ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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SNOW CRYSTAL 序章 第40話

 だが、この理亜の答えに対し、聖良、

(理亜、2つとも間違っています。2つとも私たちが負ける理由にはなっておりません!!)

と否定した。これには、理亜、

(姉さま、それって一体なに?)

と聖良に問う。

 が、聖良、そんな理亜に対しある質問をした。

(理亜、あなたはスクールアイドルは好きですか?)

これには、理亜、

(姉さま、私をバカにしないで!!そんなくだらないことなんて言わず・・・)

と反論するも、聖良、

(理亜、ちゃんと答えて!!)

と脅かすように言うと、理亜、

(あっ、それは・・・、あまり・・・考えて・・・いない・・・)

と言葉に窮してしまった。

 そんな理亜をみてか、聖良、理亜に対しまた別の質問をした。

(理亜、それでは、別の質問。理亜はこれまでスクールアイドルを楽しんできましたか?)

これには、理亜、真面目に自分の考えを聖良に伝えた。

(姉さま、スクールアイドルを楽しむって・・・、それ、真面目な質問?私たちは楽しむことよりも真面目に自分たちの夢を叶えるためだけにスクールアイドルをしてきた。それなのに、スクールアイドルを楽しむ、それって、スクールアイドルをお遊び感覚でしている、そんな気がする・・・)

 だが、そんな理亜の答えに対し、聖良、意外なことを言った。

(理亜、それこそ、私たちSaint SnowがAqoursに負ける理由なのです!!)

これには、理亜、

(えっ、姉さま、それって・・・)

と絶句する。

 すると、聖良、自分たちになくてAqoursにあるものの答えを言った。

(理亜、私たちSaint SnowになくてAqoursにはあるもの、それは・・・、

 

スクールアイドルを心の底から楽しもうとしていること、そして、心の底からスクールアイドルを好きであること、

 

なのです!!Aqoursはその2つがほかのグループよりも高かったためにラブライブ!で優勝したのです!!)

 この聖愛の答えに、理亜、

(ね、姉さま・・・、なぜ・・・、そういうわけ・・・)

と、聖良になにか問いたそうに言うと聖良は自分の答えに対する真実を言った。

(理亜にとっててみれば信じられないと思いますが、「楽しむこと」というのは「勝利すること」以上にすごいことなのです!!たしかにAqoursのみなさんはAqoursを支えてくれている人たちとの約束、それを果たすためにラブライブ!優勝を目指していました。しかし、それは、私たちSaint Snowをはじめ、全国にいるスクールアイドルからみれば同じことだと思います。だって、スクールアイドルをしている人たちの目標、それは、ずばり、スクールアイドルの甲子園、ラブライブ!優勝、ですから!!ラブライブ!優勝を目指さずに自分たちだけの道を進もうとしている人たちもいますが、その人たちを除けば、ほとんどのスクールアイドルたちはラブライブ!優勝を目指して今日も頑張っております。なので、その気持ちに差異はないと思います。なら、どこで力の差が生まれるのか?練習の量?目標に対する意思の強さ?いや、2つとも違います。では、なんなのか?それは、どれだけスクールアイドルを楽しんでいるのか、です!!いくら「勝利すること」を第一に考えたとしても理亜みたいに自分で自分を追い込んでしまいそれが本番になって悪影響を与える、いや、スクールアイドルとして必要不可欠な「笑顔」すらできなくなるかもしれません。それくらい「勝利すること」には限界があります。しかし、「楽しむこと」、それは、スクールアイドル、いや、その競技をしている者、いや、すべての人に無限のパワーを与えてくれます。スクールアイドルの場合、自分自身、スクールアイドルを楽しめばそれによってこれまで以上にスクールアイドルのことが好きになる、好きだからこそもっとスクールアイドルを楽しもうとする、それが無限に続く、それに、楽しいから史上最強の笑顔にもなれる、それこそ「楽しむこと」の無限のすごさというものなのです。そして、Aqoursのみなさんはそれが強かった!!千歌さんをはじめ、Aqoursのみなさんはこの9人で経験してきたことすべてにおいて心の底からスクールアイドルを楽しもう、スクールアイドルを好きになろう、この9人ですべてのことを精一杯楽しもう、そう思ってスクールアイドル活動をしてきたのです。そして、それがほかのグループよりも強かった。だから、Aqoursはラブライブ!で優勝できたのです!!鞠莉の言うところのパーフェクトナインなのです!!たしかにAqoursメンバー1人1人の力はそこまで強力ではありません。ですが、あの9人だからこそ、あの9人でスクールアイドルを楽しもうとしていた、だからこそ、ラブライブ!優勝できるくらいの無限のパワーを生み出すことができたのです!!むろん、最後の最後で自分たちだけの輝きさえも手に入れたのですがね・・・)

たしかに聖良の言う通りだった。Aqoursは自分たちを支えてくれる浦の星の生徒たちとの約束、「ラブライブ!で優勝して消えゆく浦の星の名をラブライブ!の歴史に刻む」、その強い想いでもってラブライブ!決勝に臨んでいた。だが、その想いだけでは優勝することなんてできなかっただろう。では、なぜ、Aqoursは優勝できたのか。それは、「Aqoursメンバー全員が一緒になってスクールアイドルを楽しんだ、心の底からスクールアイドルを好きになり、心の底からスクールアイドルを楽しんだ」からである。千歌をはじめ、Aqoursメンバー全員、この1年、いろんなことを経験してきた。歴史的和解後、9人になって初めてのステージ、夏季大会予選敗退、必死の廃校阻止活動、廃校決定後に浦の星のみんなが打ち立ててくれた目標に向かって頑張ってきたこと、そのほか、そのすべてを、Aqoursメンバー9人全員、一緒になって経験してきたのだ。その経験を積み重ねていくなかで、Aqoursメンバー全員、一緒になって、「いつでも、どんなときでも、スクールアイドルそのものを楽しんでいた」、といえるのかもしれない。千歌たちは自分たちだけの輝きを追い求めて、一生懸命、9人一緒になってスクールアイドルを楽しんだ、そして、いろんな経験をしていくうちに、スクールアイドルのことが好きになり、さらにスクールアイドルを楽しむようになり、さらにさらに、スクールアイドルを好きになっていった、それが無限にループしていったのだ。静真の影の神である沼田は言った、「部活そのものを楽しむことでその部活のことが好きになっていく。そして、その「好き」によってさらに部活を楽しもうとする。そして、それによりもっと部活のことが好きになる。そんな無限ループこそ部活をする上でもっとも大事なことである」と(「Moon Cradle」参照)人というのは心の底からそのものを楽しむことでそのものが好きになる、そして、そのものに対して好きになったことでそれをもっと楽しもうとする、人はそれを繰り返すことでおのずとそれに対する実力を伸ばすことができるのである。それはまるで人だけが持てる永久機関とも言えた。で、Aqoursの場合、それを知らないうちに実践していたのである。そのため、Aqoursは日々進化を繰り返し、結果、ラブライブ!優勝を果たした、というわけである。

 また、それによりAqoursは思わぬ副産物を得ることができた。それは、「Aqoursという輝きであり、宝物」、であった。前述の通り、Aqoursメンバー9人がこの1年で紡いできた想い出、想い、キズナ、それがAqoursメンバーにとって自分たちだけの輝きとなり、それがやがて宝物へと変わっていった。千歌たちからすれば最後の最後でようやくその輝き(そして、宝物)の存在に、すでに自分たちはそれを持っていた、そんなことに気付くのであるが、逆を言うと、その輝き、宝物こそ千歌たちAqoursの原動力、ラブライブ!優勝に導いたもの、だったのかもしれない。

 ただ、それを聞いただけでは理亜は納得していなかった。理亜、そんな真実を話す聖良に対し反論する。

(「楽しむこと」、それって、ただの「遊び」じゃない!!

 

「楽しむ」=「遊び」

 

でしょ!!)

たしかに理亜の言うことも一理ある。普通にいえば、「楽しむ」=「遊び」というイメージが強かったりする。たとえば、ある有名な選手が「試合を楽しむことができた」と言えば、それを聞いた人から「試合中に「楽しむ」だなんて真剣に試合に取り組んでいない証拠だ!!」と批判を受けたりすることがある。それくらい、「楽しむ」=「遊び」というイメージが強かったりするのだ。

 だが、そんな理亜に対し、聖良、ある事実を伝えた。

(理亜、もっと視野を広げなさい!!たしかに、「楽しい」=「遊び」という考えもありますが、「楽しむこと」、それは私たちに無限のパワーを与えるとともに自分たちがやってきたことに対してどんどん好きになっていくことにもつながるのです。そして、その「好きである者同士が戦う、それは、これまでの自分たちが築き上げてきたもの、想い、想い出、キズナ、といった自分たちの輝き、それをお互いがリスペクトしつつ互いにそれを賭けて戦う、ということにもつながります。そのなかで、戦う者同士、それをどれくらい「好き」なのか、どれだけ「楽しむ」ことができるのか、それを真剣に競っているのです!!そう考えれば、戦う者がその戦いを楽しむ、ということはそれに対してどんどん好きになっていく、どんどん楽しんで相手よりもっと上を目指そう、もっと楽しもう、その高揚感、その想いにつながるといえます。いや、それ以上に、その戦いに関わるすべての人に戦う者同士の戦いを楽しむ想いが伝播していき、それが世界中の人々の心のなかに深く刻み込まれるくらいの想いへと変化していくのです!!

 

「楽しむ」こと、それはただの「お遊び」でもなんでもありません!!「楽しむ」ことこそ史上最強のスパイス、といえるのです!!)

 

たしかに聖良の言う通りかもしれない。たしかに、「楽しむこと」=「遊び」というイメージが強いかもしれない。けれど、実際には違っていたりする。人は、あること、Aqoursの場合、スクールアイドルなのだが、みんなと一緒にそれを楽しむことでそれが好きになりもっと楽しもうとする。この無限ループにより無限のパワーを得ることができる。

 で、あることをする者同士戦うことになった場合、「勝つこと」だけを目的にしたとき、相手をどう倒せばいいのか、そのことだけを考えるようになる。もしそうなるときっと殺伐した戦いになるかもしれない。たしかに勝利のための駆け引きがあるから戦いは面白くなるかもしれない。が、ときと場合によっては相手の弱いところ、ウィークポイントだけを狙うことで勝利を勝ち取ろうとしてしまう。もし、こうなってしまうと、ファインプレー、どころか面白みに欠ける戦いになってしまい、まわりからは大ブーイングが起きるかもしれない。

 対して、あることに対して、「楽しむ」⇔「好きになる」、この無限ループをしている者同士の戦いであればお互いとも仲間たちと一緒に紡いできた想い、想い出、キズナ、その輝き、いや、それどころか、それに伴った実力、熱意、などなど、自分たちが持つものすべてを賭けて、相手のことをリスペクトしつつも死力を尽くして戦おうとする。無限という最強のパワーを持つ者同士なのだからとても燃える戦いとなる。が、戦っている者はというと、その戦いを通じてそれに対しもっとそれを楽しもう、もっとそれを好きになろう、その無限ループを極限まで引き起こそうとする。それによってもっと熱くなれるのである。それは相手とて同じである。この無限ループをする者同士互いのすべてを賭けた戦い、それは戦っている者にとって手汗握るものになると同時にその戦いそのものが自分が持つ無限ループによって引き起こされた無限のパワーにより、自分と同じ無限のパワーを持つ相手との白熱した戦い、とても体中が熱くなる戦い、それに対する熱き想いとなって、「もっとこの戦いを楽しみたい、もっとこの楽しみが続いてほしい」、そう想えるように自分もなっていくのである。むろん、その戦いはその同じ熱き想いを持つ者同士がその戦いを通じて互いにヒートアップすることにより、そのまわりにいる者、その戦いを見に来ている観客たち、いや、この戦いに関わっている、この戦いを見守っている者全員がこの戦い、白熱した、この戦いをみんなで「楽しむ」、熱くなれるのである。それは無限のループにより発生した無限のパワーでもってその戦いを楽しんでいる、そんな戦う者たちのその戦いを「楽しむ」という熱き想いがぶつかり合うことで起きた「楽しむ」という無限大の想い、それがその戦いに関わる者、見守っている者全員に伝播しているのかもしれない。それくらい「楽しむ」ということはそれをしている者にとって無限のパワーを与えてくれるだけでなく、その者同士の戦いい関わっている者、見守っている者全員を熱くさせうことができる、そんな無限大のパワー、想いを与えてくれるのである。

 そんな聖良の力説を聞いたためか、理亜、

(じゃ、私があつこたちユニットメンバーに対してしていたこと、過酷な練習を課することでラブライブ!優勝という夢を目指すことができる、絶対に勝ち続けるためのユニットづくりは間違いだったわけ・・・)

と、肩を落としてしまった。理亜にとってみればSaint Snowとして自分と姉聖良との夢、ラブライブ!優勝を目指すために勝つことだけを考えてきた。そして、それを踏襲するがごとく理亜があつこたちユニットメンバーに過酷な練習を課することで、そんなSaint Snowと同じ、勝利することだけを追求するような、それによってラブライブ!優勝という姉聖良との夢を叶える、そんなユニットを目指していたのである、それをすることでSaint Snowと同じもの、同じ輝きを得ることができると信じて・・・。しかし、もし、聖良の言うことが正しければ理亜が自分のユニットに求めていたものが満たされてもラブライブ!優勝なんて無理、ともいえた。それを理亜はついに自覚したわけである。

 そんな理亜を見てか、聖良、

(たしかに、もし、理亜が「勝利すること」だけを追い求めていたら間違いだったかもしれませんね・・・)

と言うと、理亜、

(じゃ、私、一体どうすればいいわけ!!私、これまで、ルビィたちAqoursみたいに、「スクールアイドルを楽しむ」、そんな経験、したことがない・・・。私、ただ、「勝つこと」だけ、それをずっと考えていた・・・)

と、これまでのことを思いだしては後悔していた。理亜はこれまで「勝つこと」を信条にスクールアイドルをやってきた。姉の聖良と一緒にSaint Snowとして活動したきたときもそのことだけを考えていた。そして、自分のユニットについても結成してからラブライブ!決勝でAqoursを応援しに東京に行く日まではそれは影を潜めていたが、その日、Aqoursが自分たちが成し遂げることができなかった、姉聖良との夢、ラブライブ!優勝、その姿を見て、自分のなかにある闇が復活、その闇に飲み込まれたことで理亜は再びその考えを持つようになった。そして、その日からこの延長戦でそれを聖良によって指摘されるまで、理亜はその考えに縛られていたのである。そのためか、「スクールアイドルを楽しむ」という経験を思いだすことが今の理亜にとって難しかった。

 だが、そんな理亜に対し、聖良、

(理亜、そんなことはありません。理亜にもその経験があります。理亜、思いだしてください。先ほど、理亜もそれを思いだすことができたのですから・・・)

と優しく言うとあつこも、

(あっ、もしかして、それって、あのときのことですね、Aqoursのみなさんと一緒にやったときの・・・)

と、その経験を思いだしては理亜にヒントを送る。

 そんな聖良とあつこの言葉を受けてか、理亜、

(あっ、もしかして、それ、あのときの・・・、ルビィたちとの合同ライブ・・・)

と、そのことを思いだしたのか、その経験について言葉を発すると、聖良、こう言った。

(理亜、あたなが今思いだしたものが答えです。そう、私たちSaint Snowと千歌さんたちAqoursとの合同ライブ、あのクリスマスライブのことです!!)

そう、理亜はすでにそれを経験していた。それはあの奇跡のライブ、Saint SnowとAqoursの合同ユニット、Saint Aqours Snowとして行った、あのクリスマスライブである。

 そして、理亜はそのクリスマスライブで感じたことを口にしていた。

(私、ルビィたちと一緒に行動してわかった、スクールアイドルって「楽しむこと」がととても大切、って・・・)

クリスマスライブ、それはこれまで「勝つこと」だけを信条にしてきた理亜にとって新しい、そして、とても大事な感覚、「楽しむこと」、それを痛感させらえたものだった。理亜はそれを、今、ここで、再び思いだそうとしていた。あのとき、感じた、ルビィたちAqoursと、姉聖良と一緒にスクールアイドルを楽しんだ、そんな、「楽しい」という想い出、感覚、それを理亜は思いだした。理亜、そのためか、

(あっ、なんか、この感覚、私、とても大事なものだと、そう想える・・・。私、「楽しむこと」、そんなこと、これまで、考えていなかった・・・。これまで、「勝利こそすべて」、それが1番大事、そう思っていた・・・。けれど、今の私ならわかる、「勝利すること」、よりも、「楽しむこと」、とても大事、だと・・・。私、ルビィたちみたいに、「楽しむこと」、その無限ループ、してみたい、飛び込みたい!!飛び込んで、みんな一緒に、スクールアイドル、楽しみたい!!)

と、「楽しむこと」、その大事な想いを噛みしめながら感じていた。「楽しむ」こと、それは、これまで「勝利すること」だけを考えてきた理亜にとってこれから生きる上で、スクールアイドルとして活動していく上でとても重要となる想い、であった。「勝利こそすべて」、それには限界がある。その限界までいくが如く理亜は自分を、そして、あつこたちユニットメンバーを極限まで追い込もうとしていた。だが、今は違う。これからの理亜は、「楽しむこと」⇔「好きになること」、その無限ループのなかで無限のパワーを得たい、そう理亜は考えを改めたのかもしれない・・・。

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