ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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SNOW CRYSTAL 序章 第34話

 そんなわけで、聖良と理亜は旧公会堂の控室で「Believe Again」の衣装に着替えていた。そんなとき、理亜、

(ルビィが私に「ラブライブ!は遊びじゃない!!」って言ってきたとき、ルビィ、なんか自信満ち溢れた、強気の発言だったけど、ルビィたち、本当に復活したわけ?私と姉さまが沼津に行ったとき、ルビィたち、ダメダメだったはず!!)

と、沼津のときのことを思いだしていた。そう、理亜が知る今のAqoursの姿は不安・心配という深き海・沼の底に沈み込んだ、本当にダメダメなラブライブ!決勝のときを100にすると20~30くらいの実力しかない、そんな(新生)Aqoursの姿だった。だって、理亜、これまで絶対なる命題を叶えることに熱心だったかふさぎこんじゃって情報を遮断していたから、あのAqoursのライブのことも知らずにいたのだ。

 そんなわけで、理亜、姉の聖良に尋ねてみた。

「あの~、姉さま、延長戦とはいえ、今のAqours、ダメダメなのでは・・・」

すると、聖良、自分のスマホを理亜の目の前に置きAqoursのことをこう称した。

「理亜、今のAqoursはあのA-RISEやμ'sをも超えるスクールアイドル界の王者の中の王者になりました。ルビィさんを中心に自分たちのなかにあった不安・心配、それらを払いのけ、さらに、ダイヤたち3年生3人が合流、完全無欠のグループになってしまいました。私たちSaint Snowすら足元に及ばない、それくらいとても強力なものになっています。いや、それ以上に、自分たちだけの輝きをすでに取り戻しています。Aqoursは今、世界一のアイドルと言ってもいいでしょう」

 そして、聖良のスマホに映る動画サイトの再生ボタンを押すと、理亜、

(えっ、これがルビィたち・・・、今のAqours・・・。あのとき(理亜たちが沼津に行ったとき)よりも・・・、いや、ラブライブ!決勝のときよりも・・・すごいパフォーマンスをしている・・・。まるで世界一のアイドル・・・、自身に満ち溢れている・・・、誰からみてもすぐにそう見える・・・、いや、圧倒されてしまう・・・、言葉では言い表せないような・・・そんなパフォーマンスだ・・・)

と、着替える手が止まるくらい圧倒的なAqoursのパフォーマンスに驚いていた。そう、このAqoursのパフォーマンスの映像、それはAqoursが鞠莉の未来、自分たちの未来、そして、スクールアイドルの未来を賭けて挑んだローマ・スペイン広場でのライブ映像、だった。このときのAqoursは月の働き替えなどによりこれまで自分たちのなかにあった不安・心配という海・沼を完全に払いのけ、さらに、そこにルビィたちの精神的支柱だったダイヤたち3年生3人が合流、さらにさらに、自分たちだけの輝きを取り戻して・・・いや、極限まで磨き上げられた、そんな完全無欠の状態だった。この完全無欠のパフォーマンス、いや、それプラスして、これまでのAqoursメンバー全員が心がけてきた、スクールアイドルにとってとても大切な想い、それが妙実にあらわれた、そんなパフォーマンスをみせていたのである。もちろん、それはあのスクールアイドルに対して「くだらない」と評していた鞠莉‘sママを一瞬にしてスクールアイドルの虜にしてみせた、それくらいすごいパフォーマンスだった。

 そんなAqoursの圧倒的なパフォーマンスをまえについ固まってしまう理亜。そんな理亜に対し、聖良、

「けれど、私たちSaint Snowだって負けるわけにはいきません!!理亜には私がいます!!理亜、今、あのAqoursに対抗できるのは、私たち、Saint Snowしかいません!!私という強力な援軍がいる今、理亜は100%、いや、200%、500%、1000%、いや、無限大の力を発揮することができるはずです!!理亜、そのことを自覚してください」

と、力強い言葉を送る。これには、理亜、

(たしかに、姉さまがスクールアイドルを卒業してから今まで私1人ですべてをやってきた。そのせいで私は苦しんでいた。でも、その姉さまがついに戻ってきた!!ただそれだけで、私、頑張れる!!いや、姉さまがいることで私の実力は、100%、いや、1000%、いや、無限大になる!!どんな相手だって簡単に倒せる!!あの圧倒的なパフォーマンスをみせたルビィたちAqoursにだって一撃で倒せる!!それくらい、すごいパワーを、今、私、感じる!!)

と、これまでの暗い表情から、一転、自信満ち溢れる表情をみせては聖良に対し、

「はいっ、姉さま!!」

と、元気よくこだました。

 そんな理亜に対し、聖良、次にあることを話す。

「でも、理亜、今の理亜はまだ完璧じゃありません」

これには、理亜、

「えっ、姉さま、それはどういうこと?」

と逆に尋ねると、聖良、力強く言った。

「理亜、今の理亜は私が戻ってきた、ただそれだけで自分を奮い立だしている状態です。でも、先ほど言った通り、理亜のなかにあるとても大切なもの、とても大切なこと、それをこの延長戦で私たちと一緒に見つけることで理亜は私と同じくらい完璧なものになります。だから、理亜、この延長戦、それを私たちと一緒に見つけて完璧になりなさい!!そして、私たち、Saint Snow、あの完全無欠のグループ、Aqours、すら超える、そんなユニットとしてこのスクールアイドル界に君臨しましょう!!」

この自分だけでなくSaint Snowの全員を奮い立たせる、そんな力強い聖良の言葉に理亜も、

「はいっ、わかりました、姉さま!!」

と元気よく答えてくれた。

 と、そうしているうちに理亜と聖良は「Believe Again」の衣装に着替え終えていた。これまで数々のイベントのライブをこなしていたこともあり、早着替えはお手の物だった。そんなわけで、聖良は理亜に別の動画を見せてはこう言った。

「理亜、突然ですが、たった1回だけでこの「Believe Again」のパフォーマンスを思いだしなさい、この動画を見て」

その聖良が理亜に見せている動画、それは、聖良を含む少女2人で「Believe Again」のパフォーマンス、歌とダンスを撮影した動画だった。この動画を見て、理亜、

(え~と、ここはこうで、そこはこうで・・・)

と、自分の記憶を頼りに「Believe Again」のふりつけ・・・、いや、パフォーマンスのすべてを思いだしていた。実は過去に数回だけ、聖良と理亜は「Believe Again」のパフォーマンスを練習したことがあった。それは、あの北海道最終予選前、聖良とあつこは必ず決勝進出すると思って対Aqours戦用に「Believe Again」を制作、歌詞、振付、ともに完成すると聖良と理亜はそれをもとにその曲のパフォーマンスの練習をしていたのだ。だが、まさかの最終予選敗退によりそのパフォーマンスを含めて「Believe Again」を封印したのだ。だが、その「Believe Again」が本来の目的だったAqoursと戦うための曲としてラブライブ!決勝延長戦でSaint Snowが歌う曲として復活したのだ。しかし、延長戦直前まで理亜には延長戦のことは秘密にしていたため、聖良と理亜は一緒に練習できなかった。そのため、聖良はそんな理亜のためにこの動画を作成、それを理亜に見せて昔練習でやったパフォーマンスを思いださせようとしたのだ。

 しかし、たった数回の練習、それも3か月以上前のこと、そんなの、さすがの理亜もそれを完璧に思いだすことは・・・、

(え~と、こうで、ああで、それで・・・)

と、理亜、その動画を見ながら、足の動き、手の動き、それを1つずつ確認している。そう、理亜、なんと、たった数回の、それも3か月以上前にやったパフォーマンスを完璧に思いだしていた!!とはいうものの、函館でも1,2位を争う進学校であり歴史由緒あるお嬢様学校、その聖女、その生徒である理亜は学力でもトップクラス・・・、さらに運動も得意・・・ということもあり、過去に覚えたパフォーマンスならすぐに思いだすのも朝飯前・・・であった。だが、それ以上に、理亜役のパフォーマー、

(でも、このダンス、なんか私が覚えていたダンスと一緒!!それでいて次にどう動けばいいかわかりやすい!!誰なの、このパフォーマー?私以上にできている!!)

と理亜が嫉妬するくらい完璧なダンスをしていたのだ。

 そんな理亜の嫉妬とともに1分半くらいで「Believe Again」のパフォーマンス動画は終わった。すると、聖良、

「理亜、「Believe Again」のパフォーマンス、全部思いだしましたか?」

と、理亜に尋ねると、理亜、

「姉sま、ばっちし、完璧!!」

と、Vサインを出して答えた。そう、理亜、たった1回で「Believe Again」の歌詞、振付、これら含めて、パフォーマンスのすべてを思いだしたのだ。 

 しかし、ここで、理亜、聖良に対しあることを尋ねる。

「ところで、姉さま、さきほどの動画で私の代わりにパフォーマンスをしていた人、誰?なんか私よりうまい・・・」

そんな理亜の嫉妬めいた言葉に、聖良、

「あぁ、そのパフォーマーですかぁ。あの人は理亜にとって意外な人物ですよ」

と言うと続けて、

「それに、あのパフォーマーならすでに理亜の近くにいますよ」

とそのパフォーマーの方を見る。すると、理亜、

「って、まさか、あつこ!? 」

と、聖良のヒントをもとにそのパフォーマーがあつこだとわかってびっくりしてしまう。

 と、そんな理亜の注目を受けたあつこ、ちょっと照れているのか、

「え~と、理亜さん、はい、その動画のパフォーマーは確かに私です・・・」

と、おどおどしながら言うと、理亜、

「でも、なんで、あつこ、私より、ダンス、うまいわけ?」

と、あつこに対し迫る勢いで言ってくる。これには、あつこ、

「え~と、それは、それは・・・」

と、迫ってくる理亜に押されてか言葉に窮してしまう。

 と、ここで、聖良、あつこに助け舟をだす。聖良、理亜に対しあることを話す。

「理亜、あつこはもともとフィギュアスケート選手であることは知っていますよね」

これには、理亜、

「はい、たしかにあつこは小さいときからフィギュアスケートをしていたことを知っていますが、それと先ほどのダンスとどう関係性が・・・」

と、聖良にもう1度尋ねると、聖良、理亜がびっくりするほどのことを言う。

「理亜、あつこは中3のときまで日本でトップクラスの選手でした。なぜあつこがそこまで上り詰めることができたのか。それは、あつこにはたぐいまれな運動センス、音楽センスを持っていたからです。あつこは小さいときからその運動センスと音楽センスを磨くため、フィギュアの練習以外にも基礎練習で運動センスを、音楽教室で音楽センス、そして、作詞作曲の能力を伸ばしてきました。また、そのセンスを今でも保たせるために基礎の鍛錬を毎日こなしてきたのです、理亜みたいに・・・」

この聖良の発言に、あつこ、

「聖良さん、それ、ちょっと、褒めすぎでは・・・」

と、ちょっと謙遜していたが、理亜、それを聞いて、

「えっ、あつこ、姉さまと同じくハイパーガールだったわけ!?それじゃ、私が(ユニットメンバーに対して)課していた練習って必要なかった・・・」

と、あつこのあまりものスペックに驚いてしまう。まぁ、たしかにあつこも聖良と同じくハイパーガールである。あつこは日本でもトップクラスのフィギュアスケート選手だったことは前にも記したが、そうなるまでにはあつこのたぐいまれなセンスと汗と涙の努力があった。あつこは小さいときからたぐいまれな運動センスと音楽センスを持っていた。それをあつこはフィギュアスケートのために一生懸命伸ばしてきた。フィギュアスケートの練習以外にも基礎といえる練習を毎日欠かさず行うことで運動センスを、音楽教室で音楽センスとなぜか作詞作曲の能力を伸ばしてきた。こうして、あつこは日本でもトップクラスの選手となった・・・のだが、なかば引退状態の今でもそのセンスを保たせるために毎日欠かさず基礎鍛錬をこなしてきたのである。

 そんなわけで、理亜、

「それじゃ、私の代わりにあつこが出れば・・・」

と、あつこに対し嫉妬深く言うと、あつこ、

「でも、私、歌、得意じゃないし、ラップも苦手で・・・」

と謙遜風に言うとともに、

「それに、Saint Snowって、理亜さんラップも特徴的だし・・・」

とも言ってしまう。たしかにそうである。「Believe Again」をはじめ、Saint Snowの曲には理亜のラップがつきものというの多かったりする。それくらい理亜のラップ、理亜ラップはSaint Snowのの曲の特徴だった。対して、あつこはフィギュアスケートと歌うことは関係ない・・・のか、歌う練習をしてこなかった。そのため、歌うことに関してはあつこの不得意分野ともいえた。

しかし、理亜、そんなあつこを見て一言。

「それってひがみ?頭くる!!」

理亜、少し怒り気味。どうやら今さっきのあつこの態度に、理亜、頭にきたみたい。

 そんな理亜の姿を見てか、あつこ、

「それに、私、足にスティグマがあるからこれ以上踊るのは無理・・・」

と言っては自分の靴下をめくり、あつこの足に残っている古傷、スティグマ、を理亜に見せた。これには、理亜、

「あつこ、それって・・・、あつこが中3の最後の大会でミスして大ケガした、あのときの・・・」

と言葉に窮してしまう。理亜は知っていた、あつこが中3のとき、フィギュアの大会でミスをして大ケガしたことを・・・。そんな理亜を見てか、あつこ、

「このスティグマがある限り、私は今以上に頑張ることは無理なんだ。だって、私、理亜さんと同様に限界を超えた練習を続けてきたから大ケガをしてすべてを失ったから・・・。そのときにできたのがこのスティグマ・・・。このスティグマは私にとってすべてを、なにもかも失った、それを指し示す、そして、これ以上頑張るとまた大ケガしたときと同じことが起きる、それを忠告しているものだから・・・」

と、少し落ち込むように言う。あつこにとってそのスティグマは、昔、限界を超えた練習をしてすべてを失った、そのことをあつこに思いださせる、そして、これ以上頑張るとまた大ケガしたときと同じことが起きる、それを忠告する、そんなものだった。このスティグマがある以上、あつこは活発に動くことすらできなかったのだ。

 そんなあつこのことを思ったのか、聖良、あつこに対しこう言った。

「あつこ、あなたの中にも理亜と同じ、深淵なる闇、がはびこっています」

これには、あつこ、

「えっ、私にも理亜さんと同じ闇が・・・」

とびっくりすると、聖良、続けて、

「あつこ、その闇こそ、そのスティグマ、なのです!!」

と、あつこのスティグマを指さして宣言してしまった。これには、あつこ、

「えっ、このスティグマ自体、理亜さんと同じ闇・・・」

と、はっとしてしまう。まさかあつこが持つスティグマそのものが理亜と同じ闇、ということにびっくりしたのだから、あつこは・・・。

 そんなびっくりしているあつこに対し、聖良、

「あつこ、そんなあつこだから言います、あつこのなかにも私たちと同じとても大切なもの、とても大切なこと、それが存在しています。だからこそ、あつこ、私たちと一緒にそれを探しにいきましょう、この延長戦を通じて・・・」

と、あつこのなかにも自分たちと同じ、大切なもの、大切なこと、それが存在すること、それをこの延長戦で自分たちと一緒に探しにいくことを提案すると、あつこ、

「えっ、それを探しにいくなんて・・・」

と、これまたびっくりしてしまった・・・。

 そして、聖良、今度は理亜に対して、

「そして、理亜、この延長戦で理亜も、大切なもの、大切なこと、それを見つけてください。それが、今の理亜、深淵なる闇により苦しんでいる、あつこと同じ、その苦しみから解放するための唯一の手段ですから・・・」

と言うと、理亜、

「えっ、たしかにそうだけど、なんであつこと同じ・・・」

と、自分が抱える苦しみがあつこと同じものだと言われてむっとしてしまった。

 が、それ以上に、聖良、さらっとこんなことまで言いだしてしまった。

「さぁ、理亜、そして、あつこ、

 

私たち、3人、Saint Snow!!

 

そのラストステージ、この延長戦で、Aqoursに、勝利して、勝利の美酒に酔いしれましょう!!」

聖良にとってみれば、理亜とあつこ、2人を奮い立たせるために言った言葉、であったが、理亜、あつこ、ともに、

(えっ、今、姉さま、言ったよね、あつこの名を!!Saint Snow、私と姉さま、2人だけのはず・・・。あつこはただの私と姉さまのサポーター、なのに、なんで、あつこをSaint Snowに入れるわけ?)(理亜)

(あのぅ、聖良さん、私、ただのサポーター、ですよ・・・。なのに、なんで、しれっと、私をSaint Snowの一員にしているのですか・・・)(あつこ)

と、突然の聖良の発言にパニック・・・まではいかないまでもそれに近い状態に・・・。そのためか、

「姉さま、あつこはSaint Snowじゃない!!Saint Snow、私と姉さまの2人だけ!!」(理亜)

「聖良さん・・・、私、ただのサポーターですけど・・・」(あつこ)

と、聖良にいくら抗議しても、聖良、聞く耳持たず・・・、そのまま外に出てしまった。ただ、この聖良の真意はこのあとの延長戦ではっきりとわかることに・・・。とはいえ、一波乱も二波乱も起きつつも、聖良、理亜、あつこは外に、Saint Snow、ラストステージ、その舞台となる、Saint Snow、始まりの地、旧函館公会堂、正面へと向かった・・・。

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