ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Moon Cradle 第7話

 この月の言葉のあと、すぐに、会議室の外から

バタバタバタ

と、会議室のドア向かって走ってくる足音が聞こえ、そのまま、

バタンッ

と、会議室のドアが突然開く。そして、そこから、

「月生徒会長、ついに完成しました!!」

と、ナギが1冊の本を持って会議室に飛び込んできた。それを見た木松悪斗、すぐに、

「ナギ生徒会副会長、はしたないですぞ!!この会議室でこれからの静真を決める大切な会議をしているのですぞ!!ちょっとは場をわきまえなさい!!」

と、ナギに注意する。が、ナギはそんなの関係なしに月のところに行き、

「ついに完成しました!!この不利な場をひっくり返す、そんな、最終兵器が!!」

と、月に向かって言うと、月も、

「よし、でかした、ナギ副会長!!さあ、ここからが僕たちのターンだ!!」

と、木松悪斗に向かって元気よく言う。これには、木松悪斗、

「な、なんだね、この場をひっくり返す最終兵器とは?」

と、少しおどおどしながら月に聞く。これには、月、自信満々に答える。

「それはですねぇ、これですよ!!」

と、月は木松悪斗たち、そして、ほかの理事たちの前に、ナギが持ってきてくれた1冊の本を置いた。それを理事の1人が中身を確認すると・・・、

「あっ、これ、静真の生徒たちが自筆で自分の名前を書いているぞ!!それに、1人2人だけじゃない、1クラス全員分の生徒の名前が書いてあるぞ!!」

と、驚いてしまう。それを見た月は声を高々に言った。

「そうです。この本は、浦の星との統合に賛成であり、浦の星との統合を実現してほしい、という、静真の生徒たちの嘆願書です!!」

これには、木松悪斗、

「なんだって、統合実現への嘆願書だって!!」

と、驚いてしまう。月はそんな木松悪斗を見ながらさらに言った。

「ちなみに、静真全体の95%もの生徒のみなさんからこの嘆願書を受け取りました」

そう、月が考えた対木松悪斗用の対抗策、最終兵器とは、静真の全生徒の95%もの生徒たちからの「浦の星との統合を実現してほしい」という嘆願書だった。月とナギ、いや、生徒会役員全員が生徒たちに頭を下げてまで生徒全員(旺夏を除く)から集めたもの、それが「浦の星との統合を実現してほしい」という嘆願書だった。この嘆願書に署名した静真の生徒たちであるが、親(保護者)からは「統合に反対しろ」と強く言われたのかもしれない、けれど、浦の星に通う友達、親戚などのことを考えると、静真と統合して安心して静真に通えるようにしてほしい、そんな想いから、浦の星との統合に賛成、実現してほしい、といった嘆願書に署名したのかもしれない。それほど静真と浦の星の生徒たちのあいだには普通はみえないがとても強い糸で結ばれている、そう見られてもおかしくなかった。

 そして、その嘆願書の中身を見た理事長は月に向かって一言。

「たしかに、(ぱっと見ただけだが)全部直筆の署名だ・・・」

これには、月、

「たしかに、木松悪斗理事が出した意見書や(統合反対、中止撤回を表明した)保護者たちの名簿って、全部パソコンでまとめて、プリンターで印刷した文書ですよね。でも、こちらは生徒全員分の直筆の署名入りですよ。印刷した文書と直筆署名入りの文書、どっちが強いですかね・・・」

と、木松悪斗を含めた理事全員に尋ねる。そう、パソコンで集計したりまとめたりして、それをパソコンで印刷したものだと、組織の誰かが勝手に数字を操作し、票の水増しをすることができるかもしれない。もしかすると、その意見書、名簿がまったくデタラメと判断される、そんなことがあるかもしれない。一方、月たち生徒会が集めた「浦の星との統合を実現してほしい」という嘆願書であるが、生徒直筆の署名を何百人、何千人という単位で誤魔化すというのは、短期間であれば難しいものである。さらに、そんな誤魔化しがないように、月たち生徒会は全員で嘆願書1枚1枚本物の署名なのか確認していたのだ。そのため、この臨時理事会が行われる直前までその嘆願書の本を作成するのに時間がかかったのだ。

とはいえ、木松悪斗たちが作った、複製、偽物も簡単に作れるコピーしたものと、月たち生徒会が作成した生徒全員の直筆署名入りでコピー、複製が難しいもの、どっちが信頼できるのか、それは一目瞭然だった。というわけで、月の質問に、木松悪斗を除いた理事全員・・・、

「それは渡辺月生徒会長が出した嘆願書です!!」

と、一同に答えた。これを聞いた月、

「そうですよね~。で、僕たちの集めた嘆願書ですが、静真全体の95%もの生徒たちから託されたものです。これで一目瞭然ですよね~。僕たち生徒会は浦の星との統合に賛成です。そして、生徒全体の95%が僕たちの考え、統合賛成に賛同しています。木松旺夏、部活動連合会会長の言っていること、「静真の生徒全員、浦の星との統合の即時中止、白紙撤回を要求している」は、まったくのうそ!!本当の生徒たちの総意は、「浦の星との統合賛成、統合を実現してほしい」なのです!!」

と、はっきりと高々に宣言した。これを聞いた旺夏、すぐに、

「いや、私の言っていることこそ・・・」

と、月の言っていることを否定するも、ある理事から、

「旺夏くんよ、あなたが主張していることを証明してくれる者はいないよ。対して、月くんが主張していることにははっきりとした証拠がある。これを見てどっちを信じるかね?それはもちろん、月くんが主張していることだよね」

と、指摘されると、旺夏はおもわず、

「・・・」

と、ただただ黙るしかなかった。

 とはいえ、理事たちも困っていた。木松悪斗が言っているように保護者側は統合反対、月が言っているように生徒側は統合賛成、意見は真っ二つに分かれたのだ。どっちについくか悩む理事たち。そんなときだった。突然、会議室のドアが、

バタンッ

と開くと、

「遅れて申し訳ない!!仕事が長引いてしまった」

と、身長が2メートルを超える大男が突然あらわれた。それを見た校長、

「お、お疲れ様です、沼田PTA会長!!」

と、その大男、沼田PTA会長に挨拶する。これには、さすがの木松悪斗も、

「沼田殿、お久しぶりです!!」

と、まるでおどおどしながら沼田に挨拶する。その沼田も木松悪斗に対し、

「木松悪斗理事、お久しぶりですな~」

と、大声をあげて木松悪斗に言うと、木松悪斗、体を縮ませながら、

「ほ、本当ですね~」

と、おどおどした声を出して答えていた。あの、誰に対しても「自分が正しい」と言い切るほど、静真において絶対的権力?を振るっていた木松悪斗が、まるでなにかにおびえる子犬みたいな状態にさせた男、沼田、いったいなにものなのだろうか。それは、この静真に通う生徒の保護者全員が加入する、静真高校のPTAの会長、であると同時に、この静真を作った創業者の末裔だった。静真は明治時代、旧沼津藩の上級武士だった沼田の先祖がこれからの日本を背負って立つ女性を育てていこうと想い創立した学校だった。一方、浦の星は創立した明治時代当時は徒歩でしか沼津の中心地に行けず、行けたとしても半日かかっていた、そんななかで、内浦に住んでいたキリスト教の神父さんが市の中心地より遠方にあるため、そして、女性軽視の時代がゆえに十分な教育を受けられない内浦の少女たちのために創立した学校だった(その後、太平洋戦争などにより、浦の星でのキリスト色は時代がたつごとに薄くなってしまい、今現在の浦の星はそのキリスト色はあまり感じられなくなっている。が、その名残は残っており、寺の子である花丸が所属している聖歌隊もその1つである)。で、話を静真に戻すが、静真の創立者の末裔である沼田であるが、実はあの小原家とも親交があるくらい、沼津にとってとても有名な実業家だったりする。とはいえ、いろんな会社を経営しているため、静真に係わる時間がそんなに取れないのであるが、それでもときどき、静真にとってとても重要なことがあると、それにちゃんと係わる、そんな偉い人だった。そして、静真が廃校になりそうになったときに木松悪斗に援助を依頼したのも、さらに、小原家からの申し出で浦の星との統合を認めたのも、この沼田が考えたもしくは決めたことだった。と、いっても、月たち生徒たちから見れば、とても優しいおじいちゃんなのだが・・・。

 そんな沼田、ちょっと時間が空いた、と、いうこと、そして、今後の静真を決める重要な理事会だったので、遅れて臨時理事会にはせ参じたのだが、それがちょうど、木松悪斗によって浦の星との統合の採決を強行していたときだったので、臨時理事会のこれまでの経緯について知らない沼田、すぐに理事長からその経緯を簡単に聞く。すると、沼田は大きな声で言った。

「なるほどな。よし、ここはこの俺がその判断(浦の星との統合の可否)を下そう。理事のみなさん、それでいいかな?」

これには、木松悪斗を含めた理事全員、

「どうぞどうぞ」

と、沼田の意見に同意する。あのこれまで理事たちに「浦の星の統合を白紙撤回しろ」と迫っていた木松悪斗も沼田がその可否を判断することに同意している。なぜあの絶対的権力?のある木松悪斗すら同意しているのか?それは、静真において、沼田は木松悪斗以上の権力を有しているから。沼田という男だが、静真を創立したのが沼田の先祖、というわけで、その静真を創立した沼田一族は代々静真に多大なる影響力を有していた。それが、時代が経った今でもその影響力はまだ強かったりする。その権力の差であるが、木松悪斗が王様なら、沼田は神である。そんな神の存在というべき沼田が裁決を下す、それ自体、(静真においては)それだけで強制力を有するものだった。

「それでは、静真と浦の星との統合について、最終的な裁決を下す!!」

この沼田の言葉、これを聞いた木松悪斗たち、理事たち、校長、教頭、そして、月とナギ、ツバを飲み込む。緊張の瞬間、それを確認した沼田は大声で宣言した。

「静真と浦の星との統合、それについてはそのまま続行する!!静真と浦の星は今年の4月、新年度に統合する!!これは最終決定だ!!どんなことがあっても覆ることはない!!」

 これを聞いた月とナギ、

「「や、やった~!!」」

と、大いに喜んだ。

 が、この採決結果に納得がいかない人が1人・・・。

「なんで、なんでですか?保護者たちの声としては浦の星との統合反対が多いのに、なぜ?」

そう、木松悪斗だった。木松悪斗としては納得がいかないのか、沼田に食い下がる。が、そんな沼田、木松悪斗に対し大声で言った。

「理由はいくつかある。たしかに、保護者側としては、浦の星との統合に反対、白紙撤回を求める声が多いのも事実。それは認める。しかし、1番大切なことを忘れているぞ、木松悪斗理事!!それはな、この静真にとって主役ともいえる存在だ!!」

これを聞いた木松悪斗、おもわず、

「主役ですか。そうですねぇ、その主役、ともいえる大事な存在、それは、保護者じゃないですかねぇ」

と、言うと、沼田、すぐに、

「たわけ、木松悪斗理事!!」

と、木松悪斗に一喝する。これには、木松悪斗、

「ご、ごめんなさい・・・」

と、シュンとなってしまう。沼田、その答えを言う。

「静真、いや、学校にとって本当の主役、それは、保護者でも先生でもない。この学校に学びに来ている生徒たち、子どもたちである!!「学校」、と、いう文字の意味、それは、「校(まなびや)で学ぶ」じゃ!!そのまなびやで学んでいる人たちこそ、子どもたち、生徒たち、なのじゃ!!だからこそ、静真にとって生徒たちこそ、本当の主役、なのじゃ!!その生徒たちを代表しているのが生徒会である!!それを忘れるな!!」

だが、これには木松悪斗の娘で部活に参加している生徒たちを束ねる部活動連合会会長の旺夏が反論する。

「沼田PTA会長、それは違います!!本当の生徒の代表は私、部活動連合会会長のこの私、木松旺夏です!!」

だが、これにも沼田はすぐに一喝。

「たわけ、旺夏という小童!!」

これには、旺夏、おもわず、

「は、はい!!」

と、一瞬でしゅんとなる。そして、旺夏の意見に沼田は反論する。

「いいか、旺夏という小童が言った部活動連合会は部活動に参加している生徒たちの集まりでしかない!!それに比べて、生徒会というのは、静真に通う生徒たち全員から選ばれた人たちで構成されている組織、つまり、静真に通う生徒たち全員を代表する組織である!!連合会と生徒会、雲泥の差があるのじゃ!!旺夏という小童、それをよく心にちゃんと刻み込んでおれ!!」

 さらに、沼田はなぜ静真と浦の星の統合賛成なのか、その理由を大きな声で言った。

「そして、俺は生徒会の請願書を見て浦の星との統合に賛成した。それはなぜか。それは生徒会がいっていること、それを生徒たちからの(統合に関しての)声として受け取ったからだ!!なぜなら、この請願書一つ一つに生徒たち自ら直筆で署名している。それも、静真の生徒全体の95%もの生徒たちが署名しているのだ!!これを集めることは1日2日と簡単に終わるものじゃない。少なくとも3~4日はかかるだろう。それを生徒会が一丸となって集めた!!さらに、間違いがないか、偽物がないか、一枚一枚チェックしている。だからこそ、この請願書こそ、生徒会が、生徒たちが、浦の星との統合に賛成である、その生徒たちの声が本物である証拠になるんじゃ!!ただたんに、旺夏という小童が、ある生徒の集まりの長たるものが、たった1人で、「これが生徒たちの主張(声)である!!」と、言ったところで、この請願書の前ではただの犬の遠吠えにすぎないのじゃ!!旺夏という小童、それを忘れるな!!」

これを聞いた旺夏、

「は、はい・・・」

と、またまた縮こまってしまう・・・。

 そして、沼田は大きな声でその理由の続きを言った。

「そして、木松悪斗理事が出した保護者たちの声、生徒会が出した生徒たちの声を比較したとき、これも請願書のお陰だろう、ただのパソコンで打った文書である保護者たちの声と、足を使って必死で集め、すべて直筆の署名がある請願書といった生徒たちの声、どっちを選ぶ、か。それは簡単じゃ。足を使ってこつこつと集めた方、全部直筆の署名入りの方である生徒たちの声が圧倒的に優位!!それに、静真の主役は生徒たちなのだから、生徒たちの声を大事にする、そのことも考慮した上で、俺は浦の星との統合に賛成の立場を示したのじゃ」

だれが納得がいく理由、それを示した沼田だが、ちょっと茶目っ気をだそうとしているのか、

「あと、ほかにも理由があって、もうすでに国や県、市などの行政には浦の星との統合に関する書類を提出していてな、すでに行政の承諾済みじゃ。もし、それを撤回するのであれば、申請時より労力を要してしまう。それにな、もし、浦の星との統合を中止、白紙撤回してしまうと、(木松悪斗に反論した理事の言うとおり)浦の星の生徒たちの処遇がちゅうぶらりんの状態になってしまう。これだと、統合を一方的に破棄した静真に対し、「教育を受ける権利、機会をなくすつもりか!!」という非難が集中しまい、結果的に静真自体に深い傷跡を残してしまう、いや、静真そのものがなくなるかもしれない、それを俺は恐れ入るのだがな・・・」

この沼田の答えを聞いた月、

(沼田のおじさまも、結構苦労しているんだね・・・)

と、なぜか沼田に同情してしまう。

とはいえ、沼田の意見を聞いた理事たち、この沼田の助言?を聞いた上で、すぐに浦の星との統合について裁決をとる。

「それでは、沼田殿の意見を参考に、浦の星との統合について、裁決をとります。中止にすべきという方は?」

と、理事長が言うと、手をあげた理事、それは木松悪斗、ただ1人。

「では、統合を認める方は?」

こちらは木松悪斗以外の全員である9人が手をあげる。これを見た理事長、

「それでは、浦の星との統合を続けることを認めます!!」

と、浦の星との統合をそのまま続けることを認めた。これを見た月とナギ、

「「やったよ、やった!!」」

と、大きく喜んでいた。

 が、そんなとき、沼田はあることを言う。

「でも、たしかに木松悪斗理事の言うとおり、保護者たちのあいだにも、今回の統合で、静真の特色である部活動において、士気の低下、部活内での対立によって悪影響がでてしまう、と、いう危惧を懸念する声が多いのも事実・・・」

そう、沼田は静真に通う生徒の保護者全員が加入しているPTAの会長でもある。そのため、(木松悪斗によって作られたかもしれない)浦の星との統合によって静真の特色である部活動に悪影響がでることを危惧している、そんな保護者たちの声、意見が沼田のところにも多く寄せられていた。その意見が多いこと、それを鑑みてか、沼田はある決断を下す。

「その保護者の声も大事じゃ。ならば、こうしよう。この沼田、沼津市内、もしくは、その近郊に浦の星の生徒全員が通うことができる建物を探してやろう。そして、統合によって静真の部活動に悪影響がでる、そんな保護者の不安がなくなるまで、分校の形で浦の星の生徒たちを静真に通わせよう。もし、その保護者の不安がなくなれば、そのときは、浦の星の生徒たちははれて本校に通うことができる、そういうことにしよう」

この沼田の決断を聞いた月、おもわず、

「分校!!うそでしょ~!!」

と、愕然となる。浦の星との統合が実現する、という月の願いが叶った、そのために有頂天になっていた月だったが、この沼田の決断は、月にとってまさしく青天の霹靂だった。このとき、月、

(う、うそでしょ・・・。分校じゃ、僕の大親友、曜ちゃんと一緒に学生生活を楽しむ、そんな、僕の夢が崩れてしまうよ・・・。それに、僕も、曜ちゃんも、来年度から3年生だよ。あと1年で本校と分校を統合すること、できるのかな・・・)

と、自分にとって思っていないことが起きたことにがっかりし、そして、本当に1年以内に月が通う静真の本校と曜たち浦の星が通う分校を統合することができるのか心配する。

 そんな月に対し、木松悪斗はちょっと嬉しかった。どんな形にあれ、浦の星の生徒たちを静真の本校に通わせることを阻止した、というより、小原家に一矢報いたことになるだが、気をよくしたのか、つい、

「で、その分校に関することは誰が担当するのですか?分校の費用、それに分校の先生とかは・・・?」

と、口走るが、沼田、すぐに木松悪斗の問いに答える。

「それは、分校を作るという決断をしたこの俺、沼田が担当する。もちろん、俺が全部負担する。とはいえ、小原家にも支援を頼むことにもなりそうだけどな・・・」

これを聞いた木松悪斗、

(やった!!これで小原家にもダメージを与えることができるぞ!!)

と、おもわず、小さなガッツポーズをする。

 というわけで、自分の夢である浦の星の統合は叶ったものの、分校という形をとることで、本当に叶えたい夢だった、曜と一緒の学生生活を暮らす、を叶えることができなかった月、そして、浦の星との統合を阻止できなかったものの、分校の形をとることで、ある程度願いが叶った木松悪斗、この2人の思いが交差するなか、その状況を作った沼田であったが、その2人の思いを感じてか、どうかはわからないが、自分の決断を言ったあとすぐに、

「これで臨時理事会は終了じゃ!!じゃ、みんな、お疲れ様じゃ!!」

と、勝手に臨時理事会を終了させてしまった。

 こうして、どちらかというと、玉虫色、グレーゾーンでの決着により、波乱に満ちた臨時理事会はこうして終わりを迎えた。

 


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