ついに波乱に満ちたラブライブ!北海道最終予選がついに終わった・・・、そんな次の日、
「俺は勝たないといけなかったんだ!!じゃないとおばあちゃんに・・・」
と花樹は自分の部屋で泣き叫んでいた。ラブライブ!最終予選、「勝つこと」に執着をみせていた花樹、本番でも理亜と共に完璧なパフォーマンスをみせた、そう思っていた。だが、花樹のパートナーである理亜は花樹とは違い、「スクールアイドルを楽しむこと、好きになること」という考えのもと、スクールアイドルを精一杯頑張ろうとしていた。そんな、お互いの、その思い、スタンスの違いからなのか、2人のパフォーマンスのなかで、ほんのちょっとしたすれ違い、ズレが生じる場面が1回だけあった。対して、理亜・花樹組と同じく、北海道最終予選に出場していた、レジェンドスクールアイドルの矢澤こころ・ここあ姉妹、通称、こころあ、は持ち前の実力、理亜以上に「スクールアイドルを楽しむこと、好きになること」、その思いを最大限に発揮、会場にいた観客たち全員を巻き込むくらいのパフォーマンスをみせた。1位はその2組による争いに・・・。そのなかで、理亜と花樹のあいだで起きたたった1回のズレが花樹・理亜組にとって命取りとなった・・・。そのズレ、および、こころあの観客たちと一体となったパフォーマンスが決め手となりこころあが1位通過となった・・・。
そんな最終予選であったが、「勝つことがすべて」、という考えに囚われている花樹はその最終予選での敗北に納得がいかないようだ。そのため、花樹は家に帰ってきてからずっと自室で泣いていた・・・、
「俺が勝たないといけなかったんだ!!じゃないとおばあちゃんに・・・」
という言葉を言い繰り返しながら・・・。
そして、その言葉を花樹が自宅に帰ってきてから100回くらい言い返していた・・・そのときだった。突然、
「花樹、静かにしろ!!」
と、花樹の父親がそう言いながら花樹の部屋に乱入してきた。これには、花樹、
「お、お父様・・・」
と、突然の父親の乱入でびっくりすると、花樹の父親、花樹に対して怒りに満ちた声で花樹に対しこう言ってきた。
「花樹、少しは黙れ!!うるさい!!お前が泣くなんて目障りだ!!うるさくて新聞も読めないじゃないか!!」
これには、花樹、
「でも・・・、俺・・・、戦いに負けて・・・」
と言い訳層に言うと、花樹の父親、そんな花樹に対し、
パチンッ
と平手打ちをぶちかましてきた!!これには、花樹、
「・・・」
と無言になってしまう。
そんな無言の花樹に対し花樹の父親は、
「お前、俺・・・、じゃなくて、私、と言えっていつも言っているだろうが!!」
という怒りに満ちた言葉とともに、
「それには、敗北というのは価値のないものがするもんだ!!「勝利こそすべて」なんだ!!蒼の方は言った、「世の中は、「勝利こそすべて」、なんだ!!敗北なんて許されない!!」と。「勝つこと正義」「勝利こそすべて」なんだ!!そうでないと弱肉強食の世の中では生きていけないんだ!!」
と力説する。これには、花樹、
「・・・」
とまた無言になる。いや、自分の父親の圧倒的な態度に委縮していた。
そんな花樹に対し、花樹の父親、さらに畳みかける。
「花樹、いいか、お前は敗北した。それ、すなわち、生きる価値なんてないんだ!!人間の価値は「勝つこと」でのみ決まる。1度でも負けたらそこでゲームオーバー、いや、死、なんだ!!勝ち続けた者だけが生き残るものなんだ!!そして、1度でも敗れた者は、ゴミ、生きる価値なし、なんだ!!」
そんな父親の力説に花樹はただ聞くのみだった。いや、花樹、心のなかでは、
(やっぱり・・・、オ・・・、花樹、いらない娘、なんだ・・・。負けたから価値なんてないんだ・・・)
と自分自身を否定しようとしていた。
だが、そんな花樹に対し花樹の父親はあることを話す。
「まぁ、そんなお前でも私にとってみれば大事な存在なのだがな・・・」
この父親の言葉に、花樹、
ニャ~
と少し喜ぶも、次の父親の言葉に、花樹、愕然となる。
「私に使える下っ端、いや、私とあの方に仕える奴隷としてな!!」
奴隷・・・、もう花樹の人権すら無視するような言葉だった・・・。そのため、花樹、
「ど、奴隷・・・」
と口をあんぐりさせるも、花樹の父親、そんな花樹を無視をしては自分の言葉を続ける。
「言っておくが、お前は女だ。男である私に一生仕えないといけないのだ。女なんて男の所有物なんだ!!古来より女は男に一生仕えると相場が決まっておる。私はそれにただ従っているだけなんだ!!いいか、花樹、お前は私の所有物でありあの方と私の奴隷なんだ!!」
この花樹の父親、前近代的な考え方、というか、絵にかいたような男尊女卑の考えの持ち主である。現代においてはそんなことを言えばすぐに叩かれるものであるが、ここ花樹の家では家長である花樹の父親が1番権力を持っていることもあり、父の理不尽な言葉ですらまかり通てしまうのである。なので、花樹、そんな自分の父親に対し、
「・・・」
と反抗することすらできなかった。だって、家の中で一番権力がある父親に逆らったら、これから先、生きることなんてできない、自分の父親に花樹の生殺与奪の権利を握られているのだから・・・。
そんななにも反抗できない花樹に対し、花樹の地位親、さらに責める。
「お前が女である以上、男である私に、いや、あのお方、木松悪斗様に忠誠を誓わないと、いや、この私とあのお方である木松悪斗様のためにお前は働かないといけないんだ!!」
木松悪斗・・・、この物語に時々出てくる名前・・・。どうやら、花樹の父親と木松悪斗、どこかでつながっている、そんな気がするような発言であった。だが、それでも、花樹の父親は花樹に対し言い続ける。
「木松悪斗様は言った、「勝利こそすべて」、だと!!お前はすでに敗者だ!!そんなお前を私は女として、そして、奴隷として育てているんだ!!だから、私はお前にこう命ずる、「黙れ!!少しは静かにしろ!!それよりも、私とあの方のために血を吐いてまで働け!!」
この父親の言葉に花樹はただ、
「はい・・・」
とうなずくだけだった・・・。
と、ここで黒い話はもう終わり・・・ではなかった。うなずいた花樹に対し、花樹の父親、さらにさらに責める。
「あと、おばあさまの名前を呼ぶな!!私がおばあさまからどんな仕打ちを受けてきたのかわかっているはずだ!!いいか、おばあさまの名前を言うな!!」
どうやら、花樹がおばあちゃんの名を口にしたのが気に食わなかったようだ、花樹の父親は・・・。ただ、このとき、花樹の心のなかでは・・・、
(オ・・・、花樹にとっておばあちゃんはとても大切な存在なんだ・・・。だって、おばあちゃんは花樹の夢を認めて応援してくれていたのだから・・・。最後の最後まで、おばあちゃん、花樹のことを応援してくれたのだから・・・。おばあちゃんは花樹にとって大事な存在なんだから・・・)
花樹にとっておばあちゃんは今でも大切な存在だった。最後の最後まで花樹の夢を認めて応援してくれたのだから・・・。花樹にとっておばあちゃんはかけがえのない存在だった。そのためか、花樹、近くに置いてあった十字上のペンダントを・・・、ダイヤが輝くペンダントを手にとってはぎゅっと握りしめた。
そんな花樹に対し、花樹の父親、さらに花樹を責める。
「花樹、いいか、おばあさまは、女であるおぼあさまは、私にとって目の上のたんこぶ、だったんだ!!おばあさまは私がしたいことをいつも止めにきていたんだ!!私が男だから、なにをやっても許される、それを女であるおばあさまがいつも止めにきていたんだ!!だから、私は、あの方の組織で、木松悪斗様の組織で結果を出せずに出世できなかったんだ!!すべておばあさまのせいで私はなにも出来なかったんだ!!」
どうやら、花樹の父親、木松悪斗の組織に所属していたみたいのようだ。だが、花樹の父親、おばあさまのせいで目立った行動ができず、出世すらできなかったようだ。ちなみに、木松悪斗は日本有数の投資グループを率いている。それに、木松悪斗の考えは「勝利こそすべて」である。なので、その投資グループのなかでは生き残りをかけて日夜激しい競争を、いや、どんな手でも使う、狂気に満ちた、人を人とはみない、そんな、周りの不幸なんて気にしない、自分たちが良ければそれでよい、そんな金稼ぎをしていた。だが、花樹の父親はそんな金稼ぎをおばあさまから邪魔されていたようでそのために出世できなかったようだ。なので、花樹の父親にとっておばあさまは目の上のたんこぶ、だったようだ。
ただそんな困惑も花樹の父親は叩き潰す。
「でも、それも過去の話だ!!私は、今、木松悪斗様のために働いている!!この私が、ここ函館にいる以上、あの方、木松悪斗様になにかあったとしてもここ新天地にて再起できるはず!!私は、今、函館にいる者たちに対して「勝ち続ける」ことで木松悪斗様のために頑張っているんだ!!」
花樹の父親は沼津から函館に来た理由、それは、その父親の主である木松悪斗のため、みたいのようだ。その木松悪斗のために働いている、それが花樹の父親にとってとても大事なことらしい。だが、それと木松悪斗がどう関係しているのかわからないことが多い。わかっていることは、花樹の父親は函館にあるディスカウントショップの社長をしていること、花樹の父親の話から、花樹の父親は自分の主である木松悪斗がなにかあったときのために働いていること、(第5話より、)ディスカウントショップの異常すぎる着物のバーゲンセールのせいで函館でも有数な呉服店が潰れたこと、だけだった。まだ情報が少なすぎる・・・。ここでなにかを決めつけるのは難しいかもしれない・・・。
とはいえ、花樹の父親は花樹に対し怒り口調でこう言った。
「とはいえ、花樹、いいか、もう2度とおばあさまの名を口にするな!!あと、お前は私とあの方のために動くんだ!!いいな!!」
あまりに圧迫したような父親の口調、これにはさすがの花樹も逆らったらなにをされるかわからない、と思ったのか、
「はい・・・」
とまたうなずくしか・・・、いや、そのときだった。花樹の父親、あることを思いだす。
「あっ、そういえば、花樹、今度、ラブライブ!という大会の決勝に出るはずだったな!!」
そう、最終予選2位とはいえ、花樹は理亜とともにラブライブ!決勝に出場することが決まっていた。これには、花樹、
「は、はい・・・。そうですが・・・」
と弱弱しい声で言うと、花樹の父親、ある命令を花樹に下す。
「いいか、花樹、今度、その決勝でAqoursという小娘たちが出る。その小娘たちを完全に打ち倒せ!!完膚なきまで叩き潰せ!!そのためにもそのAqoursに絶対に勝て!!いいな!!」
Aqours、それは木松悪斗にとって天敵であった。静真・浦の星統合問題において、木松悪斗は、1度、AqoursとAqoursと同じく天敵である渡辺月静真高校生徒会会長を叩き潰すも、Aqoursと渡辺月はすぐに復活、その際にAqoursと渡辺月によって痛いしっぺ返しを食らった、いや、木松悪斗率いる投資グループの経済活動が大きく制限されるくらいの大敗北を木松悪斗は喫したのだ。なので、木松悪斗にしてはAqours(と渡辺月)は絶対に叩き潰したい相手であった。そんな木松悪斗とつながっているであろう花樹の父親は自分の子どもである、いや、奴隷である花樹に対し、そのAqoursを、ラブライブ!決勝でAqoursに完全勝利することで、そのAqoursを完全に叩き潰す、ことを命令してきたのだ。まぁ、それによって花樹の父親は木松悪斗に恩を売ることにつながる、のは誰の目であっても明らかであった。
だが、そんな命令に対し、花樹、
(でも・・・、花樹にとってAqoursは憧れの存在・・・)
とあまり乗り気ではない様子。花樹にとってAqoursは憧れの存在であり1度はAqoursに入ろうと思っていた。そんなAqoursを父親の命令によって叩き潰すこと自体花樹は気に引けていた。そのため、花樹はただ、
「・・・」
とまた無言を貫こうとしていた・・・、というか、そうせざるを得なかった。これが自分の父親に対する花樹のささやかな、今とれる唯一の抵抗だったから・・・。
だが、花樹の父親はそれすら許さなかった。無言を貫く花樹に対し、花樹の父親、
ドンッ
と花樹の部屋にあった机の上を叩いては花樹に対し、
バシッ
ともう1度平手打ちをかますと大声で、
「いいか、花樹、お前は私の所有物であり私とあの方の奴隷なんだぞ!!私の命令を聞け!!私の命令を聞かないと、こんなもの、捨ててやる!!」
と言うと花樹が握りしめていた十字上のペンダントを強引に奪い取ってはゴミ箱に捨てるような仕草をする。
すると、花樹、泣きそうな声で、
「ペンダントを捨てないで・・・。これは花樹と・・・を結ぶもの・・・」
と言ってしまう。花樹にとって十字状のペンダントはとても大事なものなのかもしれない。だって、そのペンダントにはあの人の・・・、それに、そのペンダントにはめてあるダイアはあの人の・・・。それくらい、そのペンダントは花樹とその人を結ぶ大事なものだった・・・。
そんな花樹を見ては、花樹の父親、花樹に対し強くこう言った。
「なら、花樹、私の言うことをききなさい!!絶対にAqoursを叩き潰せ!!Aqoursに絶対に勝て!!「勝つことこそ正義」なんだ!!その正義の鉄槌をAqoursに対し下せ!!いいな!!」
父親からの絶対ともいえる命令、花樹の家における父親の絶対的な権力、そして、花樹が一番大事にしているものを人質にとられている以上、花樹は自分の父親に従うしかなく、花樹、
「はい・・・」
と言うしかなかった・・・。
そんな花樹に対し、花樹の父親、さらに念を押す。
「いいか、花樹、最後に言っておく。この世の中は「勝利こそすべて」なんだ!!負けることなんて絶対に許されない!!これは私がお前に対し小さいときから言ってきたことなんだ!!「勝利こそすべて」、それがこの世の中における絶対的な法則なんだ!!もうお前には「負け」なんて認められない。絶対にAqoursに打ち勝て!!そして、Aqoursを完膚なきまで徹底的に叩き潰すのだ!!」
花樹が持つ「勝利こそすべて」という考え、どうやら、小さいときから自分の父親に言われ続けてきたことかもしれない。子どもにとって親の思想などからの影響は計り知れない。だって、子どもにとって親はほかの誰よりも長く接するものだから。そんな親からの考えによりその子の考えも定まってしまうことも多い。花樹もその例に入るのかもしれない。そんなこともあり、花樹はただ、
「わかりました、お父様・・・。私、今度こそ勝ちます・・・」
と返事するとともに花樹の心のなかでは、
(もう花樹には負けなんて許されない・・・。負けてしまったら・・・、花樹・・・、生きていけない・・・。だからこそ・・・、負けなんて許されないんだ・・・。絶対に勝たないといけないんだ・・・)
と、負けることなんて許されない、負ければもう生きていけない・・・、絶対に勝たないといけない・・・、そんな思いでいっぱいだった・・・。
そんな花樹を見てか、花樹の父親、
「いいか、絶対にAqoursに勝つんだぞ!!」
という言葉を残して花樹の部屋を後にする・・・のだが、そのドアを閉めたとたん、なぜかある小言を言ってしまう。
「今、木松悪斗様はピンチに陥っている・・・。そのためにもこの私がなんとかしなくては・・・」
あの木松悪斗がピンチ・・・?果たしてそれはどういうことなのだろうか。果たしてそれはどんなピンチなのだろうか。それについてはあとのお話しになる・・・。