを卒業した。また、私のまわりにはほかに頼れる人なんていない。だからこそ、この私がすべてをしないといけない・・・)
と、理亜、自分でなにもかもしないといけない、そう自覚してしまった。実際のところ、親友といえる(遠くの沼津に住んでいる)ルビィを除けば姉の聖良以外すぐに頼れる人はいなかった極度の人見知りの理亜。そんな理亜が唯一すぐに頼れる存在だった姉聖良はすでにスクールアイドルを卒業した身。なので、理亜、すぐに頼れる人材は皆無に等しかった、このときの理亜の認識では・・・いや、ルビィの存在すら忘れるくらい視野が狭くなっていたのはこのときの理亜の、「絶対に姉さまとの夢を叶えないといけない」、その思い込みが強かったのかもしれない。
と、そういうわけでして、理亜、これからについてこう考えてしまう。
(今のペースだと私のユニットは、ラブライブ!優勝、なんてできない!!なら、優勝できるように、これまで以上に、いや、今の2倍、3倍の練習をして急速に実力をつけるのが1番!!だって、あのμ'sも夏の合宿のときにきつい練習をこなしたからラブライブ!優勝できたのだから・・・)
そう、理亜、なんと、今の2倍、3倍もの練習をユニットメンバーに課することでユニットの実力を急いでつけようと考えてしまったのだ。あっ、ちなみに、ここでいうμ'sの夏の合宿の練習なのですが、μ'sが夏の合宿に入るとき、μ'sメンバーの海未が独自で作った遠泳10キロなどのとてもきつい練習メニューだらけの合宿スケジュールのことをいう。ただ、実際のところ、それだと合宿どころではなくなる、ということで同じμ'sメンバーの絵里によってやめることとなった・・・のですが、そのことを知らずにAqoursもその海未考案の合宿メニュー、同じ練習メニューでやってみた結果、無尽蔵の体力を持つ果南以外初日でOUT・・・となりました、って、果南、どれくらい体力があるの・・・。と、まあ、それはほっといて、Aqours同様、そんなことなんてこのときの理亜も気づいていなかったのか、海未考案の練習メニューと同じもの、とはいかないまでも、それ同等の、いや、それ以上のものを自分のユニットメンバーにも課そうとしていたのだ。
ということで、理亜、その練習メニューを考えてみることに・・・。
(あの練習を取り入れたらいいのでは。いや、もっと練習をきつくしないと。そうしないと姉さまとの夢を叶えることができない。もっともっときつくしないといけない。もっともっときつい練習にしないと・・・。もっともっとれんしゅうしないと・・・)
と、理亜、その練習メニューを考えていくごとに自分をどんどん追い込んでいく。「もっと練習をしないと、姉聖良との夢、ラブライブ!優勝、なんてできない」、そんな呪縛に理亜は締め付けられていく。そのためか、
(もっと練習しないと・・・、もっと練習をきつくしないと・・・、姉さまとの夢が・・・、夢が叶わなくなる・・・。だから、もっと練習しないと・・・、もっと練習をきつくしないと・・・、もっと本気で練習しないと・・・)
と、どんどん、理亜、その呪縛によって締め付けられていく。
そして、ついにそれが言葉として現れてしまった。理亜の隣にいた聖良、理亜と一緒にAqoursの優勝を喜んでいたのだが、喜んでいるはずの理亜の様子を確認しようと理亜の方を向くと、その瞬間、
(あれっ、理亜、なんか、一瞬、なにかに苦しんでいるように見えましたが・・・)
と思ってしまうほど理亜の表情が暗くなるとすぐに理亜の口から、
「もっと練習しないと・・・、もっと本気で練習しないと・・・、勝つためのユニットにしないと・・・、じゃないと、姉さまとの夢、ラブライブ!優勝、できない・・・」
という呪文めいた言葉とともに、理亜、
(じゃないと・・・、じゃないと・・・、ただの「楽しむこと」・・・、ただの「お遊び」になってしまう・・・、だって、だって・・・)
という思いとともに、
「だって、「ラブライブ!は遊びじゃない!!」なんだから・・・」
という本音がつい口になってでてしまった。むろん、これには、聖良、
「理亜・・・」
と、根気詰めるような表情をしている理亜の姿にある種の心配をしてしまった。
こうして、理亜はこのことをきっかけとしてこれまで楽しくスクールアイドルの練習を続けていたのを、一転、鬼軍曹のようにあつこを含めた自分のユニットメンバーに対してきつい練習を課するようになるのであった。