ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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SNOW CRYSTAL 序章 第31話

 だが、そんな姉聖良にも反抗するくらい深淵なる闇からくる思いに振り回されていた理亜の行く末は・・・完全なる「孤独」だった・・・。あつこは、自分のスティグマ、それを見て、このままだと、昔の自分、自分の体の成長のせいで大事故、大ケガをしてしまいすべてを失った・・・、その自分の過ちを思いだしてしまい、理亜もそんな自分と同じ過ちを犯してしまうこと、それにより自分としのっちが壊されてしまうことを危惧して理亜のユニットから抜けることをSNSアプリのグループチャットで伝えてきたのだ。これには、理亜、

(なんで、なんで、あつこ、なんで裏切ったの!!私は、私は、ただ、姉さまとの夢、ラブライブ!優勝、それを叶えるための、絶対に勝ち続けるための、そんなユニットを作ろうとしていた!!Saint Snowと同じもの、同じ輝きを目指していた!!私のミスで失った姉さまの分まで自分の手で掴み取ろうと思っていた!!だから、スクールアイドル初心者のあつことしのっちにそれに見合うだけの練習をしてきたわけ!!それなのに、なんで、なんで、誰も、私のやること、受け入れてくれない!!)

と、あつこに対する恨み節・・・というか、自分の思いすら受け入れてくれなかったあつこに対する思いに理亜自身潰れそうになっていた。

 が、それ以外にも理亜を苦しめるものがあった。それは・・・、

(あつこが私のユニットを辞める・・・、それって・・・、私のユニットは・・・しのっちしか・・・残らない・・・。たった2人になる・・・。私は、また、仲間を失ってしまう・・・。私は・・・また1人になる・・・。なにもかも失ってしまう・・・。そんな状態に・・・なってしまう・・・。そんなのなんて・・・いや・・・)

それは「孤独」へのカウントダウン、それに対する理亜の苦しみ、だった。これまで理亜のユニットにはあつことしのっちがいた。が、そのうちの1人、あつこが理亜のユニットから抜けた。それにより理亜のユニットにはしのっち1人しか残らなかった。それは理亜にとって、「孤独」、あのときの自分、北海道最終予選、自分のミスで「ゼロになった、なにもかも失った」、そんな自分に戻ってしまう、いや、それ以上に、たった自分ひとりで、「孤独」のなか、たった1人で、深淵なる闇、「ゼロになってしまった、なにもかも失った」、それと絶対なる命題、「ラブライブ!優勝」、その狭間でもがき苦しむ、そんな自分になってしまう、そのカウントダウンが始まってしまった・・・、そう理亜は実感したのかもしれない。

 とはいえ、その2つの苦しみのなか、理亜はただ「孤独」へのカウントダウンに怯えてしまい、心身ともにこれ以上耐えることができない、そんな状況に陥ってしまった。

 そして、それらの苦しみのせいか、理亜、また自室のベッドでふさぎ込んでしまった。それはまるで2つの苦しみから、「孤独」へのカウントダウンからできるだけ逃げたい、でも、自分ではなにもすることができない、もう逃げたい、そんな意思表示、だったのかもしれない。

 

 とはいえ、このときの理亜にはまだ一筋の希望が残っていた。なぜなら、ユニットメンバーが残っていたから。そう、しのっち、である。あつこが理亜のユニットから抜けたとしてもしのっちがいれば理亜は「孤立」せずに済む・・・はずだった。

 だが、その希望もすぐに断たれてしまった・・・。なぜなら、あつこが理亜のユニットから数日後、そのしのっちから「理亜のユニットを抜けたい」とSNSを通じて理亜に伝えにきたのだ。表向きはスクールアイドル活動について「自分では無理・・・」ということであるが、本当のところ、理亜が強要してくる無謀といえる練習についていくのができなかった・・・というものだった。むろん、そこにはあつこのしのっちに対するアドバイス・・・というか、「はやく理亜のユニットを抜けたほうがいい」という理亜のユニットに残ったしのっちのことを心配してのアドバイスであったのだが、これが理亜にとって一筋の希望という光すら断つことにつながった・・・。

 そして、すべての希望を断たれてしまった理亜、そこに残ったのは・・・、「孤独」、という絶望だった・・・。理亜、「ユニットを抜ける」、というしのっちからのメッセージを見てついに・・・ついに・・・、

(し、しのっちが私のユニットから抜けた・・・。これで私はまた1人になった・・・。あのときと同じ、北海道最終予選と同じ・・・。あのときは私のミスで姉さまを含めてすべてを失った・・・、なにもかも失った・・・。そして、今回も、私の、私のせいで、すべてを失った・・・、なにもかも失った・・・。私は1人・・・、私は1人・・・、これからもずっと・・・、その先もずっと・・・、私1人でなにもかもしないといけない・・・、仲間なんていない・・・、もちろん、姉さまもいない・・・、もう誰もいない・・・。私は・・・、私は・・・、また・・・たった・・・1人に・・・なって・・・しまった・・・)

ついに・・・絶望という名の扉を理亜は開けてしまった・・・。理亜はラブライブ!冬季大会北海道最終予選で自分のミスによりSaint Snowを終わりにしてしまった、ゼロになってしまった、姉聖良を含めてすべてを失った、そんな罪悪感、いや、深淵なる闇により「孤立」、1人になってしまった。そして、今回も、その闇のなか、自分にとって絶対なる命題といえる、ラブライブ!優勝、それを叶えるため、あのときに失ったもの、Saint Snowと同じもの、同じ輝き、それ以上のものを追い求めようとしたため、初心者ばかりの自分のユニットメンバーに対して無謀といえる練習を強要して少しでもその輝きに近づけようとしていた。それが自分のミスのせいで自分たちの夢を叶えることができなかった姉聖良に対しての罪滅ぼし、もしくは、自分のミスで失った姉聖良の分を埋めるものになると理亜は思ったのだろう。だが、それが結果的に自分のユニットの空中分解につながってしまった。

 ただ、普通の人ならそれは理亜の自業自得と言ってしまえばいいのだろうが、理亜の場合、そうとも言い切れないといえる。なぜなら、理亜は理亜なりに頑張っていたのだから。たとえ、深淵なる闇、そして、絶対なる命題、を抱えてもなお理亜は理亜なりに頑張ろうとしていた。だが、理亜の場合、極度の人見知り、これまで姉の聖良に頼りきっていた、自分に対しても他人に対しても極限まで求めてしまうくらいのかなりのストイックさ、超がつくほどの真面目、それでいてすべてに対して一生懸命頑張ってしまうところ、そして、不器用で頑固者・・・(最後のはちょっと・・・)、それが悪い意味で互いに作用してしまった、これまで姉聖良に頼りっきりだったため、なにもわからないまま、なにもない原野にたった1人置き去りにされた人のごとく、どう動けばいいかわからないまま、たった1人で行動しないといけない、そんな心境が理亜にはあった。また、今回の理亜の場合、極度の人見知り、頑固者・・・、これにより、姉聖良に頼らず、さらにほかの人と相談しないまま、たった1人で絶対なる命題に向けて頑張ろうとしていた、たった1人ですべてを決めようとしていた、さらには、その頑張り、決めたことは自分にも他人にもこうあってほしいと求めてしまう、極限まで、そんなストイックさばかりが目立ってしまった。そして、これらにより、理亜の自分のユニットメンバーに対する無謀な練習、そして、その後の理亜の残酷なる運命へとつながってしまった。むろん、その裏には自分の抱える深淵なる闇、それからくる姉聖良への罪悪感、そして、それらをつなぐ、絶対なる命題を叶えるために無理をしてまで頑張ろうとする理亜の苦悩が隠されていた。

 だが、それらによってもたらされた理亜の運命は・・・、「孤独」、だった・・・。すべてがすべて悪い方に作用してしまい、理亜は再び「孤独」、いや、深淵なる闇へと回帰してしまった・・・。むろん、理亜は気づいていた、「孤独」に陥った先の末路を・・・、「絶望」という名の死のロードが待っていることを・・・。

 

 そして、今に至る・・・。理亜はこれまでのことを走馬灯のごとく思いだし、そのたびに絶望を、「孤独」を味わった。そして、すべてを思いだすと、理亜、

(私は・・・、私は・・・、姉さまとの夢、ラブライブ!優勝、その頂きから見える景色を見たくて、それを叶えようと必死で頑張ってきた!!だから、そうなるくらいの、絶対に勝ち続けるくらいのユニットにしようとほかのユニットメンバーにもそのための(理亜はまだ気づいていないが無謀といえるくらいの)練習をさせてきた。なのに、なのに、誰も、誰も、その練習から逃げてしまった・・・、私のユニットから逃げてしまった・・・。そして、今は、私1人・・・、たった1人・・・、私1人・・・)

と、自分は、今、「孤独」、であることを身をもって感じていた。

 そして、理亜はついにこう感じるようになってしまった・・・。

(私1人・・・、私1人・・・、たった1人・・・、でも・・・、でも・・・、1人でも・・・、スクールアイドルは・・・できる・・・。私1人で・・・姉さまとの夢・・・ラブライブ!優勝・・・目指せる・・・。なら・・・、そうなれるように・・・、いや・・・、ぜったに叶えるために・・・、私・・・、もっと・・・もっと・・・限界を超えてまで・・・練習・・・したほうが・・・いい・・・、絶対・・・)

なんと、理亜、ついにターゲットを自分に変えてしまった!!これまでは初心者であるユニットメンバーたちをターゲットに無謀といえる練習をさせて、ラブライブ!優勝できる、絶対い勝ち続けるためのユニットを作ろうとしていた。が、そのターゲットがいなくなった今、理亜、そのターゲットを自分に変えて、なにがなんでも自分と聖良との夢、ラブライブ!優勝を目指して、人間の限界を超えた練習すらすることを誓おうとしていた。

 が、このとき、理亜の脳内にある人の声が聞こえてきた。

「理亜!!理亜!!」

それは理亜がよく知る人物だった。理亜、その声を聞いてはっとする。

(ね、姉さま!!)

そう、その声の主は理亜がもっとも大事にしてきた姉、聖良、だった。なのと、聖良の声が理亜のなかでこだましたのだ。

 だが、この聖良の声に、理亜、マイナスイメージとして捉えてしまった。

(あぁ、ここにはいないはずの姉さまの声がする・・・。きっと、これは、私に対する断罪の声・・・。私が・・・、私が・・・、ミスしたせいで・・・姉さまは・・・私との夢を・・・ラブライブ!優勝を・・・叶える・・・ことができなかった・・・、私のせいで・・・姉さまは・・・私は・・・なにもかも・・・Saint Snowも・・・すべて・・・すべて・・・失って・・・しまったんだ・・・)

自分のなかから湧き上がってくる深淵なる闇の波動、それが理亜を、姉聖良からの断罪として苦しめていた。いや、それだけじゃない。あの様子が・・・、北海道最終予選での理亜のミス、それによって予選敗退し泣き悲しむ聖良の姿、これが理亜のなかで、何度も、何度も、リピートされてしまう。そして、リピートするごとに、理亜は、

(私のせいで姉さまはなにもかも失ってしまった・・・。私も・・・、なにもかも失ってしまった・・・。全部、私のせいだ・・・、私のせいなんだ・・・)

と、どんどん自分を苦しめていく、自分で自分を追い込んでしまう・・・。

 そして、ついには、理亜、姉聖良に対し懺悔してしまう・・・。

(姉さま、ごめんなさい!!私のせいで、私のせいで、姉さまは、なにもかも失ってしまった!!全部、私のせい!!それに、私、そんな姉さまのために、すべてを失った姉さまのために、姉さまとの夢を叶えるために、ユニットメンバーと一緒に頑張ってきたけど、そのメンバーもいなくなってしまった・・・。私1人になってしまった・・・。私、失った姉さまの分まで、一緒に失ってしまったSaint Snowと同じもの、同じ輝きを取り戻そうと、私、頑張ってきた・・・。けど・・・、今は、私、ただ1人・・・。姉さま、ごめんなさい、本当にごめんなさい・・・、私・・・、私・・・)

姉聖良への懺悔の気持ち、それは、理亜にとって、本当に辛いこと、だった。だって、理亜にとって姉の聖良はとても大切な人物、いや、一番大切にしたい人物だから・・・。だが、あの自分のミスにより、理亜は、姉聖良は、すべてのものを、Saint Snowそのものを、失ってしまった、そう理亜は信じているから。だからこそ、理亜にとって姉聖良のためにこれまで頑張ってきた・・・が、それが最悪のかたちになってしまった・・・、それでも理亜のなかにある姉聖良の懺悔の気持ちはその理亜そのものを苦しめている、いや、苦しみ続けている。

 そして、そこに、理亜、自分をさらに苦しめるワードを出してくる。それは・・・、

(そして、今、私、1人・・・、私、1人・・・、なんだ・・・)

ここでも理亜は「孤独」を感じてしまう、もう自分しかいない、だからこそ、ここで「孤独」というものを強く噛みしめている、のかもしれない。いや、「ゼロになってしまった、なにもかも失った」という深淵なる闇自体が理亜を「孤独」という名の地獄へといざなおうおうとしているのかもしれない・・・。

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