ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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ラブライブ!RSBP 第9話

 なので、木松悪斗はすべてが順調であった・・・とはいえなかった。たしかに最初のころは木松悪斗にとってすべてがうまくいっていたのだが、時代の流れとともに木松悪斗は次第に苦境に立たされることとなった。

 まず、木松悪斗のお仕事、投資面においてだが、最初、自分の投資グループを立ち上げたときは日本にはそこまで有名な投資グループが多くなく、さらに、木松悪斗が持つ力、(Windows95が発売されたときに先を見据えて自分の力でIT関連会社を立ち上げたぐらい)将来を見通す先見性、木松悪斗自ら構築したActシステムや木松悪斗の左腕である猪波などによる超高度な情報戦、レイコンマ数秒という素早い瞬時の判断力を木松悪斗、もしくは、Actシステムを持っていたことにより日本一の投資グループと言われるようになっていった。

 ところが、時代が経つにつれて次第に木松悪斗の投資グループのライバルともいえる存在が次々と現れた。たとえば、海外に本部を構えている海外資本の投資グループなど。その海外資本の投資グループには木松悪斗の投資グループ以上の資金を持っており、さらに、木松悪斗のActシステムに匹敵、いや、それ以上のシステムをもっていることもざらだった。また、投資のやり方についても木松悪斗の投資グループみたいに短期的な利益のみを、自分たちの利益のみを追求する、のではなく、長期的な視野でもって投資する、不審に陥っている企業を安値で買収、無駄を省いて市場が求めている、その企業が得意としている分野を伸ばしその企業の価値を高めていくことでその企業の株を高値で市場公開、もしくは、

売却できる、その安値と高値の差で自分たちの利益とする、そのことを念頭に投資をする、そんな投資のやり方が海外資本の投資グループが中心となって広がっていった。そのため、そのことを気にしてか、木松悪斗の投資グループよりそれ以外の投資グループに出資、もちくは、賛同する人が多くなっていった。

 さらに、木松悪斗の投資グループが使っているActシステムにも時代の波が押し寄せていた。たしかに木松悪斗が構築したActシステムはかなりの高性能である、いや、あった。だが、木松悪斗もシステムエンジニアを雇って時代に合わせてActシステムをバージョンアップさせてきたが、その根幹となるシステムは2000年代中ごろ、木松悪斗が自ら作ったもの、パソコンのOSでいうところのXPの時代、のものであったため、時代が経つにつれてActシステム(特にそのシステムの根幹部分)は次第に陳腐化してしていくようになった。また、それに合わせてほかの証券会社や海外資本の投資グループを中心にActシステム以上の能力をもった、システム的に、自動的にレイコンマ数秒という瞬時の株式売買を、投資を行ってしまう、それくらい超高性能なシステムが次々と導入されていった。

 といった理由により、木松悪斗の投資グループは時代が経つごとに自分たちの地位が脅かされるように、いや、苦境に立たされるようになっていった。たとえば、ある日の夜、木松悪斗のもとに1本の電話が入る。

「はい、木松悪斗だが・・・」

と返事をするとその電話口から焦ったような口調で木松悪斗の部下が、

「夜分遅くすいません」

と言うと続けて、

「木松悪斗様、大変なことが起きました!!」

というとその大変なことを部下は語り始めた、とても苦々しい口調で・・・。

「木松悪斗様が狙っていた大型案件ですが、先ほど連絡があり、(海外資本の)○○グループが買収することが決定しました!!」

 で、この部下からの報告を聞いて、木松悪斗、おもわず、

「えっ、なんだって!!」

と怒鳴ってしまった。どうやら、木松悪斗がかなり狙っていた大型案件、だったらしく、それをライバルグループに取られたことで怒りが頂点に達したようだった。

 そんな木松悪斗であったが、その部下に対し、

「こちらとしてもかなりの好条件だったはず。それなのになんで敗れるんだ!!」

と部下を追い詰めるとその部下は自分たちが敗れた理由をたんたんと答えた。

「どうやらこの案件で買収を決めた○○グループの方が私たちより買収する額が髙かったらしく、それに加えて、その投資グループの中心となっている企業の将来性を鑑みて、とのことです」

 この部下の言葉に、木松悪斗、さらに怒りが増して部下に対しこう怒鳴ってしまう。

「クソッ!!この世の中はすべて競争だ!!そんな将来のことなんて考えていてはいつかは負けてしまうんだ!!それもこれも、お前たち、無能な部下たちのせいだ!!」

とはいえ、決まったことは決まったこと、いくら木松悪斗とはいえそれを覆すことはできなかった・・・。

 だが、部下の報告はまだあった。怒り狂う木松悪斗に対しその部下は恐る恐るこんなことを言ってきた。

「あと・・・、最近の株売買の結果が芳しくありません・・・」

これには、木松悪斗、

「はっ?」

と驚いたように言うとその部下はこれもまたたんたんと詳しい内容を語りだした。

「最近の株売買ですが、最安値を更新したときに株を購入しようとしたところ、びつのところがその株の買占めを行ってしまい購入できない状況が続いております。原因としてはActシステムの自動株売買機能の対応スピードが遅いためだと思います・・・」

 この部下の報告を聞いた瞬間、木松悪斗、その部下に対し怒鳴り狂う。

「おい、私の考え、Actシステムは完璧なんだ!!それに、時代にあわせてActシステムをバージョンアップさせてきた!!!それなのに株売買の失敗が続くのはお前たちが弛んでいるのが原因だ!!」

この木松悪斗の怒鳴り声に、部下、ついこんなことを考えてしまう。

(う~、最近こればっかりだ・・・。なにかあれば、木松悪斗様、俺たちに対していつも怒鳴り散らしている・・・。それに、最近、(今いる)木松悪斗様の投資グループはライバルたちとの買収合戦に負けている・・・。だから、毎日のように、木松悪斗様、怒鳴っている・・・。もううんざりだよ・・・。いや、ノイローゼ気味になりそうだ・・・)

そう、木松悪斗、なにかあると決まって自分の部下たちに怒りをぶつけてくるのである。本来であればなにか失敗したことがあれば失敗した原因を探し出し、もう2度とこのようなことが起きないように対策するのがいいのだが、木松悪斗の場合、普通の人以上にプライドが高いせいか、それとも自己中からなのだろうか、その失敗に対していつも部下にどなってはその責任を部下に押し付けてしまった。さらに、ここ最近、ライバルグループとの競争に負け続けていたこともあり、その怒りを毎日のように部下たちに浴びせてきたのだった。なので、それが部下たちにとってかなりのストレスになっていたらしく、その部下たちの多くが木松悪斗の奥さんみたいにノイローゼ気味になっていた。

 といった具合に、自分たちのグループ以上の資金力があり、さらに、短期的な利益、自分たちの利益だけを狙う木松悪斗の投資グループより長期的視野でもって利益を追求する、そんなライバルグループたちとの競争に負け続けるようになったことで木松悪斗とその投資グループはどんどん苦境に立たされるようになった。

 また、静真においても木松悪斗の権力に陰りをみせようとしていた。それは沼田の復権である。リーマンショックによる不景気への対応のため、沼田は一時期静真から手を引き、自分が経営している(世界的規模の)企業グループの経営に注力していた。そのときに静真はリーマンショックによるスポンサー企業の撤退ということもあり閉校の危機がおとずれていた。その危機を救ったのが木松悪斗であるのだが、その危機を救うことで木松悪斗は静真における権力を手に入れただけでなく静真の危機に手を差し伸べたことでそれができなかった沼田に対し恩を売ることができたのである。

 だが、沼田が経営している企業グループの経営もひと段落したことで沼田は次第に静真に、いや、静真を含めた沼津、そして、静岡へと活動の軸を動かそうとしていた。まずは静岡の経済団体の要職に復職すると同時に静真においても創立家の末裔として徐々に関与するようになっていった。むろん、木松悪斗も沼田の動きは知っており、その沼田に対しては、「自分は静真の危機を救ったのだ!!」、ということを言い続けることでにらみをきかせていた。

 だが、私立である静真においては創立家の末裔という沼田のネームバリューは木松悪斗が考えていたものより大きかった。沼田が静真への関与を強めれば強めるほど沼田の静真における影響力は強くなっていった。また、沼田の影響力は静真以外にも及んでいた。実は、沼田、静岡の経済団体の要職を務めるくらい静岡経済への駅協力はとても強かった。それはなぜか。それは沼田率いる世界的規模の企業グループ、沼田グループは静岡が発祥の地、つまり、そのグループの中核企業の本社も、ここ静岡にあったりするのだ。そのため、沼田の一族は静岡の発展のために寄与し続けてきたのだ。これにより沼田と静岡にある企業や自治体などとの結びつきはとても強かった。

 ただ、木松悪斗も負けてはいない。「自分は静岡沼津出身である」、そう公言するようになってはそれを証明させるがごとく静岡にある企業などの株を買い占めたり静岡の自治体に対して自分の投資グループの資金力や買い占めた静岡の企業などの株をちらつかせてはいろんなことを要求してはそれを実現させてしまう、そんなことをすることで静岡経済における影響力を強めていき、結果、静岡、特に経済ににおける木松悪斗の影響力は絶大なものになった。

 しかし、いくら自分の財力でもって静岡における権力をものにした木松悪斗であったとしても代々静岡の発展に寄与し続けた、さらに、今なお世界的な大企業グループの中心地として代々頑張ってきた沼田のまえでは子犬も同然だった。静岡の発展のために代々頑張ってきた、そんな沼田のとの強い強い、鋼のような結びつきを持つ静岡の企業・自治体に対しいくら静岡の企業の株を買い占めることで静岡での絶大な権力を手に入れた木松悪斗がなにか命令しても沼田がNOと言えば静岡の企業・自治体は沼田側についていってしまうのだ。なので、静岡における木松悪斗の地位が王様であるなら沼田の地位はそれ以上、いや、神、ともいえた。

 また、それは静真における沼田の地位にも影響した。沼田は静真において創立家の末裔というネームバリューとともに、静岡、そのなかのひとつである沼津と結びつきが強い、ということもあり、沼田が静真への関与が強くなれば強くなるほど沼田の静真における影響力は強くなっていった。それについてはて静真において絶大なる権力を手に入れた木松悪斗ですら指をくわえて見ているしかできなかった。だって、あの沼田が自分の権力でもって葬ればそれは静真のまえりにいる人たちにケンカを売っているようなものになるのだから。いくら静真で木松悪斗の資金力でもって静真が成り立っているにしたもその静真のまわりにいる人たち、たとえば、静真のある沼津市など、との結びつきが切れたらきっと一瞬のうちに静真はなくなってしまうのだから・・・。その理由、それは、静真が私立だったとしても地域との結びつきはとても大事だから、だった。学校というのはその学校がある地域との結びつきがとても大事であり、同時にその結びつきがなければその学校は存続できないものである。

 そんなわけでして、沼田は静真での影響力を次第に取り戻すとともに静真高校PTA会長の役職を獲得、多忙な仕事の影響で、沼田自身、あまり静真に来ることができないものの、自分と静岡の企業、自治体との強い結びつきでもって静真のために動くようになった。こうして、沼田は静真での王様である木松悪斗のもっと上の地位、影の神、としての地位を取り戻すことができた。ただ、それでも、木松悪斗ほど静真に関わる時間がない、いや、ほとんどない、ということもあり、静真の運営などに口を出すことは学校統合のような超大型な案件以外あまりなく、そのため、木松悪斗の静真における天下はまだまだ続いていた・・・ものの、なにかあれば自分以上の権力を持つ沼田が動く、そのことを木松悪斗が危惧するくらい、静真、そして、静岡や沼津における木松悪斗の地位は揺れ動こうとしていた・・・。

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