ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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ラブライブ!RSBP 第12話

 そんな危機的状況に陥った木松悪斗とその投資グループであったが、そのトップである木松悪斗はその状況に対し3つの施策を行うことにした。

 まず1つ目に木松悪斗自ら先頭に立って投資グループを引っ張っていく、いや、今以上に投資グループに注力することにしたのである。この2か月間、木松悪斗は静真本校・浦の星分校統合問題において自分を裏切った(と木松悪斗が勝手に思っている)小原家、浦の星に復讐するため、一度決めた統合を白紙に戻そうとするとともに統合実現に向けて動いていた月たち静真高校生徒会、そして、Aqoursと対立していたので、月たちとの抗争にかける時間が多かった。それくらい、木松悪斗はこの2か月ものあいだ、本業である投資の仕事より静真に注力していたのだ。そのため、木松悪斗とその投資グループはさらなる苦境に立たされたのである。さらに、そこにきて月たちとの抗争に負けるとともに、小原家、沼田から罰という名の制裁を食らった。このままだといずれは潰れてしまう、そう思った木松悪斗は自ら先頭に立ってこの投資グループを切り盛りすることでこの危機的状況を打破しようと狙ったのである。

 そして、2つ目は無駄の削減であった。いくら木松悪斗が一生懸命切り盛りしたところで無駄があっては労力の無駄である。なので、木松悪斗は無駄なものを切り捨てることにした。まずは人員の削減。これまではたくさんの案件を処理するために人員を増やしてきた。だが、それが危機的状況を迎えた今、無駄な人員となってしまったのだ。そのため、木松悪斗は聖域なき人員削減を行った。それは猪波が行ってきた(買収した企業の)コストカットみたいなものだった。それもなんの理由をつけす、ただ、木松悪斗の逆鱗に触れた、などといった理不尽な理由での解雇がほとんどだった。むろん、これは労働基準法に違反してしまう。それでも木松悪斗はそんなもの無視してまで自分の投資グループに勤めていた人たちの多くを解雇したのである。ただ、そのなかにはActシステムのシステムエンジニアも入っており、これがのちに大変なことを引き起こすのですがね・・・。

 また、木松悪斗にとって紙くず同然となってしまった静岡にある企業の株を大量に売却した。木松悪斗にとってこの株は持っていても仕方がない、むしろ、それを大量に売却することで当面の資金を確保するとともにその企業の信用をなくすことで間接的に自分たちに制裁をくわえた沼田・小原家の信用をなくそうとした(その企業の信用をなくしたのは木松悪斗たちに制裁をくわえたせいであると暗に示そうとしていた)のである。だが、その木松悪斗の企みは沼田・小原家によって潰された。木松悪斗たちが大量に売却した株のほどんどを沼田・小原家が関連会社を通じて購入したのである、それも木松悪斗が提示した金額よりもちょっと少ない額で。これにより、静岡にある企業は混乱せずに済み、逆にその混乱を防いでくれた沼田・小原家を称賛しただけでなく、静岡における沼田・小原家の影響力が強くなったのである。逆に、木松悪斗は大量の株を売却したことで当面の資金んを確保したものの、思っていたほどの資金が集まらなかったばかりか静岡や沼津に置ける権力そのものを失う結果となってしまった。

 だが、このとき、人員整理、無駄の削減、という名のもと、この危機的状況を作った張本人、裏美を罰してしまう。この危機的状況を作った原因、それは裏美がご主人である木松悪斗に黙って沼田から禁止されていたこと、月たちやAqoursへの妨害を行っていたから、だった。むろん、最後は木松悪斗と

その娘の旺夏もグルになって裏美に加勢したのだが、その自分の行いすら無視し、月たちとの抗争に負けた全責任を裏美に押し付けたのである。これにより木松悪斗の右腕だった裏美は解雇・・・まではいかなくても投資グループにおける全ての職を外されただの一兵卒まで落とされてしまった。

 ただ、これには木松悪斗にとって、ある意味、誤算であった。まず、木松悪斗の重要な情報源の1つであった裏美とその奥さんの人脈を失った、ということである。名家の出である2人がもつ人脈は財政界においてかなり広がっていた。その人脈を使っての誰も知らないような裏情報はときによっては大企業の買収合戦に打ち勝つためのキーにもなっていた。だが、それを失ったことで木松悪斗はその裏情報を手に入れることができなくなり、大型案件の買収合戦に遅れをとるようになっていった。また、裏美はこれまで木松悪斗に忠義を感じていた、いや、木松悪斗を敬っていた。その木松悪斗から屈辱ともいえる仕打ちを受けたことにより、その高い忠誠心は恨みへと変貌した。これにより木松悪斗は取返しのつかないことをするのだが、それについてはまた今度・・・。

 そして、3つ目はもしかしたらの対処だった。それは延長戦が行われたとき、つまり、木松悪斗が沼田・小原家から制裁を受けた日の翌日のことだった。突然、猪波は木松悪斗に呼ばれては木松悪斗から直々にこうお願いされたのである。

「猪波、大変申し訳ないが大至急函館へと飛んでは私が買収したディスカウントショップの会社を経営してくれないか」

この木松悪斗の言葉に、猪波、

「えっ、もしかして、木松悪斗様、私を辞めさせるつもりですか・・・」

と絶望に満ちた表情をしながらそう答えると、木松悪斗、

「いや、裏美みたいに猪波を罰するつもりはない」

と答えると猪波はほっとするとともに木松悪斗に対し、

「では、なんでこの私にその命令をするのですか?」

と、木松悪斗に対しこの命令をした理由を尋ねてみた。すると、木松悪斗、

「猪波、実はな・・・」

とその理由を答えてくれた。木松悪斗曰く、「苦境に立たされている木松悪斗とその投資グループは沼田・小原家の制裁により組織存亡の危機に陥ってしまった。自分尾この危機的状況に対しあらゆる手段を用いてでもこの投資グループを存続させようと思っているが、もしかすると、この投資グループ自体破産、つまり、消滅してしまうかもしれない。でも、木松悪斗自身としてはたとえそうなったとしてもいつかは再起したいと思っている。そのため、自分の投資グループが買収した函館のディスカウントショップの会社を投資グループから切り離して独立させることにした。これにより、たとえ投資グループが潰れてもその会社は存続するのでもしものときが起きればその会社を用いて再起を果たす計画である。とはいえ、そのディスカウントショップの会社が潰れたらもともこうもない。そこで、この投資グループで随一の経営の能力を持つ猪波が社長としてその会社を経営することでもしかのときのために保険として機能し続けてほしい」とのことだった。

 この木松悪斗の言葉に、猪波、

「木松悪斗様、わかりました。この私、猪波、木松悪斗様のためにその会社に出向き、もしものために備えようと思います」

と木松悪斗に忠義を示した。

 だが、このとき、木松悪斗と猪波にはある問題を抱えていた。そう、猪波のおばあさまである。なにか猪波が行動を起こせば必ず猪波のおばあさまがいつも邪魔してくる。これにより、いつも猪波の行動は失敗に終わってしまうのだが、今回も木松悪斗と猪波の行動の邪魔をしてくることが予想された。

 ところが天は木松悪斗と猪波に味方した。木松悪斗が猪波に命令してから数日後、猪波のおばあさまが急死したのだ。その原因はわからなかったものの邪魔である猪波のおばあさまがいなくなったことで猪波は木松悪斗の命令、函館にあるディスカウントショップの会社の社長として経営するため、一家総出で函館へと移り住むことができた。こうして、猪波は木松悪斗のために、新天地函館、で一社長として頑張るのだが、その話についてはまたの機会に話すことにしよう。

 とはいえ、ここでも弊害がのちに起きてしまった。右腕である恨みを失ったことに続いて左腕だった猪波を失ったことで木松悪斗の投資グループの運営に支障をきざすこととなった。なぜなら、猪波ほどの能力のある者が木松悪斗率いる投資グループにはほかにいなかったのである。猪波は、通常、Actシステムが集めた情報を精査しながら正しい情報のみを集め、それを木松悪斗に渡していた。それにより、木松悪斗はより効率的にそれも自分たちにとって優位になるように投資を進めることができた。だが、それをする人を失ったことにより、木松悪斗のもとには真意がわからないような情報も来るようになってしまった。むろん、これではいくら木松悪斗がかなり有能だとしても今までみたいな効率的な投資をすることができないのは誰から見ても明らかであった。また、経営の才がある猪波を失ったことでこれまで買収した企業の経営が成り立たなくてしまったのである。これにより、自分たちの利益を生み出す前にその企業は倒産してしまう、そんなことがたくさん起きてしまった。こうなってしまうといくら木松悪斗がその企業を買収したとしてもすぐに潰れてしまう、その分、投資したお金がパーになってしまう、いや、その分、木松悪斗とその投資グループにとって大きな損失を出してしまったのだ。また、そのことをその企業は危惧してしまい木松悪斗の買収にNoを突きつけるところまで出てきてしまった。

 こうして、木松悪斗の行った立て直しは失敗の方向へと進もうとしていたのだが、その失敗を木松悪斗自身は認めることなく、逆に成功している、と断言してしまった。それにより、木松悪斗とその投資グループは少しずつ転落へと進もうとしていた・・・。

 

 ところで、月との抗争に敗れて以降、静真では、木松悪斗、なんか行動を起こそうしたのか。いや、なにもしなかった、というかできなかったのだ。なぜなら、AqoursとSaint Snowの本気の戦い、ラブライブ!延長戦、その戦いを映した映像は沼田によって「部活動とは楽しむことが大事」という沼田からの手紙とともに静真の全校生徒とその保護者たちに向けて一斉メール発信されたことでこれまでの(木松悪斗によって植え付けられていた)「勝利こそすべて」、ではなく、「部活とは楽しむことがすべて」「みんなと楽しむことが大事」、それこそ部活において大事である、そう静真の生徒とその保護者たちは考えるようになったのである。のと同時に、月と沼田によって木松悪斗が論破された、あの延長戦のステージを賭けた月と木松悪斗の最終決戦のときの映像も一緒にそのメールに添付されていたのだ。その映像に映る木松悪斗の真の姿を静真の生徒の保護者たちは見てしまったため、木松悪斗はその保護者たちの人望すら失ってしまった。そのため、保護者たちから木松悪斗の部活動保護者会会長解任の動議が出される事態にまで発展してしまう。ただ、木松悪斗はその動議に対して自分のが持ちうる権力全てを行使してなんとか阻止したものの、これにより静真における木松悪斗の権力も地に落ちようとしている、そのことを示すものとなってしまった。

 だが、ここにきて、木松悪斗に救世主が現れた。それは木松悪斗が誇る、木松悪斗と同じく静真の部活動において(部活動連合会の会長として)トップに君臨していた旺夏・・・ではなく、いつも失敗作として「役立たず」「ごく潰し」といつも父と姉から貶し続けられていた木松悪斗の次女、桜花であった。それはあのラブライブ!延長戦から数日後、突然、桜花が自分の父である木松悪斗に対してこうお願いしてきたのが始まりだった。

「お父様、私にあのにっくきAqoursを潰す大役を任せてもらえませんか」

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