ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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ラブライブ!SNOW CRYSTAL 第5話(5)

 そして、あともう少しで理亜・花樹組の出番となった。あと1組終われば自分たちのステージ、ということで、花樹、

「もうすぐ花樹たちの出番・・・です!!今日も圧倒的なパフォーマンスをして圧倒的な差で勝利してやる・・・です!!」

と「勝利すること」に意識しすぎているせいか、自信満々に答えた。

だが、そんな花樹に対し理亜はこう進言した。

「花樹、次はあの双子、こころあのステージ!!2人は今までのスクールアイドルとは違う、全国でもトップレベルの実力の持ち主。よく見て!!」

ただ、この理亜の言葉に、花樹、

(いくら全国でもトップクラスの実力をもってしても理亜さんにはかなわないはず!!今は「勝つこと」だけを考えるのが先!!はやくステージに立って圧倒的なパフォーマンスをみせてやる!!)

と、こころあのことはあまり意識せず。そんな態度をみせていた花樹に対し、理亜、

「花樹!!」

と強く注意すると、花樹、

(う~、理亜さんが怒っている・・・。このままだとあとでなにか言われるかわからないから見るしかないか・・・・ないです・・・)

と仕方なくこころあのステージを花樹は見ることにした。

 そんな花樹に強く注意した理亜は思わず、

ハ~

とため息をつくとともに、

(私もあのとき(去年度の夏季大会決勝)は花樹と同じく優勝したこころあたちのパフォーマンスを見ていなかった。でも、あの大会では「勝つこと」だけを目指していた私たち(Saint Snow)は8位、こころあたちは優勝。それくらい、「スクールアイドルを楽しむこと、好きになること」の想いが強い、そんなこころあたちのパフォーマンスは「勝つこと」ばかり意識していた私たち(Saint Snow)のパフォーマンスよりも上だったと思う。そして、それは今でもそうかもしれない。対して、私は、「スクールアイドルを楽しむこと、好きになること」に関してはまだ初心者だし花樹は「勝つこと」だけに意識しすぎている・・・。果たして、私たち(理亜・花樹組)のパフォーマンス、2人につうじるのか・・・)

とある種の不安を感じていた。1年前、理亜は今の花樹と同じく「勝つこと」のみに執着していた。そのため、このとき(去年度の夏季大会)のこころあたちのステージなんてあまり見ずに自分たち(Saint Snow)のステージに向けて集中していた。だが、その大会の結果は、「勝つこと」のみに執着していた、理亜、いや、姉聖良を含めた、「勝利こそすべて」という考えが支配的だったSaint Snowは全体の8位、対して、スクールアイドルとして大事なもの、「スクールアイドルを楽しむこと」「スクールアイドルが好きになること」、それを全力で実践してきたこころあたちが優勝、だった。それを、今、いや、こころあと同じ考えを持つようになった理亜がそれについて考えたとき、レジェンド級のスクールアイドルになるくらい「スクールアイドルを楽しむこと」「スクールアイドルを好きになること」のスペシャリストであるこころあに対し、実力的には負けていないものの「楽しむこと」「好きになること」に関してはそこまで長けていない理亜たちがつうじるのか不安だった。いや、それどころか、

(それに、「勝つこと」のみに執着しようとしている花樹を正しい方向へと導けないままだしまだ私たちの輝きを見つけていない。対して、あのこころあは・・・、すでに自分たちだけの輝きを持っている・・・。そんなこころあに、私たち、対抗できるのだろうか・・・)

とさらなる不安を募らせていた。理亜は今日まで「勝つこと」だけに執着している花樹を正しい方向へと、「勝つこと」ではなく、「楽しむこと」「好きになること」、を重視してほしい、その方向へとどう導けばいいのか悩んでいた。だが、今になっても納得がいく方法を理亜はみつけることができなった。さらに、そんな状態では自分たちだけの輝きさえみつけることができない、このままだと、この2年間ちょっとのあいだ、オメガマックス、みやことのグループ、そして、双子としての想い、想い出、キズナ、そんな複数の輝き・宝物を持ったこころあに自分たちは対抗できるのか、そんな不安を理亜はさらに重ねていたのである。

 そんな理亜と花樹に対しステージに上がろうとするこころあの2人。そんなこころあの2人は理亜と花樹を見るなりこう話しかけてきた。

「理亜さん、私たちも、この1年のあいだ、実力をつけてきました。それに加えて自分たちの輝きも磨いてきました。なんで、見ていてください、あのラブライブ!延長戦でみせた、あなたたちSaint Snow、そして、Aqours、に負けないくらいの、いや、それ以上の、私たちのパフォーマンスを!!」(こころ)

「花樹っち、ここあたちのパフォーマンス、見ていろ!!花樹っちが落ち込むくらいのもの、みせてやるぜ!!」(ここあ)

このこころあ2人の言葉に、理亜、花樹はというと・・・、

(こころあの2人、1年前、ラブライブ!夏季大会で優勝したころからさらに磨きをかけてきた・・・。そうなると、このこころあのステージ、百戦錬磨の私ですら圧倒されるくらいのステージになるはず・・・。果たして、私、このステージ、終わった後、立っていられるのだろうか・・・)(理亜)

(ふんっ!!そんなの関係ない!!勝つのは私と理亜さんの組!!オ・・・、花樹が落ち込むことなんてないはず!!)(花樹)

と、不安が募る理亜といまだに自信満々の花樹、対照的なものを感じさせていた。

 そんな2人をみてか、理亜と花樹の隣にいたあつこはこう思ってしまう。

(理亜さんに花樹さん、こころあのステージを見て大丈夫でしょうか。私もこころあの2人の先ほどの発言を聞いて、このこころあのステージ、きっとすごいものになる、そう感じました。そうなると、理亜さんと花樹さん、精神的にダメージを受けることは必須です。果たして理亜さんと花樹さんはそれに耐えきれるでしょうか・・・)

あつこは長年ものあいだ、Saint Snowのサポーターとして聖良と理亜を支えてきた。なので、スクールアイドルに関しては理亜並みにわかるつもりだった。なので、あのこころあ2人の発言から、こころあ自身、このステージに大きな自信を持っている、これまで以上のすごいステージをみせる、それくらいの気迫を感じていた。そんなステージを見て、理亜、花樹、ともにそれに耐えきれるのか、精神的にダメージをもらい自信喪失するのではないか、あつこはそう考えてしまったのである。

 だが、そんなあつこをよそに始まろうとしていた、こころあのステージが・・・。ついにこおろあの名前が呼ばれたのだ。

「さ~て、次は~、去年度のラブライブ!夏季大会では優勝、冬季大会では準優勝!!レジェンドを超えたレジェンド!!もう、スクールアイドルの申し子、と言っても間違いなし!!大総大学付属札幌高校、スクールアイドル部、こころあ!!」

 その瞬間、

「みんな、お待たせだぜ!!」(ここあ)

「せいっぱい頑張るからね!!だから、みんな、応援してください!!」(こころ)

とこころあのステージを見ている観客たちに対して大声で叫ぶとその観客たちから、

ウォ~

という大きな声援が聞こえてきた。これには、花樹、

(えっ、あの2人、なんで、観客たちを盛り上げているわけ・・・。なんで・・・)

と困惑気味になる。ただ「勝つこと」だけに執着している花樹にとってこころあがなぜ観客たちを盛り上げているのかわけがわからなかったようだ。

 一方、理亜はというと・・・、

(やっぱり、こころあの芸当、2年間ちょっとのスクールアイドルとしての経験と偉大なる姉(矢澤にこ)の姿を見てきたこと、そして、こころあが持つあの考えを全面に押し出してきたこと、それがあるからこそできたと私は思う。こんな巨人に、私たち、本当に太刀打ちできるわけ・・・)

と、こころあの凄さを実感しつつもそれに対して自分達は対抗できるのか不安を募らせていた。

 そして、こころあが自分たちのポジションについた、その瞬間、

「それでは始めます!!」

というこころの声が会場中にとどろくと共に、

「それでは、It’s Show Time!!」

のここあの声でもって2人のステージは幕を開けた・・・。

 

 

第5話 挿入歌 「We enjoy School Idol!!」

 

We Like School Idol!!

We Love School Idol!!

We enjoy School Idol!!

 

毎日 私たちは 一生懸命!!

(We Like School Idol!!)

みんなと一緒に 楽しんでいる!!

(We Love School Idol!!)

毎日 毎日 とても楽しい

(We enjoy School Idol!!)

だから みんな一緒に 合言葉 言おうぜ!!

 

We Like School Idol!!

We Love School Idol!!

We enjoy School Idol!!

 

 

 まだ曲の前半、というのに観客たちから

「We enjoy School Idol!!」

という合いの手が聞こえてきた。これには、花樹、

(な、なんなの、このステージは!!こころあのパフォーマンスとともに観客たちが合いの手をいれてくる・・・。まるで会場が一体になっているみたい・・・。なんなの・・・、もう・・・)

と観客たちと一体となってパフォーマンスをするこころあの姿に唖然となってしまう。

 一方、理亜はというと・・・、

(やっぱり、こころあ、レジェンド級のスクールアイドル・・・。会場の観客たちを巻き込むほどのパフォーマンス、してくる・・・。果たして、今の私たち、こころあみたいなこと、できるの・・・)

と、こころあの凄さを改めて実感するとともにそれが自分たちにできるのか自問自答していた・・・。

 

 

毎日毎日が   ジェットコースター

飽きるなんて  ナッシング!!

すべてがすべて 楽しんだ!!

だから みんな せ~ので言おうぜ!!

 

We Like School Idol!!

We Love School Idol!!

We enjoy School Idol!!

 

 

 ついにサビに入る、そのとき、こころあ、

(さぁ、みんな、いくぜ~!!ここあたちは、今、みんなと一緒に、スクールアイドルを・・・、楽しんでいる!!そして、より一層、スクールアイドルを好きになっている!!この無限のサイクルを、みんなと一緒に、楽しもうぜ!!)(ここあ)

(私たちはみんなと一緒にスクールアイドルを楽しんでいます!!だから、みんな、私たちと一緒にどんどん盛り上がっていきましょう!!そして、どんどん楽しんで、どんどんスクールアイドルを好きになってください、みんな!!)(こころ)

という心のなかでの呼びかけとともに、

「さぁ、みんな、いくです!!」(こころ)

「限界まで突っ走れ!!」(ここあ)

と大声でさけんだ。これには観客たちから、

ウォーーー!!

という会場を揺るがすような大声が飛んできた。これには、花樹、

「えっ、えっ、なに!!」

と体が飛び跳ねるような声をあげてしまう。

 一方、理亜はというと・・・、

(ついにこころあの本当の実力が・・・、会場すら一体化するくらいのこころあの凄さが発揮されようとしている・・・。果たして、花樹は・・・、いや、私は・・・、それに耐えられるだろうか・・・)

と、これから起きることに対してある種の恐ろしさを感じていた。

 なにはともあれ、こころあについにサビへと突入した・・・。

 

 

私たちはスクールアイドル大好き!!

みんなと一緒にスクールアイドル

楽しんで 楽しんで 楽しんで

めいいっぱい めいいっぱい めいいっぱい

スクールアイドルを スクールアイドルを

好きになって 好きになって 好きになって

すべてをレインボーに染めてやる!!

私たちこそ スクールアイドル!!

すべてをすべて 巻き込もうぜ!!

 

私たちはスクールアイドル!!

無敵のスクールアイドル!!

 

 

 そして、ついにこころあのステージが終わった。その瞬間・・・、

ウォーーー!!

という観客たちの声が会場中に響き渡る・・・と同時にステージ袖でずっとこころあのステージを見ていた花樹は、

(こ・・・これが・・・スクールアイドルのステージなの・・・。これまでの(最終予選に出ているスクールアイドルたちの)ステージとは別次元・・・、いや、レベルが違い過ぎる・・・。今までのステージがひよこクラスならこころあのステージはドラゴンクラス・・・。こ、この2人・・・、凄すぎる・・・)

という思いからか、

「・・・」

と絶句してしまった・・・。

 一方、理亜はこんな花樹の姿を見ては、

(花樹、これが全国トップレベルの実力・・・、いや、レジェンド級のレベルのパフォーマンス!!こころあの2人、会場にいる観客全員を巻き込みながら、みんなと一緒に、「スクールアイドルを楽しもう」、「スクールアイドルを好きになろう」、としていた・・・。それが、こころあ2人の、パフォーマンスの凄さ・・・)

と、(心のなかで)こころあの凄さを言葉で表そうとしていた。こころあは2年前からスクールアイドルとして「スクールアイドルを楽しむこと、好きになること」を実践してきた、いや、それ以上に、こころあは会場中の観客たちを巻き込みながらもみんなと一緒にそれを実践してきたのだ。そのため、こおろあのステージはいつも会場にいるみんなと一体化しながら誰もが「スクールアイドルを一緒に楽しもう、好きになろう」としてしまう、そう思えるくらいの凄いパフォーマンスをしてくるのだ。それを理亜は今のこころあ2人のパフォーマンスで再確認していたのだ。

 そして、理亜は絶句する花樹を見てこう思った。

(花樹、このこころあ2人のパフォーマンスを見てどう思う?あまりにレベルが違い過ぎるステージ、いや、「スクールアイドルを楽しむこと、好きになること」、それを最大限に実践してみせた2人のステージ、それをみて、花樹、自分の考えを変える気、あるの?)

これまでラブライブ!延長戦でのSaint SnowとAqoursのステージ以外のスクールアイドルの・・・本当の・・・、「スクールアイドルを楽しむこと、好きになること」・・・、それを最大限に活かした・・・、そのステージを見たことがない、そんな花樹が、たった今、「スクールアイドルを楽しむこと、好きになること」、それに一番長けている、レジェンド級のレベルを持つ、そんなこころあのステージを見てそれを実感、それによって花樹の考えが変わるのか、と、理亜は思ったのである。

 と、そこに、ステージを終えたばかりのこころあが花樹のところに近づいてきた、そのとき、ここあ、花樹に向かって、

「花樹っち、これがここあたちの本当の実力だぜ!!思い知ったか!!」

と花樹をおちょくるような発言をしてきた。これには、花樹、

(う~、いくらいいパフォーマンスをしたからといって、オ・・・、花樹たちをおちょくるのはおかしすぎる!!花樹と理亜さんのパフォーマンスだって絶対に負けていない!!それに、花樹は・・・、俺は・・・、おばあちゃんに「絶対に勝ってラブライブ!で優勝する!!」と誓ったんだ!!絶対にこころあに勝ってやる!!)

と、どうやら自分の意地のせいか、いや、絶対に勝ちたい、そんな「勝ち」にこだわるあまりなのか、「こころあに絶対に勝ってやる!!」、そんな強気な思いが出てしまった。そのため、花樹、ここあに向かって、

「ここあさん、花・・・、俺、絶対に、あなたたちに、勝つ!!」

とにらみながらこう宣言してしまった・・・。むろん、これには、理亜、

「花樹・・・」

と不安そうに花樹を見ていた。どうやら、理亜の願いむなしく、逆に花樹の闘志に火をつけてしまったようだ・・・。

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