ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

199 / 250
ラブライブ!RSBP 第10話

 そんな木松悪斗と地獄の日々を過ごす桜花に対し状況が一変する事態がついに起きてしまった。それが静真と沼津内浦にある女子高浦の星との統合、であった。浦の星は沼津の郊外、淡島などの観光地などが近くにある風光明媚な地域、内浦にある、それも静真と同じく歴史由緒ある女子高であった。そんな浦の星は、近年、生徒不足に悩んでいた。運営面については沼田と同じく世界的大企業、いや、世界的大財閥の小原家が代々スポンサーとして浦の星を支えてきたため、そこまで問題にはならなかったが、沼津市郊外という沼津の中心地から離れている土地にある、少子化、さらには、女子高、とうこともあり、年々入学者が減っている事態に直面していた(その証拠に、廃校当時、3年生3クラス、2年生2クラス、1年にいたっては1クラスしかなかった・・・)。そのため、学校存続の危機、に直面していた。そのために学校側と下はいろんな施策(入学説明会など)をとってきた。特に小原家総帥の一人娘、小原鞠莉を中心としたスクールアイドル活動、いや、浦の星女子高等学校スクールアイドル部Aqoursの働きは凄いものだった。浦の星の2年、千歌を中心に結成したAqoursは結成してまもないラブライブ!夏季大会で東海最終予選まで進出、冬季大会ではついに最終予選突破を果たすくらいのものすごい快進撃をみせ、それにあわせて浦の星への入学希望者も目標の100名に迫る98名まで集めることができた。だが、98名を集めたところでタイムアップを迎え、Aqoursの健闘むなしく浦の星は廃校、いや、統廃合を迎えることとなった。

 と、ここで、浦の星を統合してくれる学校はどこなのか、という問題が出てくるのだが、これについては浦の星の大スポンサーである小原家が、Aqoursが頑張っているかたわら、水面下で動いていた。小原家が沼津にある学校と交渉していくうちに、浦の星と同じく歴史由緒ある女子高であった静真と統廃合をすることが決まった。むろん、これには裏で小原家と沼田との働きかけが存在していた。実は、小原家、浦の星だけでなく淡島にあるホテル「ホテル小原沼津淡島」といったホテルを静岡各地に多数保有しているのにくわえて静岡にある多くの企業に出資・提携していたり自治体と提携していたりと沼田と同じくらい静岡にある企業・自治体との結びつきが強かった。また、その関係上、沼田と小原家も強い結びつきを持っていた。その結びつきのなかで小原家が静真の創立家の末裔である沼田に対し、「静真と浦の星を統合してほしい」とお願いし、Aqoursの健闘むなしく浦の星の統廃合が決定してからすぐに統廃合に向けた話し合いを開始、静真の大スポンサーである木松悪斗の承諾を経て無事に静真と浦の星は統廃合することが決まった。

 ただ、このときの木松悪斗はある皮算用があった。それは・・・、

(もし浦の星と統廃合すれば(世界的大財閥であり、浦の星の大スポンサーであった)小原家が静真に出資してくれるはず。そうなれば、静真の部活動はさらに強くなって私の地位もどんどんあがっていくはずだ!!)

そう、木松悪斗は世界的大財閥である小原家が静真に出資してくれる、そう期待していたのである。実は、このとき、静真は多数の部活が全国大会に出場、なかには、女子サッカー部のようにインターハイ優勝といった日本一になる部活も出てくるようになってきた。なのだが、それに伴って部活動全体の活動費も膨れ上がってしまったのだ。ところが、その部活の活動費のほとんどを出している木松悪斗のその投資グループは先述の理由の影響で苦境に立たされていた。なので、これ以上、静真に回すお金がない、というところまで追い込まれていた。そこに湧いて出たのが浦の星との統廃合であった。で、その浦の星と統合することで浦の星のバックにいる小原家にもそのお金を出してもらおう、と木松悪斗は考えていたのである。

 だが、木松悪斗の期待は裏切られた。たしかに浦の星と静真は統合する、しかし、浦の星の大スポンサーであった小原家は静真には出資しない、さらに、木松悪斗が小原家の出資のために用意してくれた静真高校理事の椅子を、小原家、いや、小原家総帥の一人娘で浦の星の理事長をしていた、また、Aqoursの一員である小原鞠莉(高3)がその理事の椅子を蹴ったのである。これでは木松悪斗の面目丸つぶれ、いや、捕らぬ狸の皮算用、である。いや、それどころではない、木松悪斗曰く、このことは「小原家は静真には出資をせずに浦の星の生徒だけを静真に押し付けた」、いや、「小原家が自分(の影響力をもっている静真に)に対して出資しないばかりかいらないもの(というべき浦の星の生徒たち)を押し付けてきた」、それくらい木松悪斗からすればマイナス面ばかりが目立つものとなってしまった。

 そんなわけで、木松悪斗、99%決まっていた静真と浦の星の統廃合を白紙に戻そうと画策する。なんと、統合2か月前になって、突然、木松悪斗とその仲間たちが統合白紙を言ってきたのである。さらに、自分の権力を使って静真に通う生徒たちに対して「(万年初戦敗退するくらい)部活動に対する士気が低い浦の星の生徒が(全国大会に出場するくらいの部活を数多くもつぐらい)部活動に対する士気が高いそんな静真の部活動に参加すると、士気の低下、対立により静真の部活動に悪影響がでる」という偽の考えを広げていったのである。むろん、それはただの偽情報である。だが、静真に通う生徒の保護者たちの考えのほとんどが木松悪斗の信条、「勝利こそすべて」、勝利絶対至上主義、だったため、木松悪斗が作り出したこの考えはすぐに広がってしまった。

 だが、そんな木松悪斗に真っ向から反論する者たちが現れた。それがAqoursのメンバーの1人、渡辺曜の大事な幼馴染兼静真高校生徒会長の渡辺月であった。月は自分にとって大切な曜のいる浦の星の生徒たちのために自ら率いる生徒会の全力をもって静真・浦の星の統廃合実現のために動いたのである。最初は生徒会全力をもって静真の生徒全員に対する統合賛成の署名活動を展開、木松悪斗の信条、「勝利こそすべて」、という考えが強いものの、月に対する支持の強さ、自分と仲のいい浦の星の生徒たちのため、静真の生徒のほとんどが署名、結果、沼田のおかげもあり、静真・浦の星の統廃合は決定した。

 ところが、木松悪斗によって、木松悪斗の考えた偽の考え、を生徒の保護者たちのほとんどが信じてしまい、その偽の考え、「部活動に対する士気が低い浦の星の生徒が部活動に対する士気が高い静真の部活動に参加すると静真の部活動に悪影響がでる」、それが保護者の声になってしまった。その声の影響もあり、沼田は浦の星との統廃合決定の際にその声がなくなるまで浦の星の生徒は山の中にある沼田が用意してくれた分校に通うことを決めてしまった。なので、結局、統廃合問題は玉虫色の決着をこのときはみせてしまった・・・。

 だが、それでも、月と木松悪斗の構想は続いた。なんと、月、完全統合、つまり、浦の星の生徒も分校ではなく静真本校に通う、その実現のために曜たちAqoursを担ぎだしたのである。ただ、このときのAqoursは、ダイヤ、鞠莉、果南といった旧3年生が抜けた、たった6人の、ラブライブ!優勝のときを100とすると30~40くらいの実力しかだせない、そんなあまりに頼りないものだった。また、このとき、月の動きを察知した木松悪斗・旺夏親子が月によって担ぎだされたAqoursに対し妨害工作を行い、結果、月、木松悪斗の対決の場となった静真高校部活動報告会、ここで浦の星の代表として、Aqours、いや、新生Aqoursがライブを行ったが、そこでルビィが花丸、ヨハネを巻き込んだ大転倒を起こしてしまいライブは大失敗に終わった。これにより、月の静真における権威は失墜、生徒側にも保護者の声が、いや、木松悪斗の作った偽の考えが広がる結果となった。

 こうして、木松悪斗は静真において絶対的な地位を守ることに成功、さらに、月と月が率いる生徒会を中心とする統合実現派の力を削ぐことで自分を裏切った小原家、そして、浦の星に対してある程度の仕返しができた・・・のだが、統合の白紙を訴え始めてから部活動報告会までの1ヵ月半のあいだ、木松悪斗が静真に注力し過ぎたこともあり、本業である仕事、投資の仕事をおろそかにしてしまった。そのため、木松悪斗率いる投資グループはさらなる苦境に立たされてしまった。

 でも、なんで、木松悪斗の投資グループがさらなる苦境に立たされてしまったのか。それは木松悪斗率いる投資グループがいわゆるトップダウン式の組織だったからである。トップダウン、それは組織のリーダーの命令でもってその組織が動いていることを示している。木松悪斗率いる投資グループの場合、ある程度の案件については部下の裁量権がある程度認められていたが、それ以上の大型案件だとその組織のトップである木松悪斗がすべて決めることにしていた。ただ、木松悪斗には優秀な側近たち、木松悪斗の右腕である裏美と左腕である猪波がいるのだが、裏美はどっちかというと情報屋、木松悪斗の代わりに指示を出す、というよりも裏美とその奥さんが持つ人脈を使って情報を集める、もしくは、その人脈の先にいる重要人物とコンタクトをとる、そのことに特化していたし、猪波も木松悪斗の代わりに指示を出す、というよりも、木松悪斗が買収した企業の経営をしたりActシステムによって集められた情報の分析などを主にやっていた、いや、それ以上に、猪波が投資のために動けばいつも決まって猪波のおばあさまが邪魔をしにきては失敗に終わる、ということが起きてしまう。また、それ以外の部下も基本的んは木松悪斗の指示通りに動く、いや、勝手に動けば、成功、失敗、関係なく木松悪斗によって消されてしまう、そんなことを心配しており、木松悪斗に代わって指示を出すことはできなかった。それくらい、木松悪斗は自分本位でないと気がすまない、そんな自己中心的な男、なのですが、それが木松悪斗率いる投資グループがトップダウン式である理由であった。

 だが、そんな組織携帯が、今回、裏目に出てしまった。木松悪斗が静真に注力しすぎたあまり、本業である投資の仕事をおろそかにしすぎてしまった。なので、大型案件におけるライバルグループとの買収合戦の場において木松悪斗の指示を得ることができずにたたわずして負ける、そんなことが多発していたばかりではなく、せっかく買収した企業なのにいくら猪波がその企業の経営についてアドバイスをしても木松悪斗がその企業に関する裁定をしない、したとしても遅い、そのためにその企業はなにもできないまま倒産してしまう(猪波はたしかに買収した企業の経営をしているが、その企業にとって重要なことはトップの木松悪斗の裁定が必要だったりする)なんてことが起きたりしていた。

 そういうわけでして、木松悪斗、部活動報告会において月とその生徒会、さらに、小原家や浦の星、さらに月によって統合問題の場に引きずり込まれたAqoursを叩き潰すことができた、そう思ったのか、静真のことについては側近の裏美に任せ、自分は自分が率いている投資グループの立て直しに躍起になっていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。